読了。
コメディから文芸、戦争、時代劇、SFまで監督作品は多岐にわたる。
しかし市川崑監督は
「ジャンルに一貫性がなく、依頼された企画はなんでも受ける」
という監督ではない。と著者は言う。
「彼は来た依頼を受ける一方、その受けた依頼を自分の色に
染めて観客に提示してきた」
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なかでも1976年の「犬神家の一族」は、
市川崑の美学と技術の双方が凝縮された、
集大成的な作品である。その作品で市川崑が何をしてきたのかを
本書は徹底的に検証する。
「犬神家の一族」それに続く「悪魔の手毬歌」がネタバレ後に、
何度見ても面白いのは、作品が犯人探しの面白さだけではなく
魅力的なディテールに満ちているからなのだ・・・
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当然に続編を求められ、2作目の「悪魔の手毬歌」を
完璧な作品にしてしまう。
しかしこの2作で使える手を打ち尽くしてしまった。
ではもはや・・・
決して市川崑賛美のみの内容ではないが、
無性に「犬神家の一族」と「悪魔の手毬歌」が観たくなる。
ちなみに八重洲ブックセンターでのトークショ―は
本書の10倍面白かった。