読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『世界を信じるためのメソッド』 森達也 著

理論社のこの「よりみちパンセ」シリーズは、子ども向きだけにわかりやすく、基本への理解が深まるところがある。

今回のメディアリテラシーについての論の進め方、例えの出し方などは、とてもうまい構成で、さらに著者の生き方にも触れられ、好感が持てた。

多面的に見ることの大切さ、メディアも嘘をつくことを考えながら、接していきたい


(目次-引用)
第1章 メディアは人だ。だから間違える。(連想ゲームをしよう;イメージって、どう作られる? ・・);


第2章 メディア・リテラシー、誰のために必要なの?(メディアへの接しかた;「何となく」の副作用 ・・);
p73:ゲッペルス「みんな同じことを考えよ」


第3章 キミが知らない、メディアの仕組み(僕がクビになった理由;トップ・ニュースは何か? ・・);
p92:(メディアの間違いによって一般の人も誤った認識を持ってしまった実例として)1.松本サリン事件で被害者の河野義行さんが犯人と報道された例、2.宇都宮の重度知的障害者が誤認逮捕された例、3.湾岸戦争時に議会で偽りの証言をした少女の例、4.湾岸戦争時の油にまみれた水鳥の例
p114:(ナチの暴走)沈黙の螺旋


第4章 真実はひとつじゃない(世界をアレンジする方法;メディアは最初から嘘だ ・・)
p134:新聞の部数競争の結果、気がついたら軍部は大きな力をつけていた。あとはもうどうしようもない。
p137:世の中の動きに逆らってでも真実を追究しろと、僕も本音ではメディアに言いたい。でも同時に、それがとても難しいことも知っている。テレビの場合、この市場原理から解き放たれることを約束されたのが、公共放送であるNHKだ。でも今のNHKは、確かに視聴率は民放ほどには気にしていないけれど、その代わり、政府の意向をとても気にするようになってしまった。これでは困る。独裁国家の国営放送になってしまう。知己には政府をちゃんと批判してほしいのだけれど、今のNHKでは、なかなかそれができない組織になってしまった。でもだからといって、なくなってしまったら困る。誰が困るのか?NHKの職員だけじゃない。本当に困るのは僕たちだ。


{フォーラムで3/7借り4/2読了、記入は4/4}