2011-12-13
プリクラ映画:『けいおん!』
『けいおん!』メモ。
思ったことを箇条書き。
年末には魔物が潜んでいた。今年は『けいおん!』だ。観賞環境は完全にアウェイ。HTTがにゃんにゃんする度に観客が笑い、その度に僕と『けいおん!』初体験の友人・ぴゅあろーの温度が下がっていく。「何が面白えんだこの萌え豚どもが」てな感じで。しかし作品はおそろしく出来がいい。参ったの一言。世の萌え豚処女厨さんたちにどこまでもお優しい作品で、正直ゲロ砂吐くくらいに甘ったるくってクソむかつく小芝居でしたが、これはもう男性には決して作れないかわいさです。おそろしく希少性の高い作品。女性の作るものってマジで凄い。
この作品の既視感は「見て見てわたしのプリクラファイル。一緒に楽しんで」と生徒に言われた時に近かった。“彼女達がいる景色のスナップ、その連続”みんな不自然に(いや自然なんだけど)距離が近い。何かに収まるようにして行動する様が、本当にプリクラ。並んで収まる絵で言うと寿司屋で演奏終えて外の階段にギューッと座ってたとこ。完全に二重フレームだった。あとOP。手書きの装飾はプリクラではお約束。
いわゆる“鬼作画”、“ロケ背景”がズラリな訳ですが、普通の映像作品だったらキメでもってくるようなシーンをふっつーに、ふっつーーーーに、じゃんじゃん使ってくるんです。そのシーンの連続性が、“他愛ない日常、眩しい日常”を見事に描いている。で、ぐあーっと盛り上がったと思ったら、風景にカメラがパンしてフェードアウト、で、次のシーン。その連続。こんな勿体無いこと普通しませんよ。なもんで最初から終盤までgdgdにも関わらず、当たり前の積み重ねに全然退屈せずに観れてしまう訳で。
僕が息を飲んだシーンはイギリスから帰国した後のいつものお茶会。タクアン眉毛が4つのカップに順番にお茶を注いでいくシーン、お茶を注がれたカップ毎にフォーカスしてくカメラで、もうなんじゃこりゃと思った。なんでこんな感動できる絵をふっつーの会話ん時に使えるの。
他アニメや洋画などで使われるダイナミックな構図やスローモーションはお笑いネタや場面繋ぎにしか使われていない。決着的なシーンはほぼ全て流され、なるべく感情を抑えるようにレイアウトが組まれている。そして基本構図は少女たちの視線と地平線がほぼ同じ高さ。徹底しとる。
どんな時でも「並んで歩く絵」にウェイトが置かれる。シネスコサイズとも相性がよく、女性作画陣の描くむっちり足の線がとてつもないエロさと健康的な匂いを醸し出していてもう土下座するしかない。これか、これがかわいいってやつなのか。
てなわけで、『けいおん!』はテンプレートの外し方がおそろしく上手い作品だと思います。男性の作る画一的な王道ではなく、そのズレている部分がおそろしく生々しい。「食べる、寝る」シーンが多いから人間が当たり前の動物に見える。
結構モラトリアムな作品だと読んでいたんですが、劇場版で各キャラの感情、その繋がりの再確認、そして大好きなあの娘に送る言葉、巣立った後もみんな一緒に飛んで行ける、など超まともなことやられたのでもう完全に降参。女の子はお手々繋いで皆で一等賞って文化なのかこれ。
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