2010-09-04
■Great tips from Silicon Valley
最近、Listening力の強化目的で、Stanfordが提供している、Stanford Technology Ventures ProgramsのPod Castsを聞いているのだけど、現地の起業家、Angel, Venture Capitalistsなどをゲストスピーカーに迎え、経験談や哲学を語ってもらうという、これまたなかなかのコンテンツがそろっていて、楽しい。
その中で、ふと、よく聞くタイプの話があった。
経験豊かな起業家や投資家がよく語るウェブビジネスにおいては、
”The early bird catches the worm, but, the second mouse gets the cheese."
ということ。これと似た話がよく出てくる。前半は、よく知られたことわざで、お飾り。
後半部分が本題。
一匹目のマウスは、大半の場合、犠牲になり、2番目のマウスが、お宝に預かれる。
典型例でよく出てくる話が、やはり、Googleである。
ラリーとセルゲイが、ページランクのアイデアを得た95年前後は、世は既に検索エンジンの黎明期を過ぎて、活況期に入っていた。つまり、世に溢れ出したHTMLコンテンツを何とかしようと、そこら中に検索エンジンベンチャーが割拠していた。思いつく限り挙げると、大手はYahoo!、それ以外でもinfoseek, Technorati, Altavista, Teoma, Inktomiなど。(もっとあった気がする)
大半が、Googleの前に消えていった。Yahoo!は、ディレクトリー検索を提案していたが、本質的ではなかった。
Googleの方がアプローチとして、本質的であった。
私見であるが、新興市場の成長原動力となる上で、群雄割拠ほど、マーケティング効果が高いものはないと考えている。これは、トレンドなので、基本、コントロールできない。ただ、見極めることはできる。
世の注目がそこに注がれることで、そのテーマにまつわる議論が活性化し、同質領域を取扱うサービス群の中で最も本質を突いたものが、頭角を表す。そして、相性のよいビジネスモデルを手に入れた瞬間、覇者となる。
トラフィックだけでは覇者にはなれない。これは、ビジネスなのだから当たり前のことである。You TubeがExitモデルになるのは当然だろう。毎月1億赤字では、VC側が悲鳴を上げるだろうて。
本質に気付いていない先行プレイヤーがいることは、実にWelcomeな話だ。
こちらが、その本質に気付いているから、おもしろい勝負になる。
2010-08-28
■Brand と Consumer ExperienceのSweet Spotを考える
今日は、偶然にも、濱口さんとお久しぶりにお会いでき、かつ貴重なお話ができた。
大変感謝したい。ということで、思考歴も含めて、久しぶりのブログエントリー。
表題の件は、とても興味深い。
このSweet Spotを戦略的に取り組めている大企業は、ほとんどないものな。
更に、ベンチャーにとっては、左側の円であるBrandが点線で表現できるわけで、
スクラッチから戦略的なブランド作りができるということ。
当然、多くの大企業にみられがちな遇優性が高く、かつ武勇伝的な「伝説」のみに
依存したブランドでは未来は当然危うい。
スクラッチからのブランド造り、正にワクワクするのだ。
ソニーにもない、Appleにもない、Googleにもない、それでいて
全く今までにない卓越したブランドDNA造り。ベンチャーだからこそ、
取り組める設計自由度の高さ。
正に、恐竜に挑むほ乳類の快感というやつだ。
もう一つは、前から考えていたオフィスデザインのことだけど、これは
内緒。^^
でも、きっと、チームメンバーのクリエイティビティを最大化させるオフィスデザインに
なりそうなのだ。
ますます未来が楽しみだ。そう、仲間と共に生み出す未来が。
2010-07-19 ”インセプション”への感想
久しぶりにおもしろいコンセプトの映画を観た。
ワールドモデルの描写は、あえて割愛しているのかな。
国益に代わり、企業益が、グローバルスタンダードとなり、
企業がイノベーションの取り合いをやっているような想定で観ていたが、
独特な世界観が感じ取れて、とてもよかった。
ただ、ストーリーとして、それだけだとおもしろくないと判断したのか、
アイデアを植え付けるという、情報文化史にまつわるような展開なので
とても面白い。
恐らく、「Visual Thinking」と「情報の歴史を読む」を読了していた
上で観ていたこともあったので、深層心理に対するアプローチが、余計、
興味深く観れた。
確かに、Silent Languageが、極めて濃縮された思考を内包していて、
それが「夢」というメディアを使って、コミュニケーションされるような
世界観があれば、コンピュータは不要になってしまうだろうし、更に進んで「現実」を
必要としない生き方をしたくなる人が出てきてもおかしくないだろうな。ただ、
「夢」というメディアを生み出せるのは、現実から受け取った「情報」があるから
なんだけどな。
「レナードの朝」のストーリーを連想させる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AE%E6%9C%9D
そういった意味で、
「夢」と「現実」を結びつけるためのフォーマットを考えてみるのは、おもしろいかも。^^
一度、観てみることをお勧めです。
■コンセプト、戦略、実行、そしてビジョンの関係性
実行の上位概念として、戦略があり、戦略の上位概念として、コンセプトがある。
頭の中での理解は、これでよいと思うのだが、実際のところ、この3者はとても
入り組んできていると考えている。特に、知的生産性の向上が、ナレッジワーカーに
おいて進むにつれ、進行する。
なぜかといえば、Small Worldで描かれたように、高度に進んだ情報化社会では、
現場レベルの人材が、この3つの要素を高度に取扱うスキルが求められてくると
考えている。
コンセプト開発において、ときにラピッドプロトタイピングを使用するのは、スモールサイクル
による実行により、より大きなコンセプトを生み出すための検証作業であり、
実際にデザインすること自体、戦略としての、その獲得形質を検証するための作業でもある。
つまり、フラクタルな構造がありつつ、入れ子構造になっている。
そして、コンセプトの更に、上位概念にあるのが、ビジョン=思想である。
ビジョンは、企業が誕生してから生まれたものなどではなく、国家や、地域共同体を
更に遡って、知的生命体が必要する自分たちの情報が秩序化された状態を維持するための、
根幹をなすものであると考えている。
我々は、無秩序ではいられない。情報エントロピーの法則。
混乱や怠惰といった、でたらめ度の高い状態に対して抵抗しようとする作用が必ず働く。
その作用を意味付ける根幹的な存在がビジョン。
国家が、マネジメント体系を造り出す上で宗教を必要としたのも、これが根本的な背景。
ビジョンの発生は、人類における右脳・左脳の二分化や、それに伴う空想や抽象思考といった
それまでの知的生命体では行われていなかった情報処理が発生したことによると考えて
おり、観念技術の発生がその原型と考えている。
コンセプトは、それまで動植物が、DNAに依存して行っていた直立二足歩行や、恒温性などの
機能寄りの獲得形質について、人間社会特有の文化的な要素を加えつつ、意識的に行う秩序
形成の作用だと考えている。ミームなどの概念が分かり易い。
これから、企業において更にビジョンが重要視されると考えているが、それは、既に政教分離が確立され、更に国家の時代が既に終焉を迎えつつあるからであり、優れたコンセプトも優れたビジョンの上に成立すると考えているからである。
また、ビジョン対するクレドー(理念)の関係性は、宗教における教義と教理の関係性に近い。
ただ、ビジョンで宗教と代わらぬものを語っているのは、時代錯誤であり、合理性、論理性に
加え、科学的な要素が内包されていなければ、これからの文明社会で思想として成立することは
ないと考える。人類の思考体系は、確実に進化している。
コンセプトを考える際も、ニーズやシーズといった表層的な思考のみで考えないのだが、
それはこういった点が、背景にある。
おもしろいコンセプトに拘り過ぎる落とし穴はここにあると思う。
更に、技術だけを神秘化し過ぎる日本人の問題点は、ここにある。
テクノロジーは、あくまですばらしい道具の一つであるということを深く理解せず、
それ自体を思想のように扱ってしまっている。文系、理系の教育弊害もあいまって、
今、世の中で最も重用視されているホリスティックな思考がほとんどない。
30年前からそちらに思考を切り替えている北米の人材に敗北するのは、当然だろう。
学生時代に、フリッチョフ・カプラの「タオ自然学」を読んで、そのことに気付かされた
ことには、大変、感謝している。
とういうことで、本は、やっぱりいいもんだ!
2010-07-18
■クラウドと受託開発
最近、ほとんど関連記事を読んでいないので、どの程度、議論されているのかわからないのだけど、考えは以前からあるので、少し触れて置こうと思う。
今回の不況を契機に、エンタープライズ市場のクラウド化は加速する。
セキュリティの問題がネックになるというのは分かるが、本質的にはデータセンター時代と
それほど代わらないだろうというのが、私見。
これは、いわゆる受託開発を中心に稼いでいるSIにとっては、かなりの向かい風。
単純に考えれば分かるが、まず、サーバー含めたインフラネットワークレイヤーを
AmazonのAWSなどがカバーするわけだから、そこの需要は確実に減る。
ここは、AmazonやGoogleなどが、どのようにSIさん達にマーケティングしていくのか
興味がある。クライアントと直接取引しているのは、SIだから。リプレイスしていく
のであれば、それなりの策が要る。当然、SIの連中は、今まで抱えていたデータセンターを
クラウドセンターと称して、紙の上だけでクライアントをクラウド化させようと
するだろう。
更にSaas型ソフトウェアやそれをベースにした開発プラットフォームが普及して
行くと、クライアントベースの開発需要は低下するだろう。ウェブ開発の効率性は、
それまでのいわゆる業務アプリの開発効率よりも高い。
ただ、大規模SIと中小SIで影響度は異なると思うが、
大規模SIの連中は、収益レベルを維持したいのであれば、コンサルティングにシフトしないと
厳しいのではないかな。逆に、中小のSIは、営業やマーケティングを間違わなければ、それほど
厳しい状況には追い込まれないのじゃないかと見ている。クラウド時代は、それまでの
パワー重視の大規模SI型の開発需要よりも、よりアジャイル的な開発需要が旺盛になるだろうと
推測している。
ウェブを覆うマクロトレンドとして、一つ認識しておきたいのは、ますます
底上げされていくということ。低レイヤー領域をカバーしなければサービス
提供できないという状態がますます後退しつつある。
工業製品で既に起きてたことが、着実にIT産業でも進行しつつある。
※関連記事があったので、参考まで。
