- 作者: 大久保潤,篠原章
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/01/16
- メディア: 単行本
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序章P24で、著者が怖れるのは、偏狭で排他的なナショナリズム同士の対立と人々の分断、人心の荒廃で、沖縄の支配階級が振興資金獲得のための政治的用具として沖縄ナショナリズムを利用し続け、日本政府がその要求を受け入れ続ける限り分断が現実化する恐れがあるという。人々の人権や自由を侵害しかねないこうした傾向に警鐘を鳴らしたという。
本著では、琉球史研究の第一人者・高良倉吉元副知事が、大江・筑紫的沖縄観=戦争も基地も被害者の視点だけで語り、自立に向けた議論を阻む「日本は何とかしろ」という依存体質、陳情文化が一般人にも蔓延したと“解説してくれた”P143と、紹介している。
終章では、「構造的沖縄差別論」について厳しく批判し、「沖縄の補助金依存型経済体質とl公務員優位の社会構造にメスを入れないかぎり、基地縮小も進まなければ、基地依存からも脱却できませんP204」などと主張し、あとがきに、著者二人とも沖縄批判はしておらず、既得権益を守る公務員を中心とした「沖縄の支配階級批判」をし、「民族主義的な沖縄権力への批判がこの本の狙いP215」としている。
出版した新潮社のサイトに目次あり⇒ http://www.shinchosha.co.jp/book/610601/
ものごとには、光の当て方からさまざまな側面があり、いわゆる「沖縄問題」をどう捉えるのか?本著が当事者にどう受け止められたのか?
{201610/10読了、記入も同日}