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Not so open-minded that our brains drop out. RSSフィード Twitter

2010-09-23

ウィキペディアに駄目出しして墓穴を掘る日本ホメオパシー振興会の永松氏

| 12:49

一連のホメオパシー批判の発端となった山口のホメオパシー助産師の訴訟*1を筆頭に、悪性リンパ腫の患者の死亡に纏わる"あかつき問題"*2、沖縄のホメオパシー養護教諭の件*3など、報道されているホメオパシー関連事件の多くは*4ホメオパシージャパン系の日本ホメオパシー医学協会関係者によるものだ。一方で、日本国内には、日本ホメオパシー医学協会以外にも複数のホメオパシー団体が存在する*5

日本ホメオパシー振興会も非ホメオパシージャパン系の団体の一つで、永松昌泰氏が代表を務めている。彼らからすれば、ライバル団体の起こした騒動に巻き込まれるのは真っ平御免というところらしく、これまでも問題を起こしたホメオパシーは自分たちの「本来のホメオパシー」とは違うという立場を表明してきた*6


そんな苦しい立場に立たされている永松氏が久々にブログを更新した。どうやらウィキペディアのホメオパシーの記事にご不満のご様子だ。永松氏はウィキペディアについて一定の評価を下しつつも、以下のように批判している。


しかし、最近の記述はいかがでしょうか?

控えめに言って、でたらめです。

ホメオパシーに悪意を持つ方々が談合し、

ホメオパシーを徹底的に貶めようとしています。

記述の少なくとも半分以上の文章は、

嘲笑的な悪意に基づいていて、極めて不正確です。

書いた方が、ホメオパシーの専門的訓練を受けたことがない、

まったくの素人であることは、

最初から明らかです。

一つ一つが何の根拠もない記述です。

(引用元: http://www.hahnemann-academy.com/blog/2010/09/wikipedia.html 強調は引用者による。)


なるほど。確かにウィキペディアの記述は必ずしも正確ではない。余談だが、そんな不確かなウィキペディアを自身の修士論文に引用してしまったホメオパシージャパン系のホメオパスの高橋佳子氏とその論文を通してしまったアライアント国際大学カリフォルニア臨床心理大学院(AIU/CSPP)には猛省を期待したいものだ*7


さて、具体的にウィキペディアのホメオパシーについての記述がどのように不正確なのか、専門家である永松氏による指摘を見ていこう。


まず、最初にこうあります。

ホメオパシー (Homeopathy, Homoeopathy, Hom〓opathy) とは、「極度に稀釈した成分を投与することによって体の自然治癒力を引き出す」という思想に基づいて、病気の治癒をめざす行為もしくは思想を指す。その行為者はホメオパスと呼ばれる。


ホメオパシーの原典である、「オルガノン」を読んだ形跡が全くありません。

ホメオパシーについて書くのに、

ホメオパシーの基本文献すら読まないのでしょうか?

ホメオパシーは、「思想」に基づいているものではありません。

プルービングと臨床という実証からのみ成り立っています。

その精神は、オルガノン第一章にまず明らかです。

(引用元: http://www.hahnemann-academy.com/blog/2010/09/wikipedia.html)


『オルガノン』とはホメオパシーの開祖ハーネマンが記した、いわばホメオパシーの原典とでも呼ぶべき書物である。

この後、オルガノンからの引用が続き、ホメオパシーは思想ではなく実証だと永松氏は力説しているが、ここではその部分は割愛させていただく。問題は「自然」についての永松氏の反論だ。


また、自然治癒力を引き出す」という記述がされています。

オルガノンを読めば、そのようなことは一つも書いてないどころか、

「自然の模倣ほど馬鹿馬鹿しいものはない」

という基本理念が全章を貫いています。

ホメオパシーには、

「自然に任せる」という思想は、何一つないのです。

(中略)

そもそもすべてを自然に任せれば良いならば、

医学、医療は必要でしょうか?

もし、「自然が一番!」だったら、

どんな病気をしても、どんな怪我をしても、

全て放置して、自然に任せたら良いではありませんか!

ホメオパシーには(少なくとも本来のホメオパシーには)、

そんな馬鹿馬鹿しい主張は何一つありません。

その正反対なのです。

(引用元: http://www.hahnemann-academy.com/blog/2010/09/wikipedia.html 強調は引用者による。)


永松氏はウィキペディアの「自然治癒力を引き出す」という記述」という記述がお気に召さないようだ。

それはともかく、後半部分は基本的に正論である。医療という人為的措置が介在するからこそ、自然のままの状態よりも人間は健康でいられるし、自然のままでは死んでしまった命が医療によって助けられることは少なくない。近年もてはやされている"自然なお産"や"自然療法"はある意味矛盾した概念なのだ。ハーネマンはその意味では医療の本質をよく理解していた人物だったのかもしれない。


しかしながら非常にけしからんことに、現在の日本にはハーネマン以来の本来のホメオパシーを歪めて伝える"なんちゃってホメオパシー団体"が存在するようだ。


急性的な痛みや症状、病院に通っているけれどなかなかよくならない慢性的な病気、長いこと気になっている症状、理由のわからない不定愁訴など、全ての病気が対象です。ホメオパシーは病気を選びません。ちょっとした風邪からガンのような慢性病まで、たとえどんな症状でも、セッションによって選ばれた的確なレメディーによって、眠っていた自然治癒力を揺り起こし、ご自身の力で治癒へ向かうことができるようになります。ぜひ本物のホメオパシーを体験してみてください。セッションでの表現が、そのまま治癒への道しるべとなります

(引用元: http://nihon-homeopathy.net/session/index.htm 強調は引用者による)

ホメオパシーではいわゆる「病名」は関係ありません。また病気のメカニズムも関係ありません。なぜなら、目の前の「症状の全体」にその人の病がすべてあますところなく表現されているからです。そこには「新型」も「豚」も「H5N1 型」もありません。病気のメカニズムも関係ないため、メカニズムが未だ不明な時からすぐに対応できます。現在の症状に似た症状を引き起こせるレメディーを選択し、摂ることで、体の自然治癒力が発動し、治癒に向かうのです。

(引用元: http://nihon-homeopathy.net/archives/influenza.htm 強調は引用者による)


ホメオパシーは、セルフケアの方法としても、素晴らしい力を持っています。何より副作用がありません。「成分が成分に効く」というメカニズムではなく、超絶的にまで薄められていますので、薬の副作用の心配がなく、妊婦さんや赤ちゃんにも安心して使っていただけます。

また症状を抑圧するのではなく、自然治癒力を優しく喚起して自ら治癒していくので、心身に無理がかかりません。

(引用元: http://www.hahnemann-academy.com/course/sas.html 強調は引用者による)


ここまで書けば多くの方は察しがついていると思うが、皮肉なことに、上記の引用はいずれも永松氏自身が代表を務める日本ホメオパシー振興会・ハーネマンアカデミーオブホメオパシーのウェブサイトからの引用なのだ。実はハーネマンの教えを歪曲していたのは自分たちだったというオチだ。

再三にわたって、問題を起こした「ホメオパシー」は「本来のホメオパシー」ではないと批判しつつ、「『本来のホメオパシーとは何か』という根本的問題をまず明らかにすることを急務と考えています。」*8と語っていた永松氏だが、本来のホメオパシーについて説明しだした途端に自分たちのホメオパシーすらも「本来のホメオパシー」ではなかったことを露呈してしまった。


いったい「本来のホメオパシー」はどこに存在するのか?

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