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2012-05-18 「非常に感染力の強い方のお産」を扱う助産師

[]「非常に感染力の強い方のお産」を扱う助産師 「非常に感染力の強い方のお産」を扱う助産師を含むブックマーク

自宅出産は医療機関で行う出産よりもリスクは高い。しかし、十分にリスクを説明された上での自宅出産の選択肢があってもいいと個人的には思う。ただし、その場合でも適切な医療介入は必要であろう。産科医から独立して助産院や自宅での出産を扱う助産師は、それだけ高い技術と知識を要するはずであるが、現実にはむしろ逆のように見える(たとえば、ブログ「助産院は安全?」のエントリー■2012-05-01 - Twitterからの【助産師会】が参考になるだろう)。

自宅出産を扱う開業助産師の医学知識について不安に思える一例を見つけた。「神霊教」という宗教に入信した助産師の話である。業務に影響しなければ、別に助産師がどのような宗教に入信していてもかまわない。さて、この助産師さんは「家族が参加する家庭での出産を扱う助産所を開業」した。妊婦さんたちは神霊教の信者ではないが、「少しは神霊教の御神光(みひかり)が行っている」ためか、皆安産なのだそうだ。ここまではまあいい。しかし、以下の引用を読むと、この助産師さんの介助するお産が果たして安全なのか、きわめて疑問に思える。


■数々の安産と家庭円満をよびこむ奇跡の力

 こういうこともありました。E型肝炎抗原プラス(劇症肝炎)で非常に感染力の強い方のお産を手伝ったときに、私は抗体を持っていないのですが、不思議と予防注射を打つ気持ちになりませんでした。神様に守られているから大丈夫って。そして案の定、血をあびたのに感染しませんでした。お産された方を検査したら、E型肝炎がほぼうつらない抗体に変わっていたのです。生まれたこどもにも感染していませんでした。命を落とすような大変な病気ですから、神霊教に入信していなかったら手伝うなんて夢にも思わなかったでしょうね。


字句通りに受け取ると意味が通らない。劇症肝炎の患者さんが自宅出産することはありえない。劇症肝炎であれば肝機能がきわめて低下しており意識障害を生じている。退院どころかICUでの管理が必要な状態である。E型肝炎というのも奇妙である。E型肝炎は通常は「E型肝炎抗原」ではなく、HEV(Hepatitis E Virus) RNAをPCR法で検出するか、抗HEV抗体を測って診断する。E型肝炎ワクチンは開発中で現在のところ一般に使える「予防注射」は存在しない。

意味が通るように好意的に解釈すれば、妊婦さんは(E型肝炎抗原ではなく)HBe抗原プラスで、(劇症肝炎ではなく)慢性B型肝炎もしくはB型肝炎キャリアであったのだろう。HBe抗原はB型肝炎の感染力の指標となる。「ほぼうつらない抗体に変わっていた」というのは、HBe抗原プラスからHBe抗体プラスに変わっていたと考えれば辻褄は合う。なお、自然にHBe抗体が陽性化することはよくある。またB型肝炎であれば予防注射はある。

助産師さん本人が「神様に守られているから大丈夫」と考えるのは勝手である(空気感染する麻疹について「神様に守られているから大丈夫」と考えていませんように!)。しかし、もしこの症例がB型肝炎であったとするならば、新生児に対してはすみやかな母子感染防止対策(出生直後を含めた2回のHBIG投与および3回のHBワクチン接種)が必要である。「神様に守られているから大丈夫」などと思っていなかったよね?

この助産師さんの助産院のサイトを見てみたが、自宅出産のメリットは書いてあるがリスクは書いていない。「神霊教で奇蹟を体験した方々を紹介するBlog」では「私は10年間で500ほどの家庭出産を手がけていますが、逆子だったり、妊婦さんが肝炎を患っていたりと、色々なケースに出合います。普通は怖くて難しい家庭出産ですが、神霊教の神様に守られているからこそできるのです*1」とインタビューで答えている。

高い技術と豊富な知識に支えられた上での信仰なら問題はないが、既に指摘したように、この助産師さんの感染症に対する認識には問題がある。細部については本人ではなくインタビュアーが間違えたのかもしれないが、感染力のある肝炎の妊婦さんの出産を扱ったというのは事実であろう(事実でないならインタビューで嘘を述べたことになりこれはこれで問題だ)。この症例がB型肝炎であろうとE型肝炎であろうと、劇症肝炎であろうと慢性肝炎であろうと、「感染力の強い方のお産」である以上、産婦人科医が管理すべきであったと私は考える。産科医の介入を要する症例を「神様に守られているからこそできる」と勘違いしていたのではないか。

医師にもトンデモな人がいるように、開業助産師にもトンデモな人がいるというだけかもしれない。しかし、この助産師は東京都助産師会の専門部会理事である*2日本助産師会の上層部がホメオパシージャパンと深いつながりがあったことが知られている(たとえば、■ホメオパシーと日本助産師会:Chromeplated Ratを参考にせよ)。産科医の介入のない出産に肯定的な助産師には、標準医療に否定的な傾向があると私には思われる。結果として、助産院での出産や自宅出産のリスクを高める要因の一つになっているのではないだろうか。



関連記事

■病腎移植とB型肝炎

■B型肝炎ワクチンとホメオパシー

■ホメオパシーはまた人を殺すだろう

*1:URL:http://srkblog.info/archives/219846.html

*2:組織・役員 | 東京都助産師会とは | 東京都助産師会, URL:http://jmat.jp/midwife/organization.html

放置医放置医 2012/05/18 14:11 妊婦は母子感染のリスクを理解していたんでしょうか。はなはだ疑問です。
産科医がこの助産師レベルだったら間違いなくマスゴミによって血祭りでしょうに。

tadano--rytadano--ry 2012/05/19 21:50  肝臓専門医や産科医でないのであやふやなところもありますが、要するに妊娠初期の検査でHBe抗原(+)HBe抗体(-)だったのが、自然経過でセロコンバージョンを起こして出産時にはHBe抗原(-)HBe抗体(+)に変化していたということだと考えられます。セロコンバージョンには通常2-3ヵ月かかると認識していますから、十分あり得る話です。

 HBe抗原(+)HBe抗体(-)の妊婦さんの母子感染率はほぼ100%ですが、HBe抗原(-)HBe抗体(+)の場合の母子感染率は10%と言われているので、「生まれたこどもにも感染していませんでした」というのは珍しいことではなさそうに思います。

 知識がなければ単なる自然経過も「奇跡」と解釈してしまう好例と考えます。

RyoRyo 2012/05/22 01:38 調べてもよくわからなかったのですが、15年位前の東京(あるいは関東圏)で産科オープンシステムは始まっていたのでしょうか?

2012-05-11 CT画像とエコー画像の区別もできないシモンチーニ氏のウェブサイト

[][]CT画像とエコー画像の区別もできないシモンチーニ氏のウェブサイト CT画像とエコー画像の区別もできないシモンチーニ氏のウェブサイトを含むブックマーク

インチキな治療法の提唱者に「なぜ論文を書いて発表しないのか?」と尋ねると、たいていは「製薬会社などの既得利益を守る集団が圧力をかけて論文掲載を阻止している」といった反論が返ってくる。安価で効果のある治療法が周知されると薬が売れなくなって困る連中がいるのだそうだ。世界中のすべての医学雑誌に影響力を及ぼす巨大な権力が存在しているなど典型的な陰謀論であるが、よしんば百歩譲ってそのような陰謀が存在するとして、掲載を阻止されたという論文を公開すればいいだけだ。出版してもいいし、今だったらウェブに公開すればほとんどコストはかからない。

しかし、いったいどういう理由からなのか、彼らの出版物やウェブサイトにまともな論文が載ることはない。載るのは「詐欺師が医学知識の無い一般人を騙そうとした」もしくは「書いた本人も医学知識について無知である」という論文まがいのものだ。きちんとした情報を提示すれば、他の多くの医師からの協力が得られるかもしれないのにね。

さて、「8月26日にDr.Simoncini氏の特別講演が開催される」*1。Simoncini(シモンチーニ)氏は、■癌は真菌であり、重炭酸ナトリウムで治療可能と主張している人である。イタリアの医師だったが、癌の治療法を発明し「医師や医薬品会社・学会にとって莫大な売り上げに対し損害与える危険な存在」であった結果、ドクターライセンスを剥奪されたのだそうだ。日本滞在中にシモンチーニ氏自身への個人相談が可能とのことである。


f:id:NATROM:20120511154733j:image

ご相談料金    148,000円


シモンチーニ氏の治療法に効果があるとする論文は存在しない。製薬会社の圧力のせいで医学雑誌に論文が載らないのかもしれないネ。まあそうだとしても、ウェブサイトに症例報告を載せることぐらいはできるはずだ。「炭酸水素ナトリウム投与で腫瘍塊が頻繁に飛躍的な退縮することを表す」ケースが紹介されていた。


f:id:NATROM:20120511154732j:image

炭酸水素ナトリウム投与で腫瘍塊が頻繁に飛躍的な退縮することを表す


いろいろツッコミどころがあるけど、提示されているCT画像では10 cm超の大きな肝癌は認められない*2。そもそも「超音波検査による」のなら超音波(エコー)検査の画像を出せばいいのに。というか、英語のサイトを見に行ったら、CT画像をエコー検査の画像だとしていた。


f:id:NATROM:20120511154731j:image

"as shown by ecographic scan"とある。


つまり、Simoncini Cancer Center(シモンチーニがんセンター)のサイトをつくった人は、「デタラメを載せても顧客はどうせわからないだろう」とたかをくくっているか、CT画像とエコー画像の区別がつかないぐらい医学について無知か(あるいはその両方)であろう。CT画像とエコー画像の区別もつかない人のつくったサイトの他の医学的な記述も信用するべきではない。さすがにサイトを作ったのはシモンチーニ氏本人ではないだろうが、ご自分のサイトのチェックもしていないわけである(チェックしていてアレという可能性もあるけど)。

インチキ治療者が論文を書かない本当の理由は、まともな論文を書く能力の欠如である。彼らは、専門家からは逃げて、医学知識のないカモを騙すための「症例提示」や動画の紹介だけを行う。彼らが本当に患者さんの役に立ちたいと願うのであれば、他の専門家から検証されることを恐れるはずがない。



外部リンク

■幻影随想: トゥーリオ・シモンチーニのがん治療についてのまとめ


関連記事

■ニセ科学を見抜く練習問題(世界医学気功学会の論文集から)

■標準医療をしなかった医師が提訴された

■平沢進と物質X(ミラクルミネラルソリューション)

*1:URL:http://www.simoncinicc.com/。リンクは張らない

*2:肝右葉の低吸収域はたぶんラジオ焼灼後。後から考えると、おそらくcase 2の画像であろう。

nn 2012/05/11 22:43 問題のページに行ってみたのですが、英語の別の文章に差し替わって「エコー」画像が消えちゃってるようですね。もう対応されたのかな。

NGC2841NGC2841 2012/05/12 07:23 問題のページに行ってみたが、変わりなく
as shown by ecographic scan of January 16, 2001
とあり画像も変化ないようだ。

ItokayoItokayo 2012/05/12 08:24 上頚部癌の患者です。画像は探しましたがわかりませんでしたが、大変、貴重な情報にめぐり合えてよかったです。こういう治療方法もあるんですね。僕の場合、手術不可能な場所に癌があります。どうしようかと悩んでいました。ありがとうございます。

NATROMNATROM 2012/05/12 08:27 対応された「問題のページ」は、日本語版( http://www.simoncinicc.com/%E8%82%9D%E8%87%93%E7%99%8C/ )のほうです。英語版のほうはまだ手が回らないのでしょう。

対応が早いってことは、私のツイッターかブログをチェックされているのでしょうか>日本語版シモンチーニのサイトの中の人。 http://www.simoncinicc.com/再発性膀胱腫瘍/ もわりとすごいので、対応したほうがよろしいと思います。図と文章の関係が意味不明です。どっから持ってきたこの図。薬剤の効果を示すビデオCGからキャプチャーしたんでしょうか。

NATROMNATROM 2012/05/12 10:06 Itokayo さん、こんにちは。コメントありがとうございました。手術不能な癌ということで、治療方法が限られて、なかなか大変だろうと思います。代替医療を併用するという選択肢もあると思いますが、代替医療の中にはあまりお勧めできないものもあるのでご注意ください。代替医療を容認する条件として、安価、安全、標準医療との共存があると私は考えていますが、シモンチーニ氏による治療はどの条件も満たしていません。

高価で危険で標準医療を否定しており、私の知る中ではシモンチーニ氏による治療は最悪の部類に入ります。ホメオパシーですら、レメディそのものは砂糖玉で基本的には安全であり、シモンチーニ氏による治療はホメオパシー以下です。代替医療を選ぶとしても、シモンチーニ氏による治療以外にもマシなものはいくらでもあります。こういう情報を提供できて、私もうれしく思います。

すずめすずめ 2012/05/12 20:42 > 製薬会社などの既得利益を守る集団が圧力をかけて論文掲載を阻止している」といった反論が返ってくる。

本論からそれて申し訳ないですが,ここに名前を変えてコメントあらしをした
「あの方」を思い起こさせますね.某有名なトンデモさんのことを.
これと同じような記述が彼のページの中にありますからね.

nn 2012/05/13 03:01 「末期の子宮頚癌」も凄いですね。
・あからさまな誤訳(「炭酸水素ナトリウム治療はすでに無効果ではなく」とか)が多すぎ。
・画像見比べても何かが改善したように見えない。
・改善した排尿障害は腫瘍の壊死成分をドレナージした効果(これ自体は標準医療)で十分説明可能。
・何より、肝心の重炭酸治療を本格的に始める部分の直前で記述終了(笑)

ところで「シモンチーニ氏の治療法が効果があるとする論文は存在しない」について、こんなの見つけました。
http://cancerres.aacrjournals.org/content/69/6/2260.abstract
http://cancerres.aacrjournals.org/content/69/6/2677.abstract
数匹の動物実験レベルだし、流石に癌は真菌だとかは書いてませんけど。

かめのかめの 2012/05/14 11:14 問題のページにはecographic とあるので、echographic (エコー画像)とは異なる斜め上からの手法で撮像したものかと思いました。

tadano--rytadano--ry 2012/05/14 13:08 http://www.cgems.eu/newsletter/article/152

詐欺罪と殺人罪で訴えられて刑が確定しそうなので医師免許を剥奪されたようです

nn 2012/05/14 15:03 >かめのさん
毎回間違えているので気になったので調べたら、どうもイタリア語ではechographyをecografiaというらしく、それが誤訳の理由っぽいです。本人が喋ってるビデオ見ましたが英語はそこまで得意じゃなさそう(自分よりは多少マシですが…(^^;))。

ff 2012/05/14 19:33 シモンチーニがんセンターの主催者は、どうも詐欺師っぽいですね。
http://ameblo.jp/fedis/entry-11247270708.html

nn 2012/05/14 23:09 うわ本当だ。確かに4u-detox.comのサイトに明記してある住所と、
シモンチーニがんセンターのドメイン登録住所がほぼ同じだ(笑)
こんな所でECRRとシモンチーニが繋がってたとは……。ちょっとだけ世界レベルの陰謀の臭いがしたw

十六夜十六夜 2012/05/15 19:22 サイト見てきましたけど、「内視鏡手術療法」とか「カテーテル療法」とか、「公的保険が適用されない自由診療」などというレベルじゃなく、普通に医師法違反なのでは?(医療法上の「医行為」に該当) …と、思ったけど、要はオペをするのが海外だから日本の法律じゃ裁けないってことなんですね(多分)。 じゃあ、これで失敗した患者はどこに訴えるのか? そもそも訴えることは可能なのか? 

NATROM先生は、この制度上の問題(海外だったらやりたい放題)についてはどのよううな対策があるとお考えでしょうか。(いやまあ、そんなこといったら臓器移植や代理出産や美容整形はどうなんだとかいろいろ問題があるとは思いますが)

NATROMNATROM 2012/05/16 08:43 シモンチーニ氏本人は現在ではライセンスを持っていないはずですが、。恐ろしいことに、ライセンスを持った他の医師が行う分には「内視鏡手術療法」や「カテーテル療法」もOKなわけです。医師のみが研修可能のコースもシモンチーニ氏は用意しています。シモンチーニ氏は日本での活動にあたって「協力者」が欲しいはずです。日本でも、ライセンスを持った医師が協力すれば、「内視鏡手術療法」や「カテーテル療法」は可能です。

日本での場合。患者さんが死ぬか重度な障害が生じれば、これはさすがに警察が介入してくるでしょう。単に治らなかったり、軽度の副作用程度では、おそらく警察は動きません。患者さんが施術した医師を民事訴訟で訴えることはできます。普通にやればたぶん勝つとは思います。

事前に、強制力をもって、「内視鏡手術療法」や「カテーテル療法」を中止させることは難しいと思います。この問題を「医師の裁量権大きすぎズルイ問題」と私は仮に呼んでいます(他にもっと良い呼び名はないかな)。医師のライセンスを持たない他の代替医療の施術者は、たとえば助産師という国家資格を持っていても、医師法の前にかなり制限されます。しかし、医師は事実上野放しです。医師が癌が治ると称して水を売っても、それだけではおとがめなしです。たぶん、医師以外の代替医療の施術者は「医師ズルイ」と思っているでしょう。

海外でも、おそらくは日本と基本的には似たようなものだろうと思いますが、詳しいことはわかりません。訴えるにしても海外の医師相手だと手続きが面倒そうです。

対策は、医師の裁量権を制限するか(いろんな理由で難しい)、ガンガン民事訴訟してデタラメな医療がペイしないようにするかでしょうかねえ。

十六夜十六夜 2012/05/16 22:20 すばやいご回答ありがとうございます。

前回投稿後、さらにサイトを見てみると「現在、シモンチーニ博士の専門医療機関は日本にしかありません」とのこと。 なんですと!? 「海外だからOK」って訳じゃないんだ! 本当に早とちりですみません。

まあ、韓国での美容整形が流行って、治療後にトラブルが云々、といった問題は実際に起きているので「海外だったらやりたい放題問題」(他にもっと正確な呼び名もあると思うのですが)も深刻な問題だとは思うのですが、シモンチーニ氏の「治療」の問題とは本質的に異なるということですね。

日本で「治療」が可能で、しかもそれが医師法にひっかからない。つまり、日本の医師免許をもった医師がシモンチーニ氏の治療方針に「賛同」し、「施術」を行っているということですね。(あるいはまだ行う「予定」の段階?) 大丈夫か日本の医療。

ところで「医師の裁量権大きすぎズルイ問題」は判りやすくていい言葉だと思います(^^)

はっさくはっさく 2012/05/18 16:22 この写真がおかしい、と気づかない人は治療者側の説明も素直に受け入れる"よいお客"となる可能性が高い。

一方、写真がおかしいと思う程度に知識のある人はクレーマーや訴訟沙汰にもなりかねない。大きくおかしな写真を掲げておけばこういった人たちは関わりを持とうとしないし、万が一気づいてたとえば自分のブログでそれを気づいたとしても、"よいお客様"はそういったところは見ないから実害はほとんどない。悪評が広がったとしてもその前に撤退するのが前提のビジネス、ほとぼりが冷めたころに新手を編み出すのは簡単…

故にこういったおかしな情報がゲージとしてよいお客様を選別するのに役立っている。

半分冗談で書きましたが案外そういった効果(顧客選別ゲージ)があるのかもしれません。

2012-04-13 サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク―

[]サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク― サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク―を含むブックマーク

日本における受動喫煙による超過死亡数は年間約6800人という推計がある*1。この推計は疫学的に「見える」リスクに基づいて計算されたものである。セカンドハンドスモーク(二次喫煙)のリスクは疫学的に見える。セカンドハンドスモークとは燃えている煙草の端からの煙や喫煙中の人の吐く煙のことで、一般的にいう受動喫煙のことである。

比較的新しい概念であるが、サードハンドスモーク(三次喫煙)と呼ばれるものもある。サードハンドスモークとは、衣服や髪、家具などの屋内環境に残留するタバコの汚染物質のことである*2。たとえば、非喫煙者の親が外でセカンドハンドスモークにさらされ、服を着替えずに帰宅すれば、家の中にいる子はサードハンドスモークに曝露するというわけである。ProtanoとVitaliは、「セカンドハンドスモークという用語を受動喫煙と同じ意味で使うのはもはや適切でない」と述べている。受動喫煙はセカンドハンドスモークのみならず、サードハンドスモークも含む概念であるというわけだ*3

サードハンドスモークの害がどれくらいかはわからない。私が知る限りにおいてサードハンドスモークの長期的な健康障害が疫学的に観察されたことはない。仮に害があったとしても、常識的に考えればきわめて小さいものであろう。しかし、害がゼロだという証明はできない。タバコの煙の害に閾値(これ以下ならリスクは無いというレベル)はないとすれば*4、どんなに微量であっても害はあるということになる。合理的に達成可能であれば、サードハンドスモークの曝露は少なければ少ないほど良い。ただ、問題となるのは、どこまでが合理的に達成可能とみなすか、という点である。

自分で好んで喫煙をしているのではなく受動的にタバコの煙にさらされる側は、何のメリットも無くリスクだけ負わされる。これは不当なリスクであり、可能ならばゼロのほうが望ましいことには議論の余地は無い。しかし、サードハンドスモークの曝露をゼロにするのは、きわめて難しい。

喫煙ゾーンや喫煙室を設けたり、時間で分煙したりでは、どれだけ徹底してもサードハンドスモークはゼロにならない。施設内全面禁煙としても、サードハンドスモークはゼロにならない。通勤途中の自家用車内での喫煙や、昼休みに施設外で一服するのもダメ。細かいことを言えば、本人が非喫煙者であっても、喫煙している人のそばを通り過ぎるだけでもダメ。サードハンドスモークを含めた受動喫煙がゼロである社会は、喫煙者が存在しないか、完全に隔離されている社会である。不当なリスクはどんなに小さくても許されないとする非寛容な社会は息苦しいと思う。



関連記事

■病院に喫煙ルームはあっていい

■嫌煙者詐称に対して懲罰審査を実施する真の嫌煙者

*1■受動喫煙による死亡数の推計について(解説)

*2:本エントリーの記述は主に、Protano C, Vitali M., smoke: why passive smoking does not stop at secondhand smoke., Environ Health Perspect. 2011 Oct;119(10):A422、及び、Matt GE et al., Thirdhand tobacco smoke: emerging evidence and arguments for a multidisciplinary research agenda., Environ Health Perspect. 2011 Sep;119(9):1218-26. に基づく

*3:ProtanoとVitaliの意見に従えば「日本における受動喫煙による超過死亡数は年間約6800人」ではなく「日本におけるセカンドハンドスモークによる超過死亡数は年間約6800人」と言うべきだ、ということになる

*4■「受動喫煙に閾値なし」世界禁煙デー記念シンポジウム開催/専門家ら招き講演や討論:医師のための専門情報サイト[MT Pro]

zukunashizukunashi 2012/04/13 22:03 サードハンドスモークは放射線による害に似ているという印象を受けました。

コアコア 2012/04/13 22:33 確かに昨今の放射能問題を思い出しますね。
このブログでも有名な武田先生は世のお母さん方か僅かな放射能を怖がることは正しいことと言ってます。
一方、低線量の放射能について大丈夫という人たちは心が痛まないのかと批判してます。
そんな武田先生ですが受動喫煙に対しては、40人に1人が発癌するとしても禁煙を勧める動機としては少し弱いなどと発言してます。
武田先生の思考回路は本当に謎です。

saitoh0619saitoh0619 2012/04/14 05:22 三次喫煙の問題ですが,化学物質過敏症の問題と重なると結構厄介な問題になる気がしています。
以前に健康被害の訴えがあって調査に入った会社では,喫煙所を会議室に転用したところ,かなり入念に清掃したにもかかわらず,化学物質に過敏な従業員から「その部屋に入ると頭痛・吐き気がする」という訴えが出ました。

結果,エアコンの室内機の内部の清掃が甘かったためだったのですが,それでも過敏な人にとっては深刻な問題になるわけです。

勿論,化学物質過敏症自体の存在も疑問視されていたりするわけで,中にはこんなのは精神的な問題だと切り捨てる方もおりますが…。

shinzorshinzor 2012/04/14 10:55 社会生活をしている以上、「何のメリットも無くリスクだけ負わされる」ことは有る程度止むをえません。本当になんのメリットもないのかも分かりません。極めて小さなリスクを気にするなら、極めて小さなメリットも考えなければなりませんね。都市に住み、その恩恵を受けながら、日照をさえぎられることを不当リスクと考える人は結構います。そういう人は、都市に住むべきではないし、社会からも孤立すべきかと。

医療+医薬品の業界まとめニュース医療+医薬品の業界まとめニュース 2012/04/14 14:59 相互リンク、相互RSSのお願い


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はじめまして、医療+医薬品の業界まとめニュースを運営しています。
このたび突然ご連絡をさせていただいたのは
当サイトと相互リンク、相互RSSの登録をして頂きたくご連絡をさせていただました。
ご迷惑でしたらこの文章は削除して頂いて結構です。申し訳ありませんでした。
まだまだ未熟ブログではありますが、ぜひ宜しくお願いいたします。

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通りすがり通りすがり 2012/04/15 17:17 放射線の害と異なるのは、不快な臭いがあるという部分でしょうか?
あと、私が勤務する病院の喫煙所は2年前に廃止され、面会室となっていますが、きちんと掃除をしているにもかかわらず、未だに臭います。おそらく、壁紙と天井を交換しないとにおいは消えないように思います。

aetos382aetos382 2012/04/16 12:43 分煙されているところは増えてきたと思いますが、片手落ちな気がしています。
喫煙室が分かれていて、二次喫煙は防げても、そこから戻ってきた人の吐く息から刺激臭がするという体験はよくあります。
以前何かのテレビで見ましたが、タバコを吸い終えた後も、呼気には目に見えない有害物質が多量に含まれているそうです。
三次喫煙を根絶することはできないと思いますが、喫煙室でタバコを吸ったら、空気のきれいなところでしばらく深呼吸してから戻って来てほしいものです。

NATROMNATROM 2012/04/16 17:42 臭いについてはリスクがどうこう以前に対策が必要だと考えます。三次喫煙の長期的な健康障害は不明ですが、短期的な健康障害(喘息など)があるのは確実です。「分煙してるからいいだろう」では不十分な場合は多々あります。

それはそれとして、受動喫煙の害は(三次喫煙のみならず二次喫煙も含め)、臭いがしないほど希釈されていてもゼロとは限りません。臭覚の閾値以下だとしても有害物質への曝露はありえます。こういう曝露は少ない方が望ましいけれども(「significanceがなければ無視した方がいい」などと誰が言っているのだろう?)、じゃあゼロにするべきなのか、程度問題でしょ、あるいは「相場観」でしょ、というのが本エントリーの主旨です。

「受動喫煙は(煙は見えるし臭うし吸っている人に注意もできるので)避けようと思えば避けられる」などと言う人がときにいます。必ずしもそうではないことを示したかったというのもあります。

通りすがり通りすがり 2012/04/21 08:07 個人的には臭いも含めて程度問題のような気がします。
あと、食品添加物は口に入る段階での残留量を調査できますが、こういうたばこの煙を測定するのは難しそうですね。
日本のたばこが全部噛みたばこになればいいのに・・・

AnonyねずみAnonyねずみ 2012/05/06 01:15 たとい噛みタバコになったとて、呼気による曝露はあり得るでしょうね。
正直、喫煙者の方々には、ニコチンを吸って頂いた方が公益となるかとは思いますが、そこは営利企業のJTにも負担が掛かる所ですからね。

>NATROMさん
>程度問題でしょ、あるいは「相場観」でしょ

必要以上に、小さなリスクを問題視するのも、ストレス等を過剰に受容する事によるデメリットにもなり得ますからね。
昨今の放射線の問題に関しては、常々そう思います。
無論、だからと言って、「小さな放射線リスクは人為的であれ自然的であれ無視しろ」と言う意見に賛同する訳ではありませんが。

2012-03-24 「集団寄与危険割合」って何?疫学指標まとめ。

[]「集団寄与危険割合」って何?疫学指標まとめ。 「集団寄与危険割合」って何?疫学指標まとめ。を含むブックマーク

疫学指標はたくさんあってややこしい。相対危険、寄与危険ぐらいまではおぼろげながら理解しているつもりだけど、「集団寄与危険割合(人口寄与危険割合)」とは何か、と聞かれてもすぐには出てこない。

私がアンチョコにしているのは、「基礎から学ぶ楽しい疫学 第2版」の表。数式ではなく、具体的な数字で示されているのでわかりやすいと思う。


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「基礎から学ぶ楽しい疫学 第2版」より引用


相対危険(relative risk)が一番目にすることが多い指標であろう。「タバコを吸っている人は肺癌になる確率が5倍である」というやつ。タバコが肺癌に相関関係がないなら相対危険は1になるし、タバコを吸う人が肺癌になりにくい場合は相対危険は1より小さくなる。

寄与危険(attributable risk)は「曝露群と非曝露群の疾病頻度の差」をいう。私の理解では、個人がある特定の曝露を避けるかどうかを判断するには、相対危険より寄与危険のほうが適切な指標である。例(仮想データ)を挙げよう。



全癌のリスク因子である曝露Aと、白血病のリスク因子である曝露Bがあるとする*1。曝露A群では全癌による死亡が480(10万人年対)であるのに対し、非曝露A群では300(10万人年対)だとする。この場合、相対危険は480/300=1.6、寄与危険は480-300=180(10万人年対)である。

一方、曝露B群では白血病による死亡が30(10万人年対)であるのに対し、非曝露B群では5(10万人年対)だとする。この場合、相対危険は30/5=6、寄与危険は30-5=25(10万人年対)である。

癌による死亡も白血病による死亡も同じぐらい嫌で*2、なおかつ曝露Aを避けるのも曝露Bを避けるのもどちらも同じくらいのコストがかかるとしよう。曝露Aと曝露B、どちらをまず避けるのが合理的か?

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他の条件が同じなら曝露Aと曝露Bのどちらをまず避けるべき?



相対危険だけを見たら、曝露Bが白血病による死亡を6倍にする一方で、曝露Aは全癌の死亡を1.6倍にしかしないので、曝露Aよりも先に曝露Bを避けるほうがいいような気がする。

しかし、白血病で死ぬ確率はもともと少ない一方で、全癌で死ぬ確率は高い。もともと少ないものが6倍になったところで、曝露Bによって余計に死ぬのは10万人に25人だけ(1年あたり)。一方で、曝露Aによって余計に死ぬのは10万人に180人だ(1年あたり)。私なら曝露Aをまず避ける。

寄与危険割合(attributable risk percent)は「曝露群の疾病頻度のうちで、真に曝露によって増加した部分の占める割合」をいう。喫煙と肺癌死の関係でいうなら、喫煙者の肺癌死のうち喫煙のせいで発生した肺癌死の割合。あとから出てくる集団寄与危険割合は、一般集団の肺癌死のうち喫煙のせいで発生した肺癌死の割合だから混同しないように。

ここまでは、一般人口中の曝露群の割合とは無関係な指標である。喫煙率*3が10%であろうと80%であろうと、相対危険や寄与危険は変わらない。しかし、以下の集団寄与危険と集団寄与危険割合は変わってくる。

集団寄与危険(または人口寄与危険/population attributable risk)は、「一般集団における曝露によって増加した疾病頻度」のことである。一般人口中の曝露群の割合が小さいと集団寄与危険も小さくなる。

集団寄与危険割合(または人口寄与危険割合/population attributable risk percent)は、「一般集団における疾病頻度のうち、集団寄与危険が占める割合」のこと。喫煙と肺癌死の関係でいうと、一般集団のの肺癌死のうち喫煙のせいで発生した肺癌死の割合。■武田邦彦氏が死亡者中の喫煙者の割合と誤認したのがこれ。一般人口中の曝露群の割合が小さいと集団寄与危険割合も小さくなる。

日本人男性の喫煙率はどんどん下がっているので、集団寄与危険も集団寄与危険割合も下がっているであろう。仮に喫煙率が0%になったら、集団寄与危険も集団寄与危険割合もゼロになる。

私の理解では、集団寄与危険は個人のリスク選択には役に立たないが公衆衛生における政策決定の役には立つ。喫煙率が5%の世界でも70%の世界でも、個人がタバコを吸ったときのリスクは同じだ。しかし政策決定者は違う。他の条件が同じなら集団寄与危険の高いリスクから対策をすべきである。たとえば、喫煙率が0.01%の世界なら、たばこ政策の優先順位は低くなる。

*1:ここでは因果関係の存在を前提とする

*2:白血病は若くて死ぬから嫌とか、治療がきついから嫌とかそういう要素は無視する

*3:正確には「喫煙率」ではなく「喫煙割合」としなければならないらしい

shinzorshinzor 2012/03/24 10:29 >寄与危険割合(attributable risk percent)は「曝露群の疾病頻度のうちで、真に曝露によって増加した部分の占める割合」をいう。喫煙と肺癌死の関係でいうなら、喫煙者の肺癌死のうち喫煙のせいで発生した肺癌死の割合。あとから出てくる集団寄与危険割合は、一般集団の肺癌死のうち喫煙のせいで発生した肺癌死の割合だから混同しないように。

見事に混同していました。

>日本人男性の喫煙率はどんどん下がっているので、集団寄与危険も集団寄与危険割合も下がっているであろう。仮に喫煙率が0%になったら、集団寄与危険も集団寄与危険割合もゼロになる。

ベイズの定理の例題でよくある、「そもそも、エイズのような稀な病気の場合、精度の高い検査で、陽性となっても感染している確率が低い」と似たような話ですね。

十六夜十六夜 2012/03/26 23:34 おっしゃる通りですね。

喫煙率は20%弱、飲酒率は70%程度なのですから、たとえアルコールに比べて喫煙の相対危険が高くても、集団寄与危険はアルコールの方が高いと考えられますから、施政者はたばこ対策よりアルコール対策を優先すべきですね。


…と、アルコール話を蒸し返しつつ、ミスリードをしてみる(笑)

本当は、飲酒率は「1年以内に1回以上飲酒した人の割合」ですから、喫煙と比べるのはフェアじゃないです。喫煙率(現在習慣的に喫煙しており、かつ、直近一ヶ月に毎日または時々たばこを吸っている)に匹敵するのは「飲酒習慣率」(週3日以上で、清酒に換算し1日1合以上飲酒する者)になると思われます。こちらは男性35.9%、女性6.4%で、ほぼ喫煙率と変わりません。

それはそれとして、このエントリーは非常に判りやすく為になりました。ありがとうございます。

kyu.kyu. 2012/04/20 23:07 勉強になるエントリーでした。
母数が何か理解していないと、トンチンカンな結論になりそうですね。

十六夜様のコメントが気になり、飲酒によるがんの人口寄与危険割合を調べてみました。
なかなか見つからなかったのですが、下の資料に男性の値が載っていました。
過剰飲酒(この資料では日本酒2合/day以上)についてですが。

http://www.niph.go.jp/journal/data/57-4/200857040010.pdf

これによると、男性の過剰飲酒のがんの人口危険寄与割合が13%で、喫煙が29%との事です。今のところ、政府はたばこ対策を優先させるほうがよさそうです。

こうしてみると煙草の害の凶悪さが改めて浮き彫りになりますね。

ちょっと気になったのは、過剰飲酒の項目で「リスクの最も低かった時々飲酒するグループ」という表現がありますが、「多少の飲酒はむしろ健康に良い」というのは医療関係者ではすでにコンセンサスが取れている状態なのでしょうか?
理屈的にはありそうな気がしますが。

NATROMNATROM 2012/04/21 21:35 「多少の飲酒はむしろ健康に良い」は、どうもコンセンサスとまでは言えないようです。ありそうですけどね。コンセンサスがとれていない理由は、飲酒ゼロの集団に、「健康不安のため飲酒ゼロにしている人」が混じっている可能性があるからです。もし「多少の飲酒も小さいながらリスクになる」としても、不健康な人が飲酒ゼロの集団に混ざれば、見かけ上は多少の飲酒群のほうがリスクが小さくなることもあります。

もちろん疫学研究の際には「健康不安のため飲酒ゼロにしている人」を排除するようにしていますが、完全にゼロにはできないと思います。本当に多少の飲酒が健康に良いかどうかを調べるには、介入試験(ランダム化試験)が必要でしょう。ただ、多少の飲酒が健康に良いとしても、あるいは逆にリスクがあるとしても、その効果はかなり小さいと思います。

飲酒はアルコール依存が大きな問題ですね。何らかの規制は必要でしょう。

shinzorshinzor 2012/04/22 08:39 たばこのリラックス効果とは、禁断症状でストレスが貯まった状態を戻しているに過ぎず、そもそもタバコを飲まなければストレスも貯まらないような気がします。

「多少の飲酒はむしろ健康に良い」というのも、それと同じ気分の効果でしかないかもしれません。血行が良くなるというような、別の効果も有るかもしれませんが、そういう場合でも別に酒でなくても良いわけで、あえて酒を選ぶのは酒飲みだからということが大きいような気がします。それに、「多少」に留めるのが非常に難しいし。

一穴一棒へテロ一穴一棒へテロ 2012/04/22 16:24 shinzor 2012/04/22 08:39 さんは書かれました:
>そういう場合でも別に酒でなくても良いわけで、あえて酒を選ぶのは酒飲みだ>からということが大きいような気がします。
わたくしの所感:
あえて研究テーマに選ぶのは酒飲みだからか、酒害者を近くで見て悩んだということが大きいような気がしてた。
http://www.shiga-med.ac.jp/db/res_show.php?P_ID=0062130669
わたし的には、31 アルデヒド脱水酵素遺伝子2多型と飲酒HDLコレステロールの関連に関する研究だったらアルコールの品質とか、注目してみたい。

kyu.kyu. 2012/04/27 01:50 わざわざ、ご回答いただきありがとうございました。
何れにしろ「多少の飲酒」の影響は益であれ害であれ、残余が疑われる交絡要因にまぎれてしまう程度のものしかないとの事ですね。
今のところ、「酒は百薬の長」とう言葉は飲む言い訳以上にはならないのですねぇ。

そういえば、単体では害の大きさで喫煙>飲酒は確定的だが、相乗効果という点ではどうだろうと思い、少し調べてみました。

http://epi.ncc.go.jp/files/01_jphc/outcome/jphc_outcome_d_004.pdf
やっぱり、かなり危険度が増すようですね。
塩分が多いツマミが交絡要因になっている可能性があるようですが、普通は酒に付き物ですからかえって含まれているほうが実態に近い気がします。

十六夜十六夜 2012/04/27 22:37 ちょっとネット環境を離れていたら、なんと1ヶ月も前の私のコメントにレスがついてる! しかも、kyu.様の添付資料は、アルコールの健康被害を始めとした酒害問題に関心をもっている私めにとって非常に興味深いものでございました。本当にありがとうございます。

また、敬愛するNATROM先生にも「『少量飲酒はむしろ健康にいい』はコンセンサスとまでは言えない」と言っていただいて安心しました。以前のエントリー(がん予防のためにできる6つの方法)では、どうもアルコールの害についてはあまり重要視されていないのではないかという印象をもっていましたので。

「少量飲酒はむしろ健康にいい」の理屈に問題があると思われるのは、NATROM先生が挙げておられた問題に加え、アルコールの持つ「耐性」の問題を無視(あるいは軽視)している可能性と、健康によいとされる「少量」の定義が個人差が激しいという点があると思われます。

前者について。例え毎日1合(日本酒換算)の「優良飲酒者」であるにしても、生涯そのペースを保っていられるかは別問題です。「耐性」の獲得(同じ量では酔えなくなる)によって酒量が増えていく危険性は決して低くはありません。現に、私の父親も、毎日ビール中ビン1本のささやかな晩酌を習慣にしていたものが、20年来の「習慣」により、徐々に酒量が増え、現在では毎日焼酎6合以上を飲まずにいられない立派なアルコール依存症患者になりました(笑)

ここのサイトでは「個人的体験は証明にならない」と一蹴されそうですが、アルコールが「耐性」の高い薬物であることは「体験談」ではなく事実です。「少量飲酒」が体にいいとしても「飲酒習慣」はつけない方がベターなのではないか、と個人的には考えています。

後者について。「少量飲酒が健康にいい」というのも、理屈上ありそうな気がします。というか、まあ「ある」としても、もちろんそうでない人もいます。まず未成年…は除外するとしても、絶対禁忌の「アルコール依存症患者」だけでなく、禁酒推奨の糖尿病患者、慢性肝炎、膵炎…その他慢性および急性の消化器疾患の患者、肝臓の代謝機能が低下している高齢者(今、定年後の依存症患者が増加傾向にあります)、あと、日本人に1割はいるALDH2不活性型の人、さらに、女性は男性の半量が推奨される…などと言い出すと、例えば「日本酒換算で2合までなら健康にいいよ」などとはおいそれと定義できません。というか、むしろ「適量飲酒が体にいい」のはものすごく「選ばれた人物」のように思います。

飲酒は「少量なら体にいい」ではなく「少量でなければ体に悪い」あるいは「少量ならそんなに体に悪くない」程度の扱いでいいんじゃないかと思います。

最後に、人間は別に健康の為だけに生きているわけではありませんから、健康に悪いことを承知し、飲酒運転など世間に迷惑をかけなければ、アルコールをたしなむことはまったく個人の自由であり権利であると思っています。ついでに私自身も愛飲家です(大笑)

2012-03-22 Togetterにて不適切なまとめを行ったことについての謝罪

[]Togetterにて不適切なまとめを行ったことについての謝罪 Togetterにて不適切なまとめを行ったことについての謝罪を含むブックマーク

私が作成した不適切なTogetterまとめについて、武田邦彦氏、および、Togetterまとめを読んだ皆様にお詫び申し上げます。以下が、問題のTogetterまとめです。


■武田邦彦の本を勧めるbot達 - Togetter(旧題:「o(^-^o)(o^-^)o 武田邦彦が教えるステルスマーケティング O(≧▽≦)O」)


私は、武田邦彦氏の本を勧める多数のツイッターアカウントをまとめた上で、「ステルスマーケティング」という言葉を用いて武田邦彦氏が関与しているかのようにタイトルをつけました。実際のところは、複数の人から指摘されたように、武田邦彦氏の本を勧めるツイッターアカウント群はアフィリエイト(商品を紹介した対価)を目的としたbot(自動的につぶやくプログラム)であり、武田邦彦氏と関係がある証拠はありません。

ツイッターアカウント群がbotであることまでは私は認識していましたが、多数のbotを作成する労力を考えるに、出版社もしくは著者より何らかの対価があるのだろうと推測してしまいました。しかし、この推測は誤りでした。出版社もしくは著者からの対価がなくても商品が売れれば、bot制作者はアフェリエイトによって対価を得られます。さらに、よしんば出版社もしくは著者からの対価があると推測できたとしても、証拠がなくステルスマーケティングと呼ぶのは不適切でありました。

以上のように、不適切なTogetterまとめは、私の誤った推測と軽率さによるものです。あらためて、あらぬ疑いをかけたことについて、武田邦彦氏に謝罪をいたします。また、Togetterまとめを読んだ読者の皆様にも詫び致します。申し訳ございませんでした。

M2M2 2012/03/22 22:38 去年大流行だった「web石原軍団」みたいですね
http://togetter.com/li/117137

junmykjunmyk 2012/03/22 23:16 や〜い!ざまあw

symbioticwormsymbioticworm 2012/03/22 23:42 「ステルスマーケティング」という言葉も有名無実に濫用され過ぎている分、その空疎さをあえて用いた意趣返し的なネタかなあと(誤解を招きかねんタイトルだとは思いつつも)解してたんですが、ほんとに勇み足でしたか。
「ネタだとしたらマジレスは野暮だなあ」と思って静観してたんですが、こんなことならここぞとばかりにドヤ顔でツッコんでおけばよかった、惜しいことをした(笑)。
しかしなとろむ先生にしては珍しい種類のミスですね。

fnorderfnorder 2012/03/23 00:24 同じく。

いやもうてっきり、分かっててネタでやっているものだと。

こんたっくこんたっく 2012/03/23 07:39 人間は、誰でも間違います。でも、間違いを認める人間は少ないものです。次回の日記に期待します。w

えとえと 2012/03/23 08:34 ネットの世界は広いんですよ。ボットをつくっている人にもわかるように考えないと、狭いなかで正しさを求めることになるんです。狭いの反対概念はオープンです。ネットはオープンの方がいいでしょ。