ノーブルチルドレンの告別 / 綾崎隼

ノーブルチルドレンの告別 (メディアワークス文庫 あ 3-6)

「当たり前の毎日は、当たり前なんかじゃなかったんだね。普通の毎日が、それだけで幸せだったんだって、あたしはやっと気付けたよ」

麗羅を訪ねてくる元同級生の少女。
ここから全ての未来が捻じ曲がり始めた。
麗羅の過去が暴かれ、復讐劇の幕が上がる。


綾崎集先生が綴るノーブルチルドレンシリーズ第2巻『ノーブルチルドレンの告別』です。
麗羅の過去、舞原一族の異常性が判明。
前巻と比べると重たい内容でした。
ポップなミステリーではなく完全に愛憎劇です。

「俺は麗羅と友達になりたかった。麗羅に赦して欲しかった。あいつに憎しみをぶつけられるのだけは嫌だった。」

彼等の言うとおり吐季と麗羅は確かに友達ではなかった。
それでもやっぱり、あの結末は悲しく、涙を流さずにはいられなかった。
本人よりも緑葉が納得いかず涙を流すのもわかる。


ただ、悲劇は始まったばかりの様子。
ここからまだ落ちるところがあるのかと思うと憂鬱になる。
吐季と緑葉の関係が近くなるにつれて、周りが壊れていく。
今回の監禁事件が、舞原家と千桜家の両家に影響を与えていくのはなんとなく予想はつくけど、行き着く先は破滅しかないのか?
できることなら幸せになって欲しい。


二人がどこに行き着くのか、楽しみです。