NATROMのブログ

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検診は有効?

■Participation in health check-ups and mortality usi... [Prev Med. 2010] - PubMed - NCBI

検診の有効性について。サマリーのみ読んだ。非介入のコホート研究。40歳から79歳の48775人の日本人が対象。11年間フォロー。交絡要因補正のため"Cox proportional hazard models"を使用した。検診に使用した傾向をマッチされたコホートの解析も行った。対照と比較して、すべての原因による死亡および心血管疾患による死亡の補正後のハザード比は、男性でそれぞれ0.74(0.62-0.88)、0.65(0.44-0.95)、女性で0.69(0.52-0.91)、0.61(0.36-1.04)。傾向をマッチさせたコホート解析でも同様の関係が観察された。


NATROM感想。エビデンスレベルは2aか。11年しか観察されていないにも関わらず、効果が強すぎような気もする。RCTをやればいいのだが、現実的には困難なので、こうした観察研究を地道に行うしかないか。