なぜ「オレンジ色の本」は紫色なのか

  • Unicode絵文字に「オレンジ色の本」(U+1F4D9 ORANGE BOOK)ってあるじゃないですか。
  • うん。auがソースだっけ。
  • それが、Lionの絵文字で表示したら、ほら、紫色なんですよ。


  • ああ、それね。もっと大きいサイズで表示すればオレンジ色になるよ。
  • えーっ、ホントですか?
  • いや、ウソだけどさ。
  • ……。
  • ま、座れよ。マジレスすると、絵文字の場合、Unicodeの文字名に入ってる色の情報は、そのまま実装しなくてもいいんだよ。文字名と実装の色が一致しない絵文字って、けっこうあるぜ。このあたりとか。


  • でもそれは、もともとUnicodeに入っていた白や黒の文字に、ケータイ絵文字が統合されちゃった例ですよね。純粋なケータイ絵文字とは違うんじゃないですか。
  • そうでもないんだな。たとえばこの緑と紫のボタンなんてSoftBank絵文字だけをソースとしてUnicodeに入ったんだけど、文字名は黒と白だし。要するに、絵文字を符号化するときは、色は無視するのが原則。ただし、色でしか区別できない場合、2色なら黒と白という名前を付ける。3色以上あったら、識別のためにソースの色を名前に付ける。ってことじゃないかな。文字名に含まれる色の情報って、そんな程度の意味なんだよ。


  • じゃあ、この菱形の例はどうですか? auソースで2色しかないのに、オレンジとブルーって名前が付いてますよ。


  • えーっと。そのあたりは深入りすると面倒なんだけど、単純化して言えば、絵文字には2色しかなくても、ケータイで使える文字のなかには◆と◇があるじゃん。だから、ブルーとオレンジは、実は3色目と4色目なんだよ。
  • うーん。ややこしいですね。
  • ケータイ絵文字が既存の文字と統合されたケース以外で、Appleカラー絵文字の実装が文字名の色を反映していない例としては、こんなのもあるぞ。


  • わあ。これもけっこう違和感ありますね。ぜんぜん赤くないし。
  • 実際にはGIFアニメで赤くピカピカ点滅するんだけどね*1
  • ……。
  • ま、座れって。

*1:ウソです。