ミステリその他感想帖

2018-06-22

[]AngeloRETINA20:44

昨年末に初めてAngeloのライブに行ってから、音楽に使う時間の大部分をあてて聴き直したり、買い逃していたアルバムやDVDを集めたりと坂を転がり落ちるように熱中しております。遠征はしないのでライブは地元での公演を見に行くだけなのですが。


それまで

もともとPIERROTは昔少し聴いていて(曲が好きという程度)、解散後も三人が同じバンドで活動しているということは知っていたのですが、その頃の音源はピンとこなかったのでそれ以上追いかけないでいました。


そんな中、Twitterフォロワーさんにすすめられて手に取ったのがアルバム『RETINA』でした。

新メンバー加入により、キリトさんの歌詞はブレることのないまま世界を広げ、Karyu独特のメロディアスな曲が華となって群生し、同時にツインギターの音が入ることで重低音はソリッドに浮かび上がり強調されていく。

それは生まれ変わって両翼を与えられ、風に乗って飛び立つ新生Angeloの音楽でした。

D



私は次のアルバムの『FAITH』も好きで、争いの世界とその収束に希望を見出す長編小説のようなストーリー性、そしてKOHTAさんのベーシストらしい感性の表れたCONTRACTという曲をAngeloで一番愛しています。


その後

色々あって全くタイミングが合わず、さらにJリーグへ出戻り、2015シーズン中盤からはバンドの開拓をしている場合ではなかったため、何枚かのアルバムを挟んでようやく昨年冬のツアー名古屋公演でライブへ。


まず驚いたのは音が安定していること。ほとんど直方体と言っていいほど常に一定のタテヨコ高さを保ったままそれが迫ってくる、経験したことのないような音だと感じました。

メンバーの中では音源の印象からKOHTAさんが好きだな〜と思っていたので、下手側後方から「格好いいな〜またライブ行けたらいいな」と見続けていた最後の曲で事件は起きた。

キリトさんがツカツカツカと下手に歩いてきたと思ったら、その勢いのままギルの頭を掴んで折りたたみをさせ始めた。困った顔で笑いながら折りたたまれるギル。


衝撃のかわいさ(音楽関係ない)。


白状するとこの瞬間まで、ギルの存在はまったくのノーマークでした。だってベーシスト好きだし音もベースを聴き取ろうとしていたし、ハマるならTHE上手ギターだと思っていたのです。

ノーマークだった存在をいきなり意識した、というパターンはおそらく一番狂った落ち方をすると思います。

終演後、まさかと思いながら物販でロトを買い足すと、ギルのサイン入りステッカーを引き当てるビギナーズラック発動。

「落ちるしかない」

私は直感した。



それから

こうして私はギルかわいいに染まった。

好きなメンバーや気になるフレーズを見つけると、人はそれを手がかりにもう一度音楽を分解・再構成して聴いていきます。

改めてギターを意識して聴き直すと、意外なことに他のパート、特にドラムを聴き取りやすくなったように思います。


Angeloは「この音だからこの歌詞」「この歌詞だからこの音」という相互関係が明確で、その上で凝りに凝った譜面を書いて表現をしているので興味が尽きません。化粧を必要とする音楽って良いですね!


またツアーの折には是非ライブに足を運びたいと思います。DVDを見ながら、その時を楽しみに待っています。

2018-03-17

[]myチェキの話 23:22

はじめに

ビジュアル系のバンドでは、メンバーのポラロイド写真(チェキ)をくじ引きでランダムに販売することがあります。

価格はだいたい500円か1000円。1枚1枚違う写真だったり、サインの書かれた当たりチェキが入っていたりとトレカとはまた違う形でコレクター心をくすぐり、同時に効率よくお金を落とせる(バンドにとっては売上になる)システムです。当然セットでチェキホルダーも物販で売られているし、CDリリース時のインストアイベントではメンバーとのチェキ撮影会もよく開催されています。

このようにビジュアル系が好きな人にはわりと身近なものなので、チェキ本体、つまりカメラを持っている人もたまに見かけます。


きっかけ

それはもう4年前になりますが、中村直志さんが現役を引退されると聞いてグランパスに出戻り、翌年新たに応援したいと思う選手を見つけた時のことです。

昔は「試合さえ観られればそれで良い」と思っていたのですが、defspiralのライブに行くようになって数年が経ち、ファンレターを書いたり、イベントで顔を合わせCDやライブの感想を話し、応援の気持ちを伝えることが身についた私は、ごく自然にサッカーでもそれをしたいと思うようになっていました。


推しファンレターを書き2shotチェキを撮りたい」

サッカー選手のチェキが欲しい」


手紙の話は割愛するとして、まずは一番ベーシックなinstax mini 8を探してみることにしました。

カメラの話

現行のモデルだけでもいくつか種類があり、カメラだけでなくスマホの画像をチェキフィルムに印刷するもの、大きいサイズのフィルム、さらに最近はスクエア型に印刷できるもの等バリエーションも豊富です。詳しくは富士フイルムのwebサイトへ。


instax mini 8は前述の通り一番ベーシックなモデルで、機能は非常にシンプル。

特徴と注意点は

  • 基本的にポートレートに適している
  • 晴れ〜くもりの屋外orある程度明るい室内で、対面している人を撮る距離がベスト
  • そのためあまり接近しすぎるとピンぼけする(別売の接写用レンズで解決)
  • 夜や暗い部屋、遠景もうまく撮れないことがある。闇に溶け込みがち。
  • 明るさはダイヤルで調整する
  • フラッシュの範囲も対面している人を写す距離なので風景はうまく撮れないこともある

といったところ。アナログです。

それからフラッシュ強制発光なので、シャッターを押す前に相手なり施設なりに確認する癖をつけるのがいいと思います。というかしようね! だいたいの人は急に眩しくなったら嫌がるか、驚いて目を瞑ってしまいます。

後続のもっと高スペックのモデルでは接写やフラッシュや明るさの問題に対応しているものもあるので、余裕がある人はこちらもいいと思われます。


本体さえ買ってしまえばあと最低限必要なのはフィルムくらいで、10枚ひと組でカセットのようなものを充填して使っていきます。

余白部分に柄の入ったフィルムもあり、それはそれでとても可愛いのですが私は白いフィルムを使っています。

なぜならバンドマンのようなチェキを求めているから。


そう、動機は「撮りたいものがあるからカメラを買う」「カメラを持ってみたい」ではなく、サッカー選手のチェキが欲しいから。ならばバンドで売っているチェキの体裁に寄せるべきなのです。

使い方の話

  • 実店舗のカメラ屋さんではチェキ本体とフィルム20枚、アルバムや書き込み用のペン、デコテープ等がセットで10000円くらい
  • ネット通販だと本体+フィルム枚数は忘れましたが7000円弱〜、セット内容を増やすにつれ価格はアップ

というところが多く、アルバムはバンドの物販で買えばいいや〜と安易に考えて(我ながらよく調教されている)後者で購入。

持ち運ぶ時は本体と換えフィルムと細マッキーをポーチに入れています。


クラブにもよりますが、Jリーグは選手と直接逢えるような機会が多いのが魅力のひとつです。

最初に2shotチェキを撮ってもらったのは忘れもしないファン感謝デーで、グランパスは日によって練習後にファンサービスの時間を設けているため、そこでも写真を撮ってもらったりサインを書いてもらえたりします。推しが移籍するまではよく通っていた。

地域のイベントに出演したり、試合の告知のためにチラシを配ったりすることも。なんて良いところだろうJリーグ

白フィルムチェキの良いところは、撮ったその場でサインを入れてもらえること。

意外とベテラン選手の方が「雑誌の撮影でポラを撮って、サインを入れて読者にプレゼント」などやっていたからなのかすんなり意図を理解してくれたりします。


そしてマスコットを撮る時も大活躍。

f:id:Miwa-Nakai:20180317220256p:image

ふんわりした写りがグランパスくんのもふもふ感をさらに可愛らしく見せてくれます。

世界で1枚だけのグランパスくんチェキをこの手で撮れる喜びといったらありませんね。


ポートレート撮る上で参考にした本はこちら。

写ルンです並みにシンプルなカメラなので、通常のカメラのテキストよりもこういう本が役立つ。


収納の話

専用のアルバムが販売されている他、タワーレコード推し色チェキホルダー(バンドやアイドルファン向け商品)をクラブカラーで選んでも楽しいかも。

チェキはカードサイズなので、ポケットに収納するタイプのアルバムなら名刺ホルダーで代用できます。


ただしチェキは劣化しやすく、紫外線や湿気でも色あせてしまうので、用心するなら台紙に貼り付けて透明フィルムでコーティングするタイプのアルバムが良いそうです。デコり甲斐もある。

またカメラ屋さん(写真屋さん?)でL版写真に焼き直すことも出来るので、気に入ったチェキが撮れたら早めに持ちこむのもおすすめ。

2018-03-16

[]紙上ユキ『少女手帖』 18:55

久しぶりに王道少女小説を読みました。面白かったー。

「ふつう」でいるために我慢しながら学校生活を送る主人公・ひなたが、別世界の住人のような美しい同級生の弱点を知ってしまったことから動いていく物語。

同級生、男友達、姉、姉の親友というべき老婦人と、少しずつひなたの世界は広がり始めます。そうしていく中で、生きていく上で隠しているものと譲れないもの、そして弱さを知っていくことで、少女たちは新しい居場所を手探りで探していくのです。


こんなに王道かつ繊細で静かで押し付けがましくなく、誰もが何かを隠しながらその人の数だけ「ふつう」を生きている自己一致の物語、少女小説は貴重だと思います。いい買い物をしました。

静かに声を抑えているような文体がまた良いですね。作中の喫茶店に行ってみたくなります。

2017-12-08

[][]陳浩基『13·67』 10:41

オールタイムベスト級という評判に違わない傑作。

連城っぽいという声も聞いていましたが、第一話「黒と白のあいだの真実」を読んだ時点では、そこにある要素をどのように捜査(≒トリック)に用いるか、その使い方については私はむしろ横山秀夫的だと感じました。

警察内部の不正を追うような事件も多く書かれており、香港横山秀夫と呼ぶのがしっくり来るように思います。


独立した短編として読むなら「クワンのいちばん長い日」が個人的ベスト。クワンのスマートな推理、連続する事件をさらに一日にまとめたことでのスピード感、解決法のどこを切っても好きな味。


もう一つの個人的な興味から言うと、クワンの名探偵としてのスタイルを追いかけるような構成も非常に好みです。

私はもともと「事件の性質と名探偵のスタイルは対応している」と考えています。

『13・67』は病床のクワン→ローの師匠壮年期→切れ者→頭角を現した頃、そして最終話へとクワンの人生を遡りながら、探偵としてのスタイルあるいはレベルに対応した事件が書かれています。

クワンだけでなく、後輩であるローの成長を一緒に書いていくことで、事件は犯人とのハイレベルな見えない駆け引きの応酬となっており、この点がとても良いのです。

このような警察官側の時間軸と、変わりゆく香港の政治事情はある部分で交差しており、『13・67』の縦糸と横糸と表せると思います。

2017-08-29

[]ヴィクトリア・エイヴヤード『レッド・クイーン』 02:15

表紙と帯に惹かれて買った本がとても面白かった!

スラム育ちの少女が王女となり、王子である異母兄弟と駆け引きをしたり、特殊能力バトルありロマンスあり悲劇ありと心躍る活劇ファンタジーでした。

翻訳も好み。主人公であるメアの内面はしっかり描写されていますが、ジメッとしないちょっと硬派な文体が少女の孤高な立場や決意と繋がっていて良いです。