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2018-12-05 『道徳を基礎づける』

[][][]『道徳を基礎づける――孟子vs. カント、ルソー、ニーチェ』(François Jullien[著] 中島隆博,志野好伸[訳] 講談社学術文庫 2017//2002//1996)

原題:Fonder la morale(1996)
著者:François Jullien (1951-)
訳者:中島 隆博(1964-) 〔なかじま・たかひろ〕
訳者:志野 好伸(1970-) 〔しの・よしのぶ〕

【目次】
日本の読者へ(二〇〇一年六月十五日 パリにて フランソワ・ジュリアン) [003-009]
訳者による序中島隆博) [010-013]
目次 [015-020]
緒言 [023-025]

I 憐れみをめぐる問題 027
第1章 忍びざるものを前にして 028
1 ある王の逸話 028
  なぜ羊ならよいのか
2 無関心であること 030
  井戸に落ちそうになっている子供
  ‎親を埋葬する理由
3 仁と義の定義 034
  道徳性の拡充

第2章 基礎づけか比較か――あるいは基礎づけのための比較 036
1 西洋における道徳の基礎への問い 036
  神に権威づけられた道徳
  ‎懐疑論の展開
2 カントとニーチェ 041
  ニーチェによる懐疑
3 マルクスとフロイト 046
4 中国との比較 048
  なぜ中国か
  ‎比較から対話へ

第3章 憐れみの「神秘」 053
1 根源的憐れみの感情 053
  憐れみの根源性
  ‎憐れみが広がる
2 ルソーの限界 057
  憐れみに必要な想像力
  ‎憐れみは利己主義である
  ‎個人主義に囚われたルソー
3 ショーペンハウアーによる神秘化 063
  神秘としての憐れみ
  ‎形而上学的な解決策
4 中国の道具立て 066
  孟子の忍びざる反応個人横断的な存在
  ‎それは弱さではない

第4章 道徳心の徴候 073
1 カントによる道徳の基礎づけ 073
  カントによる憐れみの放棄
  ‎なぜ道徳律を求めるのか
2 孟子の四端 080
  四端
3 端緒から遡る 083
  憐れみは範例か
  ‎孟子に内なる声はない

II 性と生について 091
第5章 人性論 092
1 孟子以前の性説 093
  性=生
  ‎はじめての哲学論争
2 孟子の反駁 097
  水の比喩
  ‎「内」の意味
3 天と性 102
  孔子ソクラテス
  ‎天に根ざした本性

第6章 善か悪か 109
1 二者択一の論争 109
  人間は悪か
2 荀子性悪説 111
  道具としての道徳
3 荀子孟子回帰 115
  道徳の社会的次元
  ‎荀子孟子回帰
4 荀子ホッブス 120
  欲望から定義する荀子ホッブス
  ‎契約の欠落

第7章 失われた性を求めて 127
1 失われた本性 127
  カントとルソーの解決策
  ‎心で実感すること
2 今、塞がれている本性 131
  失われた森の話
3 自明なる道徳性 135
  本性を思え
  ‎道徳は当為ではない
  ‎おのずと得られる道徳性
4 理想的な便宜主義 141
  便宜主義の肯定
  ‎「権」の重視

III 他者への責任 147
第8章 人間性、連帯 148
1 人間的(仁)であること 148
  「人間」という不当な前提
  ‎仁と人間的であること
2 万物はわたしの中に備わっている 153
  万物との関わり
  ‎痺れの比喩
3 道徳と政治 159
  利と仁
  ‎政治的な道具の不在

第9章 天下を憂う 164
1 聖人の憂い 164
  舜の憂い
2 この世を肯定する憂い 168
  憂うる心の展開
3 この世に対する責任と神に対する責任 171
  カント的な責任主体性と良心の呵責

IV 意志と自由 177
第10章 妄想的な意志? 178
1 意志は自明のものか? 178
  中国における意志の欠如
  ‎意志は自明なものか
2 意志することと為すこと 183
  選好も熟慮もない「志」
  ‎「できる」と「為す」
3 善をもたらす条件 189
  選択肢の不成立
  ‎欲望を減らせ
4 悪は克服できるのか? 194
  植物の発育というモデル
  ‎舜を殺そうとする弟

第11章 自由の観念無しに 200
1 自由に基礎づけられた道徳 200
  中国における自由の欠如
  ‎自由な行為という先入見
2 道徳的価値観の超越性と「ほとんどない」違い 207
  尊厳と平等
  ‎人間と動物の違い
3 二元論を越えて 212
  カントの二元論のゆくえ
  ‎二元論を知らない孟子
  ‎心も一つの器官である

V 幸福と道徳の関係 223
第12章 正義は地上に存す 224
1 地上の報い 224
  徳は幸福にならないという二律背反
  ‎神なき地上に正義は存す
2 仁は利に優る 230
  徳があれば得るものがある
  ‎利を語れば国は滅びる
3 徳の効力 235
  君子の徳は風のように伝わる
  ‎王の誘引する力
4 不可避的な成功 240
  熟した果実

第13章 地は天に肩を並べる 244
1 仁徳による勝利 244
  カントとマキャベリの両立
  ‎容易な勝利
2 王朝の創設 250
  始まりの徳
3 地上の天 254
  天吏としての王
  ‎乱も天の中
4 民は天を代弁する 260
  民に尋ねよ

第14章 これは中国的教理〔カテキスム〕ではない 265
1 孟子の後退 265
  悪を患わない
  ‎孟子のストア的後退
2 ストイシズムの幸福 273
  内面的な平静
3 憂患に生き、安楽に死す 278
  天への懐疑
  ‎天が与える試練

第15章 道徳心は無制約者(天)に通じる 286
1 心を尽くして天に事える 286
  自由と形而上学
  ‎本性から天へ
2 個別性を越えて広がる 294
  気を広げる
3 内在の果ての超越 298
  自然な超越

注 [304-308]
訳者解題――存在と道徳への問い直し(二〇〇二年三月二十四日 東京 訳者を代表して 中島隆博) [309-334]
(二〇一七年七月 金沢にて 中島隆博) [335-357]
  一 ポスト世俗化の時代に 
  二 弱い規範 
  三 普遍化すること 
  四 孟子ルネサンス 
  五 二〇〇〇年以降のジュリアンの著作 

訳者解説コラム1 経験と理性 044
訳者解説コラム2 内在と超越 108
訳者解説コラム3 実定性と天与のもの 121
訳者解説コラム4 自由と決定論(可知的と可感的) 216
訳者解説コラム5 無制約者と天 291

2018-12-01 『アメリカ自由主義の伝統』

[][][]『アメリカ自由主義の伝統』(Louis Hartz[著] 有賀貞[訳] 講談社学術文庫 1994//1991)

原題:The Liberal Tradition in America: An Interpretation of American Political Thought since the Revolution (1955 → 2nd ed., 1991)
著者:Louis Hartz(1919-1986)
訳者:有賀 貞〔アルガ タダシ〕(1931-)

【目次】
著者まえがき [003-004]
目次 [005-011]
基本語彙の訳について [012-013]
タイトル [015]
題辞 [016]

第一部 封建制度とアメリカの体験 
第一章 自由主義社会の概念 018
1 アメリカとヨーロッパ 018
2 「自然的自由主義」――アメリカ精神の性格 021
3 自由主義社会の力学 033
4 単一要因による分析の問題 040
5 ヨーロッパに対して持つ意味 044
6 革新主義学派な学問 050
補説 056

第二部 新世界での革命 
第二章 一七七六年の諸観点 060
1 ヘブライズム――選ばれた民 060
2 ユートピア、権力、時代感覚 065
3 勝ち誇る中産階級の精神的特質[メンタリティ] 079
4 ヨーロッパ的闘争からの脱出 097
補説 100

第三章 アメリカの「社会革命」 103
1 国内抗争の類型 
2 封建的遺制、民主自由主義、ダニエル・シェイズの問題 
3 フェデラリストの幻想の世界 

第三部 デモクラシーの登場
第四章 ホイッグのディレンマ 132
1 ジャクソニアン・デモクラシー、七月革命、第一次英国選挙法改正 
2 ホイッグ進歩主義の萎縮 
3 貴族主義の錨を求めて 
4 民衆政治[ポピュラー・ガヴァメント]に対する反対 
5 民主的資本主義[デモクラティック・キャピタリズム]の理念 
補説 164

第五章 アメリカのデモクラット――ヘラクレスとハムレット 165
1 社会的異種交配作用と民主主義的精神 165
2 「貴族」、農民、「労働者」 171
3 個人主義者の恐れ――多数者[マジョリテイ]の問題 184
4 資本家的欲望――良心と欲望 191
5 国民的な一致の問題 197

第四部 南部の封建的夢想 
第六章 反動的啓蒙 204
1 自由主義的社会での保守主義 
2 憲法――カルフーンとフィッツヒュー 
3 人類、宗教及びギリシャ的理想 
4 忘却と敗北  
補説 244

第七章 「自由な社会」に反対する思想運動 246
1 封建的温情主義と社会科学 
2 アメリカでのコント――実証的形而上学 
3 トーリー社会主義と資本主義振興政策 
4 反動的啓蒙、ホイッグ主義者、民主的資本主義の理論 
補説 272

第五部 ホレイショ・アルジャーのアメリカ世界 
第八章 新しいホイッグ主義――民主的資本主義 276
1 「アメリカの発見」――魅力と恐怖 
2 強靭な個人主義と国家権力 
3 成功と失敗の理論 
4 大勢追従の問題 
補説 308

第九章 革新主義と社会主義 310
1 アメリカにおける自由主義的改革 
2 革新主義における思想的緊張 
3 荒野に孤立する社会主義 
4 歴史的分析の問題 
補説 342

第六部 経済不況および世界政治への介入
第十章 ニューディール 346
1 自由主義的改革の勝利と変容 
2 ヨーロッパにおけるローズウェルト 
3 意気上らぬホイッグたちの戦略  
4 マルクス主義の失敗 
補説 375

第十一章 アメリカと世界 377
1 体外政策と国内の自由 377
2 帝国主義――ブライアンと膨張主義者 382
3 第一次世界大戦と第一次赤狩り騒ぎ 388
4 アメリカとロシア 400

訳者注記 [408-409]
解説(有賀 貞) [410-422]
訳者あとがき(訳者) [423-424]
出典注 [425-435]
事項索引 [436-441]
人名索引 [442-465]

2018-11-29 『リバタリアンはこう考える』

[][][]『リバタリアンはこう考える――法哲学論集』(森村進 信山社 2013)

リバタリアンはこう考える: 法哲学論集 (学術選書)

リバタリアンはこう考える: 法哲学論集 (学術選書)

【目次】
序文(二〇一二年師走 森村進) [i-v]
目次 [vi-xvii]
初出一覧 [xviii-xix]

◇第1部 リバタリアニズムの理論的基礎◇
1 リバタリアニズムの人間像 003
一 現実の人間像と理想的人間像との区別 003
二 現実の人間像 005
三 理想的人間像について 009

2 コミュニタリアニズムの批判的検討 018
一 序 018
二 『美徳なき時代』の主張 020
三 コミュニタリアニズム道徳理論の意義と欠陥 025

3 リバタリアンな正義の中立性 039
一 善についてのとらえ方に対する中立性と自由主義 039
二 リバタリアンな正義への批判 044
  1 結果の平等 045
  2 共同体としての国家 048
三 結語――自由主義的帝国の擁護 055

4 リバタリアンが福祉国家を批判する理由 058
一 序 058
二 福祉国家批判の論拠 060
  1 「福祉への権利」否定論 060
  2 福祉国家は一層多くの貧困を作り出すという議論 062
  3 福祉国家は自発的な相互扶助や援助を妨げるという議論 063
  4 自発的な援助の可能性に関する問題 065
  5 福祉国家は人々の自助努力を妨げるという議論 066
  6 福祉国家はインセンティヴや知識の問題のため(自助努力や相互扶助よりや市場よりも)非効率的であるという議論 067
  7 福祉国家は政府の権力を強化してしまうという議論 071
  8 福祉国家は移民の自由(外国人が入国する自由)と両立しないという議論 072
三 リバタリアンがある程度の社会保障を認める論拠 073

5 「みんなのもの」は誰のもの? 078
一 公共財とは何か 078
二 市場の失敗 082
三 政治による再配分と市場における交換 084
四 公共財の供給は過小にならざるをえないか? 085
五 市場と政府と公共性 087
六 市場経済的公共性観への批判 088
補論 政府の擬似公共性と市場の公共性 091

6 自己所有権論を批判者に答えて擁護する 096
一 序 096
二 高橋の身体所有論批判 101
  1 身体所有権の自明性 102
  2 自己支配が先か、介入排除が先か? 104
  3 規範道徳的議論における直観の位置 106
  4 身体の所有権か、用益権か? 110
  5 「自己」とは何か? 113
三 立岩の労働所有論批判 117
  1 立岩の「自由」はリバタリアンの言う「自由」ではない 117
  2 正当化されていない平等主義 123
  3 身体への権利と労働の産物への権利 127
  4 帰結主義的議論 140
四 橋本の「成長論的自由主義」からの批判 143
  1 自己所有権型リバタリアニズム対成長論的自由主義 144
  2 臓器と四肢と労働 146
  3 自己奴隷化契約は難問 148
五 結語 149

7 分配的平等主義を批判する 153
一 序 153
二 「平等」の中心性先取りの誤謬 155
  1 「何の平等か?」が根本問題か? 155
  2 平等に重きを置かないさまざまの正義論 156
三 相対的な平等と絶対的な生活水準 160
  1 等しからざるを憂えずして、貧しきを憂う 160
  2 優先性説 161
  3 十分性説 164
  4 分配政策の実際の受益者は誰か? 169
四 規範的デフォルト状態としての平等? 170
  1 運の平等主義と無羨望 170
  2 ロールズの「補償原理」 171
  3 代替的出発点 174
五 分配されるものの量は一定だという前提 175
  1 序 175
  2 直接的費用 176
  3 間接的費用 177
  4 強制的分配の反生産性 179
六 結語 180

8 ナーヴソンの契約論的リバタリアニズム 185
一 ナーヴソンとは誰か 185
二 ナーヴソン理論の位置づけ 190
  1 契約論 190
  2 リバタリアニズム 197
三 ナーヴソン理論へのさまざまな批判と疑問 200
  1 契約論自体に関するもの 200
  2 契約論からリバタリアニズムを導出する議論に関するもの 209
  3 労働所有論の正当化に関するもの 217
四 結語 223
補論 ナーヴソンの近著二冊 226
  1 両書の概要 227
  2 「社会契約」 230
  3 契約論道徳からのリバタリアニズムの導出 231
  4 私有財産 234

9 自由市場グローバリゼーションと文化的繁栄 236
一 序 236
二 グローバリゼーションはなぜ文化の発展を助けるのか 241
  1 金銭的報酬と名声への欲求 241
  2 生活の保障 243
  3 技術的進歩 244
  4 他の社会との接触による文化の変容 246
  5 消費者の豊かさ 248
  6 ロングテール化とニッチの存在 250
三 文化的ペシミズムの原因 251
  1 画一性か多様性か? 252
  2 趣味の低下・通俗化 256
  3 悲観主義者がなぜこんなに多いのか? 258
四 楽観論の部分的留保 260
  1 同時代性の崇拝 260
  2 個性の崇拝 262
五 結語 264

◇第2部 自由の法理◇
10 アナルコ・キャピタリズムの挑戦 275
  ・警備保障会社 276
  ・公共財 278
  ・無政府社会における法 280
  ・無政府市場社会における刑罰制度 283
  ・公的福祉について 292
  ・結論なき終末 293

11 国家と宗教の分離 299
序 299
一 信教の自由 300
二 政教分離 306
  1 判例理論 306
  2 政教分離の意味 313
  3 政教分離の根拠 317
三 中立性の限界 320

12 政府の活動はどこまで民間に委ねられるべきか 327
序 327
一 政府の果たすべき役割 328
二 政府活動の「公共性」の意味 337
三 政府活動の必要性と無用性 341
四 教育の公共性と私事性 348
  1 教育はいかなる意味で公的なのか 348
  2 教育権者と教育の目的 352

13 サンスティーンとセイラーのリバタリアン・パターナリズム 358
序 358
「リバタリアン・パターナリズム」へのコメント 360
  1 STの「リバタリアン・パターナリズム」は本当はパターナリズムでない 360
  2 STの提案のリバタリアンな要素 361
  3 柔らかいパターナリズムも許されてはならないとき 363
  4 不合理だとされる行動が合理的でありうるとき 365
  5 結語 368
補論 サンスティーンの回答など 368

14 「大地の用益権は生きている人々に属する」 ――財産権と世代間正義についてのジェファーソンの見解 375
一 序 375
二 ジェファーソンの四通の手紙とマディソンの一通の手紙の翻訳 376
  1 フォンテヌブロー、一七八五年一〇月二八日 ジェイムズ・マディソンあて書簡(書簡1) 377
  2 パリ、一七八九年九月六日 ジェイムズ・マディソンあて書簡(書簡2) 379
  3 ニューヨーク、一七九〇年二月四日 ジェイムズ・マディソンからジェファーソンあて書簡(書簡3) 386
  4 モンティセロ、一八一三年八月一三日 アイザック・マクファーソンあて書簡(書簡4) 390
  5 モンティセロ、一八二四年六月五日 ジョン・カートライト少佐あて書簡(書簡5) 394
三 ジェファーソンの財産権観、特に労働所有論 395
  1 自然権としての労働所有権 395
  2 相続と無体財産権は自然権でない 398
  3 左翼リバタリアン的要素 400
  4 農本主義的要素 402
四 ジェファーソンの世代間正義論、特に定期的憲法制定論 404
  1 原理とその諸帰結 404
  2 マディソンの批判 406
  3 ジェファーソンの憲法観 408
  4 硬性憲法の存在理由 413
  5 国家の時間を超えた同一性 415
  6 プリコミットメントとしての硬性憲法 418

15 権利主体としての子供 427
一 序 427
二 ロックの見解の概観 429
三 ロック的子供の権利論の検討 432
  1 子供はいかにして権利主体でありうるのか? 432
  2 なぜ親が養育の義務と権利を持つのか? 438
  3 子供はいつ十分な権利を持つのか? 440
  4 子供は不完全な人間でしかないのか? 443
  5 「狂人や白痴」には権利がないのか? 444
四 結語 446

16 リバタリアニズムから見た犯罪への責任 448
一 序 448
二 刑罰制度なしの純粋損害賠償 449
三 リバタリアニズムと修復的司法の比較 453
四 不法行為法における「共同体的正義」・「個人的正義」・「全体的正義」と刑事責任 457

17 リバタリアニズムと刑罰論 462
一 序 462
二 刑罰の目的 463
  1 犯罪の抑止 464
  2 教育刑 466
  3 処罰感情の満足 467
  4 表明的効果 471
  5 応報的正義 473
  6 刑罰廃止論 474
三 リバタリアンの刑罰論――特にオーツカの主張をめぐって 475

索引 [i-v]

2018-11-25 『銀の世界史』

[][][]『銀の世界史』(祝田秀全 ちくま新書 2016)

著者:祝田 秀全(イワタ シュウゼン) 予備校講師。

銀の世界史 (ちくま新書)

銀の世界史 (ちくま新書)

【目次】
目次 [003-008]
はじめに [009-013]
年表 [014-015]

第一章 東西ヨーロッパの「棲み分け」 017
一六世紀西ヨーロッパでなにが起こっていたのか/騎士道がリードした大航海時代ヴァスコ・ダ・ガマは商人ではない、騎士である/商業革命が近代世界をつくりだしたのではない/コロンブスの後に「一日一トン」の銀が出た/すべてはセビリャの西インド商館が握っていた/人口増加と銀の大量流入と価格革命/価格革命は近代資本主義のきっかけとなった/なぜネーデルランドがヨーロッパ交易の中心になったのか/西欧の工業化はロンドン‐アントウェルペン枢軸で強まった/イギリスの毛織物はオーストリアやトルコにも届いた/価格革命が西欧と東欧の分業体制を生みだした/銀で潤ったはずのスペイン国庫は火の車

第二章 銀と国際政治が「世界のオランダ」をつくった 045
価格革命がオランダ商業帝国の足腰を鍛えた/オランダは価格革命のタイムラグを読んでいた/銀はスペインから敵国オランダに向かった/「西欧の首都」アントウェルペンの崩壊/銀はロンドン‐アントウェルペン枢軸でうず高くなる/フェリペ二世が欲しがった銀とイギリスとネーデルランド/「海の乞食団」が銀船を襲ってオランダは独立する/ヨーロッパ国際政治はオランダ独立戦争で動く/アムステルダムを中心とするヨーロッパ郷党システム/なぜ「銀の帝国」スペインは頂占から転がり落ちたのか/天井知らずのアシエントスがスペインの首を絞めた/オランダの銀は「戦争」に、思想は「平和」に向かった/「銀の帝国」オランダが完成するとき

第三章 一七世紀のグローバル化と開かれた日本 069
起ち上げられた世界のオランダ東インド会社ポルトガル、フィレンツェ、オランダがインドで踊った/オランダがインドに輸出したのはなんと胡椒だった!/グローバル化は太平洋を渡ってメキシコからもやって来る/島国のニッポン銀もザックザク/エラスムスが徳川家康のもとへやって来た!?/明国に対抗した徳川プロテスタント同盟の結成/幻想に終わったスペイン船の浦賀貿易/徳川家康の自由貿易論とオランダのビジネス魂/日本銀がもたらす一七世紀グローバリゼーション/なぜオランダは東インドでイギリスに抜かれたのか/オランダの衰退はヨーロッパで起こった/ヨーロッパの海運秩序をつくったイギリス航海法/ジャガイモを資本主義発展の源泉にしたドイツ/世界中が踊るジャガイモ・スピリッツ/近代世界を描きだすマグマの噴出――黒人奴隷

第四章 イギリスを頂点に押し上げた大西洋交易圏 101
私をなんとかしたいならコーヒーをくれるだけでいいのよ/大西洋三角貿易は「貿易」ではない/イギリス・オランダ戦争奴隷貿易――王立アフリカ会社の設立/西インドのジャマイカがイギリスを潤した――アシエント貿易/砂糖革命のステージとなった西インド諸島――サトウキビからラム酒まで/奴隷制と農場領主制が資本主義をささえた/なぜ産業革命は毛織物ではなく綿織物から始まったのか/なぜ産業革命はイギリスから始まったのか/イギリスはどのようにしてインドに入り込んだのかイギリス商館がインドで要塞化するとき/イギリスはベンガルに白羽の矢を立てたインドの銀をイギリスはどのようにゲットしたのかインドを襲ったデフレの大不況/歴史を変えたケイとクロンプトンの革命/馬が人を食い殺すとき/馬の節約が運河と鉄道を生んだ/きっかけは炭坑の排水と石炭だった/マルクスも驚いた史上初のワット革命/「世界の工場」を育てた一八世紀の大西洋交易圈/なぜ英仏植民地戦争はイギリスが勝ったのか/イングランド銀行は対フランス戦争の拠りどころ

第五章 大英帝国の平和がアジアにやって来る 149
マンチェスター商業会議所がもの申す/実現しなかった一七世紀の三角貿易計画/なぜイギリス東インド会社は清国に向かったのか/東インド会社を支えたのは私設会社の商人だった/ピットはロンドン国際貿易センターを構想した/なぜアヘン貿易は行なわれたのか/アヘン売込みターゲットは清国でなければならない/清国はアヘン貿易に賛成だった/自由貿易はアヘン貿易から始まった/そのときイギリスは自由貿易主義へ転換した/貿易とは「叩頭の礼」と「憐み」の精神である/自由貿易の戦士ネイピアは清国と戦争した/アへン戦争とはインド市場にカツを入れる戦争である/アヘンと綿製品はイギリス繁栄の車の両輪であった/七つの海がイギリスを世界一にした/日本は上海から「パクス・ブリタニカ」に組み込まれた

第六章 近代日本の銀はどこから来たのか 183
明治国家に銀はたらふくもたらされたのか/徳川使節団が上海で見たものとは/徳川ニッポンに共鳴した李鴻章/国際社会は主権国家うしの対等から成り立っている/文明と野蛮の世界図式のなかで日本はなにを考えたのか/明治国家が清国と対立を深める理由/世界史のなかの江華島事件/ロシアの南進と江華島事件日清戦争はギャラリーが熱い/三国干渉を決めたウィッテ外交/日清戦争の賠償金は銀で支払われなかった/賠償受け取りが描き出した東アジア情勢/列強による清国勢力分割/賠償の受取が金本位制をよび起した/金本位制が殖産興業と金融改革をよび起した/軍事拡張と金本位制と殖産興業は三位一体

第七章 本書のエキス――中心・周辺と世界史のダイナミズム 221
グローバリゼーションがイギリスから始まるとき/資本主義は一国では成立しないのだ/中心と周辺が結ばれて資本主義は動く/奴隷・インド・アヘンをつなぐ帝国ライン/電信線が世界市場をつなげる/世界史のダイナミズムは資本主義の分業システムにある

あとがき コロンブスから近代日本まで貫く「銀」(七・一七星雲を仰ぎ見た五〇年目の夏 祝田 秀全) [239-243]
参考文献 [245-247]

2018-11-21 『イスラム報道[増補版]』

[][][]『イスラム報道[増補版]』(Edward W. Said[著] 浅井信雄,佐藤成文,岡真理[訳] みすず書房 2003//1997)

原題:Covering Islam: How the Media and the Experts Determine How We See the Rest of the World (1981 → 1997).
著者 Edward W. Said (1935-2003)
訳者 浅井信雄
訳者 佐藤成文
訳者 岡 真理

イスラム報道

イスラム報道



※品切だったこの増補版も、来月に再刊される。サブタイまでついている。



【目次】
献辞 [i]
目次 [iii-iv]
ヴィンティッジ版への序文(E・W・サイード 一九九六年十月三十一日 ニューヨークにて) [v-lvi]
序文(一九八一年二月九日 ニューヨークにて E・W・S) [001-026]

第一章 ニュースとしてのイスラム 027
1 イスラムと西洋世界
2 解釈の社会集団
3 「王女」エピソードの背景

第二章 イラン報道 103
1 聖なる戦い
2 イラン喪失
3 未検証の隠された仮説
4 もうひとつの別の国

第三章 知識と権力 159
1 イスラム解釈の政治学:正統的知識とアンチテーゼ的知識
2 知識と解釈

注 [203-213]
イラン略年表 [214]
訳者あとがき(一九八六年十月 浅井信雄) [215-220]
増補版への付記(二〇〇三年二月 浅井信雄) [221-222]
索引 [i-xii]