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2010年01月18日(Mon)

大学入試センター試験の科目「情報関係基礎」が色々と興味深い件

先日の大学入試センター試験数学で何か面白い問題でも出たかなぁと思って問題速報を見てみたら、「情報関係基礎」という科目を見つけました(問題用紙へのリンク)。私が受験生だった頃にはなかった科目なのですが、中身を見てみると興味深い問題が多かったので少しご紹介します。


第1問の問1は、情報系受験数学(なんて分類が本当にあるのか知りませんが)の王道であるn進数→m進数の変換問題。また、小問の一つとして、16進数に絡めた文字コードっぽい切り口の問題があって目を引かれました。


第1問の問2は、学校のウェブサイト公開のためにウェブサーバを準備する、という設定での穴埋め問題。最近の高校生はこういうことも勉強するんですねぇ・・・。時代を感じます。なお、個人的にはちゃんとセキュリティに関する小問も用意されているのが素晴らしいと思いました。


第1問の問3は、仮想的な図形描画プログラムの挙動を予測するお話。個人的に図形にはあまり興味が無いので斜め読みしかしていません・・・。


第2問は、二人で対戦する札取りゲームのお話。この手のゲームの総称って何と言うんでしたっけ?ルールの記述に、正整数が互いに素であるorないという整数論っぽい性質が登場するので整数論方面に問題が進んでいくのかと思いきや、ゲームの状態をグラフで記述し始め、最終的にグラフのマッチング(そういう呼び名は出てきませんが)まで導入してかなり一般的な議論へ到達したので意表を突かれました。問題作った方はきっと楽しみながら作ったんだろうなぁと思いました。


第3問(選択)は、アラビア数字による数の表記を漢数字による表記に変換するプログラムのお話。題材が身近なこともあり、取り組みやすい問題ではないかと思います。もし自分が受験生でこの問題に出会ったら、多分ワクワクしながら解いただろうなと思います。


第4問(選択)は、仮想的な表計算ソフトを用いてカレンダーを作るお話。その手のソフトの扱いに慣れているかどうかの勝負かと思いきや、最後には閏年の処理に関する小問まで登場したのにはびっくりしました。良い問題だと思います。


問題は以上です。それにしても今の大学受験生は、こんなに面白い問題をセンター試験で解くんですねぇ。受験生本人は面白いと感じている余裕が無いかもしれませんが、こういう出題はとても良い傾向ではないかと思います。来年の問題にも期待したいと思います。

wd0wd0 2010/01/18 03:52 平成22年度大学入学者選抜大学入試センター試験実施要項には、「『情報関係基礎』は,職業教育を主とする農業,工業,商業,水産,家庭,看護,情報及び福祉の8 教科に設定されている情報に関する基礎的科目を出題範囲とする。」と書かれています。そういう位置づけなので、普通科で「数学」の時間に何が教えられているかに縛られずに出題できる試験になっています。そのかわり、職業系高校のカリキュラムは気にしなくてはいけません。

第3問と第4問の選択にその辺の事情が現れています。第3問のアルゴリズムの問題は工業高校の生徒には良いけど、商業系とか看護系とかはカバーしきれていないよね、表計算ソフトウェアの使い方は今時の商業高校とかだとたいてい教えているので、第4問に表計算を入れておけば、第3問と第4問でだいたいの職業系高校はカバーできるよねという感じです。

MarriageTheoremMarriageTheorem 2010/01/18 08:45 wd0さん、詳細なコメントありがとうございます。なるほど、「情報関係基礎」というのはそういう位置付けの科目だったのですね。
ということは、普通科の生徒、特に数学科へ進むような生徒はこの科目を受験しない可能性が高いんですかね。個人的には、特に第2問などは、将来数学科へ進むような生徒にこそ今ぐらいの早い時期に触れておいてもらいたい問題だと思うので、そうだとすると残念に思います。

wd0wd0 2010/01/20 23:06 たとえば、奈良女子大学の学部入試では、理学部のどの学科もセンター試験選択科目に情報関係基礎を入れていますが、募集要項に次のような但し書きがあります。

「工業数理基礎」、「簿記・会計」、「情報関係基礎」は、高等学校におけるこれらの科目の履修者及び文部科学大臣の指定を受けた専修学校高等課程の終了(見込み)者に限り選択できます。

理学系では同様の制限を設けているところが多いので、理学系を志望する高校普通科の生徒さんが「情報関係基礎」を受験することはほぼないでしょう。

MarriageTheoremMarriageTheorem 2010/01/21 04:44 wd0さん、追加情報どうもありがとうございます。
なるほど、例えばwd0さんが例に挙げられた奈良女子大学には数学科がありますが、そこへ進む受験生の多くは件の問題に出会わないというわけですね。
それはそれで仕方が無いかもしれませんが、単純に、件の問題を面白いと感じたので惜しいなぁと思います。

okkunokkun 2010/11/24 23:22 高校が情報処理科で、センターで情報関係基礎を使用しました。毎年どんな問題が出るのか傾向がつかみにくい問題で、殆どの場合は「簿記会計」を受けた方が楽と言われるのですが、NOTOR回路・アルゴリズム・表計算を理解していれば十分数学より楽に点数が取れます。今は大問2が仮想言語を用いたプログラム問題ではなくなったので、アルゴリズムがわからずとも回答できる時代になりましたね。選択大問3の工業数理とアルゴリズムの問題、大問4の表計算の問題は情報処理技術者試験の問題に似ています。

地味に情報関係基礎は良問が多いんですよね。何故か。

wd0wd0 2011/12/17 18:51 機密解除されてかなりたったので、いまごろになって白状します。私は、その問題の作題に関わった委員の一人です。問題をおほめいただき、ありがとうございます。

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