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『社会学〈New Liberal Arts Selection〉』(長谷川公一ほか 有斐閣 2007)

著者:長谷川 公一[はせがわ・こういち] (1954-) 環境社会学、社会運動論、市民社会論。
著者:浜 日出夫[はま・ひでお] (1954-) 社会学
著者:藤村 正之[ふじむら・まさゆき] (1957-) 福祉社会学、文化社会学、生活の社会学。 
著者:町村 敬志[まちむら・たかし] (1956-) 都市社会学


社会学 | 有斐閣


・2019年12月に新版が刊行された。
社会学新版 | 有斐閣


【目次】
はしがき(2007年9月 著者一同) [i-iii]
著者紹介 [iv]
目次 [v-xvi]
本書について [xvii]


序章 新しい社会学のために 001
1 知の翼としての社会学 002
  違いからの出発
  「私」から始まる社会の形
2 社会学の世界への誘い――本書の構成 004
  行為と共同性――「つながり」の仕掛けを知る
  時間・空間・近代――再帰的営みの軌跡をたどる
  差異と構造化――困難と創発の最前線
3 テキストの冒険――その先への進み方 010
  基本に帰る
  領域を超えて
  社会学の翼に託して


  第1部 行為と共同性

第1章 親密性と公共性 017
1 社会を発見するためのレッスン 018
  見えない社会を見る
  ジンメルの教え
  デュルケムの教え
  ウェーバーの教え
2 電車のなかで社会学 022
  公共空間としての雨車
  電車のなかの「迷惑行為」
  フロクセミクス
  儀礼的無関心
  化粧
  集団的離脱
  親密空間
  下宿人実験
3 ゲマインシャフトゲゼルシャフト 033
  「魂のお団子」
  通勤の誕生
  ゲマインシャフトゲゼルシャフト
  大都市と精神生活
4 公共空間の変容 039
  携帯電話
  公共空間の変容


第2章 相互行為と自己 047
1 自己・相互行為・社会――ジンメル 048
  糸・織物・結び目
  社会化(社会形成)と個人化(個人形成)
  秘密と信頼
2 アイとミー ――ミード 054
  渦としての自己
  アイとミー
  自己・役割・制度
3 行為と表現のジレンマ――相互行為の二面性 059
  パーソンズ――役割期待の相補性
  ゴフマン――ドラマトゥルギー
役割距離
4 自己の現在 069
  物語としての自己
  自己の再帰的プロジェクト


第3章 社会秩序と権力 075
1 秩序問題と社会理論 076
1.1 秩序問題とは何か 076
  「ふつう」と「新鮮」との間
  秩序問題とは何か
1.2 秩序維持の社会的メカニズム 079
  権力による秩序
  利害の一致による秩序
  共有価値による秩序
  コミュニケーション行為による秩序
2 功利主義とその克服 084
2.1 ホッブズ的秩序問題 084
  自然状態から社会契約へ
  パーソンズによる批判
  「功利主義」の克服
2.2 フリーライダー問題と自己決定 088
  オルソンの問題提起
  自己決定性とパブリックへの回路
3 権力.紛争・ガヴァナンス 091
3.1 権力とは何か 091
  大文字の権力と小文字の権力
  権力の基礎
3.2 紛争と法 094
  権力と紛争処理モデル
  複雑性の縮減と複合性の増大
  裁判の特質と法
  市民社会と権利の観念
3.3 ガヴァメントからガヴァナンスヘ 099


第4章 組織とネットワーク 103
1 組織・人間・環境 104
1.1 マクドナルド化する社会 
  街角の喫茶店vs. チェーン店
  フランチャイズ
  「社会は存在するか」「組織は存在するか」
1.2 組織と人間  112
  誘因と貢献
  合意と統制
  組織と人間
1.3 組織と環境 115
  コンティンジェンシー理論
  寡占化のメカニズム――組織生態学モデル
2 非営利組織の組織論 118
2.1  NPONGO 118
  市民社会社会関係資本
  NPOとは何か
2.2 NPOの社会的役割 122
2.3 NPOの課題 125
  ボランティアの失敗
  非営利組織の評価とインターメディアリ
3 ネットワークと組織の動態化 127
3.1 インターネット 127
  中心のない「つながり」――インターネットの歴史と仕組み
  ネットワークと対抗文化
3.2 ネットワーク化する社会と企業 132
  ネットワークとしての外国為替市場
  パーソナル・ネットワーク
  ネットワーク社会としての現代
  官僚制化と脱官僚制化のダイナミズム


第5章 メディアとコミュニケーション 137
1 社会のなかのメディア 38
  メディア空間としての電車の車内
  メディアとは何か
  社会のなかのメディア
  時間と空間の分離
  脱埋め込みメカニズムとしてのメディア
2 メディアの歴史 147
  メディアはメッセージ
  声の文化
  文字の文化
  個人主義
  ナショナリズム
  公共圏
  テレビの文化
3 メディアの重層性 156
  重層するメディア
  限定コードと精密コード
  ナショナリズムの変容
  メディア・イベント
  遠距離ナショナリズム
  公共圏の変容
  インターネットと公共圏


  第2部 時間・空間・近代

第6章 歴史と記憶 171
1 歴史と社会学――歴史社会学と歴史の社会学 172
  歴史の2つの顔
  歴史教科書論争
  原爆展論争
  歴史社会学
  プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
  歴史の社会学
2 集合的記憶 182
  心理学の記憶概念
  集合的記憶
  現在主義
  記憶の物質性・空間性
  記憶から歴史へ
  生きている歴史
3 記憶というフィールド 191
  記憶の場
  ワシントンDC
  広島
  記憶の公共圏


第7章 空間と場所 201
1 壁に突き当たる近代化空間――「管理」と「再生」の現在 202
2 社会学の空間体験――近代都市からの出発 204
  「都市」の発見――社会調査から社会政策へ
  ウェーバー自治的都市の夢
  「つながり/距離」を実現する空間とは―― ジンメルからの展開
  「野生の都市」に秩序を見つけ出す―― シカゴ学派とそれ以後
3 20世紀という経路――空間はどうつくられてきたのか 210
  郊外社会の変容――理想から迷宮へ
  都心空間の再編――分断される社会と空間
  岐路に立つ地方圏――縮小社会の逆フロンティア
4 場所を取り戻す 223
  空間から再び場所へ
  場所性を消費する――商品としての場所
  地域への回帰――社会関係資本としての場所
  場所の両義性を知ること
5 「空間と場所」の社会理論へ 233
  「そこに在るもの」と「そこにないもの」がつくる社会
  空間からの再出発


第8章 環境と技術 241
1 技術と環境問題 242
1.1 「自動車の世紀」としての20世紀 242
  もつとも20世紀的な技術は何か
  自動車の光と影
1.2 自動車の文化的矛盾 246
  フォーデイズ
  トヨタ――ポスト・フォーデイズ
1.3 クルマ社会をコントロールできるか 247
  自動車をめぐる社会的ジレンマ
  自動車を規制する手法
  ハード中心の交通政策の問題点
1.4 自動車の未来 253
  成熟産業の業界再編
  燃料電池車への期待
  フロンと新幹線の教訓
2 環境問題の諸相 255
2.1 社会的に構成された自然 255
  自然とは何か
  桜は自然か
2.2 環境社会学の誕生と展開 257
  日本の環境社会学
  欧米の環境社会学
2.3 環境問題の諸相 261
  4つの環境問題
  産業公害
  高速交通公害
  生活公害
  地球環境問題と温暖化問題
  地球環境再生
3 リスク社会としての現代 268
3.1 リスクとリスク社会論 268
  リスク社会論のインパク
  グローバル化するリスク
  リスクと危険―― ルーマンのリスク論
3.2 持続可能な未来をめざして―― リスク社会と開かれた対話 272


第9章 医療・福祉と自己決定 277
1 医療・福祉の進展と社会変動 278
  ぴんぴんころりと死ねない時代
  生と死/生者と死者のあり方の問い直し
2 医療.福祉から問われる現代社会――産業化から福祉国家化へ 282
  医療・福祉の対応が迫られる社会問題
  福祉国家化とその社会学的理解
3 医療・福祉を問い直す現代社会――〈近代〉への自己反省 287
  福祉国家の有効性批判――中流階層のための福祉国家
  福祉国家の潜在機能批判――隠れた人間像・社会像の露呈
  福祉社会への方向性とその位置づけ
4 専門職の管理と献身―― パターナリズム感情労働 296
  専門職による生活管理
  献身の困難とバーンアウト
  専門性革新の方法―― ナラティブ・アプローチとセルフヘルプ・グループ
5 自己決定という除路 303
  自己決定への関心の高まり
  自己決定がおかれる場の構造
  自己決定する自己をめぐって


第10章 国家とグローバリゼーション 313
1 グローバリゼーシヨンとナショナリズム――ぶつかり合う想像力 314
  グローバル資本主義とテロリスト
  ネーションの起源はどこに
  近代の産物か,それとも永続するものか
2 「ネーション」日本の創出 318
  「日本」とは何か
  「国民国家」成立の世界史的背景
  「国民」を作り出す――包摂される多様な階層
  想像力としてのネーションへ
  境界の確定と「他者性」の生産
  消費されるナショナリズム
3 グローバル化する社会を理解する 327
  Think Globally
  人びとはどこかでつながっている
  「グローバリゼーションの社会学」のために
  変化する国家像――セキュリティ,評価,メガ・プロジェクト
4 グローバリゼーションの先へ 336
  ナショナリズム台頭のわな
  グローバリゼーションを飼い慣らすために
  新しい公共圏の形


  第3部 差異と構造化

第11章 家族とライフコース 345
1 家族とメディア――個電化する家電 346
  誰とどこでテレビを見ているか
  家族における
  電話ネットワーク
2 プライベート空間化する家族 350
  家族分析の基本的概念
  生産共同体から消費共同体へ――衰退と強化の交錯
  (n−1)LDK住宅に潜む近代家族観
3 〈家族のなかの人生〉という見方の変容 360
  400mトラックの完走としてのライフサイクル
  時代の刻印を帯びたでこぼこなライフコース
  ライフコースごとのライフスタイルの多様化――結婚と葬儀
4 家族と社会問題 368
  親密な存在ゆえの愛情と憎悪――性愛と暴力
  家族に介入する社会政策
  家族に介入する科学技術


第12章 ジェンダーセクシュアリティ 377
1 ジエンダーから切り開かれた問題領域 378
  ジェンダー理解の登場――その構築性へのまなざし
  性現象の認識の深まり――その3局面
  本質主義構築主義のアリーナとしての性現象――ジェンダー議論の再設定
2 性によって分割された社会――ジェンダーの側面から 385
  性別役割分業――公的世界と私的世界
  職業労働と家事労働
  性別コースの再生産と変容――学校.兵士
3 性愛の陰影――セクシュアリティの側面から 396
  性行為の3要素
  多型化する性の欲望
  性に関わる社会問題
4 性と生 402
  〈性同一性障害〉が提起するもの
  生殖を超えた性
  男女共同参画社会という方向性


第13章 エスニシティと境界 413
1 境界形成と帰属――移動する人間が出会う場所で 414
  焼肉は「エスニック料理」か
  境界という社会的世界――衝突と創造のダイナミクス
2 構築されるエスニシティ 418
  多民族化する日本社会
  日本社会を開く
  エスニシティとは何か
3 越境者として生きる――「日本」社会の開き方/開かれ方 423
  移り住むという決断
  住民として居場所をつくる
  生きるすべをつかむ――外国人労働者から定住するマイノリティヘ
  ジェンダーエスニシティ
4 互いに異質でありうることの制度化をめざして 436
  世代を超えて――家族・教育・言語
  アイデンティティとシティズンシップ
  「われわれ」の自明性を越えて


第14章 格差と階層化 445
1 格差・階層化現象をどうとらえるか 446
  溢れる「格差の語り」のなかで
  格差・階層化への社会学的視点
2 近代化と階級・階層 448
  所有から階級へ−マルクスの階級論
  地位達成による階層移動――機能主義的な成層論
  戦後日本における「平等化」――その現実と幻想
3 格差・階層化の新段階 454
  変容する労働の世界
  ポスト.フォーデイズムとフレキシブル化する労働
  グローバリゼーションの影響
  教育という経路の二面性
  競争主義の台頭と「個人化」される階層問題
  格差・階層化の新しいリアリテイ
4 格差・階層化分析を社会学に取り戻す 464
  格差を構造化するもの
  格差.階層化の非経済的背景
  格差・階層化から集合的主体の形成へ
  再生産される不平等――主体化のわな
  「失敗」へいかに適応するか――冷たいシステムを前にして
  階級・階層論の公共性


第15章 文化と再生産 477
1 文化の社会学的位置 478
  スポーツのグローバル化にふる文化
  文化はどこにあるのか
  文化の機能とアイデンティティ
2 文化の享受と戦略 483
  サブカルチュアの離陸
  高度消費社会と文化
  文化の経済学
3 文化による再生産と排除 490
  文化の差異性と再生産
  文化的再生産の日本的あり方
  「逸脱」「問題」と文化――ラベルとクレイム
  文化の政治学
4 社会の存立基盤としての文化 502
  〈世界〉を呈示し統合する宗教
  言語による〈世界〉の存立
  文化論的転回という関心とそのゆくえ


第16章 社会運動と社会構想 511
1 革命志向から「新しい社会運動」へ 512
1.1 20世紀を振り返る 512
  社会学的想像力
  漱石の煩悶
  20世紀を振り返る
1.2 「豊かな社会」における社会運動の噴出 516
  公民権運動の高揚
  対抗文化と反乱の時代
1.3 テクノクラートと「新しい社会運動」 519
  若者反乱の時代――1968年前後
  社会運動分析の三角形
2 市民セクターと新しい公共圏 
2.1 社会運動の制度化と二極化 524
2.2 市民セクターと新しい公共圏 525
  市民セクター
  公共圏
3 社会変革と社会構想のために 530
3.1 社会学と公共政策 530
3.2 リスク社会と社会構想 531
3.3 公共社会学の提唱とその意義 533
3.4 社会構想と価値 535
  現代社会の基本的価値
  正義・平等・公正
  自由と自己決定性
  博愛と社会的連帯
  持続可能性
  言説の公共空間へ


引用・参照文献 [543-567]
事項索引 [569-584]
人名索引 [585-588]


COLUMN
1-1 「社会学って何?」 023
1-2 公共性 042
2-1 「これでもありあれでもある」 049
2-2 パノプティコン(一望監視装置) 068
3-1 社会理論と秩序像082
4-1 スローフード 108
4-2 官僚制 110
4-3 官僚制の逆機能 114
5-1 メディアのバイアス 147
5-2 テレビ嫌いのマクルーハン 155
6-1 記憶術 186
6-2 記憶のかたち 189
7-1 シカゴ学派から新都市社会学へ,そしてその先へ 209
7-2 グローバリゼーションと都市 218
7-3 コミュニティから絆へ 229
8-1 社会的ジレンマと公共交通の衰退 248
8-2 私的所有とコモンズ 250
8-3 巨大科学技術の政治性 254
8-4 生活環境主義 260
8-5 環境的公正(environmental justice) 260
8-6 エコロジー的近代化(ecological modernization) 261
8-7 持続可能な発展(sustainable development) 272
8-8 サステイナブル・シティ 273
9-1 弔辞の社会学 281
9-2 〈健康〉――ブームからイデオロギーへ 284
9-3 20世紀の社会計画の双子――社会主義国家と福祉国家 286
9-4 社会環境との相互作用としての〈障害〉 290
9-5 感情労働をめぐる相互行為 300
9-6 「規範理論」(normative theory)の諸潮流 305
9-7 エイジングの社会学 310
10-1 国家は何を想起させ何を祝おうとするのか 324
10-2 世界社会論の系譜 328
10-3 国家論の系譜 334
11-1 「家父長制」と「家」制度 351
11-2 シングルという生き方――「おひとりさま」の時代 355
11-3 私事化する家族と社会調査 358
11-4 結婚と離婚――その基本概念 366
11-5 家族戦略(family Strategy) 372
12-1 フェミニズムの諸潮流 384
12-2 男性の介護とケア労働者 391
12-3 身体とジェンダー ――体型と頭髪 393
12-4 カミング・アウト(coming out) 400
12-5 男性学 409
13-1 人種,ネーション,エスニシティ 424
14-1 SSM調査とその時代 451
14-2 仕事とやりがい――サービス労働の現場から 456
14-3 グローバリゼーションと階層変動――中国のケース 462
15-1 〈侘び.寂び.萌え〉の時代――進化する「おたく」 486
15-2 物語消費とデータベース消費 487
15-3 文化帝国主義――「麦当労」「肯徳基」,そして「全家便利商店」 491
15-4 世界遺産――滅びと継承のはざまで 492
15-5 「本質」と「関係」 500
15-6 言語検索が作り出す〈世界〉――「グーグルゾン化」する社会 507
16-1 資源動員論 518
16-2 新しい社会運動論 520
16-3 公共圏――公論形成の場 528


TEXT IN TEXTで取り上げている作品
1-1 W.シヴェルブシュ『鉄道旅行の歴史』 038
2-1 夏目漱石吾輩は猫である』 053
2-2 沢木耕太郎『人の砂漠』 066
3-1 N.マキアヴェリ君主論』 093
4-1 G.リッツァ『マクドナルド化する社会』 116
4-2 A.deトクヴイル『アメリカの民主政治』 120
4-3 R.D.パットナム『孤独なボウリング』 121
4-4 R.D.パットナム『孤独なボウリング』 121
5-1 『東京日日新聞』1929年8月17日付朝刊 144
6-1 M.プルースト失われた時を求めて』 187
7-1 島和博『朝日新聞』2006年2月4日付 237
8-1 A.ゴア『不都合な真実』 259
9-1 J.S.ミル『自由論』 304
10-I H.アレント『人間の条件』 340
11-1 N.エリアス『死にゆく者の孤独』 352
12-1 伊藤整『変容』 407
13-1 鄭暎惠『〈民が代〉斉唱』 440
14-1 M.ウェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 474
15-1 M.セルトー『日常的実践のポイエティーク』 483
16-1 夏目漱石「私の個人主義」 513
16-2 宮沢賢治グスコーブドリの伝記」 538





【抜き書き】

・「パターナリズム」の説明。

医療における専門職も、医師や看護師をはじめとして、専門的知識や技術を駆使し、クライアントが抱えた病気や障害を解決するものとして理解されている。しかし、そこでの問題解決の過程において、クライアントの意向が十分に汲み取られることなく、専門職の論理や味方、技術的理由・労働条件などが重視されるとき、そこにはある種の支配が存在することになり、E.フリードソンはそれを専門家支配(professinal dominance)と位置づけた(Freidson 1970=1992)。そのような専門家支配とも関連する医師-患者関係などにおいて起こりがちは行動様式がパターナリズム(paternalism)である。
 パターナリズムとは、一般には強い立場にある者が弱い立場にある者の利益を慮って、ときには弱い立場の者の意志に反してでも、その行動や判断に介入・干渉することである

E. Freidson (1970) Professional Dominance: The Social Structure of Medical Care. Atherton Press.(進藤雄三・宝月誠[訳]『医療と専門家支配』恒星社厚生閣 1992年)