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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2018-06-23 HPVワクチンの問題はトロッコ問題か?

[]HPVワクチンの問題はトロッコ問題か? HPVワクチンの問題はトロッコ問題か?を含むブックマーク

「ワクチンで人が死んではいけない」といった趣旨のツイートがブックマークを集めている。そのいくつかが、HPVワクチンとトロッコ問題の類似性について指摘している。トロッコ問題とは、暴走したトロッコがそのままだと5人ひき殺すことろが、ポイントを切り替えて路線を変えると犠牲者は1人で済むという状況のときに、はたしてポイントを切り替えることは倫理的なのかという思考実験のことである。

確かにHPVワクチンとトロッコ問題は似ている。HPVワクチンを接種すると前がん病変や(おそらく)子宮頸がんを減らせるが、その代わり副作用が生じうる。比較すると利益のほうが害よりも大きいため接種を(国際的には)推奨されている。これは「多数を救うために少数を犠牲にする」トロッコ問題ではないか?しかし、私の考えでは、HPVワクチンとトロッコ問題には重要な違いがある

トロッコ問題ではポイント切り替え前の犠牲者と後の犠牲者は明確に区別できるが、HPVワクチンではそうではない*1。HPVワクチンを接種する前は(場合によっては接種してどれだけ時間が経っても)誰が利益を得られるのか、誰に害が生じるのかはわからない。トロッコ問題の少数の犠牲者はポイント切り替えによって利益を得られる可能性はまったくのゼロであるが、HPVワクチンの副作用被害者はワクチン接種時にはワクチンから利益を得られる可能性があった。

むろん「ポイント切り替え前の犠牲者と後の犠牲者が明確に区別できるかどうか」という点は些細なことであって、本質的にはHPVワクチンはトロッコ問題だという主張もあるだろう。ただ、そう主張する論者は、HPVワクチンだけでなく他のワクチンも、いや、ワクチンに限らずほとんどすべての医療行為はトロッコ問題であると考えなければならない。

そうした論者は、たとえば「手術しないと50%が死ぬ重篤な病気にかかった。手術が原因で死ぬ可能性は1%」という状況は「多数を救うために少数を犠牲にするのを許容できるのか、というトロッコ問題」と考えるはずだ。あるいはもしかしたら、「少数の命は切り捨てる」「命を大事にしているのではなくコスト計算しているだけ」などと言う人もいるかもしれない*2

がん検診はどうか。「無症状の女性1000人を対象に乳がん検診を行うと、1人の乳がん死を減らすことができる一方で、4人の過剰診断と200人の偽陽性が生じる」という状況は、「多数を救うために少数を犠牲にする」どころか「少数を救うために多数を犠牲にする」とすら言える。医療における標準的な考え方では少数とは言え、がん死という重大なアウトカムを減らすためなら、その程度の「副作用」は許容しうる、と考える。利益と害を天秤にかけるわけだが、利益と害を受ける対象が同一であるため一般的にはトロッコ問題とはみなされていない。

医療においてトロッコ問題(私が考える意味において)があるとしたら、たとえばこのようなものだ。「小児(学童)にインフルエンザワクチンを広く接種すると、高齢者のインフルエンザ関連死亡が減る。高齢者の死亡を減らすために小児にインフルエンザワクチンを接種すべきか?」。この場合、ポイント切り替え前の犠牲者(高齢者)と後の犠牲者(小児)は明確に分かれている。倫理的には、原則として、高齢者の死亡を減らすことだけを目的に小児にインフルエンザを接種すべきではない。ワクチン接種の主目的はまずワクチンを受ける人の利益である。幸いというか、現実にはインフルエンザワクチンは小児自身に対しても利益はある。

「自然に起こる病気よりもワクチンの副作用のほうが怖い」と考える人もいるだろう。人為によるリスクを大きくとらえるのは人の心として自然なことである。そういう人はワクチンを受けない自由がある。患者にはどのような医療を受けるのかを選択する権利がある*3。ワクチンについて不正確な情報を流したり、あるいは他人がワクチンを受ける自由を阻害したり(「HPVワクチンを定期接種から外せ」など)したならともかく、ワクチンを受けないという選択自体を他人が批判するべきではない。



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■HPVワクチンの「重篤な有害事象」7%は高すぎるか?

*1:HPVワクチンの場合はワクチン接種後の有害事象がワクチンと真に因果関係があるのか不明であるという点、HPVワクチンによって真に利益を受けた人が誰だか特定できない(ワクチンを打たなくても子宮頸がんにならなかったのかワクチンを接種したおかげで子宮頸がんにならなかったのか、個人レベルでは区別できない)といった点もトロッコ問題とは異なるが、今回のエントリーでは取り上げない

*2:URL:http://b.hatena.ne.jp/entry/366249505/comment/ccfva

*3:未成年の場合はどうなのか、という問題は医療ネグレクトにも絡んで複雑なので今回のエントリーでは扱わない。■医療ネグレクトの定義を参照のこと

nobuotakahashinobuotakahashi 2018/06/25 13:04 いつもながら明快な解説をありがとうございました(RikaTanの記事も拝読しました)。
トロッコ問題の解決方法はないのかもしれませんが、医療においては今の所そういうことは起きていないのですね。臓器移植が自由になると色々問題が起きそうです。一人が複数の臓器を提供して人助けをするなど。

「自然がなにより」という考え方は根強いですね。

nn 2018/07/05 12:01 この記事だけ読むと「致死的なHPVワクチンの副作用自体は低確率ながら確実に存在している」と認めたようになっていることが気になります。そういう立場なのでしたっけ? 1000mSvの放射線被曝や砂糖入り清涼飲料水なら「(直接区別ができないだけで)それのせいで一定確率で確実に死者がでている」を前提とした議論は理解できますが、HPVについてはそんな前提すらほぼ否定的のはずです。仮に10万人に1人だかで確実に犠牲者がいると証明されていることにしたうえでトロッコの例えを考えてみるのは構わないと思いますが、思考の前提は明記しておくべきのような気がします。

なんにせよ、「トロッコ問題」という言葉は、「選択と生死の因果関係が確実(確率が関係しない)」かつ「目の前で結果がすぐ明らかになる」という条件の時に限って使うべきだと思います。そこらを走ってる自動車だって、「使えば一定確率で確実に死者を出すことが完全に証明されている人工物」という点ではワクチン如きより遙かに酷い代物ですが、あれのリスクとメリットの天秤のことを「トロッコ問題」と呼ぶ人はいないでしょうし。

NOV1975NOV1975 2018/07/05 23:13 nさん
もともとトロッコ問題になぞらえたのはNATROMさんではなくリンク先の人ですよ。似ているが、完全に類似の問題ではない、というのがこのエントリの趣旨でしょ。

nn 2018/07/06 03:15 >NOV1975
そんなことは分かってますけど、似ても似つかないものを無理に比べてもーという。
本来のトロッコ問題は「確率や運の問題ではなく、原因と死亡との因果が明確に追跡できる」もの。
自動車や手術は「確率の問題で、原因と死亡の因果が明確に追跡できる」もの。
喫煙や被曝は「確率の問題で、原因と死亡の因果が明確に追跡できないが、統計的に死亡の原因になっていることが確実」というもの。
HPVワクチンは「原因との因果が明確に追跡できないとか以前に、そもそも死亡や重大な副作用を増やしているという証拠すら見つからない」もの。

個人的には「ここまでは似てる、いや似てない」とかじゃなく、もう「1番目以外をトロッコ問題と呼ぶな、はい終了」でいいと思います。妙に相手の喩え話に乗っかったせいで、この記事のままでは「NATROMがHPVワクチンの副作用による死亡があると大々的に認めた!」とかいう藁人形論法をする人がいるのでは、と気になっているわけですが、杞憂ですかね。

NATROMNATROM 2018/07/07 22:04 nさん、コメントありがとうございます。

HPVワクチン接種と因果関係が明確な死亡事例は現時点では知られていない、と私は理解しています(もちろん有害事象報告はある)。それはそれとして、HPVワクチンが絶対に死亡の原因にならないと100%断言できるかというと(HPVワクチン以外のすべての医薬品と同様に)断言できないわけでして、そのあたりは不確実性があるわけです。

ご指摘のように不確実性にもいくつかの段階がありまして、もともとのトロッコ問題のように個々の事例において因果関係が明確な事例もあれば、喫煙が肺がん死のように集団レベルで因果関係があるのは明確であるものの個々の喫煙者の肺がん死が喫煙由来かどうかは断定できない事例、HPVワクチン接種後の死亡といった有害事象として数えられるものの集団レベルでも個人レベルでも因果関係が不確実である事例もあります。

最初のような因果関係が明確な事例以外をトロッコ問題と呼ぶべきではないというのはその通りだとは思いますが、HPVワクチンとトロッコ問題をからめて考えている意見はけっこうあり、その一部は「少数を犠牲を前提にして多数の利益を得る(からHPVワクチンに反対だ)」という意見につながっています。

こうした意見に対する私の反論は、一言で言えば、「まあそうだけど、だったらすべての医療行為はそうだよね。君らすべての医療行為に反対してんの?」です。トロッコ問題かどうかというのは実は副次的なものであり、本質は医療の不確実性について話です。「NATROMがHPVワクチンの副作用による死亡があると大々的に認めた!」というような人が出ないとも限りませんが、そういう人は別に「1番目以外をトロッコ問題と呼ぶな、はい終了」と言ったところで別に考えを変えることもないでしょう。

ただ、本エントリーは、どちらかというと、HPVワクチンとトロッコ問題を関連付けているもののHPVワクチンには反対していないような人に対して書きました。「多数の利益を得るためには少数の犠牲は仕方ない」という意見ですね。いやもうほんと、「ワクチン問題はトロッコ問題と同義。助かる人が多くなるように医療者はポイントを切り替えるのが当然だ」というような主張もあるんです。ワクチン一般には集団免疫の話が関係してくるため、反ワクチンに対する過度な批判が生じやすく、それはそれで問題だと私は考えています。ひどい場合はバイオテロリスト呼ばわりです。

麻疹や風疹についてはワクチンで免疫が付かない弱者に対する保護という問題が別途生じて複雑ですが、HPVワクチンについては集団免疫はあまり考慮しなくていいでしょう。「集団を病気から守るためにワクチンを打て」ではなく、あくまでも「個々の立場でもメリットがデメリットが上回るのでワクチンを打った方がいいよ」という立場であるべきだと、私は考えるのです。ワクチン接種の主目的はまずワクチンを受ける人の利益です。HPVワクチンが推奨されているのは個々のレベルで利益があるからであって、集団としてメリットが大きいから個人レベルでデメリットが大きい人にワクチン接種が推奨されているわけではありません。

本文では触れませんでしたが、トロッコ問題とHPVワクチンの問題の違いは、不確実性や、潜在的な犠牲者が利益を得る集団に内包されていること以外に、ポイント切り替えの主体が犠牲者/受益者本人であることにもあります。トロッコ問題ではポイントを切り替える人は死んだり助かったりしませんが、HPVワクチンではそうではありません(未成年者の場合はまた話がややこしくなりますが保護者が意思決定の代理をしますのでやっぱりトロッコ問題とは明確な違いがあります)。HPVワクチンは、他の医療と同じく、不確実性を理解した上で受けるか受けないかを意思決定します。その点においても、トロッコ問題とは異なることが周知されればいい思います。

2018-06-04 日本語で書かれた教科書も理解できない大学教員

[]日本語で書かれた教科書も理解できない大学教員 日本語で書かれた教科書も理解できない大学教員を含むブックマーク

2017年11月に九州大学馬出キャンパスで行われた「福島小児甲状腺がん多発問題」に関する科学技術社会論学会の自由集会*1に参加させていただいた。集会に先立って、富山大学の林衛氏とやり取りする機会があった*2。林衛氏は、LDLコレステロールが動脈硬化性心疾患の原因であり、スタチンはそれを予防するという標準的な学説に否定的な「論文」を書いておられる*3。その根拠を尋ねてみたのだが、林衛氏は一次文献を読んでいないらしいことが判明した。教科書も読まなかったのかと尋ねたところ、お勧めの教科書を聞かれたので『ハリソン内科学』を勧めた。『ハリソン内科学』は内科学の定番の教科書で原著は英語で書かれているが日本語訳が出ている。結果から言うと、日本語で書かれた教科書でも林衛氏にご理解していただけることはなかった。以下、林衛氏のツイートを引用する。

スタチンの強力な脂質低下作用と多面的作用は,心不全のない患者群において主要な心血管イベントを減少させ生命予後を改善する」という部分は読んでいただけなかったらしい。「心不全の背景疾患としての冠動脈疾患進展の治療にスタチンが必要ならば,使用すべきである」という部分もだ。脂質低下が主な作用であるスタチンが、脂質が関与しない動脈硬化以外(弁膜症や心筋症など)による心不全に効果がなくても不思議ではない*4。『ハリソン内科学』のこの記述は「LDLコレステロールが動脈硬化性心疾患の原因であり、スタチンはそれを予防する」という学説とは矛盾しない。



『ハリソン内科学』におけるスタチンやLDLコレステロールの記述

■ニセ医学に騙されているのに境界線上の事例を検討できようかでも述べたように、少しぐらいコレステロールが高くても心血管リスクが小さい場合、薬を使うべきかどうか微妙な場合もありうる。しかしながら、幼少期からLDLコレステロールが高い家族性コレステロール血症や動脈硬化性心疾患を既に発症した人、糖尿病や慢性腎臓病がある心血管リスクの高い人に対するスタチンの有用性は確立されている。

『ハリソン内科学』において「心筋梗塞の危険因子にアテローム性動脈硬化はあげているが、コレステロールは慎重にはずすようになった」と林衛氏は書いているが誤りである*5。いったいどこを読んで「慎重にはずすようになった」と林衛氏が思い込んだのか不明だ。アテローム性動脈硬化の主要なリスク因子としてLDL高値は記載されているし、冠動脈疾患のリスク因子として脂質異常症は複数のページで触れられているし、もちろん治療の第一選択はスタチンだ。


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血漿LDL高値はアテローム性動脈硬化症の主要なリスク因子。『ハリソン内科学第5版』より引用。


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脂質異常症の治療が中心となる。『ハリソン内科学第5版』より引用。


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LDLコレステロール低下への介入が、総死亡、心筋梗塞、脳卒中といった心血管疾患を明らかに抑制するデータが豊富にある。『ハリソン内科学第5版』より引用。



他にも林衛氏の主張が間違っているところを『ハリソン内科学』から引用できるが、これぐらいにしよう。



林衛氏に科学リテラシーを教える資格があるのか

「教科書に書いてあるから正しい」とは私は主張していないことに注意していただきたい。仮の話として、林衛氏が教科書の記述を正確に理解した上で「標準的な学説ではLDLコレステロールが動脈硬化性心疾患の原因だとされているが、○○という理由で私は反対する」と主張したのであれば、有意義な議論ができたかもしれない。あるいはコレステロールが動脈硬化性心疾患の原因であること、スタチンがそれを予防することを踏まえた上で、どの程度のリスクがあれば薬物療法を開始するべきかという論点で議論ができたかもしれない。しかしながら林衛氏は、そもそも日本語で書かれていても教科書の内容を理解できなかったのである。有意義な議論をするためのスタート地点にすら立てていない。

林衛氏のやり方は、「コレステロールは心疾患の原因ではない。スタチンには効果はない」という結論がまずありきで、その結論に合うように見える部分を探して抜き出すだけである。だから、教科書が書いていないことを読み取ってしまうのだ。林衛氏とやり取りすると、常にこの「言ってもいないことを言ったとされてしまう問題」に悩まされる。本質的な議論に至る前に「そうは書かれていない」「そうは言っていない」というやり取りで終わってしまう。

林衛氏が単なる一人のTwitterユーザーであればいちいちこうしたエントリーを書かない。しかし、林衛氏は富山大学の教員の一人であり、科学コミュニケーションや科学リテラシーの講義を行っているのだ。いったい学生に何を教えているのだろうか。また、科学技術社会論学会年次研究大会ではオーガナイザーを務めている。どの分野にもこうした人はいるが、たとえば近藤誠氏が日本癌学会学術総会において座長を務めるようなことがあった場合、必ず批判が巻き起こるであろう。科学技術社会論の分野ではメンバー間で相互批判は行われないのだろうか。

コレステロールと心血管疾患の因果関係、および、スタチンの臨床における有効性については、多くの研究があり確立された事実であるが、それを理解するには疫学についての知識が必要である。低線量被ばくと甲状腺がんの因果関係、および、甲状腺がん検診の臨床における有効性について理解するためにもまた、疫学の知識が必要だ。教科書にも載るような基礎的な事例すらろくに理解する能力のない人が福島県の事例を果たして理解できるだろうか。



関連記事

■日本の成人でも甲状腺がんの過剰診断は起こっている

■ニセ医学に騙されているのに境界線上の事例を検討できようか

*1https://www.facebook.com/events/135058797059461/

*2:私が何度も「私と林衛さんとのやり取りの部分だけでもメールを公開してもよろしいでしょうか」と尋ねるも林衛氏の同意が得られないため公開できない

*3■コレステロール大論争で科学リテラシーを学ぼう

*4:細かいことを言えば、スタチンの多面的作用が虚血を伴わない心不全にも有効かもしれないという議論はある。『ハリソン内科学』の記述はそうした議論を踏まえている

*5https://twitter.com/SciCom_hayashi/status/929358778834628608

2018-05-21 HPVワクチンの「重篤な有害事象」7%は高すぎるか?

[]HPVワクチンの「重篤な有害事象」7%は高すぎるか? HPVワクチンの「重篤な有害事象」7%は高すぎるか?を含むブックマーク

医療情報を吟味し伝える活動を行うコクランがHPVワクチンのレビューを発表した。各新聞社が伝え、また、コクランの日本支部による日本語訳も読める。



■英民間組織:HPVワクチン「深刻な副反応の証拠なし」 - 毎日新聞

■子宮頸がんワクチン、「前がん病変」予防効果は高い…国際研究グループ : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

■子宮頸がんおよび前がん性病変の予防を目的とするヒトパピローマウイルスに対する予防的ワクチン接種 | Cochrane



さまざまな論点があるが、今回は、HPVワクチンの重篤な有害事象が約7%である点を主に論じる。7%と聞くと不安に感じる人もいても当然であろう。HPVワクチンに子宮頸がんの前がん病変を減らすという利益(今回のコクランのレビューによればだいたい1万人中百何十人、パーセントに換算すると1%強)があるにしても、7%という重篤な有害事象の害と引き合わないのではないかと考える人もいるかもしれない。ただ、おそらくはほとんどのワクチンの専門家は、7%という数字を、まったく無視できるというわけではないのもの、それほど驚くような数字ではないと考えているだろう。それはなぜかという解説を試みたい。



有害事象と副作用は異なる

まずはおさらい。有害事象と副作用は異なる。もともとのコクランの記事自体に混乱がある*1が、7%というのは重篤な有害事象のことである。有害事象は因果関係の有無を問わない一方で、副作用は因果関係を否定できないものを指すという定義が一般的である。



f:id:NATROM:20180521131946j:image

「有害事象(治験薬を投与された被験者に生じたすべての好ましくない又は意図しない疾病又はその徴候)」

「副作用(少なくとも合理的な可能性があり、因果関係を否定できない)」

■有害事象より引用



よく引き合いにだされるたとえとして、ワクチン接種後に交通事故に遭っても有害事象として数えられる。ワクチンと無関係であろうと思われても、とにかく記録をしておかないと後から検証ができない。「いくらなんでも交通事故とワクチンは無関係だろう」「いやいや、ワクチンのせいでふらつきが起こって交通事故に遭ったという可能性が否定できない」なんて議論をする前に、とにかく、有害事象は記録することになっている。



対照群と比較して重篤な有害事象の頻度に差はない

当然のことながら、因果関係が否定できない副作用よりも、因果関係を問わない有害事象のほうが多くなる。ワクチンを否定したい人たちによって「こんなにも高頻度で有害事象が起こっている!ワクチン危険!ワクチン反対!」といった主張にしばしば利用される。有害事象と副作用の区別がつかないか、あるいは、区別がついていても意図的に無視して煽っているのかのどちらかであろう。

ただ、今回はそういう安易なワクチン反対者以外からも「いくらなんでも7%というのは高すぎるのではないか」という懐疑的な意見が出ている。当然である。ただ、この懐疑に答えるのはいくつか段階を踏まねばならない。

まず、ワクチンの使用後に起きた有害事象のうち、どれぐらいがワクチンと無関係で、どれぐらいがワクチンのせいなのか、どうやったら区別できるだろうか。それは、ワクチンを打った群と、打ってない対照群を比較すればいい。ワクチンのせいでふらついて交通事故に遭う確率が高くなっていれば、対照群と比較して、ワクチン群で交通事故の報告数が多くなるはずである(加えて、ふらつきや転倒といった関連する有害事象もワクチン群で多くなる)。

今回のコクランのレビューでは、すでにそのような比較がなされており、「重篤な有害事象の発現リスクは、HPVワクチン接種群と対照群(プラセボまたはHPV以外の感染症に対するワクチンを接種)とで同等であった(確実性は高い)」と結論付けられている。対照群にも有害事象は7%ほど起きているので、HPVワクチンとの因果関係は認められないというわけだ。比較試験で差がつきにくいほどの稀な(たとえば10万人に1人とか)副作用までは否定できないが、少なくとも7%も重篤な副作用が起きていることは否定できる。

「他のワクチンでもこんなに重篤な有害事象が起きているのか」という疑問も出されているが、たとえば、タイで行われたHIVワクチンの臨床試験では、3.5年間の観察期間中、ワクチン群で14.3%、プラセボ群で14.9%の重篤な有害事象があった*2



生理食塩水を対照にしないのには理由がある

次に問題になるのが、対照群が適切であったかどうかである。HPVワクチンの比較試験の多くでは、対照群は生理食塩水などの非活性プラセボではなく、アジュバントや他のワクチンを接種されている。アジュバントとは、ワクチンの効果を高めるために使われる薬剤のことだ。

HPVワクチンの反対者の主張の一つに、アジュバントこそが悪者でありさまざまな副作用の原因だ、というものがある*3。彼らの主張によれば、対照群にもアジュバントが打たれているがゆえに比較試験で差が出ないというのだ。対照群に7%もの重篤な有害事象が生じることこそが、その証拠であるとも。タイで行われたHIVワクチンの臨床試験も対照群にはアジュバント(aluminum hydroxide gel adjuvant)が接種されている。

対照群に非活性プラセボを使わない理由は、盲検が破れてしまうことと、対照群の不利益を考慮した倫理的なものである。HPVワクチンを接種した直後は接種部位に局所的な痛みや炎症が生じる。対照群が生理食塩水だとこうした痛みや炎症が生じにくいのでHPVワクチン群か対照群かが気づかれてしまい、試験の妥当性が落ちる。また、臨床試験に参加していただくからにはなるべく不利益にならないよう、対照群に対し安全性や効果がわかっているワクチン(A型肝炎ワクチンが採用されていることが多い)を接種する場合もある。



アジュバントなしの対照群でも重篤な有害事象の頻度はワクチン群と変わらない

そもそも、アジュバントなしと比較した臨床試験は存在する。それも日本の研究だ*4。20歳から25歳までの日本人女性を、HPVワクチン群と対照群にランダムに振り分けて24ヶ月間観察したところ、HPVワクチン群で3.5%(18人/519人)、対照群で3.6%(19人/521人)の重篤な有害事象を認めた。対照群はA型肝炎ワクチン(Aimmuge/エイムゲン)を接種されているがアジュバントを含有していない*5

A型肝炎ワクチンは長年使用されてきた実績があり安全性はおおむねわかっている。被験者がそれぞれの群で500人程度であるので稀な副作用が生じるかどうかはこの試験ではわからないが*6、少なくとも、HPVワクチンの対象となりうる女性においてアジュバントを含有していない安全とされているワクチンでも重篤な有害事象が数%は起こってもおかしくないことはわかる。

24ヶ月間(2年間)観察して3.5%の重篤な有害事象が起こるのであれば、4年間も観察すれば7%も不思議ではない。コクランのレビューは「0.5〜7年にわたってワクチンの安全性を評価」した結果である。ワクチンの専門家がHPVワクチンの重篤な有害事象の頻度7%を、それほど問題視していない理由をご理解いただけただろうか。



病気を数えるのは難しいし、しばしば直観に反する

疾患や異常の数を正確に数えるのは思いのほか難しい。つい最近、インフルエンザの治療薬であるタミフルの10歳台への使用制限が解除されたとの報道があったが、タミフルの異常行動が問題になった10年前も、専門家と一般の人たちの間で認識の違いがみられた。タミフル服用後の異常行動が広く報じられると、タミフルと因果関係があろうとなかろうと同じような事例が次々に報告される。タミフルを使用しなくてもインフルエンザ単独で異常行動は生じうるというのが専門家の認識である一方で、そのような異常行動は聞いたことがない、きっとタミフルのせいに違いないと認識した人たちもいただろう。

疾患や異常への認識、見つけようとする熱意、検査手段によって、発見される疾患や異常の数は変わる。疾患概念がなかったころはしつけが悪い困った子とみなされていたのが発達障害と診断されるようになる。検査機器の性能の改善や検診機会が増えただけで甲状腺がんの患者数が増加する。頭部CTがなかったころは老衰として対処されていたが脳血管障害として診断・治療されるようになる。HPVワクチンの臨床試験における高い有害事象頻度もその一つと言える。

私もたまに治験に協力することがある。私が関わるのは病院に定期的に通院しているような患者さんを対象にした治験だ。むろん重篤な肝障害とか腎障害とか進行がんの治療中とかいう患者さんは除外されるが、高血圧や脂質異常症があるのは普通であるし、おおむね高齢だ。そういう患者さんはフォローアップ中に、風邪を引いたり、湿疹が生じたり、転んで骨折したり、肺炎になったり、がんが新たに発見されたりする。これらはぜんぶ有害事象として報告されなければならない。

正直言うと、とても面倒くさい。書類を書いても直接の私の利益にはならない(病院の収入にはなる)が、正確な情報が正確な結果を生み、将来の患者さんのためになると思って協力している。報告漏れや記載漏れがないよう、治験コーディネーターと言われる職種の方々が手伝ってくれる。私の経験の範囲内だが、治験コーディネーターさんはきわめて厳密で正確な報告を要求してくる。たぶん、こうした職種の関与がなかったころは、医師が手を抜いて報告されていなかったような有害事象があっただろう。プラセボ群の高い有害事象頻度は、プラセボが有害である可能性の他に、漏れのない質の高い有害事象の調査が行われていることも示しているのではなかろうか。

完全に余談であるが、治験コーディネータが不適切に描写されたとして日本臨床薬理学会が抗議文*7を出したテレビドラマについての感想を治験コーディネーターさんに聞いてみたところ、「加藤綾子なにしてくれとるんじゃあ」とのことであった(加藤綾子はドラマに登場する治験コーディネーターに相当する役を演じる女優)。



HPVワクチンのこれから

コクランのレビューはきわめて信頼性が高いが無謬というわけではない。今後、結論が覆される可能性はゼロではない。また、今回のレビューで示されたのは重篤な有害事象の全体がプラセボ群と差がないことであって、特異的で稀な副作用が存在しないことは示されていない*8。HPVワクチンの効果についても示されたのは前がん病変の予防までであって、浸潤子宮頸がんの発症やがん死の抑制はまだ示されていない。これらの未解決の問題は今後も検証が必要だ。

一方で、現在わかってる知見からは、HPVワクチンの利益は害より勝ると考えられている。前がん病変を減らすなら浸潤子宮頸がんやがん死も減らすだろうというのはきわめて合理的な推測だし、検診を受けるつもりならHPV感染や前がん病変を減らすことだけでも利益になる*9。害についても、稀な副作用は否定できないものの、これまで使用されてきたワクチンと比較して【著しく】危険だとは言えないことはわかっている。

HPVワクチンの反対者はしばしば、「根拠に基づいてHPVワクチン批判をしているだけであってワクチン全体を否定はしていない。反ワクチンとレッテルを貼るな」などと言う。むろん、反ワクチンというレッテルが不適切な場合もあるだろう。しかしながら、HPVワクチンの反対者の一部には、やはり反ワクチンとしか言いようのない主張がみられる。有害事象と副作用の区別もつけずにHPVワクチンを危険だと主張する。コクランは買収されたので信頼できないという一方で、反ワクチンサイトの主張を鵜呑みにする。

HPVワクチンを批判するなら根拠に基づいて批判していただきたい。



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*1:"The evidence also shows that the vaccine does not appear to increase the risk of serious side effects which was about 7% in both HPV vaccinated or control groups." http://www.cochrane.org/news/does-hpv-vaccination-prevent-development-cervical-cancer-are-there-harms-associated-being 。当初、日本の報道機関が誤訳したのかと思っていた。疑ってすまんかった。

*2https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22205930

*3:彼らの主張によればHPVワクチン以外の、アジュバントを含む他のワクチンも危険だということになってしまい、容易に反ワクチンにつながる。

*4https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20606533

*5https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/36/419/graph/dt41981.gif

*6:この試験【だけ】では1000人に1人の副作用もわからない

*7■プレスリリース|株式会社TBSテレビに対する見解送付のお知らせ:日本臨床薬理学会

*8:重篤な有害事象を全部漏れなく数え上げると、特異的で稀な副作用が「背景に埋もれて」見えにくくなるかもしれない。「内訳」の解析は必要だ。そして、得てして製薬会社は詳細な情報を出すことに消極的なので、ケツを叩く必要がある。一方で、多くの種類の「副作用」についてそれぞれ検定するとタイプ1エラーが生じる。疑わしい副作用をピックアップして観察研究で検証する、といった作業が必要だろう。というかそういう作業は現在も進行中で、今のところは、HPVワクチンと因果関係のある特異的かつ重篤な副作用は認められていない、と私は理解している。

*9:検診回数や円錐切除術といった侵襲性のある治療を減らせるため

ほうかいほうかい 2018/05/28 17:25 NATROMさん初めまして。いつも楽しくブログを拝見させて頂いております。

先に申し上げておきますが、私も一応医師であり、HPVワクチンの安全性にはあまり疑問を持っておりません。ただ疫学が専門ではないため一つだけ質問があります。

NATROMさんが書かれた「HPVワクチンのこれから」という内容に多少関連があるかもしれませんが、コクランレビューにしても日本人の方のRCTにしてもなぜadverse effectの観察期間がこれほど長いのでしょうか?観察期間を長くすればするほどそのadverse effectが(たとえば確実に0.1%の方で起きるとしても)埋もれてしまうのではないでしょうか?そうすると2年で3.5%とか、4年で7%とかは単にその年代の方々に何かが起きるnatural historyの統計を取っているだけということはないのでしょうか?

NATROMNATROM 2018/05/28 18:35 ほうかいさん、コメントありがとうございます。

・なぜ有害事象の観察期間がこれほど長いのか?
・あまり長く観察すると、まれな副作用が背景に埋もれてしまうのではないか?
・その年代の方々に何かが起きる自然史の統計を取っているだけではないか?

というご質問ですね。

有害事象の観察期間が長い理由は、いくつか考えられますが、HPVワクチンの効果そのものも数年間は観察しないとわからないため、はじめから長めの観察期間が設定されているのだと思います。HPVに感染すると、その一部は前がん病変を経て、子宮頸がんに移行しますが、HPVに感染してすぐに前がん病変にはなるわけではありません。観察期間が短いとワクチン群と対照群で前がん病変の発症率の差が出ません。どうしても数年の観察期間が必要ですが、それなら効果(HPV感染や前がん病変)だけでなく有害事象も同時に数えることになります。また、長い観察期間を置くことで、晩発性の副作用も見つけやすくなります(稀だと差が出ませんがとにかく数えないことにはわからない)。理想を言うなら前がん病変までではなく浸潤子宮頸がんの発症まで見たいので、もっと長い観察期間があってもいいです(たぶん調査進行中でしょう)。

ただ、観察期間が長いと、その分だけ有害事象も多くなり、副作用が生じていたとしても「背景に埋もれて」見えにくくなります。ご指摘の通りです。この問題は「内訳」別に解析することで、ある程度は解消可能です。観察期間の長さが問題なら、たとえば、「ワクチン接種後1年以内に起きた有害事象」に限定して解析すればいいわけです。いまのところ、そうした解析で有意に増えた有害事象は認められていません。

有害事象全体で数えると、おっしゃる通り、「単にその年代の方々に何かが起きるnatural historyの統計を取っているだけ」の可能性もあります。細かいことを言えば、「natural history+背景に隠れて見えにくいワクチンの副作用」を見ている可能性もあります。コクランが集計したのはランダム化比較試験ですので、稀な副作用は捕まりません。ただ、観察研究の知見も含めて考えると、HPVワクチンの重篤な副作用は、あってもかなり稀であるとは言えます。

私がHPVワクチンの反対者だったら、今回のコクランの発表を受けて、「有害事象が7%も起きているからHPVワクチンは危険だ」とは言いません。ましてや、コクランが買収されているかもしれないなどという陰謀論的な主張は信用を落とすだけです。単に、「今回のコクランの発表は、稀な副作用の存在を否定するものではない」とだけ言います。

ほうかいほうかい 2018/06/01 13:06 NATROMさん早速の返答ありがとうございます。
観察期間の長さの理由とその善し悪しについてもよくわかりました。

また、他にも様々な観察研究があるのですね。
新聞記事をみているとあたかもコクランレビューの結果を持ってしてHPVワクチンは完全に安全であるというかの論調がどうも納得いきづらかったもので、今回のコメントをしてしまいました。

2018-04-30 ネット時代の医療情報との付き合い方

[][]『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』 『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』を含むブックマーク

cover■健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 朽木 誠一郎 (著)



私は「WELQ問題」にぜんぜん気づいていなかった。WELQ問題とは、「一部上場企業のディー・エヌ・エーが、グーグルなどの検索エンジンを攻略し、ウソや不正確な情報を、検索結果上位に大量に表示させていたことが発覚したもの」(P11)だ。私は日常的に医学用語で検索しており、WELQが上位に表示された検索結果もきっと目にしていたはずなのだが、おそらく意識せずに無視していたのであろう。ネット上の医学情報は玉石混交だが、慣れると検索結果を一瞥すれば、信頼できそうかある程度は判断できる。しかし、必ずしも患者さんも同じように判断できると限らない。

WELQは長文の記事を大量に公開する方法で検索上位を獲得していた。検索上位に不正確な情報が大量に表示されていれば、それを信用してしまう患者さんもいるだろう。このWELQ問題を最初に指摘した*1のが、本書『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』の著者である朽木誠一郎さんだ。

『WELQ問題を指摘するためには、「健康についての情報がウソや不正確なものであること」と「その情報を上位に表示させるテクニックに問題があること」の両方を理解している必要』がある(P11)。著書の朽木さんは、医学部を卒業後、医師にはならずにネットメディアのライターになられた。その経験がWELQ問題にいち早く気づき、指摘することにつながったのであろう。複数の分野をつなぐ、ある意味学際的な役割を果たしたのだと言える。

朽木さんの指摘の後のネットメディアの反応は早かった。私もささやかながら■ネットの“ニセ医学”に要注意! 自衛手段を現役の医師に聞いてみた - トゥギャッチという記事に協力させていただいた。近藤誠氏のような問題のある医師を批判することがあまりない医療業界とはえらい違いである。WELQ運営は「自分たちはプラットフォームである」「情報発信はユーザーが勝手にやったものである」として批判をかわそうとしたが、外部ライターに記事の書き方を支持するマニュアルもあったことがバズフィード・ジャパンのスクープで明らかになった(P79-80)。これらの指摘をうけて2016年末にディー・エヌ・エーはWELQの全記事を非公開とし、責任者が会見で謝罪するに至った。朽木さんの指摘からほんの3ヶ月間程度である。詳しくは本書を参照していただきたい。

もちろん、WELQが閉鎖したからといってネット上の医療情報の問題が解決したわけではない。「本当の戦いはWELQの後」(P92)である。WELQ後にも不正確な医療情報を含むページが上位に表示されていた。しかし、グーグルのアップデートによってそうしたページは順位を落とすなど、少しずつ改善はしている。インターネットの自浄作用は確かにあると感じる。

とはいえ、ネット上から不正確な医療情報を撲滅することはできない。また、仮に可能だとしても撲滅すべきではない。多様な情報にアクセスできることもネットの価値の一つであるからだ。そのネット上の多様な医療情報のうち、信頼性のあるものの見分け方、声の上げ方の提案も本書でなされている。まさしく副題にあるように「ネット時代の医療情報との付き合い方」についての本である。



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2018-03-30 HPVワクチンが自己免疫疾患を増やすという証拠はない

[][]HPVワクチンが自己免疫疾患を増やすという証拠はない HPVワクチンが自己免疫疾患を増やすという証拠はないを含むブックマーク

全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会事務局長・日野市議会議員の池田としえ氏が、「HPVVの副反応は、1000人に1人とされているが、健康な若い女性13236人の治験の結果、ガーダシル9の自己免疫疾患系副反応の発生率は、2.3%であることが明らかになっている(表)」とするツイートを引用リツイートし、『「10万人当り7人の子宮頸がんのために、2300人の副反応被害者を作り出すのは狂気の沙汰」恐るべき数字!』とツイートした。

「2.3%であることが明らかになっている(表)」からは、HPVワクチン接種群10706人のうち全身性自己免疫疾患の発症が245人であることが読み取れる。しかし同時に、対照群9412人のうち218人(2.3%)が自己免疫疾患を発症したことも表には載っている。どちらも2.3%で差がない。つまり、この表はHPVワクチンと自己免疫性疾患の発症には因果関係がないことを示している。わざわざ対照群のほうまで赤で強調されている。対照群と比較することを知っている人ならば「10万人中2300人の副反応被害者を作り出す」という主張が間違っていることは容易にわかる*1

f:id:NATROM:20180330164427j:image

「2.3%であることが明らかになっている(表)」

https://twitter.com/usotsukibakari/status/979211742998769664より引用


左の表は添付文書からの引用であろうが*2、「10万人中2300人の副反応被害者」の元ネタはどうやら"sanevax.org"というサイトである*3。信頼できるサイトかどうかは、自閉症やワクチン被害や慢性疾患に対してホメオパシーを推奨しているようなページ*4が含まれていることから推測してみよう。

しばしば「研究という根拠に基づいてHPVワクチン批判をしているのに反ワクチンだとミスリードしたり、レッテルを貼ったりするな」という意見を聞く。なるほど、その通りだ。根拠に基づいたHPVワクチン批判を反ワクチンと一括りにしてはいけない。そのような一括りにしたような主張はぜひどうぞ具合的に事例を挙げてどんどん批判していただきたい。

それはそれとして、一部の(というか私の見るところでは多くの)HPVワクチン批判が、今回指摘したように根拠に基づいていないことについて、危惧を覚える。今回も取り上げたのは、一被害者のツイートではなく、「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会事務局長」という肩書のあるアカウントのツイートである。こうした誤りに対し、被害者連絡会内部から間違いを指摘したり訂正を促したりする様子は私の観察範囲内ではみられない。もしかしたら、そのような指摘をする人が排除された結果かもしれない。一方で、HPVワクチンを否定するような主張であればまったく検証抜きに受け入れられている。

HPVワクチン批判を反ワクチンと一括りされてるような事例が存在するとしたら、それは一部のHPVワクチン批判が反ワクチンサイトから無批判に主張を引用し拡散しているからではないか。「ミスリードしたり、レッテルを貼ったりするな」と主張する人たちは、池田としえ氏に「誤った医学情報を拡散しないように」と助言してみてはどうだろうか。



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*1:細かいことを言うと対照群にはAAHS(アジュバント)投与された人も含まれているので「HPVワクチンそのものではないがアジュバントによる自己免疫疾患発症を否定できない」という主張もあるだろう。その主張を全面的に受け入れても「2300人の副反応被害者を作り出す」という表現は誤りである。さらに言うなら、アジュバント不使用群を対照とした臨床試験や、これまでアジュバントが使用されてきた他のワクチンの使用実績から言って、2.3%といった高い頻度で自己免疫性疾患を引き起こすことはきわめて考えにくい。免疫系に作用するという薬の特性を考えるともしかしたら今後、アジュバントもしくはHPVワクチンが自己免疫性疾患を増やすという証拠が出てくるかもしれない。しかしながら、2.3%といった高い頻度ではありえない

*2:2018年4月5日「左の表は添付文書からの引用であろうが」を追記。このエントリーは添付文書やFDAのサイトにも載っている有害事象(因果関係を問わない)をワクチンとの因果関係のある副作用であるとする反ワクチンのいつもの手法に対する批判である。「自己免疫性疾患2.3%」については私が確認できるいちばん古い情報が2014年12月のsanevax.orgのページである

*3:http://sanevax.org/fda-approved-gardasil-9-malfeasance-or-stupidity/

*4:http://sanevax.org/a-proven-cure-for-autism-vaccine-injuries-and-chronic-disease-homeopathy/

usotsukibakariusotsukibakari 2018/04/05 10:57 表のオリジナルは、ガーダシル添付文書にあります。2.3%というのは、メルク社が提供した数字です。
https://www.fda.gov/downloads/biologicsbloodvaccines/vaccines/approvedproducts/ucm111263.pdf

この赤線が引かれたも表の出典はこちらです。赤線は、Robert F. Kennedy, Jr.氏が引いたものです。

New study: Vaccine Manufacturers and FDA Regulators Used Statistical Gimmicks to Hide Risks of HPV Vaccines

https://worldmercuryproject.org/news/new-study-vaccine-manufacturers-fda-regulators-used-statistical-gimmicks-hide-risks-hpv-vaccines/

この表は、ガーダシル9のものとしたのは間違いで、ガーダシル9の添付文書(FDAが提供)によると「全身性自己免疫異常の兆候とされる症状」を示したのは 2.2%(351/15,703)、同時に対照として接種されたガーダシル群は3.3%(240/7,378)と記載されています。

usotsukibakariusotsukibakari 2018/04/05 11:10 ガーダシル9の添付文書には

“In total, 2.2% (351/15,703) of GARDASIL 9 recipients and 3.3% (240/7,378) of GARDASIL recipients reported new medical conditions potentially indicative of systemic autoimmune disorders, which were similar to rates reported following GARDASIL, AAHS control, or saline placebo in historical clinical trials.”
と記載されています。

しかしこちらも、実際は、saline placebo 群は0%であったことから、記述のより正確な記載が要求されています。

fnorderfnorder 2018/04/05 11:22 ワクチンを打っても打たなくても「2.3%」。
危険はなさそうだ、という資料ですよね。分かってます?

NATROMNATROM 2018/04/05 12:51 usotsukibakariさんへ。

左の表のオリジナルがガーダシル添付文書にあることは存じております。というか、読者のほとんどがわかるでしょうに。添付文書に恐ろし気なことが記載されていることを根拠に標準医療を否定するのはニセ医学の常套手段です。

では、添付文書もしくはFDAのデータを元に、「10万人中2300人の副反応被害者」などと最初に言い出したのはいったい誰でしょう?具体的には、以下のツイートにある「資料右」を作成したのは誰でしょう?

『ハンフリー医師「10万人当り7人の子宮頸がんのために、2300人の副反応被害者を作り出すのは狂気の沙汰」とコメント(資料右)』
https://twitter.com/usotsukibakari/status/979211742998769664

その資料右を作成したのが、"sanevax.org"[ http://sanevax.org/fda-approved-gardasil-9-malfeasance-or-stupidity/ ]でしょう。少なくとも"sanevax.org"より古いものは見つかりません。ハンフリー医師は、"sanevax.org"の資料を引用もしくは利用したと思われます。資料右にはアジュバントが対照群であることの不適切さへの言及は一切なく、有害事象をすべて因果関係があるとみなすニセ医学の典型的な手法しかありません。

「HPVワクチンの安全性を見積もるために、対照群にアジュバント使用者を含めるのは不適切である」という指摘なら、一定の合理性はあります(同時に一定の合理性のある反論も可能です)。そういう合理性のある指摘であれば私はブログで批判的には取り上げなかったでしょう。専門性の高い興味深い議論として提供することはありえたかもしれません。

アジュバントの件で反論があることは予想できたので、あらかじめ注でもその件について触れています。しかしまさか「なとろむはブログではFDAのデータであることを隠している」というようなきわめて読解力のない的外れな反論(のようなもの)があることまでは予想できませんでした。

usotsukibakariusotsukibakari 2018/04/05 15:34 『標準医療を否定するのはニセ医学の常套手段です。』の標準医療について、元tweetで、池田氏がどこで議論されているのでしょうか?
またHPVワクチンを接種することが標準医療だということでしょうか?
どのワクチンよりもVAERSの報告数が多く、世界中で薬害提訴が起きている、HPVワクチンの副反応を否定することが、ニセ医学なのですか?

counterfactualcounterfactual 2018/04/05 22:06 10万人当たり2300人の有害事象が観察されるというデータなのに、10万人当り2300人の副反応被害者を作り出すという大嘘こいてるわけですな。
赤線引いてある表には、"Regardless of Causality" ってくっきりはっきり書いてあるんだけどね。

HPVワクチンの安全性に疑問があるのは理解できるが、嘘つき(usotsuki)はいけないね。

NATROMNATROM 2018/04/05 22:15 usotsukibakariさん、コメントありがとうございました。

●資料右を作成したのは、"sanevax.org"[ http://sanevax.org/fda-approved-gardasil-9-malfeasance-or-stupidity/ ]である

という指摘に反論がないようで何よりです。


>『標準医療を否定するのはニセ医学の常套手段です』の標準医療について、元tweetで、池田氏がどこで議論されているのでしょうか?

池田としえ氏は近藤誠氏の本やPeter Duesberg氏やAndrew Wakefield氏の映画の紹介をしていたりします。池田としえ氏の行動原理はワクチンに不利な主張であれば「良く調べてないけど拡散希望」というものですので、標準医療に否定的なツイートは掘ればいくらでも出てきます。それはそれとして、よしんばこれまで一切標準医療を否定したことがなくても、「添付文書に恐ろし気なことが記載されていることを根拠に」標準医療を否定すれば、それはニセ医学の常套手段です。



>またHPVワクチンを接種することが標準医療だということでしょうか?

標準医療です。WHOでもCDCでも推奨されています。ご存じなかったですか?日本ですら、積極的勧奨が中止になっただけで、いまだに定期接種の対象です。「世界中で薬害提訴が起きている」ことは別に標準医療ではないことを示しません。ワクチンによって薬害が起きていたらもちろんですが、起きてなくても薬害訴訟は起こりえます。

「WHOの言うことがいつも正しいとは限らない。今現在、標準医療とされていることでも間違っているかもしれないではないか」と主張されるならまだわかります。「標準医療だということでしょうか?」というのは、もしかして、標準医療ではないと思っていらっしゃるのでしょうか。

それからいつも不思議に思っていることがあります。「HPVワクチンは確かに有用だけど、言われているほど安全ではないよね」程度の主張ならわからんでもないのですが、「もっとも悪質なタイプのニセ科学案件だ」とまで言うような人たちは、WHOやCDCをはじめとした公的な組織の推奨をどう思っているのでしょうか?「WHOも製薬会社の傀儡だったんだよ!!」とでも考えているんでしょうか。



>どのワクチンよりもVAERSの報告数が多く、世界中で薬害提訴が起きている、HPVワクチンの副反応を否定することが、ニセ医学なのですか?

あやふやな根拠でHPVワクチンの副反応を否定したり、あるいは肯定したりすることはニセ医学です。たとえば、「どのワクチンよりも有害事象報告が多い」「世界中で薬害提訴が起きている」から、HPVワクチンは有害だ、と結論することはニセ医学です。

NATROMNATROM 2018/04/05 22:23 usotsukibakariさんへ。

当ブログのコメント欄が「信者」がいていやだ、というのであれば、字数制限がなく可読性のよいところならどこにでも場所を移してもいいです。たとえばsivadさんのブログのコメント欄とかでもいいです。あるいは、そちらで用意していただいた掲示板やtogetterのコメント欄とか。あるいは、私とusotsukibakariさん以外の人のコメントを禁止するエントリを新しく立ててもいいです。過去にもそういう事例がありました(URL:http://d.hatena.ne.jp/NATROM/00140122#p1)。

ツイッターは字数制限がある上に、こちらがした質問に一切答ず延々と論点ずらしをしてくる不誠実な論者とは議論ができないのです。usotsukibakariさんは、こうして字数制限がなく可読性の高い場所で議論しようとするだけ誠実であると思います。

usotsukibakariusotsukibakari 2018/04/05 23:46 実際、HPVワクチンの副反応被害者の診察も治療もできず、言葉使いの議論ばかりしている医者と討論するのは時間の無駄ですね。

副反応被害者のために闘ってくれる男気のある人たちの方が、好きだし尊敬に値すると思うので、そちらの力になれるようなことを今後はしたいと思います。

これで失礼させていただきます。

NATROMNATROM 2018/04/09 09:21 usotsukibakariさん、コメントありがとうございました。このブログのコメント欄は開かれていますので、気が向いたらいつでもコメントしてください。また、繰り返しになりますが、字数制限がなく可読性のよいところならどこにでも議論の場所を移してもいいです。

フォーチュンフォーチュン 2018/04/10 16:57 usotsukibakariさん、副反応で辛い思いをされている方を親身になって診療されている医師の力になれるよう、がんばってください。

しかしながらその一方、10年先、20年先に発症するかもしれない16型・18型ヒトパピローマウイルス由来子宮頸がんの発生を抑えるため、また16型・18型ヒトパピローマウイルス由来の異形成による円錐切除術を余儀なくされる方を減らすため、また16型・18型ヒトパピローマウイルスの感染が見つかり、年に数回も継続的に何年も検診を受け、がん化に怯えながら経過観察を続けなくてはならなくなる方たちや、妊娠後に16型・18型ヒトパピローマウイルスの感染が見つかり妊娠をあきらめざるおえなくなる方たちや、出産までがん化の恐怖にかられながら過ごさざるおえなくなる、数字には表れない本当に多くの苦悩に満ちた方たちが少しでも生まれないように、科学的妥当性よりも、目に見える被害らしきものに対する情緒を優先した圧力に屈せず、闘ってくれる男気のある子宮頸がんワクチンを推進しようとする方々についてはどのように評価されるのでしょうか?

私に言わせれば、恣意的に情報を誇張したりしてミスリードする一部の人たちを除けば、どちらも評価すべきものであると考えています。

仮に評価に値しないと感じる医師たちがいるとすれば、この問題を対岸の火事ととらえ、日和見を決め込んでいる多くの医師ではないでしょうか。

もちろん、単に発言の場がないだけの方もたくさんいらっしゃるとは思います。しかし偏見かもしれませんが、火の粉を避けるためにだんまりを決め込んでいる医師もまた多くいるように感じます。

hisahisa 2018/04/11 09:18 これだけ統計数字的にもワクチンの副作用とはいえない結果が出ているにもかかわらず、いくら筋道をたてて説明しても感情だけで反発する人たちに対して、辛抱強く発言していくのもなかなか難しいでしょう。特に医師たちは一応理系だから、ここまで全く常識も通用しない人たちの相手は、心が折れていきます。

おるおる 2018/04/11 18:20 「それでも」って言い続けるしかないでしょうが、usotsukibakariさんのように見て考えてくれる人もいます。
情報を発信し続けるNATROMさんには頭が下がる思いです。

usotsukibakariusotsukibakari 2018/04/11 22:51 ここで演説されてもね。
産婦人科医の80%以上は、ご自分の娘さんにんHPVワクチン接種してませんし、
厚労省の職員も、娘さんには接種しないのはよく知れたデータですから。
あと、米国の上院議員は、半分以上が自分の子供にはワクチン接種しないし、オバマ大統領とオーストラリアの首相は、なぜか自分の娘には子宮頸がんワクチン接種しなかったのご存知ないんですか? ま、そんなとこです。
医師が理系とは思えない、理系の1人より。

トラちゃんトラちゃん 2018/04/11 23:21 1)「産婦人科医の80%以上は、ご自分の娘さんにHPVワクチン接種してません」
2)「厚労省の職員も、娘さんには接種しないのはよく知れたデータです」
3)「米国の上院議員は、半分以上が自分の子供にはワクチン接種しない」
4)「オバマ大統領とオーストラリアの首相は、なぜか自分の娘には子宮頸がんワクチン接種しなかった」
根拠となるソースはありますか? ※反ワクチン論者のWebサイトに書いてあったとか,被害者(と称する)団体の関係者のTwitterで見た,とかじゃなくて。別に英語のものでも構いませんよ。

usotsukibakariusotsukibakari 2018/04/12 00:00 ソースは全部私のTwitterのTLに出てきます。
あと、厚労省の職員は、直に聞きました。
色々と人脈持ってますので。
もちろん、お医者様とも。同級生、親類、お医者様だらけ。
直接本音を聞ける立場におります。

あめりかなまずあめりかなまず 2018/04/12 16:53 >ソースは全部私のTwitterのTLに出てきます。
探してみたのですが、個人的に一番気になる
1)「産婦人科医の80%以上は、ご自分の娘さんにHPVワクチン接種してません」
の根拠データが見当たりませんでした(2~4は探していません)。ご教示していただけますでしょうか。

フォーチュンフォーチュン 2018/04/12 23:36 usotsukibakariさん、「ここで演説されてもね。」って あ〜た!主義主張じゃなくたって、自分の意見を皆が見ている中で述べれば、
それは演説ですよ。で、このエントリーでは、usotsukibakariさんが一番初めに演説をぶっこんでますから〜残念!!・・・ちと古い?

次に「産婦人科医の80%以上は、ご自分の娘さんにHPVワクチン接種してません」って話だけど、そもそもこのアンケートに答えた医師の娘が、2013年〜2017年までに接種対象年齢じゃなかったら、娘にワクチンを接種していませんってことになってしまいそうですし、
ひょっとしたら、娘のいない医師に対して「娘さんはワクチンを打ちましたか?」っていう質問をしたら、答えは「ノー」ということになり、80%以上の医師の中に入ってしまうのでは?つまり、どんなアンケートを取ったのかは分かりませんが、どのような医師に、どのような質問をして、その答えをどのような判断でどういった統計処理したのかが分からなければ、あまり意味のないお話のように思いますよ。
また、例え医師がワクチン推進の持論を持っていたとしても、自分の娘だからと言って、副反応らしき報道を見て不安に駆られている娘を、しばりつけて接種するような方などいないでしょう。
ナトロム先生ですら、どんなに理を尽くしてもワクチン反対派の意識をかえることが困難なように、報道をうのみにして感情移入してしまった人を、ワクチン接種を容認する意識にかえることは、容易じゃないでしょうね。医師の80%以上が娘に対し接種できなくてもなんら不思議じゃないかもしれないね。

それ以外のお話に対しては、ご存じないですし、「ま、そんなことです」ってどんなこと?
これらの話の何が重要なのかさっぱり分かりませんよ。どれもどうでもいい話じゃないのかな。

誰もHPVワクチンの権威でもないし、HPVワクチンに関する知見の話でもない。

usotsukibakariさんも、理系を自認するのなら、こんな本質とほとんど関係のない出来事をもとにワクチン接種の是非を判断するのは、危険じゃないかい?
もっとワクチン接種のメリットとデメリットを、誰にでもわかるような科学的論拠をもとに、比較検討した内容でナトロム先生を言い負かさなきゃ、自称理系の名折れだよ。

それに、もしそれができれば、ワクチン反対派の中でも最大の功績だと思うよ。

トラちゃんトラちゃん 2018/06/27 01:19 >>ソースは全部私のTwitterのTLに出てきます。
>>あと、厚労省の職員は、直に聞きました。
語るに落ちた,というやつですね...やれやれ。