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昆正和のBCPブログ RSSフィード

2017-10-13

石楠花新道から北奥千丈、金峰へ

| 17:30 |

秋は、いったん天候が下り坂に向かうと、そのまま何日も雨がちの日が続くことが多い。そこで10月の連休最後の日、天候が崩れる直前の2日間を使って、奥秩父へ行ってきた。

この時期、休日には塩山から大弛峠まで交通の便がある(勤労感謝の日まで)。8時半出発のマイクロバスは満席。さすが連休最後の日だ。しかし僕としては、この人混みを甘受するわけにはいかない。そこで選んだのが、国師岳南麓の柳平でバスを降り、長い林道を歩いて白檜平(以下シラベ平と表記)から石楠花新道を登るコース。2日間ともすばらしい晴天に恵まれた。以下はその概要。

(10月9日)快晴

柳平の少し先の鶏冠山西林道の分岐でバスを下り、シラベ平へ向かったのが9時40分ごろ。ここから長い長い林道を緩やかに登っていく→シラベ平着11:00→倒木帯→北奥千丈岳着13:25頃→三繋平→国師岳往復→大弛小屋(大弛峠)着14:50頃。ここで素泊まり。

シラベ平へ向かう林道周辺の山々は、ちょうど紅葉が見ごろ。空気も凛として冷たくクリアで、なんともすがすがしい。シラベ平からは本格的な登山道(石楠花新道)となるが、マイナールートとあって、道が細い。赤いテープやリボンを目印に登る。深い樹林帯の道の途中にある奥千丈岳のピークは確認できないまま素通りしてしまったようだ。そして、おそらくこの奥千丈岳の付近だと思うが、少し規模の大きな倒木帯がある。夥しい数の苔むした倒木が累々と横たわっている。石楠花新道は全体としては北八ツを思わせる静かなコースだが、この陰鬱な倒木帯が来る人を拒んでいるのが残念だ。

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行く手を阻む険しい倒木帯


国師岳と北奥千丈岳はいつ登っても思うのだが、山頂からのすぐれた展望はどんなにがんばっても北奥千丈岳の方が上である。山頂の木々に隠れて富士山が見えないというただ一つの理由のために、日本百名山にも山梨百名山にも選ばれなかったというのは不運としか言いようがない。

(10月10日)快晴

大弛小屋(大弛峠)を出発したのが6:05頃→朝日岳着7:07→鉄山→金峰山頂着8:03頃→大日岩避難小屋付近のテント場9:30着→(昼食休憩)→富士見平小屋着11:00→瑞牆山12:35着→富士見平小屋着14:06→(コーヒータイム)→瑞牆山荘前着15:00→15:20のバスで増冨温泉を経て韮崎へ

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金峰山頂の五丈岩(高さ15mぐらい)と五丈岩に圧倒されたように少し傾く富士山。


大弛小屋は僕のお気に入りの山小屋の一つ。外は昔のままの歴史を感じさせる造りだが、中は一部新しい板壁となっている。素泊まりとは言え、暖かな布団と毛布でゆったりくつろげる。ごんごん燃えるストーブの火もうれしい。小屋のご主人からは、国師岳や北奥千丈岳の歴史、このエリア特有の自然や気候にまつわるさまざまなエピソードなどを聞かせてもらい、有意義に過ごすことができた。ちょうど今頃から11月の雪が来る前ぐらいまでが、一年で最も澄んだ美しい眺望が楽しめる時期なのだという。

この2日目は金峰山だけでなく、何十年ぶりかで瑞牆山にも上った。以前登ったのは僕が学生の頃。当時は何とも思わなかったが、今回久々に登ったら、けっこうキツイと感じた。頭の中では「もう齢だよ。無理すんな」という自分と「まだまだ何のその!」という自分がせめぎ合っていた。

瑞牆山から富士見平小屋に戻った後は、小屋から2分ほど先にある水場から汲んできた湧き水でコーヒータイム。小屋のスタッフさんも「とてもおいしいですよ」とおすすめの水なのだ。うまかったなあ。

というわけで、大満足の2日間であった。これから先、仕事が忙しくなるが、山の頂きが白くなる前に、あと2、3つは登っておきたいものだ。

2017-10-04

奥多摩 御前山―雨とガスの山歩き

| 22:21 |

原稿書きやBCP指導用の資料作り、そしてヒマさえあれば本ばかり読んでいるためか、少し油断するとすぐに僕の身体はナマって、息も上がりやすくなってしまう。なので、ときどき気分転換にちょっと遠出して散歩することにしている。海方面なら早朝の江の島や鎌倉海岸周辺、山なら丹沢や高尾あたりだ。

先週は奥高尾の山々をのんびり歩こうと思っていたのだが、好天のチャンスばかり狙っていたら、うっかり日曜日に足を運ぶはめになってしまった。案の定、奥高尾の山々は想像を超える多くのトレラン先生たちでにぎわっていたのだった。彼らにはずいぶんヘキエキしたので(この感想は「アゴラ 言論」にも書いた)、僕は気を取り直し、今週、再び山に出かけることにしたのである。


今回の行先は奥多摩の御前山。コースは奥多摩湖→指沢山→御前山→御前山避難小屋(ここで昼めし休憩)→鞘口山→鋸山と進んだ。平日とあってトレラン走者はいなかったが、時おりパラパラ雨が降っていたこともあり、ほとんど登山者にも出会わなかった。

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写真は、大ブナ尾根の指沢山近くの開けた場所からの奥多摩湖。快晴の空とぼちぼち色づき始めた山々、青い奥多摩湖もよいが、今回のように尾根の重なりに雲が湧き上がるモノトーン一色の世界も捨てがたい。人生を振り返ったり、いろいろ哲学っぽいことを考えてみたくなる、渋くて印象的な風景なのだった。

鋸山からは大岳山を経て白倉へ下山する予定であったが、急きょコースを変更した。なぜか今回は体調が万全とは言えなかったのだ。心肺も、筋肉も、足腰も、うまく連携できていない。すぐに呼吸が乱れてしまう。おまけに御前山避難小屋で身体を休めようと1時間近く休憩したため、予定のコースタイムをだいぶオーバーしてしまった。このままだと白倉に着く頃には真っ暗になっているだろう。

よって今回はやむを得ず、鋸山から鋸尾根をたどって、早々と奥多摩駅へ下山してしまったのである。ちょっと情けなし。

2017-10-03

銃と原発

| 17:14 |

ラスベガスで1日、米国史上最悪の銃乱射事件が起きました(死者は59人)。さぞかし今度こそ国を挙げて銃規制反対の声が上がるだろうと思いきや、ニュースの見出しには「民主党は銃規制強化を要求 共和党は規制に沈黙」(ワシントン2日、ロイター)とあります。

政治家の反応はこれまでの銃撃事件と変わっていない。民主党が銃規制の強化を訴える一方、共和党に規制強化を支持する動きは見られない」のだそうです。

私たちの国でも、似たような状況がありますね。銃乱射のような劇的に悲惨なことではありませんが、見方を変えれば銃乱射よりも始末に負えない「沈黙の脅威」とでも呼ぶもの。原発のことです。残念なことですが、最近は安倍政権をめぐる一連の疑惑や北朝鮮問題、そして解散総選挙のことなどで、原発問題についてはだれも口にしなくなりました。

北朝鮮のミサイルが脅威だとかなんとか騒いでいますが、もしミサイルが国内にたくさんある原発施設を狙って飛来したらどんなことになるのでしょう。安倍政権もマスコミも科学者も、そして多くのコメンテータも、このシナリオについてはほとんど何も語らない。原発施設周辺には、絶対にミサイルが落っこちてこないバリアみたいなものでも張り巡らしてあるのでしょうか。それとも電力事業者は、ミサイル攻撃を想定した至上最強のBCP(事業継続計画)でも実装しているのでしょうか?

リスクマネジメントでは、「リスクの要因は取り除かなければならない」ということがよく言われます。小さなリスクは放置するにしても、重大な結果を引き起こすリスクの要因・原因は可能な限り突きとめ、可能な限り取り除く。たとえ一部が損害を受けることは覚悟してでも、です。

ところが原発施設については、これが手付かず(というよりもこれからもっと稼働させたくてうずうずしている人たちがいる!)というのが不思議。「リスクの要因を取り除く」というオプションを持たないのが私たちの国のリスクマネジメント。北朝鮮の軍事的脅威におびえ、圧力をかけ続けるだけで、自国に内在する最大のリスクについては知らんぷり。奇奇怪怪です。

いま話題の希望の党も、その他さまざまな野党も、原発問題についてはどうもあまり公約の重要テーマとして熱心に語ってくれていないようにも見受けられます。選挙運動が始まれば、具体的かつ正面から、公約として掲げてくれるのでしょうか。消費税10%の凍結も大切な議論ですけど、このまま原発を見て見ぬふりをしていたら、たいへんな負の遺産を後の世代に押し付けることになることは確実です。

銃規制と原発問題。ここには共通点がありますね。どちらも、既得権益を守ろうとする大きな力が働いているということ。社会全体にとってそれが脅威であり、とても危険なことであっても、ごく少数の多大な権力や財力を持った人びとが銃規制反対、原発廃止反対の声を上げれば、社会はなすすべがないということなのでしょうか。いや、そうは思いたくないですよ。

政治家たちは、国民にとっておいしい餌をぶら下げて衆議院選挙に臨むでしょう。でもそのとき私たちは、目先の利益だけでなく、中長期的な原発問題をどうするのかについても、これまで以上にしっかりと見据えて彼らの言動を観察していかなければならんのです。それが、政治に対する私たち国民一人ひとりにとっての危機管理のあり方と言っても過言ではないでしょう。