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2017-06-01 『日本文法体系』

『日本文法体系』(藤井貞和 ちくま新書 2016)

日本文法体系 ((ちくま新書 1221))

日本文法体系 ((ちくま新書 1221))

 日本語文法を理解するには、日本語の起源から問いなおさねばならない。日本語の発展史に即した文法理論が必要であり、西洋語の文法を日本語に当てはめた現在の学校文法に代えて、新たな文法体系を打ち立てねばならないのだ。現在を示す「あり」(r)、過去の「き」(k)、推量の「む」(m)、形容の「あし」(s)の組み合わせで成り立つ時の助動辞をはじめ、日本語の隠れた構造を明らかにし、豊富な古文の実例をもとに、日本語文法の本質に迫る。古文の読みが愉しくなる、全く新しい理論体系。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480069269/


※この目次ではルビを省略した。環境依存文字の「踊り字」も普通の表記に直した。
【目次】
目次 [003-010]
はじめに [011-013]
凡例 [014-]

序章 krsm-四辺形とkrsm-立体 015
「き」「り」「し」「む」を結ぶ/「き」「り」「し」「む」を立体にする/アリariから「り」へ/過去から現在へ〔線上の「けり」〕/過去を推量する「けむ」/時間・推量・形容の広がり〔「らむ」「らし」「べし」〕/語を成り立たせる要素〔前‐助動辞〕/膠着語的性格/配列の順序〔承接関係〕/機能に名を与える

第一章 アリの助動辞‐圏 035
1 「り」の原型はアリ 035
「り」(〜る、〜ある)の成立/助動辞としてのアリ(〜ある)
2 「肯定なり」(〜である、〜だ)と「肯定たり」(〜たる) 040
ni(に)‐「なり」‐アリari/to(と)‐「たり」‐アリari
3 「ざり」「ず」(〜ない)〔否定する〕 044
zu(ず)‐「ざり」‐アリari
4 活用語尾〔形容詞カリ活用〕 046

第二章 過去、伝来、完了、存続、継続 049
1 「き」〔過去を特定する〕 049
過去の時間と非過去と/「き」は積極的過去/力行とサ行とにわたる活用/「け」と「せ」〔未然形〕/起源としての「し」/「き」=目賭回想は正しいか/『古事記』地の文の「き」と物語文学の「けり」/「まし」との関係
2 「けり」〔過去から現在へ〕 062
「き」とアリariとのあいだ/「けり」の本来は動詞「来り」/時間の経過〔過去からの〕/時間的なあなたからやってくる事象/伝来の助動辞として/「けり」に詠嘆はあるか/口承語りの文体
3 「ぬ」のさし迫り方、過ぎゆき方 077
「ぬ」と「つ」〔長円立体〕/「はや舟に乗れ。日も暮れぬ」/「絶えなば絶えね。ながらへば」/「に‐き」と「な‐む」/上接する語から区別するか/一音動詞「ぬ」からの転成
4 「つ」〔いましがた起きた〕 085
「ほのゝ゛ゝ見つる」「楊貴妃のためしも引き出でつべく」/「ししこらかしつる時は」/一音動詞「つ」からの転成
5 「たり」から「た」へ 089
「たり」(〜てある)に「つ」が内在する/「たり」(存続)と「り」(現存)/「たり」が時制に近づくとは/完了と過去との親近/口語における「た」文体
6 「ふ」〔継続〕 095

第三章 伝聞、形容、様態、願望、否定 101
1 「伝聞なり」と“見た目”の「めり」 101
“鳴る”と“見る”/「伝聞なり」〔“耳”の助動辞〕/『源氏物語』から/「ななり、あなり」/「はべなり」と「侍るなり」/「めり」(〜みたい)〔見た目〕/「めり」の『万葉集』の例/「なめり、べかめり、あめり」
2 形容、様態 114
形容辞「し」の位置/「じ」(〜ではない)〔「し」の否定〕/「ごとし」(〜のごとくだ)/「やうなり」(〜のようだ)〔様態〕
3 「たし」(〜たい)の切望感 119
〈甚し〉から「たし」へ
4 らしさの助動辞「らし」 122
「らし」の成立/「らしさ」とは/古語としての「らし」/「春過ギて、夏来たるらし」/「をとめ子も‐神さびぬらし」
5 「なし」「なふ」 129
「なし」〔程度の否定〕/「なふ」(〜ない)

第四章 推量、意志、仮定 133
1 アムamuを下敷きにする 133
「む」(=「ん」)は現代語の「う」に生きる/推量(〜う、〜よう)と意志(〜う、〜よう)/婉曲という説明/「むず」「うず」(〜う、〜よう)/「けむ」(〜たろう)〔過去推量とは〕/「らむ」(いまごろは〜だろう)〔現在推量とは〕/「ば」(〜ならば)〔仮定〕
2 「ま」「まほし」「まうし」 143
「まく」〔ク語法〕/「まほし」(〜したい)「まうし」(〜したくない)
3 「まし」(〜よかったのに) 145
「まし」と「し」(過去)/反実仮想とは
4 「べし」の性格 148
機能語の性格として/「む」と「し」(形容辞)とのあいだに/「べらなり」
5 「まじ」「ましじ」〔うち消し推量〕 153
「べし」と「ましじ」/「まじ」

第五章 自然勢、可能態、受身、敬意、使役 159
1 「る」「らる」 159
自然勢〔いわゆる自発〕/可能態/「る、らる」は受身か/受身の言い方を「る、らる」が引き受ける/『万葉集』の「ゆ、らゆ」/「る、らる」の敬意
2 敬意と使役〔す、さす、しむ〕 
四段動詞「す」を想定する/四段型と下二段型〔助動辞「す」/高い敬意〔最高敬語〕/「さす」/「しむ」

第六章 助辞の機能の広がり 177
1 助辞、助動辞の視野 177
助辞の相関図/A詞B詞と、下支えするC辞
2 主格を「が」が明示する 180
主格の「が」/「主語」は要らないか/「が」格/「の」格を認定する
3 「に」格および以下の格助辞 185
「に」格/「を」格/「へ」格/「と」格の認定/「より」「ゆり」「よ」「ゆ」/「から」/「まで」「して」「もて」
4 「は」(係助辞) 195
「が」は「は」と両立できない/「が」を押しのける「は」/「は」=差異化と「も」=同化/文節を越える〔係り結び〕/周布という視野
5 「こそ」および以下の係助辞 202
疑問詞を承ける、承けない/「こそ」/「ぞ」/「なむ」(=なん)/「か」(疑問)と「や」(疑念)/「かは」「やは」(反語)/「な」(禁止)
6 副助辞〔限界や範囲の線引き〕 208
7 接続助辞 215
活用形に下接する/「に」「を」および「が」について
8 間投助辞〔投げ入れる助辞〕 221
9 終助辞〔文末の助辞〕 223
未然形に下接する/連用形に下接する/終止形に下接する/連体形に下接する/已然形に下接する/名詞の類に接続し、また独立性のつよい終助辞/節末、句末に付ける

第七章 品詞と構文 231
1 C辞が包むA詞B詞 231
品詞について/文の成り立ち/論理的世界にいどむ/自立語と非自立語/意味をあらわす語は
2 名詞の性格 239
文法的性(ジェンダー)/「秋の日のヰ゛オロンの」〔単数か複数か〕/時間のなかの“数”〔石原吉郎〕/アイヌ語、数詞、算用数字/代名詞の生態〔話し手との関係〕/コソアド体系〔これ、それ、あれ、どれ〕/固有称〔固有名詞〕
3  249
動詞、形容詞、形容動詞/語幹と活用語尾/動詞の活用、一音語と二音語/補助動詞、補助形容詞/形容詞の活用/「じ」(形容辞)/形容動詞を認定する/活用形〔未然形〜命令形〕/音便と現代語
4 飾る、接ぐ、嘆じる 270
副詞〔作用詞、擬態詞〕/連体詞〔冠体詞〕/接続詞/感動詞〔間投詞〕

第八章 敬語、人称体系、自然称 281
1 尊敬、謙譲、丁寧による人称表示 281
「たまふ」(〜なさる、お〜になる)/「たまふ」(〜させていただく)/「はぺり」(〜ござる、〜でございます)/待遇表現の二種〔素材と対者〕/二方面敬意〔二重敬語〕/自称敬語
2 物語の人称体系 289
談話の人称と物語の人称/物語人称〔四人称とは〕/アイヌ語の語り/ゼロ人称〔語りとは何か〕/無人称、詠み手たちの人称、物語歌
3 自然称、鳥虫称 297

終章 論理上の文法と深層の文法 301
論理上の文法/深層から下支えするもう一つの文法/懸け詞はpun(地口)か/詩歌の技法とは〔懸け詞、序詞〕/二語が同音を共有する/一語の多義的用法/枕詞と序詞/縁語という喩/心物対応から複屈折へ/「うたのさま、六つ」/「譬喩」歌〔懸け詞が消える〕/文法と修辞学

おわりに 318
歴史的かな遣い/正書法/古日本語から現代語へ

文法用語索引 [i-x]

2016-08-31 『「日本スゴイ」のディストピア』

『「日本スゴイ」のディストピア――戦時下自画自賛の系譜』(早川タダノリ 青弓社 2016)

【目次】
目次 [003-011]
はじめに [013-014]

第1章 『日本主義」大ブーム到来 
「日本スゴイ」ネタの原型 018
「日の出」編集部編「世界に輝く 日本の偉さはこゝだ」(〔日の出」一九三三年(昭和八年)十月号付録〕、新潮社)
日本主義は全人類の奉ずべき道徳精神である 022
井乃香樹『日本主義宣言」(建設社、一九三四年〔昭和九年〕)
日本人の底力・粘り強さは米食からくる 023
中山忠直『日本人の偉さの研究』(章華社、一九三三年〔昭和八年〕)
お墓マニアが語る日本精神 026
平野増吉『日本精神とお墓』(小森繁雄、一九三六年〔昭和十一年〕)
満洲事変で「日本人」はどう変わったのか 029
高橋三吉/日比野正治講述、大阪毎日新聞社編「日本精神に還れ」(大阪毎日新間社/東京日日新聞社、一九三四年〔昭和九年〕)
「天才帝国日本」の栄光と崩壊 031
池崎忠孝『天才帝国日本の飛騰』(新光社、一九三三年〔昭和八年〕)
混沌化する「日本精神」諸派 034
池岡直孝『日本精神の実現』(章華社、一九三五年〔昭和十年〕)
恐るべき「君が代」の秘密 036
鹿子木員信『日本精神の哲学』(文川堂書房、一九四二年〔昭和十七年〕)
全国民を「日本国民産業軍隊」に改造せよ! 039
高松敏雄『真日本主義国民改造と道義大亜建設』(刀江書院、一九四一年〔昭和十六年〕)
「日本主義」を掲げ御用組合結成 041
神野信一『日本主義労働運動の真髄』(亜細亜協会出版部、一九三三年〔昭和八年〕)

第2章 「よい日本人」のデイストピア
「日本人に生まれてよかった」? 048
新居格編『支那在留日本人小学生 綴方現地報告』(第一書房、一九三九年〔昭和十四年〕)
学校教師を「ミニ天皇」化する「日本的学級経営」 050
永井煕『週間単位 尋六の学級経営』(第一出版協会、一九三九年〔昭和十四年〕)
学校は児童を日本的に鍛える道場である 052
野瀬寛顕『新日本の学校訓練』(厚生閣、一九三七年〔昭和十二年〕)
掃除の時間になると、校長やおら壇上に立ち…… 054
土方恵治『行の訓育』(モナス、一九三九年〔昭和十四年〕)
小学生の裸乾布摩擦に目を細める文部省視学官 057
草場弘『皇民錬成の哲理』(第一出版協会、一九四○年〔昭和十五年〕)
聖戦を担う皇国女子を育成せよ! 059
下村寿一『聖戦完遂と女子教育』(日本経国社、一九四四年〔昭和十九年〕)
日本が世界の中心でなければならない! 061
鈴木源輔『戦時国民教育の実践』(帝教書房一九四二年〔昭和十七年〕)
宇宙的スケールをもった「皇国教育」がスゴイ! 064
和歌山県女子師範学校附属小学校編『皇道日本教育の建現』(四海書房、一九三五年〔昭和十年〕)
護国の英霊をつくるための「師魂」 068
竹下直之『師魂と士魂』(聖紀書房、一九四三年〔昭和十八年〕)
日本の少国民は、世界でいちばん知能がよいのですよ 071
葉山英二「日本人はどれだけ鍛へられるか』(新潮社、一九四三年〔昭和十八年〕)
修学旅行で「神国日本」を実感 074
関西急行鉄道パンフレット「参宮の栞」(一九四二年〔昭和十七年〕四月)
受験で試される愛国心 075
「受験と学生」調査部編「学生受験年鑑昭和十七年版』(研究社、一九四二年〔昭和十七年〕)
勝つために今日も体力向上の実践をしよう 079
柳澤利喜雄『決戦体力の目標』(〔生産文化叢書〕、みたみ出版、一九四四年〔昭和十九年〕)

集団登校のお作法があった日本スゴイ 082
選挙権年齢引き下げを先取りした大日本帝国の有権者教育がスゴイ 085

第3章 礼儀正しい日本人――国民礼法の時代
用便は便所にすべきで、庭や路傍にすべきではない 090
藤井本三郎『昭和国民作法書』(礼法普及会、一九二八年〔昭和三年〕)
祝祭日には赤飯炊いて 092
大日本聯合婦人会/大日本聯合女子青年団編『女性非常時読本』(社会教育会館、一九三三年〔昭和八年〕)
よい子の諸君! カツアゲと痴漢には気をつけよう 095
東京府中等学校保導協会『保導パンフレット第一輯』(東京府中等学校保導協会、一九三七年〔昭和十二年〕)
自由主義を撲滅し、交通道徳を守りましょう 097
「少年団研究」一九四○年(昭和十五年)十月号.十二月号(大日本少年団連盟)
弁当箱は左の手に持つ! 101
東京高等師範学校附属国民学校初等教育研究会編『国民科修身教育の実践――国民学校礼法教授要項』(大日本出版、一九四一年〔昭和十六年〕)
朝礼は心を込めて 103
牧野靖史『国民学童礼法の実践――国民礼法詳解』(国進社出版部、一九四二年〔昭和十七年〕)
御真影はどのように並べるのが正しいか 108
川島次郎『学校礼法儀式篇』(目黒書店、一九四二年〔昭和十七年〕)
学校掃除は錬成組織づくりから 112
東京高等師範学校附属国民学校初等教育研究会編『研究紀要』第一輯(東京高等師範学校附属国民学校初等教育研究会、一九四三年〔昭和十八年〕)
服従は美徳である 115
甫守謹吾『国民礼法産報版・男子用』(金港堂書籍、一九四二年〔昭和十七年〕)

交通マナー啓蒙に「東亜の盟主」を持ち出す日本スゴイ 124

第4章 よく働く日本人――勤労哲学の教化と錬成
兵士は戦場に死し、工員は職場に斃る 128
原了『決戦下の青少年』(協和書房、一九四三年〔昭和十八年〕)
「日本的勤労観」の暗黒 131
難波田春夫『日本的勤労観――産業報国運動の理論的基礎付けの試み』(〔「産報理論叢書」第一巻〕、大日本産業報国会、一九四二年〔昭和十七年〕)
報酬を求めるのは日本固有の精神ではありません 135
小島徳弥『働く女性の力』(国民教育会出版部、一九四二年〔昭和十七年〕)
金銭のために働くのは、金銭の奴隷にすぎないいやしい根性 142
上野總一『み国のために働く小産業戦士の道しるべ』(黒髪社、一九三四年〔昭和十八年〕)
「お国のため」は「自分のため」 146
笠原正江『働く婦人の生活設計』(〔勤労青年文化叢書〕、東洋書館、一九四二年〔昭和十七年〕)
神国日本の有給休暇 150
全国産業団体連合会編『勤労管理研究』(大日本産業報国会、一九四二年〔昭和十七年〕)
勤労青少年の「不良」がスゴイ 154
大日本産業報国会編『産業青少年不良化防止対策』(翼賛図書刊行会、一九四三年〔昭和十八年〕)
厚生省労働局/職業局編「徴用工員錬成記録」(重要事業場労務管理研究部会、’九四二年〔昭和十七年〕九月)
海外にはばたく「大東亜就活」 163
三平将晴『共栄圏発展案内書』(大日本海外青年会、一九四四年〔昭和十九年〕)

第5章 神がかり日本に敗戦はない
大東亜皇道楽園の出現 172
桑原玉市『大東亜皇化の理念』(〔「国防科学研究叢書」第一輯〕、富士書店、一九四二年〔昭和十七年〕)
大東亜戦争の神話的意義 175
大串兎代夫『大東亜戦争の意義』(〔「教学叢書」第十二輯〕、文部省教学局、一九四二年〔昭和十七年〕)
神の国には敗戦はない 178
塩沢元次『日本必勝論』(駸々堂、一九四三年〔昭和十八年〕)
不逢思想の持ち主は南島へ「流刑」 180
大蔵公望「大東亜共栄圏の政治建設」(日本外政協会編「外交評論」一九四二年〔昭和十七年〕四月号、日本国際協会)
陸軍省軍務課「思想犯経歴者南方に収容する件」(一九四二年〔昭和十七年〕八月十四日付)
「魚を食ふから日本は強い」! 182
中村吉次郎『日本人と魚食』(〔月明文庫〕、月明会出版部、一九四三年〔昭和十八年〕)
文部省の公式「日本スゴイ」本のブラックぶり 185
文部省教学局編『臣民の道』(文部省教学局、一九四一年〔昭和十六年〕)

参考文献 [189-191]
あとがき [193-195]

2016-02-03 『歴史人口学の世界』

『歴史人口学の世界』

 3年前に読んだ。某教授が図書館サイトで推薦していた気がする。

歴史人口学の世界 (岩波現代文庫)

歴史人口学の世界 (岩波現代文庫)

版元の紹介。

 歴史人口学は,近代的なセンサスが行われる以前の時代における人口(GDPといったマクロの経済指標が求められない時代において,人口はその時代の経済規模を推定する大きな指標です)を推計し,さらに当時の家族形態を分析する研究分野です.
 歴史人口学は1960年代のヨーロッパで始まりました.すなわち,キリスト教会の「教区簿冊」の記録を用いて,個人の出生(洗礼)から,結婚,子どもの誕生(洗礼),死亡(埋葬)までのライフコースを再現(家族復元)し,また他教区への転出入記録から人の移動を把握することで,人口動態を推計するのです.
 著者は,その手法を近世日本に応用し,日本各地に残存する「宗門人別改帳」を用いて,江戸時代の人口推計を行ってきました.江戸初期から18世紀初め(元禄期)まで増加した人口はその後全国的には安定し(ただし地域的には,西南地方で増加し,ほぼ同じ分が東北地方で減少する),19世紀半ばから増加に転ずる.この成果は日本の近世史・近代史研究に大きく貢献するだけではなく,世界にも発信され,さらに著者を中心として国際日本文化研究センターで組織されたプロジェクトは,ユーラシア大陸における前近代の人口推計を行ってきました.
 この本は,日本おける歴史人口学のパイオニアであり,網野善彦,二宮宏之らとも親交が深かった著者が,市民セミナーで一般の人々にわかりやすく語りかけた,ほとんど類書のない入門書・教科書です.1997年に「セミナーブックス」の1冊として刊行されました.

https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/6002720/top.html

【目次】
序  章 歴史と人口
第一章 歴史人口学の成立と展開
第二章 マクロ・データによる人口の趨勢
第三章 ミクロ・データによる近世日本の歴史人口学的考察(1)――信州諏訪地方の人口・世帯・家族復元
第四章 ミクロ・データによる近世日本の歴史人口学的考察(2)――美濃国安八郡西条村
終  章 歴史人口学と家族史

 歴史人口学文献
 あとがき
 岩波現代文庫版あとがき
 索引

2015-12-20 『脳のなかの幽霊』

『脳のなかの幽霊』(V.S.Ramachandran 角川文庫 2011)

あと、『脳のなかの幽霊、ふたたび』も。

第1章 内なる幻
第2章 「どこをかけばいいかがわかる」
第3章 幻を追う
第4章 脳のなかのゾンビ
第5章 ジェームズ・サーバーの秘密の生活
第6章 鏡のむこうに
第7章 片手が鳴る音
第8章 存在の耐えられない類似
第9章 神と大脳辺縁系
第10章 笑い死にをした女性
第11章 「双子の一人がおなかに残っていました」
第12章 火星人は赤を見るか

第1章 脳のなかの幽霊
第2章 信じることは見ること
第3章 アートフルな脳
第4章 紫色の数字、鋭いチーズ
第5章 神経科学――新たな哲学