2012-05-23-Wednesday 君を忘れたこの世界を愛せたときは会いに行くよ
■[学校]しるしをつける現在地
指導教官の先生と面談。9:45などという,日本にいたころでは考えられないような時間を指定される。午前中とのご指定で,なんでも先生は10時半からほかの用がおありだとのこと。45分で何ができるのか?と思っていたら,ものすごくてきぱきと指示を出された。31日までに,6〜7月の予定を2週間刻みで立ててメールすること。それに基づいて6月上旬にまた面談をすること。今後の面談についても,「定期的に会ったほうがいい?それとも放っとこうか?」と尋ねられる。できるなら(hopefully)できる限り頻繁に面談していただきたいです,と言うと「オーケー,じゃあ何週間に1回くらいのペースで会うようにしよう」とのこと。先生に対してこんな形容を用いるのは失礼にあたるだろうが,なんと有能な方でしょう。感嘆せざるを得ない。
面談はきっちり予定通りに終わり,そのあとは情報収集。まずは,留学生用の語学講座。これは難なく見つかった。担当の係のDeirdre先生も親切そうな方。いろいろと説明していただいた後お別れするとき,「ところでいいお名前ですね*1」と言うと,「ありがとう,でもアイルランド人やイギリス人の学生も私の名前きちんと読めなくて私のことを'D'って呼ぶのよ」と言う。あなたはちゃんと読めてるから驚いたわ,と褒められた。ちなみにこのお名前,読み方は「ディアドラ」です。発音は「ジアドル」に近いかも。そのあとは口座の開設や授業料の払い込み方についていろいろ聞いて回る。うまくいったりいかなかったり。
それにしても,日本にいたころはアイルランドとのやり取りの手段がメールしかなく,そのメールも意味が通じたり通じなかったりでほとほと困っていたのだが,こちらにいて何が助かるって,確認したいことがあったらすぐに直接訪ねられることである。しかも,親切な人が多いので,何か訴えればすぐ対応してくれる。今のところ,環境には大変恵まれています。
KID
2012/05/27 23:39
何故か百科全書が思い浮かびました
2012-05-22-Tuesday 息は持つだろうか
■[余暇]君から預かってきたんだよ
16日に送ったEMSがさっそく届く。早い!
荷物を整理する&疲れを取るという大義名分のもと,気づけば1日家から出ずに過ごしてしまった。すべてはあれだ,iPadのせいだ。寝転がった状態でもネットができたりしてしまうから。
- 作者: 夏目漱石,平岡敏夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/04/16
- メディア: 文庫
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今回は日本においてきてしまったが,『漱石日記』。もしかして以前も書いたかもしれないが,留学生は必読です。それ以外の人も必読です。漱石がロンドンでノイローゼにかかって帰国するというのは有名な話で,この日記もさぞかし暗いのだろうと思って読み始めたら,割と抱腹絶倒ものの面白さである。楽しげにやっているじゃない。
2012-05-21-Monday from Ireland
■[余暇]ひとつ前のシーンで臆病にもなるけど
旅を振り返ってみますと,6:50発のBritish Airwaysで羽田発(したがって金環日食は見られず)。悪名高いBAのエコノミーは,特に不満なこともなくなかなか快適であった。機内食も私はおいしくいただきましたし。機内で見た『ドラゴン・タトゥーの女』は面白かったし(ルーニー・マーラが地下鉄の駅でひったくりから鞄を取り返すシーンが無意味にものすごくかっこよかった)。私のななめ前に座っていた阪急トラピックスツアーのお客さんが,着陸時に酔ったと見えて通路に盛大に吐いていたが,まぁそれも着陸寸前のことでしたし(だから国際線ではしゃぎすぎてアルコールを飲みすぎるのは危険なのよ皆さん)。かくして現地時間で11時半頃ヒースローに着いたが,17時前の乗り換えまでひたすらAer Lingus(アイルランドのフラッグキャリア)のラウンジで過ごしておりました。新規導入したiPadのおかげで全然飽きなかった。
思えば高速バスで東京〜岡山間を移動するようになってからというもの,10時間少々の移動なんて全然苦にならなくなってしまった。むしろヨーロッパ便など,映画も見なければいけないし音楽も聞かなければいけないし機内食も食べなければいけないしで,忙しいほど。今回も,どうせ機内で寝るだろうしと思ったので前夜はほとんど寝ていなかったのだが,結局機内でも寝なかった(寝る暇がなかった)。寝たのは最後,Aer Lingusの機内1時間半ほどの間だけではなかっただろうか。いずれにせよ,移動が苦でないというのは私のような立場の人間にとって非常にありがたいことに違いない。
ダブリンのシェアハウスに着いてからは,すぐに食料品の買い出しへ。今までに2回訪れているので,ずいぶん慣れてしまった。時差はこちらに来るときは全然気にならないし,そもそも私は前述のとおりでほとんど1日半ほど寝ていない状態であったので,例によってすぐに眠れた。
ヒースローで乗り継ぎ待ちをしている間に後輩へしたためたメールにも書いたが,いよいよこれから留学が始まるというのに,なかなかその感慨が湧かない。出国前にバタバタしすぎたせいかもしれないし,留学ハイなのかもしれないし。まぁそのうち,言葉が通じなかったりホームシックになったりで思い知ることになるだろう。いずれにせよこれからの数年で長い長い長い長い学生生活にようやっとピリオドが打たれるわけなので,がんばらなければ。
ところで今日,5月21日。金環日食が見られなかったのは至極残念だが,新月だし,何かを始める日としてはとてもいいかもしれない。それにいろいろと考えていて思い出したのだが,この日はそういえば昔々,初めて恋人と付き合い始めた日でありました。その恋が続いたのは3年半。長かったもんだ。しかし3年半って,恋愛としてみれば長いかもしれないが,博士課程を終えるにはぴったりな時間である。今回も3年半以内には終わらせられるようにがんばります(?)。
2012-04-06-Friday Well tempered
■[音楽]平均律第1巻/キース・ジャレット
最近の私の生活を彩った音楽,アデルを紹介するのであれば,こちらも忘れてはならない。
- アーティスト: ジャレット(キース),バッハ,キース・ジャレット
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1992/08/26
- メディア: CD
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『おやすみプンプン』はいつも通り実家近くのTSUTAYAでレンタルしたのだが,9巻だけレンタルされていて,しかも長らく返ってこなかった。いつ返ってくるかとレジで尋ね,返却予定日には2回も見に行き,挙げ句閉店間際に電話で問い合わせまでして,やっと返ってきたことが確認されるや「すぐ行きますっ」と車を走らせ,……そこまでしたのに,店頭でいざ9巻を手に取った時,にわかに「これをどれだけ待っていたんだと呆れられるのが恥ずかしい」という自意識が芽生えたのである。これだけ借りにきたと思われたくない。そう思った私はおもむろにレンタルCDの,しかもクラシックの棚に向かい,このアルバムを選んだのであった。「これだけを借りにきたと思われたくない」「楽しみにしていると思われたくない」とのいわば「臆病な自尊心」によってカムフラージュ的なものを添えてレンタル,考えてみれば殿方がアダルトな感じのものを借りる時のお作法である。
奏者は,その店舗では2人であった。1人はグレン=グールド,そしてもう1人がこのキース・ジャレットであった。なぜ後者を選んだか。理由は大まかにわけて2つである。1つは純粋に,キース・ジャレットの弾く平均律に興味があったこと。そしてもう1つは,「グールドとキース・ジャレットがあって,どちらかといえば(ゴールドベルクなどの名盤により)バッハ=グールドの印象が強いところ,敢えてキース・ジャレットを選ぶ私」にクラッとしたことである。クラッ。かくして私は,『おやすみプンプン』にキース・ジャレット版『平均律』をまぶして意気揚々とレジに向かったのである。二重にも三重にも恥ずかしい人間であったことは間違いないだろう。
前置きが長くなったが,このようにして大変大変不純な動機でレンタルしたキース・ジャレット版『平均律』,すぐに車のオーディオで聴いてみたのだが,すごくよかった。「バッハはスイングする」と語っていたのはアルゲリッチであったが,ジャズとバッハはやはり親和性があるのかも,とジャズど素人の私も思わせられた。そういう書き方をするとバッハをアレンジして弾いているような印象になってしまうかもしれないが,それどころか弾き方はいたって正攻法,楽譜が浮かんでくるほどである。なのになんでしょうね,この渋さと色彩といったら。BGMにも鑑賞対象にもなり得てしまう。恐ろしい。
ところでこのアルバム,そのTSUTAYAには第1巻しか置かれていなかった。生殺し!! 2巻はいずこ!!
2012-04-05-Thursday We could have had it all
■[音楽]21
- アーティスト: Adele
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2011/02/22
- メディア: CD
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大変な今さら感がありますが,アデル。とてもいいです。「本物っぽい」ではなくて本物だと思います。若いのに老成している。声に哀愁がある。哀愁でいと。違うか。
くだらないことを申しましたが,やはり圧巻は1トラック目の「Rolling in the deep」。オーケストレーションを感じました。とても表情豊かなのに,テンポはメトロノームではかったように正確。おそらく真面目で几帳面な人なのだろう。じゃないとグラミーを獲った直後に「恋愛に専念するために」休業だなんて言い出さないだろうし。
このアルバムしか聴いていない状態で言うと,「どの曲もいい」とは,少なくとも今は言えません。まだ聴きようが足りないのかもしれないが,若干の中だるみはある。それでもなお,出来る限り再生しっぱなしにしておきたいような1枚です。
