読書録

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ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める 中公新書 2384

 本書の主張は、あとがきp207で、情報文明の深遠な基層にたいする想像力をもつべきとしたうえで、「人間より賢い人工知能がわれわれから仕事を奪い、世界を支配する」などといった脅し文句に惑わされることはなくなる。そして、「人工知能(AI)を人間機械化の道具にするな、逆に知能増幅(IA)技術と集合知を駆使して、着実に未来をひらけ」ということ。

 著者は繰り返し、「30年後のシンギュラリティなど、どう考えても存在しない」と口を酸っぱくなるほど繰り返しているp194。その仮説の愚劣さは、人間社会が生命的な価値によって支えられているにもかかわらず、機械的に制御できると勘違いしている点にあるp168という。汎用人工知能は実現困難で、専用人工知能に特化すべきとの主張p86だ。

 このところよく耳にする深層学習については、パターン認識のための機械学習の一種に他ならず、「ニューラルネット神経細胞網)」と呼ばれるモデルを用い、特徴量設計の自動化という二つの特徴があるというp76-79

発刊した中央公論新社のサイト→ http://www.chuko.co.jp/shinsho/2016/07/102384.html

◇なお、ビッグデータの特徴については、以下の3V(p32〜p38)、
量の大きさ、Volume
多様なこと、Variety
生成速度の速さ、 Velocity
+いま注目される分析は、全件処理、質より量、因果から相関への3つの特徴あり


 ちょうどEテレで、この関連の番組が始まった。
http://www.nhk.or.jp/aibeginner/01.html
#01 会話する
最新の人工知能の仕組みを解き明かし、人間とは何か?楽しく考える、教養エンタメ。
初回のテーマは、「会話する」。そもそも人は他人の発言をどこまで理解している?言葉をわかるとは?

{2017/10/2-8読了、記入は9月祝}