汎用電子の「FT」とか「HG」とかって何?
- 汎用電子の異体字データベース(IVD)登録にともなう公開レビュー(PRI 167)のドラフト(IVS-0322.pdf)を見ていると、「IA0204」といったグリフ名の、先頭の2文字の意味が気になってくる。すぐに見当がつくものもあるのだけれど、いくら考えてもわからないものもある。
- で、図書館に行って調べてきた。「汎用電子情報交換環境整備プログラム成果報告書」(2003.3)をもとにして、今回のドラフトに出てくるものをまとめたのが、下図。
- このうち住基統一文字(JT)と戸籍統一文字(KS)以外は、汎用電子プロジェクト以前から平成明朝体に存在したグリフ。黄色地のものについては、これだけを見てもわからないと思うので一応説明を試みるが、わたしもよくわかっていないので、説明を読んでもすっきりしないかもしれない。
- 「FT」は、「報告書」によると「文字フォント開発・普及センター*1の平成明朝体開発委員会からの要望により制作したJIS X 0208以外の文字」。「JIS X 0208以外の」といっても、たとえばOpenTypeフォントの'jp78'グリフのような、おなじみのバリアントが多い。
- 「IP」は、「報告書」によると「情報処理振興事業協会(IPA)の電子図書館システムプロジェクト用に制作した文字」。これについては安岡さんの「U+90F7 U+E0101というIVS」が詳しい。
- 「IA」と「IB」は、「報告書」によると「人名や地名漢字等を拡充したもの」。おそらく当時の平成明朝体のレパートリに対する外字集合のうち、CJK統合漢字拡張Aにマッピングできるものを「漢字1(IA)」、それ以外を「漢字2(IB)」としたのではないかと思う。
- 「HG」は、表外漢字字体表を印刷するために作成したグリフだろう。備考欄(個別デザイン差)用のグリフも含むが、多くはOpenTypeフォントの'jp04'グリフと一致する。
*1:略称FDPC(Font Development and Promotion Center)。