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Danas je lep dan.

2010-06-02 カタヤイネンの誕生日を祝いそこねた

[]「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」の歴史的考察

 アニメストライクウィッチーズ』における「ズボン」とは,一体いかなる存在なのか? 「ベルト」とは何か? 従来,この問いには多くの論者が取り組んできた。

 まずは先行研究を整理することから始めたい*1。第一に,「パンツ丸出しで,彼女たちは恥ずかしくないのか?」という観点から彼女らの意識を探ったものが挙げられる*2。だがこの種の議論は,「パンツ丸出しでは当然羞恥心を憶えるはずだ」という本質主義的かつ没歴史的な前提を暗黙のうちに含んでしまっており,また無意識の内に二次元世界を三次元の常識で解釈するという三次元優越思想にも染まってしまっている(二次元タリズム,とでも名付けようか)。『ストライクウィッチーズ』に関する公的史料*3ですら,後述するような相対主義的態度を取っている中で,そのような研究手法は当然に批判されるべきものである。

 第二に,シュレディンガーの猫的な問い,すなわちコペンハーゲン解釈的な答えでもって応えるものが挙げられる*4。「パンツ」の意味論,とでも呼べようか。これに関しては,直接『ストライクウィッチーズ』世界について論じるというよりもわれわれの世界について哲学的に考察する議論と見なし得るのでここでは触れない。

 第三に,「あちらの世界ではみんなそうだから恥ずかしくないもん!」という相対主義的な見解である*5。公的史料は概ねこの立場を取っており,公式見解に則ったものと言えるであろう。本稿の筆者も基本的にはこの立場に立つものである(かつて,ズボンの社会的機能について考察したことがある*6)。

 だが,ここで踏みとどまっていては,真に「ズボン」の機能を明らかにすることはできない。本稿の目的は,『ストライクウィッチーズ』世界における「ズボン」の歴史的形成過程を明らかにすることにある(なお,本稿の内容は,軍事板常見問題に強く抗議します - Danas je lep dan.での議論と重複する箇所を含む)。

 古代の魔女について,残念ながらアルヒーフ史料は多くを語ってはくれない。だが,たとえば戦国時代のウィッチについては記録が残っている*7。彼女たちは具足を装着していた。つまり,少なくとも近世において,魔女の魔力を発現させるのにもっとも適した部位は脚であるという認識が存在した,ということはいえるだろう。西洋においても同様であるに違いない。つまりこの時代には,脚を覆う衣服は魔女にとって妨げになる,ということが認識されていたのである。

 おそらくかような認識は古代から徐々に発展していったものだろう。ここからは以下のことが推測される。魔力に関する認識の増大とともに,下半身を覆う布地は減少しただろう,と。ここで起きたことはピレンヌ的転回である。すなわち,元来,かの世界での「ズボン」はわれわれの世界での「ズボン」に似た形状をしていたのだ。だが,歴史の発展段階(笑)を経て,それは徐々に布地を減らしていき,ついにはわれわれの世界でいう「パンツ」と同じ形状になるに至った――これが,私の提出するズボン起源論である。

 そしてこの推測は,同時に「ベルト」の起源をも説明する。元始,女性はズボン姿であった。今,女性はパンツじゃないから恥ずかしくない姿である。この間に「ズボン」の機能喪失が起こったのではないか,とわれわれは推測した。であれば,当然,その「ズボン」を支えるべき「ベルト」の機能もまた,変わっていったはずなのだ。歴史のある段階において,ベルトもまたその機能を喪失する。だがベルトは,ほんらい不要な布地や装飾品を付けることによって装飾としての機能を新たに得たのである。こう説明すれば,何故あの世界において,われわれのいう「スカート」が「ベルト」と呼ばれるのかを理解することができると,私は確信している。

パンツが見える。―羞恥心の現代史 (朝日選書)

パンツが見える。―羞恥心の現代史 (朝日選書)

 本稿では「ズボン」の歴史的変遷について考察した。だがこの説明は既に出された説明の焼き直しになってしまっているかもしれないし,何らかの公的史料と矛盾してしまっているかもしれない。その際はご指摘をいただけると幸いである。

LuchsLuchs 2010/06/03 20:45 深いなあ…

それにしてもオラーシャとかスオムスとか気温が低そうな地域の
ウィッチはあの格好でも問題が無いのかなと素朴な疑問があったりします。

鐘の音鐘の音 2010/06/04 00:43  ズボン起源論について幾つかの反論を。
 もしも、ズボンが退化していって、面積がすくなくなったのならば、当然あのズボンの下に下着をはいているはずなのだけれどそういった様子は見られない。
 二重履きという状況が示唆されていない以上、ズボンは絶滅しパンツの名称が変わったという考えも成り立つのではなかろうか?
 設定や資料には、ズボンがパンツサイズになるまでの過渡期のズボンが存在せず、(進化論的に言うところの首の中間ぐらいに長いキリン的な何か)ただ、パンツにしか見えないズボンのみが存在している。これはつまり、尾てい骨やコウイカの殻のように徐々に退化してパンツサイズになったというよりは、あるときにズボンを男らしく捨て去り、パンツをズボンと呼ぶようになったのではないだろうか?
 そうでなくては、あのズボンの下にパンツがない理が通らない。

 また別作品の話になるが、リリカルなのはのバリアジャケットの下はどうなっているのだろう?
 やっぱり、下着ははいてないのだろうか? 変身前は履いていたのに、変身すると消えてしまうのだろうか?

MukkeMukke 2010/06/05 20:45 Luchsさん>
ええ,ズボンだけに(何)

>気温が低そうな地域の
>ウィッチはあの格好でも問題が無いのかな
魔女の魔力を信じろ。

鐘の音さん>
これは非常に哲学的な問題です。歴史のある時期において,パンツとズボンが一体化されたことには間違いがありません。つまりは二枚あった衣服が一枚になったわけです。さて,では,捨て去られたのはパンツなのか,それともズボンなのか? 唯名論の見地からは非常に興味深い命題であるといえましょう。

>リリカルなのはのバリアジャケットの下はどうなっているのだろう?
は い て ま せ ん 。

スピードを重視してパンツを捨て去ってみたけど戦闘終了後に恥ずかしくてもじもじするフェイトそんテラモエス。

GelsyGelsy 2010/06/06 15:39 論理学的に見ると、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」という命題は、「恥ずかしいからパンツだもん!」の対偶を取ったものであり、パンツの再定義を試みたものではなかろうか。したがって、ここから、『「パンツ」の意味論』を問うのは不可能ではないか。

MukkeMukke 2010/06/06 22:28 Gelsyさん>
>論理学的に見ると
そ の 発 想 は な か っ た 。

つまり,
丸出しだと恥ずかしいもの=パンツ
恥ずかしくないもの=ズボン
ってことですね,わかります。

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