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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

0012-07-17 牛乳と癌のメモ

[]牛乳と癌のメモ 牛乳と癌のメモを含むブックマーク

■Dairy Foods, Calcium, and Colorectal Cancer: A Pooled Analysis of 10 Cohort Studies

10のコホート研究のメタアナリシス。カルシウムおよび牛乳の摂取は低い大腸癌のリスクと関連する。牛乳の消費量の最も少ないグループ(<70 g/day)を対照とした相対危険度は、70–174, 175–249, and ≥250 g/dayの群でそれぞれ0.94 (95% CI = 0.86 to 1.02), 0.88 (95% CI = 0.81 to 0.96), and 0.85 (95% CI = 0.78 to 0.94)。

量反応関係はありそう。交絡要因が十分に除外されているかどうかはわからない。過去の疫学研究では、牛乳と大腸癌について統計的に有意ではない、あるいは、弱い相関関係あり(牛乳摂取で大腸癌になりやすい)とのこと。



■Childhood dairy intake and adult cancer risk: 65-y follow-up of the Boyd Orr cohort

4999人のイギリス人小児のコホート研究。小児期の高い乳製品摂取は、肉、果物、野菜の摂取量や社会経済的因子と独立して、大腸癌と関連する。相対危険度2.90 (95% CI: 1.26〜6.65)。(乳製品ではなく)牛乳の摂取でも似たような傾向。

1930年代からのコホート研究。これはすごい。小児には牛乳は飲ませ過ぎないほうがいいのかもしれないが、これも交絡要因があるのかもしれない。



■Dairy consumption and risk of breast cancer: a meta-analysis of prospective cohort studies. - PubMed - NCBI

18のコホート研究のメタアナリシス。乳製品の摂取量が低いグループに対して最も摂取しているグループの乳がんの相対リスクは0.85 (95% confidence interval: 0.76-0.95)。牛乳については、0.91 (95% confidence interval: 0.80-1.02)。

乳癌と牛乳は、関連していたとしても、小さな影響しかないってことだろう。

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0012-07-13 ホメオパシーの欠点5つ

[]ホメオパシーの欠点5つ ホメオパシーの欠点5つを含むブックマーク

■Homeopathy is where the harm is: five unethical effects of funding unscientific ‘remedies’ -- Shaw 36 (3): 130 -- Journal of Medical Ethicsを大雑把に読んで要約した。

ホメオパシーのどこが良くないのか。非科学的な「レメディー」に資金提供することの5つの非倫理的な効果。


(1)ホメオパシーも一番良くないところは、患者さんが標準医療の代わりにホメオパシーを選んでしまうところ。軽い病気でも余計な苦しみを与えることになるし、重病ならなおのこと。

(2)ホメオパシーが非倫理的な理由の二番目は、公的な医療費を無駄に使わせること。ホメオパシーは安いかもしれんが、もっと他に有効な治療に使った方がいいじゃん。

(3)三番目は、患者に嘘をつくところ。患者に本当のことを伝えると、おそらくプラセボ効果は失われる。

(4)四番目は、科学や医療に対する一般的な信頼を失わせる点。

(5)五番目は、もしかしたら効果があるかもしれない代替医療にとっても迷惑である点。ホメオパシーは、単に標準医療より劣っているだけでなく、他の代替医療よりも劣っている。

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0012-07-11 このエントリーを含むブックマーク

■やっぱり 抗がん剤は効かない!? - Togetterへコメントしようとしたら、コメントが閉じられていた。せっかくコメントを書いたのでメモ。



【なぜ人は他人をかくも激しく批判するのか?】。ですよね、標準医療を激しく批判する人の動機が気になります。具体的に何に対して何が効くのかについては、主治医に聞くか、あるいは論文等を調べるのが良いと思います。



岡田医師や李医師の主張に対しての具体的な反論が必要でしたら、私のブログのコメント欄などで質問していただければ、答えられる範囲内で答える努力をします。一言で反論するとしたら、「検診にも有効なものもあれば、無効なものもあるだろ」です。




「標準で万策尽きたと言われてから食事療法などの生活改善で治った」というエピソードはちまたであふれていますが症例報告ではほとんどないのは別に不思議じゃないですね。「標準医療を忌避して悪い結果になった」という点はエピソードも症例報告もあります。

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0012-07-06 家庭での火の使用は肺癌のリスクになる

[]家庭での火の使用は肺癌のリスクになる 家庭での火の使用は肺癌のリスクになるを含むブックマーク

能動喫煙は肺癌のリスクである。受動喫煙も、リスクとしては大きくないが、やはり肺癌のリスクになる。以前、蚊取り線香も肺癌のリスクであるという論文を紹介した。要するに煙は肺癌のリスクということであろう。今回、中国において暖房もしくは調理に関連した家庭内の石炭の燃焼が肺癌に関係するという論文を読んだ。


■Household coal use and lung cancer: systemat... [Int J Epidemiol. 2011] - PubMed - NCBI


25のケースコントロール研究のメタアナリシス。ケースが10142人、コントロールが13416人。まあ予想通り、石炭燃焼は肺癌のリスクとなる。OR 2.15 (95% C.I. 1.61-2.89)とあるから、能動喫煙よりはリスクは小さいが、受動喫煙よりは大きい。


石炭だからリスクがあるというわけでもない。以前、喫煙と死産もしくは流産との関係を調べていたときに、インドあたりの研究で、喫煙のほかに家庭内での火の使用(料理の際のバイオ燃料)について述べられていた。地域によっては、家庭内での火の使用が健康リスクとして認知されているのであろう。


■Cooking smoke and tobacco smoke as ... [Int J Environ Health Res. 2005] - PubMed - NCBI


"Cooking oil vapor" (調理用油)もリスクになるとのこと。料理人とかか?

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0012-07-02 医療ネグレクトについてのメモ

[]医療ネグレクトについてのメモ 医療ネグレクトについてのメモを含むブックマーク

代替医療批判に対して、『最近の日本では「命が絶対大事教」が権勢を誇っている』『敬虔なキリスト教徒なら「神に召された」と考えるでしょうね』などと主張する人がいた。文脈からは、「日本では代替医療によって子供が死んだら大騒ぎするが、海外では「神に召された」と考えるであろう」というようなことを言いたいらしい。ホントかな?

私の認識では、医療ネグレクトの認識においては日本は後進国で、他の先進国では医療ネグレクトに対する法的介入の制度は日本よりも整っている。


■児童虐待への法的対応と親権制限のあり方

日本民法の親権法は,前述したように,きわめ

て広範な権限を親権者に認める点と,親権者の親

権行使に公的介入をする準備がない点で特徴的で

ある。西欧法では親権者の重要な代理行為にあら

かじめ裁判所の許可を要件とするのが一般的であ

るが,日本法には西欧法にみられるこのような子

の保護規定がない。


Pubmedで検索してみると、アメリカ合衆国において、1989年に既に、白血病のため輸血が必要な17歳の子の輸血拒否に対し、国が臨時の代理人を任命して輸血を承認したケースがある。

■In re E.G. [North East Rep Second Ser. 1989] - PubMed - NCBI


「輸血しないと死ぬ」というような生き死にがかかっているケースではなく、予防接種拒否のような「マイルド」な医療ネグレクトに対して、オーストラリアは厳しかった。「州最高裁が両親に予防接種を受けさせるよう命令した」そうだ(■B型肝炎ワクチンとホメオパシー)。日本では考えられない。

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