ソードアート・オンライン プログレッシブ / 川原礫

ソードアート・オンライン プログレッシブ1 (電撃文庫)

「元ベータテスター、だって? ……俺を、あんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな」

電撃文庫10月の新刊、「ソードアート・オンライン プログレッシブ」です。

1巻でさらりとクリアされてしまった、アインクラッド編。
あらためて1層から順番に攻略していくというコンセプトの本シリーズ。
今まで読みたいと思っていた、キリトとアスナの冒険譚が読めて大満足。
じっくりとボス攻略していく内容がとてもいい。
また、それ以外にもそれぞれの話にテーマがあるのがいいですね。

「星なき夜のアリア」では、「ボス攻略レイド(集団戦闘)」
「儚き剣のロンド」では、「強化詐欺」
MMOを語る上では欠かせない内容をより一層踏み込んだ形となっていました。

このシリーズのなにより魅力はアスナとキリトのコンビによる冒険。
本編だと二人で一緒に攻略してるシーンがほとんど無いのですが、本シリーズではこれでもか!といくらい二人一緒に行動してるのでキリトとアスナの二人が好きな人には堪らないものになっていました。

それにしても、殺人ギルド「ラフコフ」がこんな序盤から暗躍してたとは思ってなかった。
まだ直接のPKには至ってはいなかったものの、PKを容認する空気を作るために、情報を流したりと普通とは違う思考の彼等の行動は本当読めない。
アリアでキリトさんを追求し、ロンドでもはじめに声を荒げたダガー使いの彼はきっとラフコフの幹部の彼かな。
今後あるであろう、ラフコフとの戦いが今から楽しみ。

あとがきによると、既刊作品といくつか矛盾はあるものできる限り修正していきたいとのこと。
どうやってつながっていくか楽しみですが、本シリーズの刊行ペースは年に1冊とのことで、短編の話に行くまででも相当な年数が掛かりそうです。

次は第三層攻略編の「黒白のコンチェルト」。
来年になるとは思いますが、今から楽しみです。