三角比から連想する、ホールケーキを目分量で三等分する方法

某所で要望があったので説明を書いてみます。
以下、ホールケーキは完全な円形と仮定します。(実際のホールケーキは恐らく多少歪んだ円形でしょうが、どのみち目分量での作業ですので多少の歪みは気にしないことにします。)


1.ホールケーキの中心(点Oとします)から外周へ向けて切り込みを入れます(先っぽの点を点Aとします)。


2.その切り込みを、点Aと反対側まで延ばしたつもりになって(実際には切り込みは入れない)、その先っぽの点を意識します(点Bとします)。


3.中心(点O)と今意識した点(点B)の中点を意識します(点Cとします)。


4.点Cから、線分OBと垂直に直線を延ばしたつもりになって、その先っぽの点を意識します(点Dとします)。
*ここが多分一番難しいと思いますが、その場合は線分OBと自分の身体を平行にしてケーキに向き合い、点Cの真正面に立ち、点Cを見つめてから視線をまっすぐ手前に降ろしていき、ケーキの外周に視線が到達したらその点を憶えておきます(これが点Dになります)。


5.今意識した点(点D)へ向けて、中心(点O)から切り込みを入れます。これで扇形AODの形にケーキをカットできました。


仮にホールケーキが完全な円形で、上記の手順を全て寸分の狂いも無く実行できたとすると、cos(角BOD) = OC/OD = OC/OB = 1/2、従って角BODは60度(つまり角AODは120度)となり、カットしたケーキは確かに全体の三分の一ということになります。(同様に、手順2.で線分OBにも切り込みを入れておくと、手順5.で得られた扇形BODが全体の六分の一となります。)
これは私の主観ですが、目分量で「三分の一」という量を得るのは難しい一方で「二分の一」(←手順3.で中点を得るのに用いる)はそこそこ正確に得られるため、何の策も使わずにエイヤッと三等分するよりは上のやり方の方がより正確な三等分が得られやすいと思っています。(私自身、実際に何度もこの方法を使いましたが、元々不器用な私にしては結構まともな三等分ができました。)
なお、上の説明で出てくる角度は60度なので、三角比とか難しいことを言わなくても正三角形の性質だけで説明が付くのですが、私自身「cos(60度)=1/2」という特徴的な数値からこの方法を思いついたこともあり、今回は三角比を用いて説明することにしました。


この方法を使えば、ちょっと大きめなホールケーキを衝動買いしてしまった場合にも、朝昼晩と3食バランスの良い食事ができるので安心ですね!