大工

いま暮らしているアパートは1LDKで、一人で住むには十分に広い間取りだ。しかし、僕の一人暮らしも、あと数ヶ月を残すばかりとなってきた。今後もしばらく、同じところに住み続けるつもりだけれど、このアパートは二人ですむには収納スペースが少々心細い。
 そこで土曜日、リビングのクローゼットに棚を設ける「収納力倍増DIY」を試みた。ひょっとしたら、僕と同じように、クローゼットをうまく使えていない人がいるかもしれないので、作品を公開してみることにした。壁に穴を開けたり釘を打ち込んだりしないように設計したのが、ポイントである。

こちらが以前のクローゼット。細かい物をしまうのに、いまいち使いづらい。ここに3段の棚を作るために、近くのホームセンターで、仕入れてきた材料が次の写真。

一番左が棚板。重い物を乗せても安心なように、曲がりにくいパイン集積材を選んだ。厚めのものなので少々お高い3500円。細長い板は支柱に使う。これは赤松材の安物にした。4枚で240円程度。ダボ受けとセットのネジ式ダボが500円×2。支柱にダボ穴を穿つ必要があるので、1300円で売っていた手動のドリルを買った。ドリルの刃はダボに合った径のものを選んで、これが400円。計6440円。なかなか高い買い物になってしまった。今回は拡張性と、分解のし易さのことを考えてダボを使った。代わりにL字フックとねじで棚板を固定することにしてしまうなら、もっと単純だし、見栄えは悪くなるけれど、より頑丈でコストも2000円ほど押さえられるだろう。
 完成図はこちら。

支柱の赤松材は、クローゼットの高さよりも1センチだけ短くしておく。余った材で「くさび」を作って、天井との隙間に打ち込むことで支柱を固定しているのがポイント。支柱には、好みの位置に穴をあけて、ダボ受けを打ち込んでおく。ダボを付けたらあとは棚板をはめ込むだけと簡単なわりに、見栄えはなかなかよい。
 赤松材は木目に沿って少し湾曲していて、それが棚板を締めつけるので、手で揺する程度ならびくともしない。これは予期せぬ効果だった(経年変化でゆるんだりしないかが少し気になるけど、まあいいか)。のこぎりで材を寸法通りに切るのはとても難しいので、ホームセンターで切ってもらうのがよい。ワンカットで10円ほどしかかからない(ただ、穴を開けてもらうのは、なぜかひと穴100円程もかかる)。