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Danas je lep dan.

2009-02-18 寒くて布団から出られない

[]物語を売るもの

 有川浩が書いていると聞いて買ったら,米澤穂信も書いていた。びっくり。

Story Seller (新潮文庫)

Story Seller (新潮文庫)

 取り敢えず,ぼくがファンである作家2人と,読んだ事のある作家2人と,初耳の作家3人の中編を集めた本。下に感想を書いておきますが,手軽に読めるのでお勧めです。

伊坂幸太郎「首折り男の周辺」(pp.9-91)

 「首折り男」をめぐる3つの視点から展開される物語。巷を騒がせる連続殺人犯によく似た男と,その男の近所に住む老夫婦と,殺人犯に声をかけられた少年。彼らの物語が描かれるにつれて,徐々に殺人犯の輪郭(のようなもの)が掴めてくる。淡々と紡がれる物語,ささやかな親切と勇気。

近藤史恵プロトンの中の孤独」(pp.95-148)

 未読の作者による,自転車競技もの。天性の才能を持ちながらチームになじめない男をサポートするこちらもチームになじめない凡人の物語,とでも言うべきか? 爽やかないい作品。

・有川浩「ストーリー・セラー」(pp.152-273)

 いちばん期待して,いちばん残念だった作品。作者の筆が滑りすぎてバランスが取れていない(いつもはそれがいい方向に働くのだけれど)。長編だったら評価した,と思う。

・米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」(pp.277-347)

 旧家の娘に付けられた忠実な使用人。娘はその使用人と親交を深めるが,使用人には使用人なりの矜持というものがあった。結末の不気味さはやはり米澤穂信と思わせる出来。あちらこちらに散りばめられる教養も,世界観を引き立てるいい小道具として機能している。

佐藤友哉「333のテッペン」(pp.351-449)

 このひとの作品は何だかよくわからない(他には鏡家サーガしか読んでないが)。東京タワーのてっぺんで発見された死体。そこで働くフリーターと依頼された探偵。7作の中で最もキャラ立てがされていて,続きが読みたいと思わせる唯一の作品だった。いや,本来,そんな作品は紛れ込んでちゃいけないのだろうが。

道尾秀介「光の箱」(pp.453-550)

 童話と童謡をめぐる物語。ふたりの思い出が交錯する形で話が進む。名前の件とか,薄々あれ?,と思わせるお約束っぷりはあったけど,よく纏まっていて,穏やかないい作品。いちばん安心して読める。

本多孝好「ここじゃない場所」(pp.554-672)

 ひとりの女子高生の目撃とそれに始まる妄想の物語。着想は面白く,女子高生が追いかけている相手が何ものなのかよくわからなくてドキドキもさせられたけれど,展開が急でちょいと残念(個人的にSF的展開を期待していたから,というのもある)。

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