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「新聞校閲という仕事」@阿佐ヶ谷バルト

もじもじカフェのイベントで、朝日新聞社校閲記者であり、社外ではJIS漢字の人でもある、比留間直和さんのお話をうかがう会に。ほんの一時期、わたしも新聞校閲のお仕事をさせていただいたことがありますが、種々雑多なニュースを、日々、限られた時間で校正・校閲していくという点で、とても濃密なお仕事でした。

当時のことを思い出して懐かしくなったり、自分の仕事がなぜそういう流れだったのかを知ることができたりと、とても面白かった! 途中で「痛恨の見逃し、大失敗は?」の質問には、答える人は少なかったなあ。日刊新聞だと、毎日流れ去っていくものをいちいち覚えてられないし、覚えてたらストレスで続けられないので、ネタになる、笑える、などの、大失敗じゃないものしか覚えてないのでは、と思います。わたしも、自分のそれは思い出せませんでした。

校閲現役の方、OBの方はどれくらいいらしたのかしらと思いつつ、次の用事で懇親会に参加できない心残りを抱えながら移動。

Nowhereman Exhibition 2013 TOKYO「Poetry And Pastry」@原宿ROCKET

やまない雨のなか、阿佐ヶ谷から原宿へ。ギャラリーを見つけられず周囲を三周ほどしながら、ツイッター情報で知ってからどうしても行きたかった、ふだんは京都で活動されているNowheremanさんの「詩と洋菓子」の展示へ。欲しかった、食べたかった二つが残ってたので、雨でも来てよかった…!

写真は『後悔なんて後ですればいい』。このレモンと生姜のバターサンド、予想より大きくて、濃いレモン味のバタークリームが、生姜の甘煮を抱き込んでみっちり詰まっています。この大きさと美味しさのせいで、上品にいただくことが極めて難しい…。

でも、食べ始めると、格好をかまう余裕なく、最後まで食べてしまいます。レモン味は濃いのに、あるいはそのせいでか、クリームのくどさや重たさは感じられず、口に入ってから喉までするする溶けてしまい、次の一口へと歯と舌が急ぐというか。

今回のテーマは「悲しみに寄り添うお菓子」とのことですが、定番商品らしきこちらは悲しみがあったとしても、お菓子好きなら食べている間と、食後の余韻の間はそれを忘れてしまいそう。

特に悲しみのないわたしは、なかなか現世に戻って来られそうになく、雨のなか、原宿から渋谷まで歩き、さらにまた来ていなかったマメヒコの公園通り店で黒豆珈琲を飲んで、すこしカームダウンして帰途に。

でも、なぜかふいにどきどきしたり、濃いレモンと生姜、サブレのバターとバニラの香りが蘇って来たりして、完全に現実世界に戻れたかというと、かなり疑わしい感じです。

買って帰った、『「君は一人じゃないよ」なんて言わない』という、チョコレートと4つの果実の赤ワイン煮のパウンドケーキをいただくのが、楽しみなような、こわいような…。