花の佳音 / 雨宮諒

花の佳音 (メディアワークス文庫 あ 8-1)

「いつもお話相手にになってくれてありがとう。わたくしは、ここに来られて本当によかった」

花の精霊と話すことができる主人のいる花屋さんのお話。
せつなくも心に響く連作短編。

売られていく花たちに感情移入してしまう主人公の姿が大げさすぎた気もしましたけど、
それだけ花へ愛情を注いでいたということでしょう。
売られていく花たちの言葉がそれを物語ってた。
中でも白菊と黄菊の言葉は心に響いた。


物語全体の雰囲気は好きなのですが、最後の展開がちょっとイマイチに感じた。
ラストであやめの話をやるのなら、もう少しあやめと草介について掘り下げて欲しかったです。