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昆正和のBCPブログ RSSフィード

2016-08-23

[] 「あなたが作る等身大のBCP」―はじめに 16:55

 以下は、新刊本『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP』の「はじめに」の部分です。ご参考ください。

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 本書は効果的なBCP(事業継続計画)を策定するための考え方と作り方を解説した本です。しかし、これまでの本とはかなり色合いが異なります。今日、日本に行き渡っているさまざまなBCPガイドラインや指針、そしてこれらをベースに書かれた市販のBCP本(もちろん私が書いてきた本も含めて)の内容に、真っ向から物言いをつけてしまった本だからです。

 東日本大震災から5年を過ぎた今、国のアンケート統計によれば、大企業のBCP策定率は6割、中堅企業は3割に達し、安心で明るい未来を予感させるような数字が並んでいます。しかし私としては、本当に公表されている数字どおりにBCPは普及しているのだろうか、という疑問をぬぐえずにいます。なにしろ本家本元のBCPに忠実であろうとすればするほど、企業の実態とかみ合わない、企業が望むものとはかけ離れたBCPができてしまうのです。大企業や中堅企業はそうした矛盾とどこまで折り合いをつけたのだろうかと思うわけです。

 中小企業の場合、この傾向はいっそう深刻です。BCP策定ガイドや市販の教科書をいくら読んでもうまく作れない、要領を得ない、納得いかない、使えない。BCP講習会を開けば会場からブーイングが出る、端から諦めムードに包まれてしまうといったことも。私はBCPの策定指導に当たる先生方にたずねてみたい。みなさんはどこまでBCPの原則論を理解し、どこまで自信をもってこれに則った指導に当たられているのでしょうか?。そう問わずにはいられない数々の謎が、BCPにはあるのです。

 歌舞伎の世界では、型を身につけた人が型を破ることを「型破り」と呼ぶそうです。私はBCPのすべてを知りつくした、型を身につけた者だなどと言うつもりはありません。が、「型」を知れば知るほどさまざまな謎や疑問が見えてくるからには、それを見て見ぬふりをすることはできんわけです。もともと欧米人がITを守るために考案したBCP。それを私たち日本人が巨大地震に立ち向かうためのツールとしてパワーアップしようとしたところに何か大きな無理があったのではないか。ならば今現在のBCPの考え方をひとまずリセットし、これまでの体験を通して得られた企業のホンネと期待に応えられる、より現実的なBCPのあり方を導いてみよう。その目論みのもとに書いたのが本書なのです。

 第一部「なぜこれまでのBCPではうまくいかないのか?」では、日本型BCPの疑問点や矛盾を正面から考え直します。欧米生まれのBCPが、日本に紹介される過程でどのように変化してしまったのかを明らかにします。

 第二部「命と会社を守るリアルBCPの作り方」では、最小必要経費で策定・維持できる、組織の緊急行動にウェイトを置いた身近で納得のいくBCPの作り方を提案します。これまでの原則論と袂を分かち、企業目線に立った現実的な考え方と作り方の手順を解説しています。

 初めてBCPを策定する企業のみなさんは、第一部の事情はピンとこないと思うので、いきなり第二部から入っていただいてかまいません。すでに原則論に従ってBCPを策定してみたが、役立つものなのかどうか今一つわからんという企業ご担当者や、既存のBCPに懐疑的な講師や先生のみなさんは、参考までに第一部を流し読みいただき、そのあと第二部をお読みください。現実に即してどこまで対策を講じるのが妥当か、その境界が見えてくるに違いありません。

 また本書のBCPでは、災害リスクとして「火災」「地震」「水害」を中心に述べています。この3つの作り方のコツを一通りお読みいただければ、例えばサイバーセキュリティの侵犯やオペレーション中の事故、パンデミックなど、他のさまざまな危機リスクにも応用できるようになるでしょう。

 折しもこの4月、熊本を中心に震度7の巨大地震が二度も起こりました。加藤清正が手がけた熊本城も壊滅的な被害を受け、国の重要文化財である二つの櫓も崩壊したとのこと。思えば5年前に東日本大震災を経験して以来、私たちは「これだけの大災害が起こったのだから、今後しばらくは平穏な日々が続くに違いない」という根拠なき楽観を手にしたつもりになってはいなかったでしょうか。大地震に限ったことではありませんが、危機というのはいつでもどこでも起こり得ます。しかしその「いつ」と「どこ」が分からない。私たちは、このもどかしい現実と永久に向きあわなくてはならないのです。

2016-08-12

[] 道迷いを防ぐ超ズボラテクニック 09:02

 山岳雑誌 『山と渓谷』に、「山のまさか!とほんと?を知る講座」と題して、登山のリスクマネジメントをテーマにした見開き2ページの連載を書いています。第18回(2016年9月号)のエピソードは「道迷いを防ぐ超ズボラテクニック」です。


 道迷いにはさまざまな原因やきっかけのパターンがあって、「これさえ注意しておけば、絶対に道に迷うことはない」という王道的な対策なんていうのは存在しません。なにしろ、思いもよらないことが思いもよらない順序で、いわばウラをかかれる形で起こるからです。

 したがって私たちにできることは、起こることを織り込み済みとして「そのときどきに立ち現われる状況に合わせて注意する」しかないのです。どういうことでしょうか。 一つは「数歩進んでパッの原則」を実践すること、もう一つは「山道の顔」を覚えることです。

続きは本誌をご覧ください!

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2016-08-09

[] 「リスク対策.com」連載開始! 15:07

 筆者の最新作『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP』(日刊工業新聞社、2016年8月末発売)のイントロダクションとして掲載してきた6回の連載は、下記のポータルサイトに移行しました。

 『リスク対策.com』は日本で唯一の本格的な危機管理とBCPの専門誌であり、ウェブポータルサイトです。大企業から中小企業まで、多くの危機管理部門の人々や防災担当者が購読している、信頼ある情報サイトです。

 災害が起こったとき、防災対策で悩んでいるときは、まずこのサイトにアクセスしてください。きっと貴社に役立つ情報が見つかるでしょう。