NATROMの日記 RSSフィード Twitter

0000 | 01 | 02 | 03 | 04 |
0010 | 11 |
0011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 11 |
0012 | 04 | 05 | 06 | 07 | 09 | 10 | 11 | 12 |
0013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 11 |
0014 | 01 | 02 | 05 | 06 | 07 | 09 |
0015 | 05 | 06 | 09 |
0016 | 01 | 02 | 09 | 10 |
0017 | 01 | 03 | 05 |
2004 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2006 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2014 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2015 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2016 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2017 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 |
cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2017-08-18 因果推論の考え方を学ぶ。『「原因と結果」の経済学』

[]因果推論の考え方を学ぶ。『「原因と結果」の経済学』 因果推論の考え方を学ぶ。『「原因と結果」の経済学』を含むブックマーク

cover■「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法 中室牧子 (著), 津川友介 (著)



相関関係があるからといって必ずしも因果関係があるとは限らない*1。テレビを長時間見ている子どもほど学力が低いとしても、テレビの視聴が低い学力の原因とは限らない。たとえば、テレビ視聴そのものは原因ではなく、長時間のテレビ視聴を許すような家庭環境が低い学力の真の原因なのかもしれない。

因果関係の有無を検証するのはしばしば困難である。テレビの視聴以外の、家庭環境を含め条件がすべて同一で、唯一の違いがテレビ視聴時間だけの子どもの学力を比較できればよいが、通常はそのような比較は難しい。十分な数の子どもたちをランダムに二群に分け、テレビの視聴時間を減らした介入群と視聴時間が変わらない対照群との間に学力に差が出るかどうかを比較するランダム化比較試験を行えばいいが、コストも時間もかかる。ランダム化比較試験ができない場合でも因果推論は可能である。本書では、テレビ視聴と学力の因果関係を「操作変数法」で検証した研究を紹介している。

操作変数とは「結果には直接影響を与えないが、原因に影響を与えることで、間接的に結果に影響を与える」ような第3の変数のことである(P115)。アメリカ合衆国においてテレビが普及しつつあった1948年から1952年までの期間、新規のテレビ放送免許の凍結が行われた。これを利用し、1948年以前からテレビを視聴できた群と1952年以降しかテレビを見ることができなかった群とを比較できる。この場合、操作変数は「テレビの所有」であり、「子供の学力」には直接影響を与えないが*2、「テレビの視聴」には影響を与える。この研究ではテレビを見ていた子どもたちのほうが、わずかであるが学力テストの成績が良かったことが示された。

書名に「経済学」とあるが、因果推論は経済学だけではなく医学の分野でも重要である。たとえば「喫煙は肺がんの原因かどうか?」という問いは因果推論そのものである。治療についても同様だ。「高血圧の患者は降圧薬を内服すべきか?」という問いは「降圧薬内服は良好な予後の原因かどうか?」という問いに変換できる。

本書では因果推論の方法として、ランダム化比較試験や操作変数法のほか、「差の差分析」「回帰不連続デザイン」「マッチング法」「重回帰分析」などが紹介されている。マッチング法と重回帰分析は医学の分野でもよく使われるが、そのほかの方法はあまり馴染みがない。操作変数法も医学の分野で馴染みがないと当初は思ったが、よく考えてみると、「メンデルランダム化解析」という手法は操作変数法であるように思う。今後、経済学での手法が分野を超え医学の分野でも応用されるようになるかもしれない(というか応用されているが私が知らないだけかもしれない)。



関連記事

■コレステロールを下げると危険なのか?

■食の安全や健康情報の「うんちく話」

■『生態学と化学物質とリスク評価』

*1:本書では「相関関係」を「2つのことがらに関係があるものの、その2つは原因と結果の関係にないもの」という狭い意味で使用しているが、ここでは因果関係がある場合も含んだ広い意味での相関関係を指す

*2:当時、テレビを所有していたかどうかは、家庭環境などではなくテレビ放送されている地域に住んでいるかどうかでほとんど決まるため

2017-08-17 『生態学と化学物質とリスク評価』

[][]『生態学と化学物質とリスク評価』 『生態学と化学物質とリスク評価』を含むブックマーク

cover■生態学と化学物質とリスク評価 (共立スマートセレクション) 加茂 将史 (著)



生態学と生態リスク評価はだいぶ違うものらしい。本書は基本的にはリスク評価、とくに生態リスク評価の方法の解説であるが、ちょいちょい挟まれる著者の経験が興味深い。著者の加茂将史さんは生態学が専門で理学出身だ。一方で、リスク評価は工学的な考え方をするそうである。

リスク評価は工学の世界で誕生しました.理学者は「飛行機がなぜ飛ぶのか」を知ろうとします.工学者は「どうすればちゃんと飛ぶ飛行機を作ることができるか」を考えます.「なぜ飛ぶのか」といった原理はさておいて,とにかく安全に行って帰ってくる飛行機を作ることが最大の目的なのです.化学物質の影響なんて,細かく詰めていけばわからないことだらけです.わからないことはわからないというべきであって,わからないから研究を行うのである.何か主張したければまず証拠を示せ,というのが理学的な発想です.その発想からすると,わからない世界にあえて踏み込んでいくリスク評価の方法論は危なっかしいものに思えます.工学的な発想と折り合いをつけること,これが,理学出身の私が超えなければならないルビコンでした.(はじめに)

強いて言えば、基礎医学が理学的で臨床医学が工学的であるようなものか、とも思ったが、基礎医学と臨床医学は分野間の交流が密である。臨床経験のある基礎医学者はざらにいるし、臨床医であっても博士号を基礎医学の分野で取ることもよくある。ところが,生態学と生態リスク評価では「お互いが思っている『生態』という言葉の意味が違いすぎて,話が通じない」ほどだったそうだ。

生態学を学んできた著者は生態リスクの基礎知識を知らないゆえに、苦労もするし悩みもする。一方で、生態リスク評価村の住民は生態学村での基礎知識を知らない(P51)。生態学を学んだ人にとっては当たり前のことも生態リスク評価分野ではそうでもなかったりした。分野間に断絶があることに気づき、生態リスク評価分野においては新しい発想である「個体群の維持が困難となる濃度での種の感受性分布」についての研究を行い、高い評価を受けた。まさに「その世界の常識を知らないことがよい方向に働いた幸運な事例」(P74)である。

現代科学は各分野の専門性が高く、そのぶん、隣がなにをしているのかよくわからない。分野をまたいだ学際的な発想が進歩を促すのであろう。私はただ読むだけだが、たまには違った分野の本を読むのも面白い。本書を読まなければ、生態学と生態リスク評価の違いなんて知らないままだったに違いない。



関連記事

■食の安全や健康情報の「うんちく話」

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20170817

2017-08-16 食の安全や健康情報の「うんちく話」

[][]食の安全や健康情報の「うんちく話」 食の安全や健康情報の「うんちく話」を含むブックマーク

cover

■効かない健康食品 危ない自然・天然 (光文社新書) 松永 和紀 (著)



松永和紀さんの新刊。ちなみに和紀は「かずのり」ではなく「わき」と読む。本書のプロフィールによれば、毎日新聞社の記者として10年間働いた後に退職し、科学ジャーナリストとして活動を開始した。最近では、BuzzFeedNewsに載った■<偽装豆腐>という間違いだらけの指摘にこそ注意!という記事で注目を集めた。

本書では食の安全や健康情報の分野のさまざまな話題が扱われている。水素水、ブルーベリー、ウコン、酵素ドリンク、グルテンフリー、トランス脂肪酸などなど。各項目は数ページで、冒頭に数行のサマリー、末尾に1〜2行のチェックポイントがついている。たとえば水素水の項目のサマリーは

「抗酸化作用がある」「がんに効く」「糖尿病が改善する」など、水素水のさまざまな”効能”が話題です。でも、「効かない」「根拠がない」と批判する科学者も目立ちます。どちらを信用すべきでしょうか?

答えは今のところ、「効き目の根拠は、ほとんどなし」です。水素は体内の大腸でも大量発生しており一部は血液中を循環しています。それに比べ、水素水として口から飲める量はごくわずかです。

チェックポイントは

「効く成分」が入っていなくても、期待が効き目に結びつく「プラセボ効果」にご注意。

といった具合。一項目が長くないので好きなところ、興味のあるところだけスパっと読める。

書名の「危ない自然・天然」は、肉の生食、浅漬けや冷やしキュウリによる腸管出血性大腸菌の感染、ヒジキ中の無機ヒ素などのリスクを紹介していることによる。なんとなくイメージで「天然なら安全」と思い込んでいる人はこのブログの読者には多くないだろうが、さまざまな事例を学ぶことができ有用だろう。また、友人、家族に勧めるのにも本書は手ごろだと思う。

リスクだけではなく、だったらどうすればいいかという点も述べられている。たとえば「バランスの取れた食事」は死亡リスクを下げる。当たり前のことではあるが、だからこそあまり取り上げられない。根拠に乏しくても「健康になりたければ○○しなさい」「××を食べるだけでがん予防になる」といった刺激的なキャッチコピーのほうが広まりやすい。とくにインターネットではそうである。

最終章ではNHS(イギリスの国民保健サービス)の「健康ニュースの読み解き方」が紹介されている。また、各項目のチェックポイントは他の事例にも応用ができるだろう。ネットの情報は玉石混交である。そうした情報の見分け方を身に付けるのに本書は役立つだろう。



関連記事

■食の安全と環境−「気分のエコ」にはだまされない

■メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学

2017-07-02 がん検診の「見落とし」を数えるのは難しい

[]がん検診の「見落とし」を数えるのは難しい がん検診の「見落とし」を数えるのは難しいを含むブックマーク

青森県のがん検診で患者の4割が見落し?

青森県における胃がん検診と大腸がん検診で患者の4割が見落とされていた可能性があるとNHKが報じた。



■胃がん・大腸がん 検診で“4割見落とされた可能性” 青森県 | NHKニュース

がんによる死亡率が12年連続で全国最悪の青森県は、がんの早期発見につなげようと胃がん、大腸がん、子宮頸がん、肺がん、乳がんの5つのがんについて、平成23年度に自治体によるがん検診を受けた県内10の町と村の住民延べ2万5000人を対象にその後の経過を調べました。

検診を受けて異常なしと判定されたのに1年以内にがんと診断された人を見落としの可能性があると定義し、その割合を調べたところ、検診の段階でがんを見落とされた可能性がある人はバリウムによるX線検査を行った胃がんで40%、便に含まれる血を調べる「便潜血検査」を行った大腸がんで42.9%、子宮の入り口の細胞を調べた子宮頸がんで28.6%に上ることを示す分析結果がまとまりました。



胃がん検診で見落としが40%は多いという印象で、記事内で専門家が指摘しているように検診の質に問題がある可能性はあるが、後述するようにがん検診の「見落とし」を数える方法は複数あり、詳細な情報がない限り明確なことはなんとも言えない。

「専門家によりますと、一般にがん検診では20%程度の見落としは許容範囲と考えられている」というのも、がん検診の種類にもよるので大雑把であるなあと思ったが、その辺りを正確に伝えるのは難しいのでこういう表現になるのは仕方がないのであろう。

ちなみに国立がんセンターのサイトによると、「X線検診の感度(がんのあるものをがんと正しく診断する精度)はおおむね70〜80%」*1、「便潜血検査免疫法の感度(大腸がんがある場合に便潜血検査が陽性となる確率)は対象とした病変の進行度や算出方法によってかなりの差があり、30.0〜92.9%」*2とある。つまり、一般的なX線による胃がん検診での「見落とし割合」は20〜30%、便潜血による大腸がん検診での「見落とし割合」は7.1%〜70%である。「相場」としてはこんなもの。


「見落とし割合」を調べる方法には直接法と追跡法がある

ここで、「見落とし割合」の定義を確認しておく*3。がん検診を受けると「陽性」か「陰性」かのどちらかの結果が出る。陽性の人がすべてがんというわけではなく、精密検査を受けて診断が確定する。陽性者のうち、本当にがんであった人は「真陽性」、がんでなかった人は「誤陽性(偽陽性)」である。また、陰性であった人の中には、本当はがんであった人「誤陰性(偽陰性)」もいれば、本当にがんでなかった人「真陰性」もいる。表にするとこう。

f:id:NATROM:20170702084140j:image

がん検診における感度、特異度、「見落とし割合」

「見落とし割合」は、本当にがんであった人(真陽性+誤陰性)のうちの検診で異常なしとされた人(誤陰性)の割合である。検査を精度を表す指標の一つに感度=真陽性÷(真陽性+誤陰性)があるが、「見落とし割合」=1-感度である。感度が高いほどよい検査である。「一般にがん検診では20%程度の見落としは許容範囲」とは、言い換えると、「感度が80%以上なら許容範囲」である。

さて、がん検診の感度(あるいは「見落とし割合」)を知りたいときにどうすればいいだろう?がん検診を受けた人の中の、真陽性と誤陰性の人の数を数えれば計算できる。真陽性の数を数えるのは比較的簡単である。検診で陽性になり精密検査を受けてがんと診断された人の数を数えればよい。では、誤陰性を数えるには?これが難しい。誤陰性を数えるには直接法と追跡法の2つの方法がある*4

f:id:NATROM:20170702084137j:image

「見落とし」の推定方法

大阪がん予防検診センター山崎秀男■がん検診の感度・特異度、検診歴別がん発見率(PDF)より引用

通常、検診で陰性の人は精密検査を受けない。よって、「検診で陰性であったのに本当はがんだった」人数は、普通はわからない。直接法では、検診で陰性であった人もかたっぱしから精密検査することで「検診で陰性であったのに本当はがんだった」人数を数える。具体的には、肺がん検診において単純レントゲンで陰性だった人もCTを受けてもらう、など。精密検査には放射線被ばく等の何かしらの負担があるので(負担がないなら最初から全員に精密検査をすればいい)、通常は被験者の同意を得て臨床研究として行うことになる。しかし、コストがかかるし、がんの種類によっては適切な精密検査がない場合もあるし、精密検査といっても完全ではなく「見落とし」があるかもしれない。

もう一つの方法(追跡法)は、検診で陰性だった人を追跡して、一定期間中にがんだと診断された人を誤陰性と数える。検診で陰性だったのに1週間後に進行がんだと診断されたら、これは誰がどう見ても「見落とし」だろう。今回の青森の調査は追跡法である。「検診を受けて異常なしと判定されたのに1年以内にがんと診断された人を見落としの可能性があると定義」とある。

追跡期間を1年間としているのは明確な根拠はない。成長の早いがんであれば、検診時にはどうやっても見つからないような小さながんが11ヶ月後には症状を引き起こして発見されることだってありうると思うのだが、これも「見落とし」として数えられる。「見落とし」と呼ぶと、陰性と診断した医師が怠慢だったかのような印象を持つ人もいるかもしれないが、必ずしもそうとは限らないことをわかっていただきたい。


「見落とし」の定義も複数あるし、追跡の精度にも影響を受ける

追跡法を使うとしても、誤陰性の数え方に複数の方法がある。

f:id:NATROM:20170702084134j:image

「見落とし」の定義

大阪がん予防検診センター山崎秀男■がん検診の感度・特異度、検診歴別がん発見率(PDF)より引用


定義1だと1年以内であれば次の集団検診で早期胃がんと診断された人も誤陰性に数えられてしまう。前の検診が陰性、次の検診でようやく見つかるような小さな早期胃がんが発見されても「見落とし」に数える。一方で定義3だと次の集団検診で進行しきったがんが発見されても「見落とし」には数えない。どの定義を採用するかによって、実際の検診の精度が同じだったとしても測定される感度(あるいは「見落とし割合」)がかなり変わってくる。調査結果を比較するときには注意が必要だ。

さらに言えば、追跡の精度によっても感度は変わってくる。人口構成やがんリスクが同じA国とB国において、同じ精度のがん検診を行ったとしよう。A国とB国で違う点は一つだけ。A国では全国レベルで患者情報が一元管理され完璧ながん登録制度が整備されているのに対し、B国では地域レベルの不完全ながん登録制度しかない。B国では、他の地域に引っ越したり、がんと診断されても主治医が登録を怠ったり、登録時に入力を間違えたりすると、追跡が困難になる。

A国では検診陽性者のうち70人ががんと診断され、検診陰性者のうち1年以内に30人ががんと診断された。真陽性70人・誤陰性30人で、感度は70%である。一方B国では、同じように検診陽性者のうち70人ががんと診断され、検診陰性者のうち1年以内に本当は30人ががんと診断されたが、この30人のうち追跡可能だったのは20人のみであった。よって、統計上の数字では真陽性70人誤陰性20人で感度は約78%である。一見、B国のほうが感度の高く見落としが少ない優れたがん検診を行っているように見えるが、実際には追跡が不十分なため、誤陰性を数え損なっているだけである。やはり、がん検診の感度の調査結果を比較するときには注意が必要である。特に国際間では。

*1http://ganjoho.jp/med_pro/pre_scr/screening/screening_stomach.html

*2http://ganjoho.jp/med_pro/pre_scr/screening/screening_colon.html

*3:偽陰性率と呼ばれていることが多い

*4:細かいことを言えば、がん検診の感度を評価するには、がん検診を受けていない対照群における発生率を使う方法もあるが割愛

MockingbirdMockingbird 2017/07/02 12:39 関係者です。
NHKの報道はミスリーディングだと考えています。
あの事業は市町村ががん検診の精度管理をすることを最終目的に、県がまずシミュレーションしてみせるものです。
数値は対象者数が少ないので真の値であるかどうかは分かりません。
本当のところは、市町村がデータを見て、それを解釈して、改善点を見つけるシミュレーションの過程で出てくる中途半端な数値を切り取られて報道されました。
あの事業の大切なところは、市町村ががん検診の精度管理をする手法を手に入れたことです。

ublftboublftbo 2017/07/02 17:13 今日は。

報道で、“調査した研究者「予想以上で驚いた」” と小見出しを付けて意見を紹介されていた松坂氏ですが、当の松坂氏によるプレゼンテーション資料が、青森県がん検診精度管理研修会のサイト( http://www.pref.aomori.lg.jp/welfare/health/seidokanri_kensyu.html )にあります。

『がん検診の基礎知識』(PDF)
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/ganseikatsu/files/k-1-1.pdf

これを見ると、かなり丁寧に説明されていますし、他の資料でも、検診の精度管理をきちんとおこなっていこうという姿勢がうかがえます。

今回の発表は、実地の検診の性能を把握するための精度管理の重要さを検討・周知する所が肝で、その所を丁寧に報道する必要があったと思っています。

twitterなどで反応を見ると、やはり目立つ数値に着目して、こんなに性能が低かったのか、と驚くようなものが散見されて、これでは、不必要に医療不信を煽る危険性があると考えます。

精度管理をきちんとおこなって、良い性能が保てていないのであれば改善する、事が肝腎なのは当然ですが、それはそれとして、一つの研究発表をどう評価しておくかは、別の観点として冷静に見ておきたい所です。

ublftboublftbo 2017/07/13 21:15 今晩は。

国立がんセンターが声明を出しましたね。

http://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/20170713.html

報道としては、留保付きの内容であったとは言え、もう少し慎重な記述をおこなうなど、配慮すべき必要があったと思いますね。

門外漢門外漢 2017/07/13 23:42 統計等の数値は前提や定義を理解しないまま受け取ると、大変な誤解を生みます。短文で要約しなければならないマスメディアの苦労も分かりますが、誰が読むかを考えた時に、誤解を招きやすい数値は安易に取り上げるべきではないと感じました。

メシアメシア 2017/07/15 22:14  アンチ近藤誠派の人たち、早く私のブログに反論してくださいよ。

http://ameblo.jp/murashita85/entry-12292317761.html

NATROMNATROM 2017/07/17 08:18 メシアさんがこのブログのコメント欄に質問なり疑問なり書き込んでくだされば、回答なり反論なりいたします。メシアさんのブログを読んで、「なるほど、メシアさんの言うことに一理あるかもしれない」と思った方が書き込んでくださってもかまいません。

2017-06-09 食べログで完全禁煙の店を検索する方法

[]食べログで完全禁煙の店を検索する方法 食べログで完全禁煙の店を検索する方法を含むブックマーク

飲食店を全面禁煙にするかどうかが議論になっている。従業員を含めて受動喫煙にさらされたくない人が十分に暴露しない方法があれば、別に全面禁煙にしなくてもいいと私は考える。それはそれとして、自分が飲食店を選ぶときには、圧倒的に禁煙の店が望ましい。そもそも食事中に他人の吐いたタバコの煙を吸うのが嫌である。(喫煙可の美味しい店もあるだろうし完全禁煙のまずい店もあるだろうが)傾向としては完全禁煙の店のほうが美味しいものが食べられるであろうという期待もある。

つい最近、食べログのアプリで完全禁煙のお店を地図上に表示できる機能に気づいた。とても便利。バージョンアップしてそういう機能がついたのかもしれないし、私が知らなかっただけで昔からこの機能はあったのかもしれない。いずれにせよ、以前は、禁煙のお店を地図上に私は表示できなかった(リスト表示する方法はわかっていた)。みなさん既にご存知かもしれないが、もしかしたら知らない方もいらっしゃるかもしれないので、ここで紹介する。



  • iOS用の食べログアプリを起動すると、以下のような画面になる。「もっと詳しい条件でお店を探す」をタップする。

f:id:NATROM:20170609165940j:image

「もっと詳しい条件でお店を探す」をタップ


  • 検索条件がいろいろ表示される。禁煙・喫煙は下のほうにあるのでスクロールする。

f:id:NATROM:20170609165941j:image

下にスクロールする

f:id:NATROM:20170609165942j:image

禁煙・喫煙を選択

f:id:NATROM:20170609165943j:image

禁煙を選択して決定


  • デフォルトでは「分煙を含む」がチェックされている。私はいつもこのチェックを外している。お店によっては分煙が不完全で、まったく意味がない場合もあるからだ。

f:id:NATROM:20170609165944j:image

分煙を含むのチェックを外して、検索。


  • 地図上に表示するには右上のアイコンをタップ。

f:id:NATROM:20170609165945j:image

右上のアイコンをタップ


  • 最初は日本地図が表示される。あとは適宜、目的とする地域を拡大すればよろしい。

f:id:NATROM:20170609165946j:image

右上のアイコンをタップ


同様の方法で喫煙可能な店を探すこともできるだろう。先に地図を表示しておいて、検索アイコン(虫メガネ)をタップして、検索条件を絞ることもできる。


改善して欲しい点

食べログのこの機能は禁煙のお店を探すのに便利なのだが、毎回毎回、禁煙を選択して分煙を含むのチェックを外すのが面倒くさい。できれば、「禁煙・分煙含まず」の設定を記憶しておいてもらいたい。もしかしたらアプリに記憶させる方法があるのかもしれないがわからない。どなたかご存知なら教えてほしい。

また、デフォルトでは「分煙を含む」がチェックされてるが、デフォルトではチェックされていないほうが望ましい。禁煙のお店をわざわざ探そうかという人は、分煙では不十分であると思っているほうが多いと思うのだがどうか。

それから、地図を表示したとき、まず日本地図が表示されるのではなく、現在地周辺の情報が表示されてほしい。飲食店を探したいときに日本全国から探す人はいないだろう。ほとんどの人は近所のお店から探す。アプリを立ち上げて、現在地を選択すると、即座に自動的に現在地周辺の「禁煙・分煙含まず」のお店が地図上に表示されるとうれしい。

PC版の食べログ(■食べログ - ランキングと口コミで探せるグルメサイトでも、同様のことができそうだが、やり方がわからない。地図表示から「検索条件を変更する」というオプションがあるが、ジャンル・予算・空席などの条件があるが喫煙の条件の項目がない。また、「福岡県」の「禁煙(分煙含まず)」のお店のリストは表示できるのだが、地図表示ができない。リスト表示から「このエリアを地図で見る」をクリックすると禁煙条件がなくなってしまうようである。最近ではPCが使える状況でも、タブレット端末からお店を探している。


関連記事

■サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク―

ポンプポンプ 2017/06/10 14:57 NATROMさんが以前紹介していた津川友介さんは「受動喫煙はこの値なら大丈夫という下限がないことが分かっている。」「分煙で健康被害を防ぐには竜巻なみの換気設備が必要だが、現在の技術ではできないと言われている。」とツイートしてます。
NATROMさんは「受動喫煙にさらされたくない人が十分に暴露しない方法があれば、別に全面禁煙にしなくてもいい」と言ってますが、現実的には無理なので飲食店の全面禁煙に賛成という立場でよろしいのでしょうか?

NATROMNATROM 2017/06/11 09:14 関連記事にある「サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク―」を読んでいただければわかりますが、受動喫煙の害を完全にゼロにしようと思えば、屋内全面禁煙でも不可能で、タバコそのものを禁止するしかありません。

自分が吸っていないのに他人の煙を吸わされる受動喫煙は不当なリスクです。できるだけ小さい方がよろしい。しかしながら、リスクゼロを目指すとたちまち不寛容になります。どこかで妥協点を見つけなければなりません。ごく小さなリスクは容認しましょう。

陰圧の喫煙室を設置すれば屋内喫煙OKであるとか、屋内原則禁煙の代わりに路上喫煙のエリアを広げるとかであれば、容認はできると私は考えます。これでは受動喫煙のリスクはゼロにはなりません。いくら陰圧にしても人が出入りすればタバコの煙は流れてきます。おそらく「受動喫煙はこの値なら大丈夫という下限がない」というのは正しいです。それでも容認します。

ただ、受動喫煙の害が十分に認識されていない現状では、不寛容であることを「容認」して、屋内原則禁煙のほうがいいかもしれません。がん患者の従業員の受動喫煙を問題にすると、

「そんなトコで働くから苦しいんだよ、そんなトコで働かなければいいんだよ」
「癌患者は喫煙飲食店で働かなくて良いんだよっ!自分の脳みそ使って仕事場は選びなさいな」

などという意見を平気で述べるような人が存在するぐらいですから。内心そう思っているぐらいなら仕方ないですが、表立ってそう述べて恥じないのですよ。

ポンプポンプ 2017/06/11 14:53 NATROMさん回答ありがとうございました