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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2017-03-17 福島県の甲状腺がん検診の2巡目の数字から言えることと言えないこと

[]福島県の甲状腺がん検診の2巡目の数字から言えることと言えないこと 福島県の甲状腺がん検診の2巡目の数字から言えることと言えないことを含むブックマーク

福島県の甲状腺がん検診において、2巡目で50人を超えるがんあるいは疑い例が見つかった。これらの例は1巡目(先行調査)ではがんは指摘されていない。「たったの2年間で50人以上もの新たながんが発症しているのであるから明らかに被曝による多発である」という主張がなされているが、そうは言えない。

たとえば、津田敏秀氏は、2巡目のがん検診を受けた236595人中がんの発症が51人(216人/100万人)を、全国平均発症率から推定した有病割合5人/100万人×2年=10人/100万人と比較して、22倍の多発だと主張している*1。過剰診断がゼロであるならば、この計算は正しい。津田氏の主張をまとめると「過剰診断がゼロだと仮定すると甲状腺がんは多発している」になるが、そんなことは計算なんてしなくても自明である。過剰診断がどれぐらいの割合なのか不明なので苦労しているのだ。

仮に、検診で発見可能な甲状腺がんのうち、将来症状を呈するがん1につき過剰診断が21であったとしたら、被曝の影響がなくても「22倍の多発」という数字は説明可能である*2。しかし、検診で発見された小児の甲状腺がんにおいて、過剰診断がどれぐらいの割合で含まれるのかはわかっていない。よって、2巡目の数字だけでは、過剰診断なのか、それとも被曝による多発なのかはわからない。過剰診断がゼロでほぼ被曝による多発のみ*3を観察しているのかもしれないし、被曝による多発はゼロで過剰診断*4を観察しているのかもしれない。あるいはその混合(半分が被曝による多発で、半分が被曝と無関係の過剰診断+狭義のスクリーニング効果、など)かもしれない。

成人においては、検診で発見された甲状腺がんの大半が過剰診断であることはわかっている。韓国では死亡率が不変である一方で甲状腺がんの罹患率は15倍に増えた。単純計算で有症状もしくはいずれ症状を呈する甲状腺がん1に対し過剰診断14と推測できる*5。しかも、甲状腺がん検診を受けたのはせいぜい成人の10-20%であるため、福島県調査のように高い検診受診割合だと過剰診断の割合はさらに高くなる。ただし、成人と小児は異なる可能性があるので、これは参考情報に過ぎない。言えるのはせいぜい、小児においても検診で発見された甲状腺がんの多くが過剰診断であっておかしくない、程度である。

被曝による多発の有無を検討するには、2巡目の数字以外の情報も必要である。そうした情報を総合すると、現時点では、津田氏が主張するほどの多発はないと考える。理由はいくつかあるが、たとえば、福島県内の地域間で罹患率に有意差がない。むろん、有意差がないことは差がない証明ではない。しかし、被曝によって何十倍もの多発が起こっているのに地域差が検出できないというのはきわめて考えにくい。自然発症に埋もれて有意差が見えにくくなっている程度の多発なら地域間比較だけでは否定できない。

また、「検査で検出される大きさに成長してから、その後もがんが成長し続け、病院に行くほどの自覚症状が出る(発症する)のが平均して4年」(診断可能前臨床期)、かつ、被曝によって数十倍もの多発があるならば、原発事故から6年経った現時点で、それなりの数の発症した有症状の小児甲状腺がん患者が観察できるはずである。検診を受けて治療介入されれば発症をまぬがれるとしても、福島県の検診受診割合は75-90%であり検診を受けていない人たちもいる。検診群から160人以上もがんが発見されているので、検診を受けていない割合を少なく10%と見積もっても福島県内だけで20人弱程度は検診外での甲状腺がんがあるはずだ*6。福島県外も含めるともっといる。しかし、そういう話は聞こえてこない。これは、「診断可能前臨床期は4年間」および「多発が数十倍」という推定のどちらかもしくは両方が誤りであることを示唆している。

現時点でのデータでは被曝による多発があるとは言えないが、将来にわたってそうだとは限らない。今後、症例数を重ねると福島県内での地域差が明瞭になってくるかもしれない。あるいは、診断可能前臨床期が4年ではなく10年ぐらいであり、今から検診外の発症が観察されるようになるかもしれない。注意深い観察を続けるべきである*7。また、被曝による影響が証明できなくても、甲状腺がん患者には十分な補償が必要である。



関連記事

■「過剰診断」とは何か

■韓国における甲状腺がんの過剰診断

*1http://blog.miraikan.jst.go.jp/event/20160719post-683.html

*2:診断可能前臨床期が4年間だとして。これも推定だから厳密な定量的な考察にあまり意味があるとは思えない

*3:22分の1は被曝と無関係の「前倒し」(狭義のスクリーニング効果)

*4:および「前倒し(狭義のスクリーニング効果)」

*5:統計上の罹患率には症状を呈してから診断された例を含むので、「検診で発見された甲状腺がん」のうちの過剰診断の割合はもっと高くなる

*6:160÷9≒17.8

*7:検診を推奨しているわけではない。甲状腺がん検診は無効である蓋然性がきわめて高いので、行うなら十分な説明と同意を要する。なお、本記事はがん検診の有効性とは独立している。「甲状腺がん検診はきわめて有効である」と信じている人であっても本エントリーの内容には同意しうるであろう

比ヤング比ヤング 2017/03/19 01:51 医者は「経過観察」(場合によっては、放置)を患者に勧めるべきだ、と主張するのではなく
医者は検査を受け付けるべきではない、という主張にすり替えるのは、何故ですかぁ〜〜〜?

反原発イデオロギーに対して(また別種の不適切な)イデオロギーをぶつけているようにしか
見えませんよ。www

比ヤング(ふま)比ヤング(ふま) 2017/03/19 02:08 まあ、たまたま、その患者と個人的にお友達で

「できれば長生きして欲しいんだけど、こいつ本当にバカだから、大したことない癌でも見つかったら、“切らない方がいいと思うよ”とアドバイスしても理解できずに、手術することになるだろう」

と予想できるような特殊事情でもあれば、受け付けない方がいいかもね。

比ヤング(なとろむ先生のお友達)比ヤング(なとろむ先生のお友達) 2017/03/19 02:31 ああ、

   「こんなアホな検査を受けにくる時点で、アドバイスが理解できないおバカさんだろう」

という予想か。でも、そういうのは「極めて主観的な先入観」に基づく予想であって、医学的な根拠を持つものでは全くありませんね。

池田信夫のう●こ、食べたい♪池田信夫のう●こ、食べたい♪ 2017/03/19 03:40 いずれにしても、もし仮に過剰診断であるとすれば、

   「医者が行っている治療行為」が(少なくとも統計的に)過剰である

ということであって、その原因として、まず疑うべきは、

   (少なくとも統計的には)医者が患者に「過剰な治療」を勧めた

ということでしょ。福島原発由来の検査に限るのなら、この一般原則に当て嵌まらないかもしれないが。

NATROMNATROM 2017/03/19 08:51 >医者は「経過観察」(場合によっては、放置)を患者に勧めるべきだ、と主張するのではなく
>医者は検査を受け付けるべきではない、という主張にすり替えるのは、何故ですかぁ〜〜〜?

「医者は検査を受け付けるべきではない」とは言っていません。甲状腺がん検診を推奨すべきではないですが、ケースバイケースで「検査を受け付け」たほうがいい場合もあるでしょう。それはそれとして、甲状腺がん検診を推奨すべきでない理由は、主に3点です。

一つ目は、甲状腺がん検診が無効である蓋然性がきわめて高いからです。一定の割合で過剰診断が生じてもそれに見合うメリット(甲状腺がん死の抑制、など)があれば検診を行った方がいい場合もありますが、甲状腺がん検診はそうではありません。

二つ目は、検査で発見した時点で、その疾患が過剰診断なのか、それともいずれ症状を呈するようになるのか、区別がつかないことです。「がんが見つかっても過剰診断なら治療せずに経過を観察すればいいだろう」という意見を散見しますが、区別がつくなら苦労はしません。

三つ目は、よしんば経過観察や放置を選択できる場合においてすら、がんと診断することは患者のQOLを落とすからです。

これは、私の独自の意見ではなく、医学界のコンセンサスです。

nn 2017/03/26 20:25 NATROMさんの上の書き込みにちょっとだけ補足しておきます。
確かに、NATROMさんのこの記事の内容は、学問としての医学界のコンセンサスです。福島の事件が起こるより遥か以前より、国家試験を受ける前の大学生向けの教科書に必ず書かれているレベルです。
ただしこういう疫学的考え方を医師にちゃんと教えるようになったのはそこまで古い話ではないので、場末の高齢の開業医まですみずみこれを理解しているかというとそうではありません。

また、甲状腺癌のスクリーニングを仕事として見た場合は話が変わってきます。とりあえず国が大量にお金を出してくれ、特殊な教育を受けていない国民はみんな正しいことだと信じており、しかも見逃したって手術したってどうせ結局ほとんど誰も死なない(結果的に無駄な手術受けた人はトラウマでしょうが)という、超ローリスクハイリターンなお仕事です。こんなおいしい事業はないため、学問的妥当性とは別に、現地の当事者が声を上げて止めろとも言いづらいということはあると思います。
声を小にして(大じゃなくw)言いますけど、利権とか陰謀ネタで医師を叩くのがお好きな方は、むしろNATROMさんの主張をちゃんと理解した方がお得だと思うんですけどねえ…w

耳鼻科医耳鼻科医 2017/03/27 08:22 昔から「高校の検診で胸部異常影を指摘されたことで発見される甲状腺癌」「妊婦健診で指摘される甲状腺癌」の発生率がわかるのではないかと,私はこの福島スクリーニングに期待しております.

2017-03-07 検診で発見されたがんの予後が良くても、検診が有効だとは言えない

[]検診で発見されたがんの予後が良くても、がん検診が有効だとは言えないのはなぜか? 検診で発見されたがんの予後が良くても、がん検診が有効だとは言えないのはなぜか?を含むブックマーク

「わかる」って、たーのしー!よね

私たちは、地球が球形をしていて太陽の周りを回っていることを幼いうちから教えられている。けれども、地球が丸くて動いているなんて、よくよく考えると直観に反している仮説である。普通に考えれば地面は平らで動いていない。動いているのは太陽のほうだろう。人類で最初に地球が丸いと理解することは、さぞエキサイティングであっただろう。

別に人類で最初でなくったって、直観に反することが事実だわかる過程は素晴らしい体験である。私は大学生のころ、イギリスの進化生物学者であるドーキンスが書いた『利己的な遺伝子』(当時は『生物=生存機械論』)という本を読んで、動物の行動は「種の保存」のためのものであるという「常識」が間違っていることを思い知らされた*1。貴重な体験であるが、どういう感情なのか説明するのが難しい。ゲームをプレイしたことのない方にはまったく伝わらないたとえで申し訳ないが、『ゼルダの伝説』をプレイ中に行き詰まり、さんざん苦労したあげくやっと謎を解いたとき流れる「謎解き音」を聞いたときの快感を100倍したような感覚である。

直観に基づいて地球は平らであり太陽のほうが動いていると信じている人が、「偉い人がそう言っているから」とか「本にそう書いてあるから」とかではなく、基本的な観察事実と論理から実は地球は丸くて動いてることを正しく理解し、心の底から納得したとき、そのときの感情は喜びとしか言いようがないのではないか。ただ、私たちのほとんどは地球が丸いことを既に知っているので、いまさらこの喜びは味わえない。きわめて残念である。

研究者の方々、とくに一流の方々は、これまで人類の誰もが知らなかった事実を知るチャンスを持っているわけで実にうらやましい。我々の多くは人類初の事実を知ることはできない。けれども、人類初でなくても単に我々個人が知らないことはいくらでもある。役に立つ立たないは別として、論文や本やブログを読み、これまで知らなかったこと知ることで、知的な喜びを得ることはできる。「フェルマーの定理」とかだと私にとっては難しすぎてダメだけど、もうちょっと手ごろな謎を理解するとき、「謎解き音」が聞こえる。



がん検診で早期発見されたがんは予後が良いのに、がん検診が有効ではないなんてことがあるの?

前置きが長くなった。このエントリーでは、がん検診の疫学について、直観があてにならないという話をする。がん検診によってがんを早期発見でき、検診で早期発見されたがんの予後が良いとしても、そのがん検診は有効とは限らず、有害である可能性すらある。専門家の間では常識で、学生向けの教科書にも書かれていることであるが、知らない方も多いだろう。

がん検診は自覚症状のない人が対象である。検診で無症状のうちに発見されるがんがある一方で、何らかの自覚症状が生じ、病院に受診することで発見されるがんもある。また、がんは早期のうちに治療したほうが予後が良い。検診を行って早期発見・早期治療し、予後を改善させようというのががん検診の目的である。直観的には検診をやったほうがいいに決まっているように思える。

がんXに対して検診を行うと、早期がんがたくさん見つかるとしよう。検診で見つかったがんXの患者さんを追跡調査すると、早期がんは予後がよいため5年間で亡くなる人はたった10%であった。つまり5年生存率は90%である。一方で同じがんXであっても、検診外、つまり自覚症状が生じてから発見された患者さんは、5年間で亡くなるのは50%であった。5年生存率が90%対50%、直観的にはがん検診が予後を改善させたように思える。ところが、がん検診にまったく意味がなく、むしろ有害であったとしても、こうした見かけ上の生存率の改善が生じることはありうる。見せかけの検診の有効性を引き起こすバイアス(偏り)はいくつかあるが、ここでは3つほど紹介しよう。



リードタイムバイアス

具体的な人物の経過を例に挙げるのが理解の助けになるだろう。長井さんは60歳のときに検診でがんXが見つかり治療を受けるも後に再発し、68歳で亡くなった。長井さんの生存期間は8年間である。診断・治療の開始から5年目の時点では生存しているので、5年生存率の数字で言えば長井さんは生存にカウントされる。

では、もし長井さんが検診を受けていなかったらどうだっただろうか。実は、検診を受けていなかったら65歳のときに自覚症状が生じてがんXと診断され、治療を受けるも68歳のときに亡くなるはずであった。この場合、生存期間は3年間で、5年生存率では死亡にカウントされる。

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検診で予後が改善しなくても、リードタイムのため見かけ上、生存期間が長くなったように見える。

検診は長井さんの予後を改善させなかった。というかむしろ、検診を受けなかったほうが65歳までは平穏に過ごせていたはずで、検診のせいで罹病期間は長くなり、生活の質は落ちた。長井さんにとっては有害な検診であったのに、検診をしたほうが5年生存率は良い数字になる。

検診で発見された時点(長井さんの場合は60歳)から、検診を受けなかったら自覚症状が生じて診断されたであろうという時点(長井さんの場合は65歳)までの期間を「リードタイム」という(長井さんの場合はリードタイムは5年間)。検診がまったく予後を改善しなくても、リードタイムの分だけ生存期間は延び、よって生存率も改善する。これを「リードタイムバイアス」という。



レングスバイアス

遅山さんはあまり積極的にはがん検診を受けていなかった。毎年の検診を推奨されていたものの、5年に1度しか検診を受けなかった。60歳のときに検診を受け、61歳、62歳、63歳、64歳の検診はサボった。65歳時に5年ぶりに検診を受けたところ、早期のがんXが発見され、治療を受けた。幸い、治療はうまくいき、遅山さんは天寿を全うした。

一方で、速水さんは毎年きちっと検診を受けていた。60歳、61歳、62歳のときの検診は問題なかった。63歳時の検診も当然受けるつもりであったが、その直前に自覚症状が出て、病院を受診したところ、進行したがんXが発見された。検診を定期的に受けていても、検診と検診の間に自覚症状で発見されるがんは実際にも存在する。速水さんは治療を受けるも、66歳で死亡した。

遅山さんの例は検診で発見されたがんXの5年生存率を改善する方向に、速水さんの例は検診外で発見されたがんXの5年生存率を下げる方法に働く。これも一見すると、がん検診を受けたほうが予後を改善することを示しているように見える。

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遅山さんのようにゆっくりと進行するがんは検診で発見されやすい一方で、速水さんのように急速に進行するがんは検診外で発見されやすい。

遅山さんが、もし検診を受けていなかったらどうだっただろう。遅山さんが65歳時の検診もサボっていたら、ゆっくりとがんは進行し、68歳のときに自覚症状が出てがんが発見されることになる。がんは進行はしていたが、手術で治癒切除でき、やはり天寿を全うできた。検診で発見可能になってから自覚症状が出るまでの期間が長いがんは、比較的予後が良い。ちなみに遅山さんがマメに検診を受けていたら、62歳のときにがんは発見されたはずである。

一方で、速水さんが自覚症状が出る直前、62歳11か月のときにがん検診を受けたとしても、やっぱり66歳で亡くなった。前回の検診のときには発見できなかったのに、今回の検診前に自覚症状が出るようながんは、進行のスピードが速く、たいへん予後が悪い。こういうがんは検診外で発見されやすい。

一方で、検診で発見可能になってから自覚症状が出るまでの期間(遅山さんは62歳〜68歳で6年間)が長いがんは検診でより発見されやすい。そしてこうしたがんは進行がゆっくりなので予後が良い。実際には検診が予後を改善しなくても、もともと予後のよいがんが検診でより多く発見される傾向があるがゆえに、がん検診が予後を改善するように誤認するのがレングスバイアスである。



過剰診断バイアス

がん検診の有効性は、がん死の減少で評価されることが多い。ただ、死亡以外の有害アウトカム(起こって欲しくないこと)が検診によって減るならば(デメリットと比較勘案する必要はあるものの)検診は有効であると言える。胃がん検診を胃がん死だけでなく進行胃がんの罹患で評価したり、あるいは子宮頸がん検診を子宮頸がん死だけではなく浸潤子宮頸がんの罹患で評価したりする研究もある。

成人に対する甲状腺がん検診は甲状腺がん死をほとんど、あるいはまったく減らさないことが観察研究で示されている*2。甲状腺がん死以外の有害アウトカム、たとえば転移性甲状腺がんを減らすかどうかもわかっていない*3。局所摘出すればいい限局した甲状腺がんと多臓器転移がある甲状腺がんは治療法が異なる。多臓器転移がある甲状腺がんは、甲状腺を全摘した上で、放射性ヨードによる治療を行わねばならない。体に負担がかかるし、一生、甲状腺ホルモンを飲み続けないといけない。がん死ほどではないが、甲状腺全摘はできれば起こって欲しくないことである。

仮に、自覚症状で発見された甲状腺がん患者のうち50%が全摘術を受けなければならない一方で、がん検診で早期発見された甲状腺がん患者は10%しか全摘術を受けなくてすむとしよう。この場合、甲状腺がん検診は甲状腺がん全摘を減らすと言えるだろうか?ここまで読んできた読者の皆さんは、甲状腺がん検診は甲状腺がん全摘を減らすとは言えないことがご理解できることと思う。

リードタイムバイアスおよびレングスバイアスをわかっていれば、「がん死」であろうと「甲状腺全摘」であろうと、予後を改善させない無効な検診が検診で発見された患者における「有害アウトカム」が生じた患者の割合を見かけ上小さく見えさせることを理解できるだろう。

過剰診断*4、つまり、「治療しなくても症状を起こしたり、死亡の原因になったりしない病気を診断すること」を考慮に入れるとさらにわかりやすい。甲状腺がんは過剰診断が多いがんである。たとえば、年齢性別そのほかの条件が同一の1万人ずつの集団の片方に対してのみ甲状腺がん検診を行ったとしよう。がん検診で早期発見された甲状腺がん患者は10%しか全摘術を受けなくてすむ(つまり、がん検診で発見されたがんは予後が良い)。一方で、がん検診を受けなかった群の甲状腺がんはすべて自覚症状を伴ってから発見された。進行がんの割合も多く、甲状腺がん患者のうち50%が全摘術を受けなければならない。

「確かに過剰診断によるデメリットはあるが、検診によって全摘術が減るわけだから、検診は有効である」とは言えないよね。検診を受けた1万人中、甲状腺がんと診断された人が100人(うち甲状腺全摘術を受けた人が10人)、一方で検診を受けなかった1万人中、甲状腺がんと診断された人が20人(うち甲状腺全摘術を受けた人が10人)だったとしたらどうだろうか。この甲状腺がん検診は無意味なだけでなく、有害である。1万人中80人の過剰診断が生じる一方で全摘術を減らさない。

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甲状腺がん全摘率は下げるけれども、予後は改善しない検診の例。

過剰診断によって、がん検診が見かけ上有効に見えることを過剰診断バイアスという。過剰診断バイアスは、リードタイムバイアスの極端な例である。リードタイムが十分に長く、「検診を受けなかったら自覚症状が生じたであろうという時点」が寿命よりも先にあることが過剰診断である。また、過剰診断バイアスはレングスバイアスの極端な事例でもある。レングスバイアスはもともと予後の良いがんが選択的に検診で発見されることによって生じるが、生涯自覚症状を生じない過剰診断ほど予後の良いがんはない。



検診の有効性を評価するにはどうすればよいか

いろんなバイアスがあるけれども、じゃあどうやったら検診が有効かどうかを評価できるだろうか?検診で発見されたがんの臨床的特徴をいくら調べてもわからない。実際に比較をしてみなければならない。ここで比較すべきなのは、がん検診を受ける集団と、がん検診を受けない集団とにおける、がんで死ぬ人の数(あるいは甲状腺全摘術などの有害アウトカムの数)である。

たとえば、過剰診断バイアスで挙げた例でいくと検診を受けた1万人中全摘術が5人、検診を受けなかった群で10人であれば、検診が全摘術を減らしたことになる*5。さっきまでと何が違うのか?分母ががん患者なのか、検診を受けた(あるいは受けなかった)人全体なのかが違う。ここがすごーく大事な点だ。検診で発見された患者さんは、リードタイムで生存期間が延びたり、もともと予後の良い患者さんを拾い上げたりするので、患者の数を分母にするとバイアスがかかってしまう。がん検診の有効性を「生存率」で評価してはならないのは、生存率は分母が患者の数だからである。一方、がん検診の有効性が一般的にがんによる「死亡率」で評価されるのは、分母が検診を受けた(あるいは受けなかった)人全体だからである*6

がん検診を受ける集団と、がん検診を受けない集団は、できればランダムに分けるほうが望ましい。でないと、今回は述べなかった別のバイアスが生じるからだ。現在、有効性が認められているがん検診は、原則としてランダム化比較試験で有効性が認められている*7

いろいろややこしいとは思うが、「検診で早期発見されたがんのほうが予後がいいにも関わらず、検診が予後を改善させるとは限らず、むしろ検診をしたほうが害が大きい場合もある」という直観に反する主張が、実は正しいとわかっていただけただろうか。

ゼルダの伝説の「謎解き音」が読者の皆さまの耳に届きますように。



さらに知るには

「このエントリーを読んだだけではいまいちわからん」あるいは「もっと詳しく知りたい」という読者もいるであろう。どの疫学の教科書にも書いてあることだが、強いて一冊だけ選ぶなら、

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■疫学 -医学的研究と実践のサイエンス-(メディカルサイエンスインターナショナル)をお勧めする。図が多くカラーでわかりやすい。また、初学者が混乱しないよう訳語に工夫をされている。

長井さん・遅山さん・速水さんのたとえ話はわかりやすさのために導入したが厳密さに欠け、読者によってはかえってわかりにくくなっているかもしれない。また、できるだけエントリーを短くするために意図的に言及しなかった点がある。

id:ublftboさん(TAKESAN)による■検診の意味と有効性評価――前編 - Interdisciplinaryは、言葉の定義から丁寧に順序だてて説明されており、理解の助けになるだろう。教科書を買ったり借りたりできない環境の方は、まずはここからはじめることをお勧めする。

*1■生物=生存機械論 by ドーキンス

*2■韓国における甲状腺がんの過剰診断

*3:普通は「検診が転移性甲状腺がんを減らすなら、甲状腺がん死も減らすはずだ。がん死が減っていない以上、転移性甲状腺がんも減らさないだろう」と考える

*4■「過剰診断」とは何か

*5:1万人が検診を受けて5人の全摘術が減る。1人の全摘術を予防するために必要な検診数は2000人。これのメリットがデメリットと比較して見合うかどうかは別途検証しなければならない

*6:sivadさんが死亡率と致死率を取り違えて間違えたのもこの点にある→■死亡の指標とsivad氏の誤り - Interdisciplinary。死亡率の分母は集団全体の数(より正確には人年)、致死率の分母は罹患者数だ

*7:子宮頸がん検診のように、歴史的に検診の有効性が認められてきた検診については、いまさら「がん検診を受けない集団」を人為的に作ることは倫理的に許されない。よって、検診なし群を対照にしたランダム化比較試験以外の方法を使って評価するが、その場合でも分母は患者数ではいけない

2017-02-07 「自業自得」の透析患者。どうやって線引きをするつもり?

[]「自業自得」の透析患者。どうやって線引きをするつもり? 「自業自得」の透析患者。どうやって線引きをするつもり?を含むブックマーク

私の外来に糖尿病コントロールのあまりよくないおっちゃんがいる。しばしば入院を勧めるのだが、多忙を理由にいつも拒否される。病気に理解がない上司でもいるのか、職場を長期間休めないそうなのだ。従業員に急病で突然休まれるよりは予定入院で健康を保ってもらったほうが職場にとってもよいように思うのだが、仕事を休めず無理をする患者さんはけっこういらっしゃる。

おっちゃんは外来でも、診療時間ぎりぎりか、ときには診療時間が終了してから受診したりする。私だけでなく、看護師や検査技師や事務員の方々が残業することになりぶっちゃけたいへん迷惑である。建前では、急病ではない限り時間外受診はお断り、もしくは、次の診療日までの数日分の処方のみということになっている。しかし、おっちゃんにそんな対応をしても、次にいつ来院できるのがわからない。受診のために仕事を早退するのも一苦労なのだ。仕方ないねえ、とか言いながら、通常日数分の処方をすることになる。

おっちゃんを叱れば次から時間を守るようになるならいくらでも叱るけれども、まずそうはならない。というか、叱られるから今日は受診を止めとこうということになるよね。結果として、糖尿病の薬がないまま過ごし、そのうち糖尿病性昏睡に陥って救急車で搬送される。そうなるぐらいなら、「ちょっと遅刻だけど、とにかく受診してくれてありがとう」という態度で接したほうがいい。おっちゃんは「ホンマすんません」と人懐っこい笑顔でいてくれるので、そうは腹は立たない。病院スタッフも、患者さんにはそれぞれ事情があることをよく理解してくれている。おっちゃんは一家四人を養わないといけないのだ。

自己申告によればおっちゃんはきちんと食事療法を行っているはずなのだが、体重と検査結果からは、たぶんそれほど守れていないと思われる。薬もときどき余る。こちらもいろいろ工夫するのであるが、なかなか難しい。ただね、決まった時間に決まった量の食事を摂って、忘れずに薬を飲むって、けっこうたいへんだよ?やってみたことある?期間が決まっているわけじゃないんだよ。糖尿病と診断されたら、そこからずっと、一生、食事療法をしなければならない。「お前やれ」と言われても私はきちんとできる自信がない。

さて、このおっちゃんの糖尿病性腎症が進行し、人工透析が必要になったとしよう。これは「自業自得」であろうか?確かに、入院するなり、節制しきちんと薬を飲むなりすれば、防げたかもしれない。けれども、同じような生活習慣でも糖尿病にならない人はいくらでもいるし、もっと条件の良い職場で働いていれば入院もできたであろう。おっちゃんはことさら自堕落だったのではなく、たまたま運が悪かっただけの普通の人だ。

百歩譲って、おっちゃんの透析が必要になったのが自業自得だったとしよう。そうだとして、透析の費用を公的負担することのどこが問題なのか。だって、透析しないと死ぬんですよ。自業自得だから全額実費負担なんてことになったら、1年や2年は頑張れても、お金は続かない。一家離散になる。確かにおっちゃんは理想的な患者とは言えない。けれども、つい食べ過ぎる、ときどき薬を飲み忘れるというのは、死に値するほど悪いことなのか。ただでさえ、透析は生活の質を落とすというのに、さらに加えて「罰」が必要だろうか。

さて、もちろん今回のエントリーは、2016年9月に「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」といったブログを書いて炎上した長谷川豊氏が、日本維新の会の公認候補として衆院議員選挙に立候補するニュースを受けてのものだ(■長谷川豊氏、衆院選出馬を表明 「殺せ」撤回も「『自業自得』の線引きをするのが政治だ」)。長谷川氏によると『「人工透析を受けている患者のうち、医師の指示を守らない『自業自得の患者』が1〜2割』いるという*1

人工透析患者の誰が自業自得で、誰が自業自得でないか、どうやって判断するというのだろう。私が勧めてもおっちゃんは入院を断り、食事療法もおそらくきちんとできていなかったが、これは「医師の指示を守らない」に相当するのだろうか?もしおっちゃんの職場の労働環境が良好で、入院のための休みが容易に取れたとしたら、糖尿病コントロールはもっと良かったはずである。医療アクセスだけではなく、生活習慣についても同じことが言える。誰もが「毎日、ランニングをし、お金を出して栄養バランスの良い食事を摂る」だけの恵まれた余裕のある生活ができるわけではない。

長谷川氏は「『自業自得』の線引きをするのが政治だ」とおっしゃる。しかし、その前に、誰もが仕事を休んで病院に行けるよう良好な医療アクセスを整備し、運動や良い食事ができる余裕のある生活が可能になることを目指すほうが、より望ましい政治だと私には思われる。日本維新の会の馬場伸幸幹事長は、長谷川氏擁立の理由として「基本的政策でもほぼ一致している」と述べている。日本維新の会はそういう政党である。読者らは選挙の際の参考にして欲しい。



外部リンク

■長谷川豊さんの「自業自得の人工透析患者」論と「自分はつねにアリの側である」と信じられる人 - いつか電池がきれるまで

■「何か反論ある?」と長谷川豊さんが仰っていたので、人工透析や医療保険について、お返事してみます。 - いつか電池がきれるまで



関連記事

■生活習慣病の自己責任論について

■健康保険証の裏がドナーカードになっていた

*1:1〜2割の根拠は不明である。そもそも、長谷川氏は炎上したブログでは「8〜9割ほどの患者さんの場合「自業自得」の食生活と生活習慣が原因と言わざるを得ません」という医師の言葉を引用していた。8〜9割がいつのまにか1〜2割になっている

WAATWAAT 2017/02/08 12:53 腎臓内科医をやっております。いつも大変興味深くブログを拝見しております。研修医のときNATROM先生のブログに出会い、科学リテラシーを学ばせていただきました。今回のNATROM先生のブログのご見解について一言申し上げたく、コメントいたしました。
透析患者さんの「自業自得」を判断することが困難であることは全く異論ございません。長谷川豊氏の具体的な対策案は問題点が多く、賛同するものでもない点もはじめに申し上げておきます。
しかし、以前から長谷川豊氏のブログも面白く読んでいた私としては、NATROM先生や外部リンクされているfujipon先生の見解は核心からずれているのではないかと思うのです。
長谷川氏が最も言いたかったことは、現在の日本財政を考慮すると、医療保険制度はこの先遠からず維持できなくなる、だから危機感を持ってなんらかの対策をしないといけない、ということです。このままでは、誰かが今より多くの負担を強いられる、または今より低いレベルの医療を受けざるを得なくなる未来が必ず来る。だから、長谷川氏はあのような過激な主張をしたのだと私は解釈しています。そういう危機意識に関しては、長谷川氏の主張にも一理あるのではないかと考えます。政治的には、そういう危機意識に賛同する人が長谷川氏を擁立するのではないでしょうか。
我々医師が、その危機意識に無頓着であればあるほど、長谷川氏を持ち上げる人々も増えると思います。

トントントントン 2017/02/08 17:31 >8〜9割がいつのまにか1〜2割になっている

もっと前のインタビューでは暴言はいたり看護師の尻を触るモンスター患者に保険が使われるのはおかしいと言ってました。
最初に言ってた、先天性かどうかで分けるといった話はどこへいったのやら(笑)。

NATROMNATROM 2017/02/08 19:20 WAATさん、コメントありがとうございました。

「医療保険制度に危機意識を持っているがゆえに長谷川氏は過激な主張をした。表現は問題があったが一理ぐらいはある」という意見が散見されます。しかし、長谷川氏の主張に一理あるという意見には私は賛同できません。長谷川氏が危機意識を持っていたとしたら、「自業自得の透析患者を殺せ」と主張する前に、糖尿病や腎不全のごく基本的な医学的知識や、医療費抑制のために採られている既存の対策について情報を集めなかったのはなぜでしょうか。

各所で指摘されていることですが、長谷川氏が基本的な事項すら把握していないことは明らかです。公的保険制度の危機を救いたいと願うのであれば、医学や医療制度について調べてみることからはじめるのではないですか。しかし実際には長谷川氏は一般人のブログからコピーペーストして済ませ、「トリアージ」が何かすらご存知ありませんでした。

このことは、長谷川氏が本心では公的医療制度のことなどはどうでもよく、注目されることを目的に過激な発言をしてみせた、と考えれば矛盾なく説明ができます。長谷川氏は事実を正確に調べることにコストをかける気はなかったのです。炎上して半年近く経とうかというのに現時点でも努力している気配すら見られないではありませんか。

長谷川氏の主張には一理もないとしても、医療保険制度に対する危機意識が長谷川氏にうまく利用されてしまうのではないかという指摘には、一理あるどころか、きわめて深刻な事態であることには深く同意します。しかしながら、対策は難しいです。正直、どうすればよいのかはわかりません。

このエントリーにおいて、自業自得論以外の医療費抑制案についても述べることも検討しました。Choosing Wiselyをはじめとした無駄な医療の削減、「砂糖税」のような不健康な生活習慣を抑制する制度の導入、保険適応の採用におけるQALYを用いた費用対効果分析の利用、健康的な生活習慣に対するインセンティブなどなど。しかしながらそれぞれ一長一短で単純な解決法ではなく、丁寧な説明を要するためにエントリーが長くなると考え割愛いたしました。「そうだそうだ!自業自得の透析患者に払うお金はない!」と考える人は、長い丁寧なエントリーは読まないのです。

医療費問題について丁寧な議論を行っていく必要はあります。それはそれとして、長谷川豊氏や氏を擁立する政党への批判も合わせて行わなければならないと考えた次第です。「長谷川氏の主張にも一理ある」という主張も、長谷川氏にうまく利用されてしまう点についても留意すべきではないでしょうか。公的医療についての危機感はもちろん共有した上で、長谷川氏の自業自得論は、あまりにも荒唐無稽、論外、一理すらないことを明言いたします。

反WAAT反WAAT 2017/02/09 09:17 「自業自得の透析患者を殺せ」などとは長谷川氏は主張していないのに透析利権の人々は必ずかのようなデマをばらまく。透析利権の医者からは悪意しか感じない。
経済的余裕がありながら自己負担を拒否するなら死ぬしかないと言うマクロな摂理の話をしているだけだ。
日本の腎移植医療の発展を阻止したのは透析医学会周辺だ。先進国最底辺に落ちている。
腎移植の方が財政負担が少なかったりQOLが高かったり平均余命が長いケースであっても透析が唯一の選択だと放言してはばからない。儲かるからだ。
自己負担を1割でもすれば総合的なリスク管理をするメリットが管理側(医者)にも費用負担者(患者)にも生まれると言う生命保険でも損害保険でも年金でも通じる理屈が透析の世界だと通じない。
全額負担のせいでモラルハザードを起こしている。このブログもモラルハザードの例である。
残存する腎機能を透析で完全に殺しておいて自己負担が無くなって良かったですねなどと善意でいう医者もいる!透析医療の関係者は全員狂っているのだ。

NATROMNATROM 2017/02/09 09:24 反WAATさんのような方に逐一反論することは容易なんですが、それでは問題解決にならない、むしろ逆効果になりかねない(論破されるから口には出さないけど投票行動は変わらない)というのが難しいところです。

反NATROM反NATROM 2017/02/09 09:25 医療経済の損得を理由に政治性を帯びて長谷川氏を非難していることがそのコメントから明るみに出ている。
議論は大切などと言いながら「長谷川氏から利用される」などとたわごとを言って議論を停止させていることはつまり、そういうことなのだ。
長谷川氏は言い方については謝罪したしオープンにガロンも勉強もすると言っている。情報を更新することを拒否し政治的に汚いのはNATROM、あなただ。透析利権を貪っている立場から嘘を並べているとしたらなお卑劣だと言える。
腎移植の道をどれだけ切り開いてこられただろうか?
「罰を受けなければならないのか」などとセンチメントに訴えているが、医療費の支払いは罰じゃないんだぞ!医療を愚弄するな。

ぶりうんこぶりぶりうんこぶり 2017/02/09 09:43 アメリカでは重い腎臓疾患(不全)のうち20%前後が腎移植を受けるねんなぁ。 
これは透析を10年うけるより、移植受けた腎臓を薬飲みながら使い続けて、ダメになったらまた移植を受けるっていう方がずっと安い、(アメリカではね)という事実があるマンコ。
そして移植は透析しなくても健康という点でメリットでかいチンコ。

日本だと移植は自己負担率1割〜3割でドナーに対する患者の生命保険からの費用補助も完璧に制限されるから、移植しにくいンゴねぇ。
透析にも2割自己負担があれば日本の患者も安い方の医療選ぶから透析施設の必要数は減少し、アメリカより数が多い日本の透析病院は商売あがったりんりん。
そりゃー2兆円の透析産業は全力で長谷川豊を潰したくなるウンコね。

このNATROMってやつがどんなウンコかよくわかるね!

以上NATROM未満の下痢便寄生虫でした!

NATROMNATROM 2017/02/09 09:49 「透析利権」なるものを潰そうとしているコストカッターがいたとして、医学や医療制度に精通しているなら長谷川豊氏のような自業自得論を主張することはありません。仮に実現したとしても効果がほとんどないからです。まず、誰が「自業自得」かを判断するコスト。具体的にどうするんでしょうかね?それに結構な「利権」が新たに誕生することになるでしょうな。運動したらポイントがたまって医療費自己負担が安くなるなんて案が出ていますが、ジムの経営者から献金がないかを考えたほうがいいですね。

『「自業自得の透析患者を殺せ」などとは長谷川氏は主張していない』という主張こそがデマですが(ブログのタイトルで思いっきり言っていますがな)、そういう極端な主張を引っ込め、より穏当な方法、たとえば「体重に応じて自己負担割合を増やす。払えなくても死なせるほどはしない」とすると、節約できる費用はどんどん減ります。最初は「透析患者の8-9割の全費用」を節約できるつもりが、最終的には「透析患者の1-2割にかかる費用の一部」しか節約できないことになります。

長谷川豊氏の主張する政策は、不平等感を感じている人たちの溜飲を下げるだけで、そもそも医療費を節約できる効果なんてほとんどないんです。そう主張すると「じゃあ効果あるのなら長谷川氏を支持するのか」という別方向からの的外れな反応が予想できるので、あまり強調しませんでしたが。

NATROMNATROM 2017/02/09 09:58 腎移植はドナーが必要だから、「透析より移植が安いからどんどん移植を」というわけにはいかないんです。医療費自己負担に関わらず、多くの腎不全患者が移植を望んでいます。当たり前の話です。そっちのほうがQOLが良いんですから。

とりあえず、みなさん、臓器移植の意思表示をしましょう[ http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090212#p1 ]。私はしています。「脳死で臓器を摘出されるのはなんかいやだ」と心配する方は、心停止後の臓器提供で。腎臓なら脳死でなく心停止後もドナーになれます。

反NATROM反NATROM 2017/02/09 10:17 お前がブログタイトルしか読んでないのは解った。低劣かつ悪質なデマゴーグだ。
本文には「自己負担を求めよ」という趣旨が書いてある。なんとNATROMは愚かなことか。
運動したらポイントが貯まる話なんかしてないだろ誰も話をそらして逃げてんじゃないよ。

「コストカッターがいたとして」→妄想
「そのような主張をすることはありません」→妄想
「効果がないからです」→根拠無しの妄想
→NATROMの結論 透析のコストをカットするとジムに利権が発生する
頭おかしいんでしょうかこのNATROMとかいう人は
体重と腎不全の相関の話なんか誰もしてないのに「体重と自己負担を相関させる」とかいう提案を勝手にしてそれを否定して悦に入ってる最悪のデマゴーグです。
議論らしい議論が出来ないということです。

マクロでみて日本の透析による財政負担は巨額であって、厚生労働省も認識しているが産業界からの反発とロビーが強過ぎて法制化に踏み出せない。
腎臓は2個あるのでドナーは非常に簡単に見つかりますし、肺などと違って死後の腎臓も移植に使えます。他の臓器移植と全く違うから十万件単位で先進国で行われているのです。日本で数十件の現状で「簡単にはできない」は100%のデマゴーグであり虚構です。日本でも技術的には出来るんです。阻止する金の力があるだけです。

下痢便べちゃべちゃ下痢便べちゃべちゃ 2017/02/09 10:29 「透析患者の多くが腎移植を望んでる」んなら余計に腎移植が普及しない理由が汚い理由にしかみえなくて長谷川のウンコエントリーに説得力でちゃうんだが ちゃんと解っててクソレスひり出してんかなぁ ブリブリ
ほんとは反射神経でひり出したクソレスちゃうんかなぁ?! 
本当に透析患者が移植望んでるって証拠あんのかなぁぁぁぁぁぁぁ
そこまで言うなら51%以上の透析患者が移植を希望してるって証拠が出てくるんやろうなぁぁああ?

12,740人の腎移植希望者が臓器ネットワークに登録されてて
人工透析受けてる人32万人もおるんやけど 「多くの」なのかなぁぁあ
無料だからOKって思ってる30万人と公費だからOKって思ってる医者ほんとにおらんのやなぁぁぁ?
医療ネタで飯くうとんのやろ? 必ず証拠だせやぁぁぁ?

tikani_nemuru_Mtikani_nemuru_M 2017/02/09 12:07 また低レベルなのが湧いてるね。
「日本維新の会の馬場伸幸幹事長は、長谷川氏擁立の理由として「基本的政策でもほぼ一致している」と述べている。日本維新の会はそういう政党である。読者らは選挙の際の参考にして欲しい。」
と明言したからかな?

>反NATROM
>「コストカッターがいたとして」→妄想

長谷川豊は医療費コストを問題にしてるんだろ?
君だってコストを問題にしているじゃないか。
だから、なとろむはコストの問題を「〜いたとして」と仮定したんだよ。
自分もコストを問題にしているくせに
コストを問題にした仮定に対して「妄想」って言い出すなんて、まったく読めてない。

>「そのような主張をすることはありません」→妄想
>「効果がないからです」→根拠無しの妄想

で、仮定に基づいて推論したら、君はやっぱり妄想としか言えない。
ロジックに基づき批判ができずに、レッテル貼りだけだねw

>腎臓は2個あるのでドナーは非常に簡単に見つかりますし、肺などと違って死後の腎臓も移植に使えます

大嘘ぶっこいてんじゃねえよ(げらげら
二個あれば簡単だってえええええ
ここしばらくの統計をざっというと
透析患者30万人超で増加中、毎年の増加数が3万強で死亡数が3万弱
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/48/1/48_1/_article/-char/ja/
ところが生体腎移植1500件ないんやぞ。
http://medipress.jp/basic/fundamental2_3
死後腎移植は、脳死心臓死あわせても200件ってところ。
どこが簡単なんだ?

>日本で数十件の現状で

まったく調べていないことがはっきりしちゃったねw

tikani_nemuru_Mtikani_nemuru_M 2017/02/09 12:07 >下痢便べちゃべちゃ

「透析患者の多くが腎移植を望んでる」に対して
>51%以上の透析患者が移植を希望してるって証拠が出てくるんやろうなぁぁああ?

と返す時点で「私は字が読めません」と宣言しているのと同じ。
なんで「多く」が「51%以上」になるの? 論理の「ろ」の字もありゃせんなw

でな「多くの」に関しては、ド素人の僕だって推論できる。
生体腎移植の10年後生存率が95%以上、死後腎移植でも90%近い
http://medipress.jp/basic/fundamental2_3
透析患者が「毎年」10%弱なくなっていることを考えると、生存率は相当高い。
そのうえ、QOLが上がることも明らか。
つまり、透析患者の「多く」が生存とQOLの向上を望むなら、
腎移植を希望するのは当然ということになる。

ちょっと調べれば素人だってこれくらいわかる。
チミの頭蓋骨には下痢便がつまっているのかい?

NATROMNATROM 2017/02/09 12:17 こういう方が実は無視できない数だけいらっしゃって、結果として長谷川氏に票が集まることを危惧しています。

臓器移植の歴史、とくに日本での経緯をご存知の方は、日本で死体腎移植がなかなか進まない理由がおわかりでしょう。「腎臓は2個あるのでドナーは非常に簡単に見つかる」なんてことはありません。透析患者が移植を希望することは、日本では生体腎移植を希望することにつながります。

愛する家族はきっと腎臓を提供すると言ってくれるだろう、しかし、というか、だからこそ、腎移植を口にできないということもあるのです。

ニュースニュース 2017/02/09 12:46 https://twitter.com/abc/status/829535066468397057
これ今日のニュース

下痢便脳みそ下痢便脳みそ 2017/02/09 12:57 脳みそに下痢便いっぱい詰めてる俺にも解り易く教えてくれブリ
32万人いる人工透析のうち1万人ちょいしか移植希望リストに載ってないブリ
そんでもって数十件そこらしか移植やってないこの現実でどこが「多くが希望してる」んブリ?

日本語で「多くの」ってマジョリティを意味スルブリよ
10以上の数を「いっぱい」って言っちゃうのは未開の言語ブリ
長谷川のクソ言説は無根拠のウンコだったブリがNATROMも同じ印象操作してるだけブリね
先進国のどの国よりも腎不全患者が移植を望む率が低いのが日本ブリ
皆保険がオバマケア以前に存在しないアメリカにすら負けてるブリ

NATROMのウンコ書き込み読むと鼻から下痢便出ちゃうブリよー 臭クッサー

日本で臓器移植が難しいのは単に制度上の問題ブリ
それを「難しいのはご存知でしょう」とか演説しちゃうの頭にウンコより酷いもん詰まってるんじゃないブリ?ああ、それお前の"脳みそ"ってやつか

ベチャベチャベチャー

さっさと「多く」の証拠出せよ

うんこブリブリうんこブリブリ 2017/02/09 13:06 tikani_nemuru_M ってやつが俺のウンコ理論を補強してくれる数字をヒリ出してくれてうれピーーゲリピー
tikani_nemuru_M の言う通り移植は生存率クソ高いねんよねー
腎臓は合併症起きにくい臓器ブリ
なんで腎臓系の医者は移植を阻止してゲリ透析受けさせるブリー?超ハナクソー
なんでアメリカでは移植が何万件もあって
日本はこんだけしか移植なくてアメリカより人口あたりの透析施設は多いんぶりー?

世界のどこみても透析は移植までのつなぎにしか使ってないのに
なんで日本は終末まで透析使うブリ?
NATROMのお花畑では
クソ過酷な透析患者の現実を利用してる下痢便な悪が見えてないブリねー

じゃあトイレに流れてくわバイビー ジャバー

NATROMNATROM 2017/02/09 13:50 >32万人いる人工透析のうち1万人ちょいしか移植希望リストに載ってないブリ
>そんでもって数十件そこらしか移植やってないこの現実でどこが「多くが希望してる」んブリ?

臓器不足で移植希望リストに登録してもほとんどが手術を受けられないのです。だから、腎移植を希望していても登録しない患者さんが大勢いるのです。逆におたずねしますが、「数十件そこらしか移植」していないのに、いったいなぜ1万人もの人が登録しているのですか?

あるいは、あなたが腎不全に陥り、ドナーとして家族の誰かが犠牲になる心配が要らないのなら、腎移植を希望しますか?それとも、透析を受けることで得られる「メリット」を享受することを選択しますか?腎移植で得られるQOLや生存率の改善を引き換えにしてでも失いたくない透析のメリットってなんでしょうか?

tikani_nemuru_Mtikani_nemuru_M 2017/02/09 13:51 >下痢便脳みそ

>日本語で「多くの」ってマジョリティを意味スルブリよ

いま、地球人口がおおよそ73億人だそうだから
「東京には多くの人が暮らしている」
という文は「東京には37億人以上が暮らしている」
となるわけか?
ぶわっはっはっはー、チミ、本当にあったまわるいなーwww

「多く」が過半数を意味しないことはわかったかい?
逃げずに答えよう。期待してないけどw

で、「多く」の透析患者がQOLが高く生存率も高い移植を望んでいる
という推論は何かおかしいかな?
逃げずに答えよう。期待できないけどw

それと、なぜか「反NATROM」とかいう馬鹿と同様に
>数十件そこらしか移植やってない
とか抜かしてるねwwwww
本当に何も調べてないし、資料をまともに読んでもいないんだなww

泉谷由梨子泉谷由梨子 2017/02/09 14:37 ご参照いただきましたハフィントンポストの記事の筆者です。ご紹介くださりありがとうございます。
「8〜9割がいつのまにか1〜2割になっている」のが何故か、はこちらの記事をご覧いただけましたらわかると思います。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/18/yutaka-hasegawa_n_12534234.html

つまり私が理解した彼の主張は「(先天性の患者を除く)8〜9割は本当は自業自得と言いたいところだが、その中にいる線引きの難しいグレーゾーンの患者は救済されるべきだ。そのグレーとブラック(自業自得)とを線引きする基準としては、"モンスター患者"かどうかで判断される」ということです。
どちらにせよ確かな根拠に基づいた主張ではないので意味はないのですが、記事がわかりにくかったようですみません。ご参考まで。

NATROMNATROM 2017/02/09 18:42 泉谷由梨子さん、ご教示ありがとうございました。長谷川氏の主張がよくわかる良い記事だったと思います。

耳鼻科医耳鼻科医 2017/02/09 19:38 いろいろ言っている皆様方
自分の身近に「腎疾患患者」っていないですか? その人たちの話って聞いたことないですか?
僕の知人の透析患者は「いちど透析を受けてみろ」と言っています.
僕の知人の腎移植を受けた人は「透析から解放されたのは本当にウレシい」と言いつつ,会食の際には「これは食べられない」と言って多くの物を残します.
僕が勤務している病院の近くにあった「透析施設」が後継者を捜していましたが,なかなか見つかりませんでした.
同僚の透析医は「このご時世じゃねぇ……小泉純一郎がねぇ」とつぶやいていました.

耳鼻科医耳鼻科医 2017/02/09 20:09 うんこブリブリ様へ
「腎臓をひとつ提供する」と公言してはいかがですか.今は昔ほど「NLAタイピング」はウルサくありません.免疫抑制剤が進歩しました.
もし公言したくないなら,腎移植が広まらない原因のひとつを理解できているということでしょうか.
腎移植を受けたいけど……と思っている患者も,提供者が世の中にあふれたら考えを変えるのではないでしょうか?

WAATWAAT 2017/02/10 09:43 NATROM先生、丁寧なご返信ありがとうございました。
さすがNATROM先生、手厳しいですね。先生のご指摘が正しいかもしれません。
しかし、私は今でも、長谷川氏の「危機感」やそこにかける情熱は本物だと信じている、というか期待しています。私のような考えの人にも有効な長谷川批判を行うためには、透析患者に関する長谷川氏の主張を批判するだけでは不十分で、医療費の増大に対する危機感や具体的な抑制案に言及する必要があるという点は、ご同意いただけたものと思います。
これからも先生のブログを楽しみにしております。失礼しました。

TAKATAKA 2017/02/11 11:35  こんにちは。私は、
ところで、私はこの記事のコメント欄で次のご意見が気になりました。
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20170207#c1486549228

 なるほどと思いました。この私もいつの日にか、
 『本心では公的医療制度のことなどどうでもよいとし、とにかくみんなから注目されたいのだという願望をかなえるために、過激な言葉が含まれた記事を作成してネット上で公開し、』
 『そのあとに読者たちからの批判が殺到すると、』

 【あなた方の読み取りは間違っている、私の真意は、そういうことではない】
 【よって、私の表面的な言葉だけを見て判断を下したあなた方こそ、軽率でダメすぎな人たちという理屈になる】
 「という感じで読者たちの批判に答え、』

 『それから半年が経っても、専門的な医学の知識を学ぼうとする努力のかけらすら見せず、』
 『むしろ,自分こそ医学の本質を分かっている悟りの論者なのだという雰囲気を醸し出してみせる』

 という態度を自分のブログで実行して、称賛の声を多く集めたいものだという考えを懐いた次第です。

 以上の文章を読み終えて、「この人は一体、なにを言っているの?」と不思議に思われた御方はともかく、
 そうでもない御方からは、グレーゾーンのない完全なる同意を寄せてもらえたものと思います。

 これにて意見表明を終えます。ご読了、ありがとうございました。

TAKATAKA 2017/02/11 11:41  先ほど投稿した冒頭の部分が、「はやく自分の意見を述べたい!」と焦りすぎて、尻切れトンボの状態になってしまいました。
 「私は、常勝のニセ科学批判批判の道を探求している者です」と自己紹介したかったのでした。失礼いたしました。
 以上、自己フォローのコメント投稿でした。

mushimushi 2017/02/11 18:45 >WAATさん

「医療費の増大に対する危機感や具体的な抑制案に言及する必要がある」とコメントされていますが、WAATさんは具体的な抑制案をお持ちですか?
「長谷川豊氏の具体的な対策案は問題点が多く、賛同するものでもない」ともコメントされているので、この抑制案以外の案があるのでしょうか?
NATROMさんに「具体的な抑制案に言及する必要がある」と言っておいて、ご自分は具体的な案を示さないのは、いささか一方的ではないかと感じます。
それとも、具体的な案はないが、医療費の増大に対する危機感を示した長谷川氏を支持するということでしょうか?
であれば、医療費の増大に対する危機感を持つ政治家は他にもいくらでもいるのですから(長谷川氏が大声で乱暴な言葉を叫んだから目立っているだけです)、殊更に長谷川氏に期待する理由がありません。

危機感や情熱を持つのは大いに結構なのです。ですが、危機感や情熱だけでは危険なのです。
「予算がないから津波対策は止める、海岸沿いに住みつづける人間はそのまま死ね!」と言う政治家が現われたら、WAATさんは支持しますか?この政治家も危機感と情熱はすごいですよね?
ハフィントンポストさんの記事を読むと、長谷川氏はトリアージという単語を未だに知らなかった様子。医療に対する危機感や情熱があるはずの候補が、医療関係者以外にもかなり普及している単語を知らないとは!
しかも長谷川氏は元ジャーナリストですよね。トリアージという言葉は災害報道の際に頻出するはずなのですが、それなのに知らないとは!
長谷川氏は、少なくとも医療に関しては、「思いて学ばざれば則ち殆し」の典型例ではないかと強い危惧を抱きます。


おそらく、多くの人が納得するような具体的な抑制案など、この世に存在しないのだと思います。
長谷川氏のような極論に走るのではなく、できることからコツコツと変えていくしかないのではないか、と私は考えます。

shinzorshinzor 2017/02/12 07:01 医療費統計を見ると,「糸球体疾患,腎尿細管間質性疾患及び腎不全」より高額の病気が沢山あるし,「骨折」も匹敵する額ですね。長谷川豊氏が透析だけ節約しようとする理由は想像できます。想像なので書きませんが。

WAATWAAT 2017/02/12 09:16 >mushiさんへ
私のコメントがちょっと傲慢な書き方だったかもしれません、申し訳ありません。
私とmushiさんの考えはほぼ同じと思うんですが、誤解を与えるコメントでしたでしょうか。
私が言いたかったことは、「長谷川氏を有効に批判するためには」「具体的な抑制案に言及する必要がある」のではないかということです。
直近の透析患者に関する件だけで長谷川氏を全否定しようとしても、長谷川氏擁護派を十分に打ち崩すことはできない、ということが言いたかったのです。
私は、先のコメントでも申し上げたように、長谷川氏を支持はしません。投票権があっても長谷川氏には投票しません。しかし、以前から長谷川氏のブログを読み、長谷川氏がどういうことを前々から主張していたかを知っているので、まだ完全に長谷川氏を全否定までする気になれないのです。そういう立場の人間からみると、今回のNATROM先生の批判は核心に触れていないと感じたので、コメントした次第です。

NATROMNATROM 2017/02/13 09:17 難病でこのままでは死んでしまいそうな患者さんがいたとしましょう。どんなに病状が悪くても、「標準医療なんてやめてホメオパシーを使おう」と主張している人を主治医にしたりしませんよね。その人がどんなに「危機感」や「本物の情熱」を持っていたとしてもです。というか、その人が「本物の情熱」を持っていたとしたら、「ホメオパシーを使おう」なんて言わないんじゃないですか。患者さんを助けたいのに、まったく何も勉強していないなんてことがありましょうか。

長谷川豊氏は、この、なんの勉強もせずに「ホメオパシーを使おう」とか言っている人です。「本物の情熱」なんかありません。

WAATWAAT 2017/02/13 15:10 <NATROM先生
はい、先日の透析患者に関する長谷川氏のブログ炎上の一件は、それだけでも長谷川氏をトンデモ認定するに足る、という先生のご意見はごもっともだと思います。私も、長谷川氏が常日頃から自己責任透析患者の批判ばかり言っていたのであれば、トンデモ認定して全く相手にしません。
私は、気持ちとしてはちょっと長谷川氏に同情する部分はありますが、長谷川氏否定派です。あの件の直後のこの時期に、仕事がなくなったからといって政治家になろうとするのは良くないと思っています。だから、NATROM先生には的確に長谷川氏を批判してほしいと思ったのです。
長谷川氏は透析医療や医療制度に関しては素人であり、あくまで彼は少子高齢化が進み財政赤字が拡大する日本という国をどうすべきかという大きな問題に対して情熱を持っていると考えます。おそらく、多くの長谷川氏擁護派はそのように考えているはずです。まあ、医療に関しての知見がこの程度なら他の事も同レベルに違いない、と言われたら確かにそうかもしれませんが、それはあくまで推測に過ぎません。だからこそ、透析患者に対する主張を批判するのみでは、長谷川氏擁護派の多くは聞く耳を持たないだろう、と考えたのです。実際に、あの一件直後の長谷川氏のブログコメント欄に書き込まれた長谷川氏擁護の意見は、「長谷川氏の真意はそういうことではない」というものが多かったと感じます。結局、そこで議論がかみあわなくなっています。最悪の場合、透析患者に関する主張のみを持って長谷川氏を全否定してしまうと、長谷川氏擁護派をさらに感情的に長谷川氏擁護に向かわせてしまう可能性があります。

ublftboublftbo 2017/02/13 22:35 今晩は。

>WAAT さん (wrote-2017/02/13 15:10)

NATROMさんの批判が足りないと感ぜられるのであれば、ご自身で的確な(と考えられる)批判をおこなえばよろしいのでは? 対象の論考の批判が足りない、という事であれば、それを自ら補完する、などしたほうが、より建設的に思いますけれども。

WAAT さんは最初に、NATROMさんによる長谷川氏批判は核心から ずれている、と評価なさっていましたが、ではその「核心」をしっかりと衝いた論考をブログなりで展開し、こちらの記事にリンクを張るなどすれば、より意義があるのではないでしょうか。

今の所、「熱意を持っているのだから全否定するのは危うい」という事くらいしか読み取れませんが、全くの詐欺師ならともかく、社会問題について関心を持つ者であれば、概ねおかしな事を言っている論者でも、探せば、部分的には尤もらしい面は見つかるものです。
だからといって、尤もらしい面もあるのだからそれは認めよう、と評価するのは、それもまた危険です。

たとえば、標準医療を批判しつつ持説を強調するホメオパシーのような代替療法団体なども、部分的には尤もらしい事を言いますよね。現行医療は診療にかけられる時間が短く、十分に患者のケアが出来ない場合がある、とか、ナラティブの部分の配慮が行き届いていない、とか。薬を出しすぎる面がある、とか。
しかしだからといって、「ホメオパシー団体の言う事にも一理ある」のような評価をおこなっておくべきか、と言うと難しいものです。どこまで本気で考えているか、どこまでが打算や利益目的か、といった判断が困難ですし、なにより、そういう団体が言う「標準医療に内在する問題」のようなものは、別にそういう団体で無くとも理解出来るし主張出来るものでもあるのですから。

物事を批判する際に、その対象が持つ良い所、尤もな所はきちんと認めておく、というのは、批判の手法としても(批判対象に親和的な人、を頑なにさせないための)重要なものですが、かと言って、敢えてそれを探して肯定的に評価しておく、というのは、それはそれで「わざとらしい」、つまり、いかにもテクニカルに映る虞もあります。

きちんとバッサリ斬り捨てるのが誠実な態度、という場合もある訳です。

WAATWAAT 2017/02/14 02:14 >ublftboさんへ
ご意見ありがとうございます。確かに、NATROM先生のブログのコメント欄でこのことを論じても建設的ではないかもしれません。でも、どうしてもこれだけは言わせてください。
ublftoさんのご意見はよくわかりますが、私はその考えを長谷川氏に当てはめることに同意できません。
長谷川氏は、先の透析患者に関するblogの一件で、テレビはすべて番組を降板し、一時はほぼ仕事がない状態までになったと聞いています。私はこれだけでもかなりの社会的制裁を受けていると思います。そのような一個人に対して、ホメオパシー団体やホメオパシーを安易にすすめる医者に対する態度と同等の厳しさで臨むべきではないと考えます。
<全否定するのは危うい、ということくらいしか読み取れない>
とおっしゃいますが、それは極めて重要なことだと思います。
長谷川氏に対する批判は、それがテクニカルなわざとらしいものにみえたとしても、敢えて肯定的に評価できる部分は評価するのが妥当だと考えます。
駄文失礼しました。

NATROMNATROM 2017/02/14 09:40 WAATさんの一連の主張は、例えていうなら、「ホメオパシーを使おう」と主張する人に対して、「全否定ではなく、敢えて肯定的に評価できる部分は評価するべき。患者を治そうという熱い情熱を多くの擁護派は評価しているのだ。ホメオパシーを批判するのみでは擁護派は耳を貸さないだろう」というようなものだと思っていました。

「ホメオパシー団体やホメオパシーを安易にすすめる医者に対する態度と同等の厳しさで臨むべきではない」と考える理由が私にはわかりません。長谷川氏が職を失った一個人なら私もこんなエントリーを書きません。でも、長谷川氏はいまや、それなりの勢力がある野党の公認候補です。

CreaCrea 2017/02/14 10:47 >WAATさん
ナトロム先生のコメントされているように、政党の公認候補の発言なんですから、素人の戯言ではすまないでしょう。

降板云々は当時の自分の仕事に対して責任をとっただけであり、政治家としての資質に対する疑問が解決したわけではないでしょう。
こんなリテラシーの人間が政治家として如何なものかということは自明と思いますが。

WAATWAAT 2017/02/14 13:09 <NATROM先生、Creaさん
ありがとうございます。そうですね、今は単なる一個人ではなく、政治家候補として厳しい目でみなければならないというご指摘はその通りと思います。
当初のコメントの趣意はNATROM先生がまとめられた通りです。
政治家の資質に対する疑問は解決していない、それもCreaさんのおっしゃる通りと思います。だから私も、長谷川氏が今回政治家になるという点には反対です。
ただ、話が長谷川氏を全否定してしかるべきかそうでないかという点に移っていますので、せっかくNATROM先生よりご質問いただいたので、私の考えを述べさせていただきます。
NATROM先生がこれまで社会的に害悪をもたらし得ると判断されたトンデモニセ医学論者に対しトンデモ認定をし、厳しい対応をされてきたのはブログを通じて存じ上げておりますし、私はこれまでの先生の功績に100%賛同いたします。
長谷川氏に対して、このトンデモ認定をすることが自明であるという点において、私は一部疑義を持ちます。
NATROM先生は、先の透析患者に対する暴言ブログにより、明確に長谷川氏をトンデモだと認定されていることと思います。私もその判断が妥当かもしれないと思いますし、長谷川氏はそのように断定されても仕方のない失敗をしてしまったのは確かだと思います。しかし、私は長谷川氏のブログを毎回とは言いませんがそれなりの数読んだ中で、問題となった「自己責任の透析患者は殺せ!」と扇動的で許容する余地のないブログタイトルをつけたあの件以外で、そこまで長谷川氏を弾劾すべきほどの酷い内容の主張は無いように感じるのです。はたして、本当に長谷川氏はトンデモ認定して批判すべきほど酷い人間なのでしょうか?
NATROM先生は、長谷川氏を明確にトンデモ認定され、それを推薦する維新の会という具体的な政党にたいしても批判されています。それは、政治的な敵を作るというリスクをNATROM先生も負われるという、非常にアグレッシブな主張です。そのこと自体は先生のお考えなので自由ですが、私が先生のお立場なら、社会的制裁という一応の罰を受けた透析患者に関する暴言だけでなく、それ以外でも明確に長谷川氏がトンデモであるというエビデンスがもう一つ欲しいです。それを確認し、それを明確に示して長谷川氏を批判します。
現時点では、そのもう一つのエビデンスを私は見つけることが出来ていません。
以上が、私が透析患者に対する件だけで長谷川氏を全否定するのは良くない、その他のトンデモ論者と同様に厳しく批判しないほうが良いと主張する理由です。

トントントントン 2017/02/14 15:11 >WAAT氏
>ブログタイトルをつけたあの件以外で、そこまで長谷川氏を弾劾すべきほどの酷い内容の主張は無い

WAAT氏は透析患者の8〜9割は自業自得と思ってるわけだ。

NATROMNATROM 2017/02/14 16:01 >しかし、私は長谷川氏のブログを毎回とは言いませんがそれなりの数読んだ中で、問題となった「自己責任の透析患者は殺せ!」と扇動的で許容する余地のないブログタイトルをつけたあの件以外で、そこまで長谷川氏を弾劾すべきほどの酷い内容の主張は無いように感じるのです。はたして、本当に長谷川氏はトンデモ認定して批判すべきほど酷い人間なのでしょうか?

「自己責任の透析患者は殺せ!」と扇動的で許容する余地のないブログタイトルをつけた件以外では、このエントリーでも指摘したように、いまだに「人工透析を受けている患者のうち、医師の指示を守らない『自業自得の患者』が1〜2割おり、その人々に対しては他の患者と同額の医療費補助を受けるべきではない」などと言っている点が問題ですね。

失敗しても、謝罪して反省すればやり直しのチャンスは与えられるべきだと思います。でも、長谷川氏は反省していないじゃないですか。「扇動的で許容する余地のないブログタイトルをつけた」のが問題で、主張そのものは正当だったと今でも思っていらっしゃるようです。



>NATROM先生は、長谷川氏を明確にトンデモ認定され、それを推薦する維新の会という具体的な政党にたいしても批判されています。それは、政治的な敵を作るというリスクをNATROM先生も負われるという、非常にアグレッシブな主張です。

日本維新の会だろうと、自民党であろうと、民進党であろうと、共産党であろうと、おかしな主張に対しては批判します。そうするほうが最終的にはリスクは低いと私は考えています。もちろん、あらゆる点について批判はできませんので、目に付いたもののうち、私が重要性が高いと考え、かつ、私の能力の範囲内で可能なものに限られます(「NATROMはアレを批判してるくせにコレを批判していないのはなぜだ」という疑問に対する答えになります)。長谷川豊氏の問題については重要性が高いと考えた次第です。小泉進次郎議員らの「健康ゴールド免許」の問題にも通じます。

WAATWAAT 2017/02/14 17:39 <とんとんさん
いえ、決してそのようには思っていません。扇動的なブログのタイトルおよび透析患者自己責任論以外でという意味でしたが、粗雑な言動をしてしまいました。
<NATROM先生
はい、その通りですね。長谷川氏が問題を起こした当時の長谷川氏への残念な思いを持ったまま今に至り、このたびブログの内容を読んで少しは長谷川氏を擁護したいという思いから理屈をこねてしまいました。すでに今は無職のかわいそうな元フリーアナウンサーではなく、政党候補者なわけですから、しっかりとした批判が必要ですね。今も長谷川氏は反省していないと言われれば、そうかもしれません。そういう意味でも、擁護する余地はないですね。
ちょっと感情的にコメントを書き込んでしまいました。大変失礼しました。
丁寧にご意見いただきまして、ありがとうございました。

ゲジゲジゲジゲジ 2017/02/14 18:57 こん〇〇は。「自業自得」の透析患者です。
長谷川氏に抗議文を送った「全腎協」の下部の下部の組織の代表をしております。
個人的にNATROM様のブログは以前から興味深く拝見しているのですが、今回は少しコメントさせてください。

私としては立場上、長谷川氏を支持はできないのですが、本音の所では応援したいと思っています。
透析は昭和40年代の初め頃、大卒初任給が⒌万円に満たない時代に月額10万円から30万円の自己負担があり、借金したり家や土地を売ったり、それもできなければ生きる事を諦めるしかない、そういう状態でした。
また透析設備自体が不足していて、順番待ちをしているうちに亡くなった患者も多くいたと聞いています。

そんな中で患者自身が運動し、今の制度を勝ち取ってきました。
それも、当時の透析は今とは比べものにならないくらい劣悪でしたから、例えば10メートルも歩けば息切れしてハアハアいうような、そんな身体で当時の人たちは運動してきたのです。

ところがそんな話をしても「そんなのカンケーねー」と言わんばかりに、今の制度に当たり前のようにフリーライドしている患者がいます。
そんな患者を見る度に、「あんた死んでいいよ」という言葉を飲み込んでいます。
ですから長谷川氏には「よく言ってくれた」という思いもありますし、長谷川氏もそういう患者への怒りをブログにぶつけられたのだと思います。

勿論、本当に医療制度を良くしたい、医療費の増大を何とか抑えたい、と思うのであれば、NATROM様の論理的な批判は全て的を射ています。
でも長谷川氏は医療の専門家ではなくてアナウンサーですし、そんな彼がこれまた専門外のブログというメディアで自身の思いを発言しただけなのです。そこまで求めるのは酷ではないかな、と思います。

まぁ、これからは長谷川氏もプロの政治家になろうとしているわけですから、そこまで求められて当然の立場になるわけですが。私としては長谷川氏の今後に期待して1票…と言いたいところですが千葉県民ではないので、選挙の結果と今後の彼の言動を注意深く見守っていきたいと思います。

mushimushi 2017/02/14 22:33 >WAATさん
「私は今でも、長谷川氏の「危機感」やそこにかける情熱は本物だと信じている、というか期待しています。」と書かれていたので、どちらかというと支持されているのかと読んでいました。
「長谷川氏を支持はしません。投票権があっても長谷川氏には投票しません。」とのことなので、それなら私の読み違いです、すみません。
ところで、私は長谷川氏個人を全否定しているつもりはありません。ただし、「透析患者は死ね」と言ったことに関しては全否定します(まあ、それ以外の主張も、思い込みが激しすぎるように思えるものが多いのは事実ですが)。
私としては、長谷川氏のブログの当該記事には極めて大きな問題があるという共通認識があることは確認できたので、納得しました。この主張が大問題だとの認識の上で、なお長谷川に期待するかどうかは個別の主張に関する議論になるでしょう。

>ゲジゲジさん
過去の透析患者が努力して勝ち取ったことには敬意を表します。ですが、過去の透析患者も全員が聖人君子ではなかったのではないですか?
昭和40年代にもいたであろうフリーライダーの患者を見た政治家が、「あんな奴がいるのなら透析に補助をする必要などない、そのまま殺せ」と言ったとしたら、当時のゲジゲジさんは納得しましたか?
フリーライダーに怒りを抱くのは当然のことです。ですが、だからと言って「自業自得だそのまま殺せ」などと主張していい訳がありません。
「医療の専門家ではなくてアナウンサーですし、(中略)そこまで求めるのは酷ではないかな」というのは、ある意味その通りかもしれません。
なので、立候補していなければ私もここまで問題にしないでしょう。NATROMさんがこの記事を書いたのが、発言直後ではなく立候補を表明した後であるのも、おそらく同じ理由からではないかと思います。政治家たらんと志すなら、過去の言動も評価の対象になるのです。

WAATWAAT 2017/02/15 11:01 >mushiさんへ
ありがとうございます。最初mushiさんから批判のコメントをいただいた時から、mushiさんと私の長谷川氏への見解はほぼ同じだなと感じておりました。
「長谷川氏の透析患者への暴言および透析患者自己責任論には全く賛同しないが、長谷川氏の持つ日本の将来への危機感、日本を良くしたいという情熱にはまだ期待している」という意味でのコメントでしたが、誤解を招く表現だったと思います。
>ゲジゲジさんへ
私もこれまで多くの透析患者さんや末期腎不全患者さんと接してきたので、ゲジゲジさんの思いや気持ちは私も共有するところです。
mushiさん、ゲジゲジさんには私の言いたかったことを代弁していただいた感じです。ありがとうございます。

三角五角三角五角 2017/02/16 13:14 医療保険制度が破綻することはありません。
その理由は、これまで知られていない治療理論が明らかにされるからです。薬物療法から物理療法に移行することによって、ほとんどの病気は病院に行かなくても、薬を使わなくても、自分で簡単に即効的に治せちゃうんですね。国民医療費が大きく減少することでしょう。ただし、患者の激減によって、産業としての医療は極めて深刻な状況に陥ることでしょう。医療職の失業もやむを得ない、所詮、負の産業ですから、医療は。

mushimushi 2017/02/17 23:05 >WAATさん

WAATさんは、医者から見た患者の視点で物事を語られていますが、試しに患者から見た医者という視点で考えてみましょう。

群馬大の腹腔鏡手術事故や、直近では京都府立医大の事件に代表されるように、一部の問題ある医療関係者がいるのは否定できないだろうと思います。これらの問題により、医療に対する不信感を持つ患者がいても不思議ではないでしょう。
また、問題ある医療関係者の存在が、医療費を圧迫していることも否定できないでしょう。
そこで、元ジャーナリスト(しかも医療に詳しいとはとても思えない)が、「医者は不届きな連中ばかりだ、もっと厳しく審査しろ。例えば医療ミスなり過剰投薬なりを、軽微であっても犯したら即刻傷害罪で逮捕しろ、厳しすぎると泣く医者は殺せ!」などと主張したら、WAATさんがどう思われますか?
ちなみに、この政治家は、一部の問題ある医療関係者に対する憤りがあるからこのような発言をしたのであり、純粋に医療に対する危機感から行動しているのです。
しかもこの元ジャーナリストは政治家になろうとしているのですが、悪いことに医療に関する知識を十分に持ち合わせていません。何をもってある医者が優秀かどうか判断できないのです。
WAATさんはこの政治家に対し期待しますか?

医療に従事しない私ですが、こんな政治家には期待など欠片もしませんけどね。

通りすがり通りすがり 2017/02/18 16:16 難病の診断や障害認定など、医療関係者のさじ加減で福祉が受けられたり受けられなかったりしていないでしょうか
自業自得の線引きも、案外似たようなものではないかと思ったりします
しかし、自業自得の審査は、倫理的にどうかの判断はおいても、どう考えてもコスト的に見合わないので反対です
コスト的に見合わないことを主張する人間は政治家としての能力がないと思います

テッシーテッシー 2017/02/18 21:42 透析に限らないけど、年齢によって保険給付制限しないとどうしょうもないのでは無いんじゃないかな?透析止めれば死ぬって、例えば70歳以上とかで腎不全で死んでも、ほとんど自然死みたいなものでしょう。胃ろうも食事介助もなしで自力で食べれなくなれば死ぬのは自然、という国もあるそうだから、他国ではどんな感じになってるんでしょうか?

キリンキリン 2017/02/19 17:19 この手の議論では「保険財政が破綻しかねない」というのが前提にあるようですが、医療者が悪いか患者が悪いか、という話しか出てこないのがいつも不思議に思います。
透析患者が増えれば、透析の機械を作っている会社も儲かっているのではないでしょうか。

つい最近も、新型の抗がん剤「オプジーボ」の薬価が半額になりました。
25%引きにするか50%引きにするか国会で議論になってたようですが、このニュースを見ていて、薬代ってそんなに適当に決めてるのかって驚いたものです。
元の薬価は皮膚がんの治療用として決められたそうで、それを肺がんに適用して利用者が増えたので、保険財政を圧迫しかねないと話題になりましたが、その分、製薬会社はかなり「モト」は取れている(儲かっている)はずですよね。50%引きが決まる前まで、この会社の株価が上がり続けているっていうような話までありましたから。

カルストカルスト 2017/02/19 17:32 WAAT様、はじめまして。長谷川氏についてはすでに納得しておられるようなので、今更という気もしますがお許しください。

>しかし、私は長谷川氏のブログを毎回とは言いませんがそれなりの数読んだ中で、問題となった「自己責任の透析患者は殺せ!」と扇動的で許容する余地のないブログタイトルをつけたあの件以外で、そこまで長谷川氏を弾劾すべきほどの酷い内容の主張は無いように感じるのです。

例えば、この書き込みはどうでしょうか?大阪で発生した飲酒ひき逃げ事故の判決に対する書き込みです(昨年11月のエントリ)。この裁判では被告が酩酊状態とは言い難かったと認定されたため、裁判所は危険運転致死傷罪を適用しませんでした。長谷川氏はこの判決を批判していますが、例えば、「酔いの程度が軽いとか重いとか、そんなの、関係ないんじゃないのか?」という意見は、「私は危険運転致死傷罪というのがどういうときに適用されるか知りませんが、自分がおかしいと思うのだからこの判決は絶対に間違っている」と言っているのに等しいと思います。
他にも、「元漫才師の議員が知ってる風に話しているのか」などという書き込みのように、あからさまに相手の職業によってものの言い方が変わる傾向がありますね。当然のことながら、元漫才師だから何も知らないとは限りません。元アナウンサーが、まともに自分の考えを伝えられないことがあるのと同じです。
他にもありますが、彼のブログを読んでいると、総じてものの見方が一方的で思い込みが激しく、自分の考え方が絶対に正しいと信じて疑わないという感じがします。透析患者に関する書き込みを批判されたときも、「自分の言いたいことが伝わっていない」、「少数のアンチ長谷川豊がゲーム感覚で番組からの降板を画策した」、「言葉の選び方が間違っていた」と、言い訳に終始していました。
そんな彼が出馬を表明した席では、「ブログの件は100%自分の誤りでした」と言っています。まあ、その後に性懲りもなく持論を展開してはいましたが。しかし、それ以上に私が驚いたのが、フジテレビから処分を受けた件についても自分が100%悪かったと認めたことです。彼のブログには例の「自分は悪くない。嵌められた」という記事が今も残っているのにです(もちろん、今も読めます)。
口では殊勝な事を言いながら、ブログでは相変わらず過激な物言いを続け、記者会見とは異なる内容を掲載し続ける。どちらが彼の本音なんでしょうか?私は、彼は十分トンデモさんだと思います。

WAATWAAT 2017/02/22 10:01 数日ぶりにコメント欄を拝見したら私宛にコメントをいただいていたので、この場をお借りして返信させていただきます。
<mushiさんへ
はい、私も長谷川氏が政治家になることには反対で、政治家としては期待していません。ただ、私が言いたかったのは、「危機感や情熱」は真っ赤な嘘とまでは言わずに、認めていいのではないか、そこは本物であることを期待する、という意味です。
「長谷川氏を全否定はしない」という点で、mushiさんとは見解がほぼ同じだと申し上げたのです。その危機感や情熱が誤った方向に向くと危険だし、長谷川氏は思い込みが激しく独善的であるところも同感ですが、私は個人的に毒舌ブログが好きで、長谷川氏にはもとのように毒舌ブログを続けてフリーアナウンサーとして頑張ってほしいと今でも思っています。
<カルストさんへ
なるほど、政治家になろうとするあまり、フジテレビ処分の件も自分が悪かったと主張を変えてしまったのですか。今はそんな風になってしまっているのですね。だとしたらやっぱり長谷川氏はトンデモなひとかもしれません。
先日の私のコメントは長谷川氏を全否定する必要はないのではないかということを感情的に書き込んでしまったので、あのような内容になってしまったわけですが、私も別に長谷川氏を全面的に擁護しているわけではありません。ただ彼の一ブログファンだった者として、あの透析患者に関するブログの一件ですべてのテレビを降板しないといけなくなったのは、かわいそうだと感じています。長谷川氏は政治家としては不適当だろうけども、人としては憎めない、そこまで悪い人ではないんじゃないかと思っている立場です。今回は職を失って今後どうすべきか迷っているときに、政治家にならないかと声がかかって、その気になってしまったのでしょうね。

WAATWAAT 2017/02/22 14:20 一言追加させてください。
私が「全否定」にこだわる理由は、これは批判をするにあたり非常に重要な事だと考えるからです。ここでいう「全否定」の定義は、情熱などの「心の内面に関わるものを偽物だと否定」する場合のことです。
以前このコメント欄で、ublftboさんから、
「きちんとバッサリ斬り捨てるのが誠実な態度、という場合もある」
というご指摘を受けました。もちろん、批判すべき点はしっかり批判すべきですが、余計な全否定を追加すると、逆効果になる場合がむしろ多いと思うのです。批判というのは批判対象擁護者を説得し、こちら側(批判側)に改心させることを目的として行うものですから、批判対象擁護者の視点に立って批判することが重要と思います。
例えば、たくさんの患者が心酔するホメオパスがいたとします。そのホメオパスは、患者からみても病気を良くしたいという情熱は持っているようにみえます。その時、ニセ医学批判者が、「そのホメオパスの情熱は偽物だ、全くの偽りに違いない」と批判したら、ホメオパシーを擁護する患者はどう感じるでしょうか?
NATROM先生、ublftboさんから、「一理あるといってしまうと、それはそれで相手に利用される可能性もあり問題だ」とご指摘を受けました。確かにその通りです。一理ある、という言い方は誤解も招き得るので適切ではないと思いました。しかしまた同時に、「全否定」もまた多くの場合適切ではないと思います。

CreaCrea 2017/02/28 16:50 >WAATさん
冒頭にナトロム先生も指摘されていますが、情熱が本物ならきちんと事実を調べた上で発言するのではないですか。
適当なことを垂れ流すのは、内面の情熱なるものも薄っぺらいからでしょう。

WAATWAAT 2017/03/02 10:16 >Creaさん
私は、「長谷川氏の情熱は本物であるはずだ」と主張したいわけではなく、「情熱は偽物である」「情熱なるものも薄っぺらい」という批判者側の判断を、批判するにあたって言明しないほうが良いと言っているです。
私も、長谷川氏の情熱は偽物かもしれないと思いますよ。でも、それを長谷川氏擁護派の人々に言明してしまうのは逆効果だと言っているのです。

WAATWAAT 2017/03/02 10:40 長谷川氏を擁護する人々は、長谷川氏の情熱を信じ、透析患者に関する暴言・透析自己責任論に関しては感情的に許容してしまっているので、そのことを批判してもほとんど効果はありません。医療に関することは長谷川氏もこれから勉強してより適切な方策を考えてくれるだろうという程度の認識です。
なので、批判側としては、医療経済に関して我々は長谷川氏よりもっと情熱と危機感を持っているが、長谷川氏のような考えではうまくいかない、むしろ情熱があるぶん危険だ、という方向から批判したほうが良いと思います。2/11 18:45にmushiさんがコメントされたような内容
<危機感や情熱を持つのは大いに結構なのです。ですが、危機感や情熱だけでは危険なのです。>
といった方向性の批判です。
少しでも批判対象を擁護したい考えを持つものに向かって、「情熱が偽物である」という「全否定」は、完全に逆効果だと思います。

NATROMNATROM 2017/03/03 10:47 つまり、「標準医療なんてやめてホメオパシーを使おう」と主張しているホメオパシー団体や医者を信じかけている患者さんを説得するにあたって、「全否定ではなく、敢えて肯定的に評価できる部分は評価するべき。患者を治そうという熱い情熱を多くの擁護派は評価しているのだ。ホメオパシーを批判するのみでは擁護派は耳を貸さないだろう」というようなものですよね?

そういうアプローチが有効な場合もあるでしょうが、ケースバイケースです。患者さんと一対一なら私も、ホメオパシーを否定するようなアプローチはしません。患者さんがホメオパスの熱い情熱に惹かれているなら、ホメオパスの情熱は否定せず、ホメオパス以上の熱い情熱をもって患者さんを治そうとしていることを態度でもって示します。

私の親しい人が長谷川豊氏支持だったら、同じように(「長谷川氏の情熱って本物だよねねー、すごいよねー、でもさ…」)ふるまうかもしれません(まあ、ホメオパシーと違って、長谷川豊氏を信じても死んだりはしませんので、説得を試みるのではなく話題を回避するでしょうが)。

でもね、NATROMというハンドルネームで不特定多数に意見を表明するときは別のアプローチをとります。長谷川氏に本物の情熱があるかのようにみせかける必要性を感じません。もちろん、長谷川氏擁護の人たちには私の言葉が届かないでしょう。しかし、そういう人たちには、「長谷川氏の情熱は本物だ」「長谷川氏の言っていることにも一理ある」と添えたところで、やっぱり私の言葉は届かないのではないでしょうか。

どのようなアプローチをとるかは人それぞれです。「長谷川氏にも一理ある。長谷川氏の熱い情熱を否定しない」という手法をとる人もいるでしょう。それは自由です。私はそのような手法はとりません。

WAATWAAT 2017/03/03 13:26 >NATROM先生
いえ、ちょっと違うんです、たぶんそのように私の言ってることは誤解されているのだろうと感じていたのでしつこくコメントしていたのです。
批判対象(ここでは長谷川氏)の情熱が本物であるように見せかける必要は無いですし、敢えて肯定的に「一理ある」などという必要も無いと私も思います。途中のコメントで私が必要以上に長谷川氏を擁護する言動をとってしまったのでそのような誤解を与えてしまったと反省しています。
そうではなくて、「余計な全否定を追加しないこと」が重要なんじゃないかと申し上げたのです。相手の情熱が本物かどうかなんて主観的な問題なのだから、そこを全否定するような言動を安易に擁護派に対してすべきではない、ということが最も言いたかった核心です。それは偽医学批判においても重要なことではないかと思ったのでここまであつかましくコメントを続けていたのです。
ただ、NATROM先生も
<患者さんと一対一なら私も、ホメオパシーを否定するようなアプローチはしません。患者さんがホメオパスの熱い情熱に惹かれているなら、ホメオパスの情熱は否定せず、ホメオパス以上の熱い情熱をもって患者さんを治そうとしていることを態度でもって示します。>
ということなので、そのコメントをいただいて安心しました。
安易な全否定が相手を不愉快にさせるだけになり得ることを意識しながら、しっかり批判すべきところを批判するというスタンスであれば、あとはどのようなアプローチをとるかは個人の自由だと思います。

NATROMNATROM 2017/03/03 15:14 追加された「余計な全否定」って、たとえばどの部分ですか?

WAATWAAT 2017/03/03 15:50 NATROM先生、ありがとうございます。
2/13 9:17のNATROM先生のコメントは、あまり良くないと思いました。
当時はそれをはっきり言えませんでした。すいません。

NATROMNATROM 2017/03/03 18:05 確かにちょっと言葉が強すぎました。申し訳ありませんでした。なかなか難しいものです。

ケイトケイト 2017/03/08 13:12 単純に、
「自己管理ができない病人は税金の無駄使いだから死んでしまえ」
というような事を言う人に、
今後何億と税金から給料が支払われると思うと、
率直に言って不愉快です
またそれを正当化する政治政党に使われている税金ももったいない

こういう無駄な税金からカットしていくべきなのではないでしょうか
命に関わる医療費のカットはその後です

CereCere 2017/03/08 13:41 > WAATさん

では、2/13 9:17 以前の WAAT さんのコメントの意図は何だったのでしょう?
それ以前にも「安易な全否定」は存在していたのでしょうか?
WAATさんの最初のコメントは「以前から長谷川豊氏のブログも面白く読んでいた私としては、NATROM先生や外部リンクされているfujipon先生の見解は核心からずれているのではないかと思うのです」ですよ。
言い換えれば「自分は核心を知っている。NATROM先生は知らない」ですよ。
「安易な全否定はまずい」とはずいぶん隔たりがあると思いますが。

WAATWAAT 2017/03/09 13:06 >Cereさん
はい、もちろん、当初2/8のコメントにある「核心」は、2/13以降のコメントの「核心」とは異なります。当初のコメントにある「核心」の意味は、「日本を良くしたいという情熱や、医療費の増大に対する危機感」のことです。途中から別の主張を織り交ぜたことも私の主張がわかりにくくなった原因だと反省しております。

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2017-01-16 ピロリ菌は胃がんの原因の何%か?

[]ピロリ菌は胃がんの原因の何%か? ピロリ菌は胃がんの原因の何%か?を含むブックマーク

ピロリ菌感染は胃がんの原因の一つである。主な原因であると言っていい。ピロリ菌が胃がんを引き起こすメカニズムもだいぶ明らかになっているが、よしんばメカニズムが不明であっても、疫学研究からピロリ菌と胃がんの因果関係は証明されている。

ただ、ピロリ菌感染が胃がんの原因だと言っても、ピロリ菌に感染していなくても胃がんになる人もいれば、ピロリ菌に感染していても胃がんにならない人もいる。報告によっても差があるが、ピロリ菌に感染していると、感染していない場合と比較してだいたい5〜10倍ぐらい胃がんになりやすい*1。ピロリ菌感染と胃がんの関係は、喫煙と肺がんの関係と同じぐらいの強さで、HPV(ヒトパピローマウイルス)と子宮頸がんの関係よりは弱い。

「胃がんの99%はピロリ菌が原因」という主張があるが、さすがに99%というのは過大評価である。仮に胃がん患者の99%がピロリ菌陽性であったとしても、その中にはピロリ菌とは無関係に胃がんになった人もいるであろう。それでは、実際には、胃がんの何%がピロリ菌によるものなのだろうか?

ある集団で発生した胃がんのうち何%がピロリ菌が原因かを推計するためには、ピロリ菌に感染していると何倍胃がんになりやすいのか(相対リスク)という数字のほかに、その集団でピロリ菌に感染している人の割合も知る必要がある。極端な話、ピロリ菌に感染している人の割合がゼロの集団から発生した胃がんのうち、ピロリ菌が原因であるのはゼロ%である。

まずわかりやすいように、ピロリ菌に感染していると5倍胃がんになりやすく、一般集団におけるピロリ菌の感染割合が50%だった場合を考える。ちょうど、ピロリ菌に感染していない人と、感染している人の数が同じである。すると、ピロリ菌に感染していない人の集団中から1人が胃がんになるとき、ピロリ菌に感染している人の集団中からはその5倍の5人が胃がんになる。その5人のうち1人はピロリ菌感染がなくても胃がんになったはずの人である。すると、集団全体では胃がん患者6人中4人、約67%がピロリ菌が原因で胃がんになったと推計できる。



f:id:NATROM:20170116155324j:image

相対リスクが5倍、ピロリ菌に感染している割合が50%の集団では、ピロリ菌(-)からの胃がん発症1人あたり、ピロリ菌(+)からは5人が発症する。ピロリ菌(+)からの胃がん5人のうち、ピロリ菌が原因であるのは4人。集団全体では、胃がん6人中4人がピロリ菌が原因で発症した胃がんである。もしこの集団からピロリ菌を撲滅したら、胃がん発症は6人から2人に減る。





ある集団の胃がん患者のうちピロリ菌が原因である割合をあらわす数値を集団寄与危険割合(人口寄与リスク割合)という。上記例では集団寄与危険割合は約67%である。一般集団におけるピロリ菌の感染割合が高ければ高いほど、あるいは、相対リスクが高ければ高いほど、集団寄与危険割合は高くなる。一般集団における感染割合、相対リスク、集団寄与危険割合の関係を表にした。相対リスクを10倍、ピロリ菌の感染割合を99%と仮定しても、集団寄与危険割合は89.9%であり、99%には届かない。


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感染割合、相対リスク、集団寄与危険割合の関係


日本の一般集団のピロリ菌感染割合は年代によって異なるため、この表から日本の胃がんにおけるピロリ菌感染の集団寄与危険割合を計算すると誤差が生じる。一般集団ではなく患者集団中のピロリ菌感染割合からも集団寄与危険割合が計算できる*2。1990年から2004年までの日本の研究では、患者集団中の抗ピロリ菌抗体陽性者の割合は約93.5%、相対リスクは約5.1倍であった*3。集団寄与危険割合を計算すると約75%となる。抗ピロリ菌抗体は胃粘膜の萎縮が進むと陰性になることがあり、ピロリ菌感染のリスクを低く見積もってしまうため、陰転化が遅いCagAというピロリ菌が産生するタンパク質を合わせて解析すると感染割合は約98.8%、相対リスクは約10.2倍であった。この場合、集団寄与危険割合は約90%になる*4

1990年から2004年までの研究に基づけば日本人の胃がんのうち、ピロリ菌が原因である割合はおおよそ75%〜90%ぐらいであったと推定される。若年者のピロリ菌の感染割合は小さいので、現在の胃がんのうちピロリ菌が原因である割合は75%〜90%より小さいし、将来はもっと小さくなる。



関連記事

■「HPVは子宮頸癌の原因ではない」というトンデモ説

■「集団寄与危険割合」って何?疫学指標まとめ。

*1https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16835334 , https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25630323

*2:詳しくは成書を参照のこと

*3:胃がん患者511例中478例が抗ピロリ菌抗体、オッズ比を相対リスクの近似値とした

*4https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16835334 , http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/287.html

ペロニー菌ペロニー菌 2017/01/17 01:46 突然すみません。
あまり詳しくないんですけど、インターネットなんかでよく「進化論は証明されている」とか「証拠がある」みたいな文章を目にするんですが、
具体的にどういうことでしょうか?
科学者の方でも進化論を信じていない人が一定数いると聞いて、もし本当に証明されていたり証拠があったりすれば
みんながみんな進化論者になってると思うんですが
分かりやすく教えていただけないでしょうか?

NATROMNATROM 2017/01/17 08:36 ペロニー菌さん、コメントありがとうございました。

生物進化の証拠はさまざまあります。化石とか、現在生きている生物のDNAの比較とか、生物の行動とかです。本気でお知りになりたいなら、

進化の存在証明,リチャード・ドーキンス (著)
https://www.amazon.co.jp/%E9%80%B2%E5%8C%96%E3%81%AE%E5%AD%98%E5%9C%A8%E8%A8%BC%E6%98%8E-%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B9/dp/4152090901

がお勧めです。生物進化についての証拠は圧倒的ですので、科学者で生物進化を信じていない人はほとんどいません。とくに生物学の分野では皆無です。「進化論を信じていない科学者」とされる人は、実際には、科学者を自称しているだけか、生物学とは無関係な分野の科学者で生物進化に詳しくないかのどちらかです。

ピピットピピット 2017/01/17 16:01 ピロリ菌検査で陰性になった人の中には、薬の除菌や自然排菌でピロリ菌がいなくなった人もいます。
こういった人を感染者としてカウントすれば、ピロリ菌感染割合は99%を超えるのではないでしょうか?

NATROMNATROM 2017/01/17 16:21 ピピットさん、コメントありがとうございました。

胃がん患者のピロリ菌感染割合がほぼ99%という報告もあります。それでも、相対リスクが5〜10倍程度ですので、集団寄与危険割合は約80%〜約90%にしかなりません。「ピロリ菌陽性の胃がん患者のすべてがピロリ菌が原因とは限らない」というのがポイントです。

ピピットピピット 2017/01/17 17:32 回答ありがとうございました。
「ピロリ菌陽性の胃がん患者のすべてがピロリ菌が原因とは限らないというのがポイント」ということには異論はないのですが、薬の除菌や自然排菌でピロリ菌がいなくなった人を感染者として扱ったとしたならば、コホート研究での相対リスクの数値も変わってくるのではないでしょうか?

NATROMNATROM 2017/01/17 20:54 ご指摘の通り、「どこまでをリスク因子に暴露されたとみなすのか」によって、相対リスク(オッズ比で近似)は変わります。本文中にも言及した症例対照研究では、CagA陽性者もピロリ菌陽性(曝露あり)とみなすと、オッズ比が5→10と約2倍になります。

ただ、「薬の除菌や自然排菌でピロリ菌がいなくなった人を感染者として扱った」としても、必ずしもオッズ比が上がるとは限りません。たしかに胃がん患者中の暴露者の割合は増えますが、対照(胃がんではない人)中の暴露者の割合も増えるからです。

海外の研究も参照しましたが、ピロリ菌感染の胃がんに対する相対リスクは数倍程度で、集団寄与危険割合が99%になることは考えにくいようです。

ピピットピピット 2017/01/17 21:45 回答ありがとうございました。
「ピロリ菌 20倍」でネット検索すると「ピロリ菌に感染している人は未感染者に比べて20倍以上胃がんになりやすい」といった医療機関のページがたくさんヒットするのですが、この20倍という数字は相対リスクとは違うのでしょうか?

ペロニー菌ペロニー菌 2017/01/17 22:07 ご返信ありがとうございます。
そうかなと思っていたんですがやはりドーキンスさんの本がいいんですね。ありがとうございます。購入します。

でもやっぱり気になるのは、証拠があるのに信じていない人がいるということなんです。証拠があるんだったら信じざるを得ないんじゃないの?と思うんです。
それはつまり、100%証拠であるとは言い切れないということなのか、証拠を証拠だと認識するにはそれなりの知識が必要なのか、どちらでしょうか?

NATROMNATROM 2017/01/17 22:52 ピピットさんへ。

確かにネット上では、「20倍以上」「20〜30倍」とかいう数字が見られます。普通に考えれば胃がんにおけるピロリ菌感染の相対リスクのことを言っているようにしか解釈できません。ただ、その数字がどのような研究に基づくのかはわかりません。

サンプルサイズの小さい質の低い研究に由来するか、あるいは、誰かが「盛った」数字が一人歩きしている可能性もあると私は考えます。

「20倍以上」「20〜30倍」とかいう数字が挙げてあるサイトで、参考文献を提示しているものがあれば、調べてみます。お気づきになったら教えてください。

NATROMNATROM 2017/01/17 23:05 ペロニー菌さんへ。

進化論に関しては宗教が絡んできますので、証拠があっても生物進化を信じたくないという心理が働くのかもしれません。どれだけ証拠があっても信じたいものを信じる人たちは一定数います。たとえば、地球は丸くなく平らであると信じている人たちが現在でもいるのだそうです。

信じたいものを信じるでもまあ構わないのですが、できるだけ客観的に物事を判断したいときには、科学的手法という手段があります。科学的手法の則れば生物進化が起こったという証拠は十分すぎるほどあるというだけで、人によって「私は科学的手法は採用しない」という方針を取るのはその人の自由です。「いいや、科学的手法に則っても生物進化が起こったという証拠は不十分だ」と主張するなら、科学的手法に則って、学会で発表したり論文を投稿したりしなければなりません。

ピピットピピット 2017/01/17 23:24 gut.bmj.com/site/misc/MaastrichtIVJapanese.pdf

こちらの28ページに20倍のことが書いてあり、参考文献も示されてるようです。

ペロニー病ペロニー病 2017/01/18 01:03 ありがとうございました。とりあえず読んでみます。

NATROMNATROM 2017/01/19 17:36 ピピットさんへ。とても興味深い情報をありがとうございました。返事が長くなりましたので、過去日付のエントリーとして書きました。

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/00170119#p1

要約すると、

・胃がんにおけるピロリ菌感染の相対リスク20倍〜30倍という研究は存在する。
・『誰かが「盛った」数字が一人歩きしている可能性』というのは私の邪推でした。ごめんなさい。
・そうは言っても、いろいろな理由で20倍〜30倍というのは過大評価ではないか。
・仮に30倍だとしても集団寄与危険割合は99%もの高い数字にはならない

ピピットピピット 2017/01/19 21:13 エントリー読みました。
ありがとうございました。

たいがたいが 2017/01/21 17:54 いつも楽しく、興味深く拝見しております。

>1990年から2004年までの日本の研究では、患者集団中の抗ピロリ菌抗体陽性者の割合は約93.5%、相対リスクは約5.1倍であった*3。集団寄与危険割合を計算すると約75%となる。

の部分なんですが、集団寄与危険割合は約79%になるのではないでしょうか?
素人ですので間違っているかもしれませんが。
直感的に78.3%よりは高いのではないかと思うのです。

ublftboublftbo 2017/01/22 01:17 今晩は。

ちょっと計算してみました。

曝露群内リスクに占める寄与リスクの割合
(5.1-4) / 5.1 ≒ 0.845

人口内の曝露群の割合を 93.5%とすると、
0.845 * 0.935 ≒ 0.79

なので、たいが さんの仰るように、79%になるようですね。

ublftboublftbo 2017/01/22 02:06 あ、すみません。勘違いしてました。
上のは無視してください。

ublftboublftbo 2017/01/22 03:05 何度も恐縮です。
改めて計算してみたら、約0.793になりました。
75%というのは、人口寄与リスク割合の分子だったりしないでしょうか(分母は0.948)。

NATROMNATROM 2017/01/22 11:06 曝露を抗ピロリ菌陽性と定義します。

仮に一般集団中の暴露割合が93.5%、相対リスク5.1のとき、集団寄与危険割合は79.3%になります。しかし、エントリー中での計算は、「一般集団中」でなく「患者集団中」の暴露割合を元に計算しています。

患者集団中の暴露割合が93.5%、相対リスク5.1のとき、一般集団中の暴露割合は約73.8%になるはずです。一般集団中の暴露割合が73.8%、相対リスク5.1だと、集団寄与危険割合は75.2%(約75%)になると思います。

患者集団中の暴露割合と相対リスクから直接、集団寄与危険割合を算出することもできます。Wikipediaの人口寄与危険割合

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E5%AF%84%E4%B8%8E%E5%8D%B1%E9%99%BA%E5%89%B2%E5%90%88

の、暴露率との関係、患者内暴露率との関係を参照してください。Wikipediaでいう暴露率が「一般集団中の暴露割合」、患者内暴露率が「患者集団中の暴露割合」です。患者内暴露率をP'とした場合、人口寄与危険割合={(相対危険度−1)/相対危険度}×P’という式があります。

ublftboublftbo 2017/01/22 12:07 あ、そうですね。確かに。色々ごっちゃにしてしまっていました。
失礼しました。

たいがたいが 2017/01/22 17:37 ublftboさん、NATROMさん、ありがとうございます。

<「一般集団中」でなく「患者集団中」の暴露割合

ということなんですね。理解が足らず失礼しました。
こういう数字の取り扱いってやっぱり難しいですね。

ublftboublftbo 2017/01/23 00:14 手許にある疫学・公衆衛生学の本を復習している所なのですが、人口寄与リスク割合の計算式を、全リスク内の曝露割合を用いて説明しているものって、ほとんど無いのですね。興味深い事だと思いました。
所持している本で確認出来ていない物もありますが、最近参照した中だと、『今日の疫学 第2版』くらいでした。その本では、
▼ 引  用 ▼
人口寄与危険割合(population attributable risk percent):(曝露群寄与危険割合)×(集団での全罹患者うち(※原文ママ),曝露群からの罹患者が占める割合)
▲ 引用終了 ▲
となっています。

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2016-12-26 水素水の不幸

[]水素水の不幸 水素水の不幸を含むブックマーク

国民生活センターが市販の水素水をテストし、含まれている水素が表示よりも濃度が低いかったり、あるいは検出されなかった商品もあると発表した。また、健康保持増進効果を謳うものもあり、法律に抵触するおそれのあるため事業者に対し表示の改善を要望している。


■容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」−「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です−(発表情報)_国民生活センター


水素水ブームが終わりつつあるように見える。完全になくなりはしないだろうが、ぼちぼち次の何かが流行る頃ではないだろうか。現時点では、病気の予防や健康の維持の目的で健康な人が水素水を飲んで何らかのよい効果があるという臨床的証拠はない。ただ、何かいいことがあるかもしれないという可能性にお金を費やすのは個人の自由である。

私自身は、水素水に対してあまり積極的な批判はしてこなかった。理由の一つは、水素水は標準医療を否定せず、ほぼ安全で、安価だからである。普通の水と比較すると高価だが、数千円からときには数百万円かかる他の「ニセ医学」と比較すれば安いものである。しかし、個人個人の負担する費用は安いが、ここまでのブームになると社会全体でのコストは馬鹿にならないかもしれない。

水素水を積極的に批判しなかったもう一つの理由は、水素水に効果がある可能性を完全には否定できないからである。『「ニセ医学」に騙されないために』では、体質改善や病気を治すと称する「水」に対する批判に一章を割いているが、アルカリイオン水と水素水を例外にした。アルカリイオン水は胃腸症状を改善させるとする限定的な証拠がある。

水素水については複数の臨床試験が進行中で、終了したものもある。■UMIN臨床試験登録システム(UMIN-CTR)で検索すると、2016年12月26日時点で18件の臨床試験が登録されている。中には質の高いデザインの二重盲検ランダム化比較試験もある。水素水に見込みがあると考えられているからこそ、コストをかけて臨床試験が行われているのだ。

臨床試験登録システム上で2件だけ結果の記載があった。UMIN試験ID:UMIN000005779は、健常者成人を対象に「水素ガスを溶解させて製造された水製品(健康飲料)の飲用により、被験者の酸化ストレスが減少するかを明らかにする」ことを目的に施行されたが、水素水群と対照の水道水群の比較で「血中・尿中の酸化ストレス指標物質に有意な変化なし」であった。

UMIN試験ID:UMIN000007497では、「水素水摂取によりパーキンソン病の進行抑制効果及び症状改善効果が得られるか検討」したところ、有意な差を認めた*1。UPDRSスコアというパーキンソン病の症状を点数で評価したものが、水道水群は+4.5と悪化したのに比べ水素水群では-1.0と改善した。臨床試験登録システム上では結果は未公表となっているが、Pubmedで検索すると論文になっている*2。これは予備実験なので、サンプルサイズを大きくして追試が行われているようである*3

水素水の飲用がパーキンソン病の症状改善に本当に有効かどうか、個人的には懐疑的な立場に立つ。パーキンソン病に酸化ストレスが関与するのは確かなようであるし、水素分子によって酸化ストレスを軽減すれば効果が期待できるというのもわかる。一方で、水に溶けた少ない量の水素でも効果が出るのだろうか。臨床試験を数多く行えば、たまたま偶然に有意差が生じることもあるのでは。

しかし、結局のところ、やってみなければわからないのが臨床試験である。水には水素はほとんど溶けず水素水に含まれる水素の量が少ないとしても、毎日長期間摂取すれば効果があるという可能性もある。パーキンソン病に対する水素水の効果は追試の結果を待つしかない。他の治療法と同じく、良い結果が出れば臨床に応用されるだろうし、結果が出なければなんとなく忘れ去られるであろう。

ここまで読まれて、ちまたで言われているほど水素水はニセ科学的ではなく、意外に期待が持てると感じた読者もいるであろう。水素水の不幸は、臨床的に効果が確認される前に、万能的な効果を期待されて市場で販売されたことにある。パーキンソン病に効果があるかもしれないという話と、健康な人が水素水を飲んで体によいかという話はぜんぜん別である。

悪徳業者が勝手に効果を謳って水素水を販売したのであれば、研究者側は被害者である。しかし、水素水の場合、指導的な立場の研究者である日本医科大の太田成男教授が積極的に水素水ビジネスに関与し、臨床的証拠に乏しいまま「花粉症が軽くなる」「寝覚めがよくなる」「冷え性が改善する」といった宣伝に協力している。控えめに言って軽率である。根拠なく「効果が科学的に証明された」と主張すれば、ニセ科学と言ってもいいと思う。

水素水ブームが去り、水素水の効果があるのかないのか、あるとしたら何に対してどれぐらいの効果があるのか、正確に評価され公表されることを期待している。



外部リンク

■水素水、「ニセ科学」と切り捨ててはいけないが、エビデンスありとは言い難い | FOOCOM.NET

■【水素水】日本医科大の太田成男教授の主張には明らかな誤認がある 公益財団法人食の安全・安心財団理事長・唐木英明(東大名誉教授)(1/3ページ) - 産経ニュース



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■「ニセ医学」についての本を書きました

■何でも治る超ミネラル水。野島尚武博士が熱い!

*1:"The total UPDRS score of the H2-water group (n = 9) improved-1.0 (median), -5.7+- 8.4 (mean +- SD)], whereas that of the placebo group (n = 8) worsened [4.5, 4.1 +- 9.2]. Despite the minimal number of subjects and the short duration of the trial, the difference was significant (P < 0.05). "

*2https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23400965

*3https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27176725

kassykassy 2016/12/26 17:52 最初、太田成男教授を知ったときは、真面目に水素水を研究していて、
この人がいる限り水素水をニセ科学とは呼べないなと思っていました。

しかし、安保徹氏と対談本を出したり、だんだん怪しげになってきた感
じです。それとも、もともと、怪しげだったのでしょうか。

NATROMNATROM 2016/12/26 18:01 研究者の中には、必ずしも証拠に基づかない仮説を強く信じこんで研究を進めるタイプの人もいます(ライナス・ポーリングがそうだったと聞きます)。太田成男教授もそういうタイプである可能性があります。ビジネスをやられるとこうして問題になりますが、そうでなければ盲信してガンガン研究するほうが成功する確率が高いかもしれません。

JamesJames 2016/12/28 01:19 順天堂の研究ですが,水素水といっても特注で高濃度の水素水をカプセルにして内服出来るようにしているそうです.市販の水素水は濃度が低すぎて話にならないということでした.

水素水については動物実験レベルで有効性をしめす論文があるのも話をややこしくしている原因かもしれません.

NATROMNATROM 2016/12/28 08:42 順天堂大学のパーキンソン病の臨床試験では「水素水はエコモインターナショナル株式会社のアキュエラブルーにより各患者宅で生成した電解高濃度水素水(1.6ppm)を48週間飲用する」"The subjects should make 1000 ml of molecular hydrogen water which contains 1.6 ppm dissolved hydrogen by Aquerable, and consume for 48 weeks."とあります。なぜか日本語のほうには量の記載がないですが1000 mL、つまり一日1リットルです。

1.6 ppmが事実なら市販商品と比較しても高いですが、それでもとびぬけて高いわけではありません。アルミパウチ商品でも1.4〜1.5 ppmのものもあります。「エコモインターナショナル株式会社のアキュエラブルー」についても、国民生活センターなどの第三者が検証した数字があればいいのですが。

NATROMNATROM 2016/12/28 08:56 個人的には水素水の濃度ではなく、盲検がきちんと達成されていたかが気になります。

対照は「電解高濃度水素水を含まない水は偽器械により生成し48週間飲用する」です。二重盲検なので患者さんは自分が飲んでいるのが水素水か「ニセ水素水」かわからないはずですが、ときに盲検は破れます。偽器械の出来が悪く、患者さんが「ニセ水素水」だと気づくようなら、デザインとしては二重盲検試験ですが、実際にはそうではないことになります。

パーキンソン病の研究は、アウトカムを自覚症状で評価していますので、盲検が破れれば結果は偏りやすいです。「盲検が破れていない」ことも示す必要があるはずですが、論文はサマリーしか読んでいませんので、そこを検討しているかどうかわかりません(うがった見方をすれば、盲検が破れれば水素水優位の結果が出やすくなりますので、試験するほうも「絶対に見破られることのない偽器械をつくろう」という動機が弱いのです)。

追試と思われるUMIN000010014では、対照に偽器械を使わず、「水素水5.0より生成した水素水を自宅に毎週送付」「偽水(水素分子を含まない窒素充填水)」を比較しています。盲検がより破れにくいための工夫かもしれません(もちろん、ほかの理由かもしれません)。

kassykassy 2017/01/06 09:10 UMIN000010014ですが、最終更新日から1年以上経過しています。

スタートが2013年なので結果は出ていると思うのですが、発表されていないの
でしょうか。それとも、大した結果になっていないので発表されずなのでしょ
うか。良い結果なら、すぐに発表されると思うのですが。

しかし、自宅に郵送して飲んでもらうって、信頼性が低いように感じます。

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