『自分の小さな「箱」から脱出する方法』──負のループが生まれるきっかけ

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これは「7つの習慣」(書評その1書評その2←もう1年前になるのね)以来の衝撃。
テーマは“自己欺瞞”。(自己欺瞞:自分で自分の心を欺くこと。自分の良心に反する言行をすること)
それを「箱」という表現を用いて、ストーリー仕立てに解説してあります。

つまり、自分を欺いているときには、私たちは『箱の中』にいるというわけだ。

「こうすべきかもしれない」と思ったのにそれに背いた時、この本では『箱の中に入る』と表現しています。
つい先日、ピッタリこれに当てはまる体験をしました。

先日の出来事

その日は雨が降っていました。
家に着くまであと数分というところで、道ばたに置いてあった植木鉢が転がっているのを見つけました。
幸い土はこぼれておらず、そのまま立て直せば元通りです。
私は直そうかと迷いましたが……そのまま通り過ぎてしまいました。


通り過ぎてから思いました。
「片手は傘、もう片手には荷物だったし、しょうがないか」
「いや、そもそも塀の外に植木鉢を置いておくのはどうなんだ?」
「実際に道に倒れてたわけだし、やっぱりダメだろ」
と。

まさにこの状態を、「箱に入った状態」というようです。

このことから言えること

ここでのポイントは、「実際に行動しなかった“後”に、自分を正当化して相手を責めるような思考に走っている」こと。
おそらく実際に行動していたら、こんなことは考えなかったと思います。
そしてこれを言い換えると、「私は自分が正しいと思ったことをせず(=自分を欺き)、箱に入った」ということになります。
(というのが上の例から伝わったら嬉しいです……w)


今回は植木鉢でしたし、後日見たら元通りになっていたのでたいした問題では無いのかもしれませんが、これと同じことが家庭や仕事場で日々起こっていて、問題を引き起こしています。
特に家庭や仕事場では、お互いに「箱に入った状態」になっていると、自分のことを顧みずに相手を責め合う最悪の状態になります。
こういう状況について私はたくさん心当たりがありますし、おそらく誰にでもあるのではないでしょうか。

多くの人に読んでもらいたい一冊

いままで自己欺瞞という視点を持っていなかったため見えていなかったものが、ハッキリと見えたような……まさに、霧が晴れたような体験でした。
他の書評を見ても「コレを読んで考え方が変わった」とあるように、人生観すら変える可能性を秘めた一冊です。
私もこれのお蔭で自分が抱えているいくつかの問題が見えてきたので、ちょっと立ち向かってみようかなと思います。