大分→湯布院

早朝、博多バスターミナルから高速バスに乗り込んで、大分市へ。

駅前でおりて、数分あたりをきょろきょろしていると、待ち合わせていた父親が歩いてくるのを見つけた。父親と会うのはこの前の九州の学会以来だから、約5年ぶりくらいか。あまり変わっていなくて、服装も若い。

「ああ、そういえば僕にはこういう父親がいたんだな」

と思わず笑ってしまった。来月から入籍する彼女を紹介する。僕の親父は、僕以上に変人なので、言動が予測不能である。彼女も対応に四苦八苦しているように見えた。かなり年式の古い軽自動車で、祖母の住んでいる団地まで移動する。

祖母と会うのも、5年ぶり。お散歩がてらに近くのショッピングセンターまで歩いて移動して、昼ご飯を食べる。祖母はまだ足腰がしっかりしていて、すたすたと歩くので安心した。大分はさすがに暖かくて、もう桜が咲いていた。

祖母は、一部か二部咲きくらいの桜が一番美しく、満開になるとダメだという。若造の僕には、その気持ちはまだよくわからなかった。

湯布院

湯布院に宿を取ってもらったので、電車で移動。お宿は湯らり六妙という。すべて離れの日本家屋が並んでいて、それぞれに露天風呂がついている。普通だったら一泊3万くらいしていいくらいなのに、値段はきわめてリーズナブル。お安い理由は、夕食が出ない点にある。しかしその点はしっかりカバーされていて、宿のスタッフが湯布院内のおすすめな食堂を紹介してくれる(車での送迎がつく)。軍鶏料理の店を紹介してもらい、僕は初めて、鶏肉の刺身を食べた。

生まれてから今まで食べてきたものの中で最もおいしかったものを3つ挙げろ、といわれたら、ほかの2つは思いつかないけれど、ぼくはこの軍鶏の刺身を含めると思う。