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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2004-08-31 サラダ野菜のトリビア

[][]「サラダ野菜の植物史「サラダ野菜の植物史」を含むブックマーク

cover

大場秀章著 新潮選書

「小さなサラダ植物百科を目ざしている」という本書、学名の由来や、あまりなじみのない野菜(エンダイヴやアーティチョークって知ってる?)の話など退屈な部分もあるが、キュウリやセロリやキャベツといったよく知っている野菜の話になると、「へえ」の連発である。書評用に、いくつかネタとして使おうと付箋を張っておいたら、付箋だらけになってしまった。いくつかサラダ野菜のトリビアを紹介。

もっとも日本ではサラダにも利用されるゴボウは、ヨーロッパでもアメリカでもほとんど食べられることがない。それどころか、牧場などでは一度はびこると退治に困る厄介者として、大いなる嫌われ者の雑草とされているといったほうがよい。(P80)

ゴボウに似た野菜は欧米でも利用されているが、ゴボウを食べるのは日本人だけなのだそうだ。私的には、ゴボウがキク科植物であるってのも、けっこうトリビア。

ルイ16世は、王妃マリー・アントワネットに夜会でジャガイモの花を身につけさせたり、栽培を普及させるために、畑にわざと「王侯貴族が食べる非常に美味で滋養に富むものなので、盗んだものは厳罰に処す」といった看板を立てて農民の興味を引き、夜は見張りを解いて盗みやすいようにしたというエピソードも伝わっている。(P194)

ベルサイユのバラならぬベルサイユのジャガイモ。ベルジャガ。

古代ギリシアとローマ時代には、キュウリを盛んに栽培していた。ただし、古代ローマ人たちはキュウリとメロンを混同していたふしがある。一般的には、メロンを熟したキュウリと考えていたらしい。ラテン語のcucumisは、メロンのことも指すのだ。(P142)

キュウリにハツミツかけてメロン味ってネタあったよね。キュウリには他にもトリビアがあって、

キュウリの名は「胡瓜」あるいは「黄瓜」によるとされる。前者は西域から伝えられたという来歴、後者は熟した果実が黄色になることによる。江戸時代までは完熟させたものを食べていた。(P138)

語源の「黄瓜」は聞いたことがあるけれど、完熟キュウリを食べるというのは初耳。どんな味がするのか。まずそうだけど。最後にキュウリネタをもう一つ。

余談だが、貝原益軒はよほどキュウリが嫌いだったらしく、『菜譜』(1714年)では、「是瓜類の下品也。味よからず。且小毒あり。性あしく、只ほし瓜とすべし。京都にはアキウリ多きゆへ、胡瓜を用ず」と書いていて、まさに一刀両断の感がある。また、水戸光圀も「毒多くして能無し。植えるべからず、食べるべからず」(『桃源遺事』)としている。(P145)

キュウリが嫌いな人は言い訳にしよう。貝原益軒は他にホウレンソウの悪口も書いている。それから、シュークリームの「シュー」が実はキャベツのことだったことを私は知らなかったが、妻も母も知っていた。「シュークリームに関してはオマエの100倍は知っている」という顔をされて鼻で笑われた。

こうしたトリビアだけなく、分類学、リンネによる二名法、自然史 Natural history についての記述は十分ためになった。著者の大場の専門は植物分類学で、「ヒマラヤや乾燥地帯でのフィールド研究を進める一方で、植物学史や植物画など植物文化にも興味をもつ」とのこと。ナチュラリストにはよくあるのだが、マニアックであり、奥の深い知識を持ち合わせている。大プリニウスの『自然史』や貝原益軒まで引用している。スティーブン・J・グールドのようなタイプなのだろう。

たんぽぽたんぽぽ 2004/09/01 15:51 こんにちは、たんぽぽです。

やはり、ごぼうがキク科って、意外なのね...

言われてみて、ごぼうのお花はあざみに、根っこはたんぽぽに
似ているかなって、気がついたりもするんだけど...

NATROMNATROM 2004/09/01 18:17 意外でした。ていうか、ごぼうの花を見たことありませんがな。

アザミ色の風アザミ色の風 2004/09/01 19:54 私とたんぽぽさんを合わせるとゴボウになるのか…。
アザミ色の風が何者であるかはたんぽぽさんのサイトをご覧ください。

アメリカ人はゴボウを食べないので、戦時中にアメリカ人捕虜にゴボウを食べさせた収容所の責任者は「木の根を食べさせて虐待した」ってことで戦犯裁判で有罪になりました。これもトリビア?

たんぽぽたんぽぽ 2004/09/02 11:40 うわさをすれば、なんとやら。

エラそうに知ったかぶっている、わたしも、
ごぼうのお花の実物は、見たことないのでした...

日本以外では、ごぼうはただの雑草で、野菜として栽培されてないことは、
聞いたことあるけど。(戦争裁判までは知らなかったです、はい。)

NATROMNATROM 2004/09/02 12:07 「アメリカ人捕虜にゴボウを食べさせた」って話は知っていました。おそらく「はだしのゲン」だと思って検索したらビンゴでした。

http://tmp.2ch.net/download/kako/1010/10102/1010202060.html
の26から

たんぽぽたんぽぽ 2004/09/03 14:56 あれ、もしかして、作り話なのかな...?
(さすがに、ごぼうを食べさせられただけで、有罪はないと思うので、
あったとしたら、裁判官たちの印象を少しでも悪くしようとして、
ごぼうのことも言及した、くらいかな、とも思っていますが。)

ところで、わたしのサイト、どこにあるかおわかりです...?

NATROMNATROM 2004/09/04 12:10 わかんないです>たんぽぽさんのサイト

たんぽぽたんぽぽ 2004/09/04 20:22 しからば、NAN’s BARのNo.957を、ご覧ください。

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2004-08-29

NATROM2004-08-29

[]楽しい休日 楽しい休日を含むブックマーク

日記サイトやブログを読むにつけ、他人の日常を書いた日記なんて何が楽しいんだと常々思っていたのだが、多くの場合、読んでもらいたくて日記を書いているわけではないのだってことにようやく気付いた。というわけで、週末はプールに行きました。楽しかったです。他人にはどうでもいい情報です。

参加者は、チビ、妻、父、母、私。8月28日(土)のお昼は吉塚うなぎ→かき氷@中州ぜんざい。最強。海の中道のホテルに着いて、まずはホテルのプール。チビは両腕に浮き袋をつけて結構泳ぐ。台風が近づいていて、風が強くときどき日がかげって寒く感じるときもあるが、チビは一向にプールから上がろうとしない。最終的に、温水プール(大浴場)へ行こうとさそってようやくあがる。夕食は志賀島の魚料理の店へ。海の中道から志賀島へは西方向で、みごとな夕日が見えた。さすがに地酒もそろっててブラボー。普段は車で来るから飲めないのだ。

普段は夜に花火をやっているそうだが、強風のため中止。ホテルに帰るとチビは即行で寝た。私は夜釣りへ。実は去年もこのホテルに泊まり、スズキ(25 cmくらい)をゲットしたのだ。そんときは、淡水外来魚用のヘナヘナのロッドとラインだったのだが、今回はちゃんとシーバス用のタックルを準備していった。しかしボウズ。釣ろうと思ったら釣れないものだ。風強かったし〜。

翌29日(日)は自転車を借りて海の中道公園へ。水辺のトリムと称して、浅い池とアスレチック施設がある。池にヨシノボリとヤゴ発見。チビは丸太をピョンピョンとうまいこと渡る(写真)。と思っていたら水中へ。といっても水深は10 cmもない、濡れただけ。天気も少しよくなったし、サンシャインプールへ。台風が近づいていたからか、去年よりかは人は少なかった。例によって、チビは入ると出てこない。流れるプールに延々と入っている。

ようやく次へ。ワンダーワールド(要するに遊園地)で、ミニSL機関車・ゴーカート・観覧車に乗る。チビは海の昔話館(おばけ屋敷)を怖がって近寄ろうともしない。父と母が近寄っただけでマジ泣き。あとは風呂に入って寿司屋に行った。イシダイの刺身、鯛の煮付けウマー。チビは納豆巻きをたいらげた。食べ切れないほど出た。

来年の私に業務連絡。海の中道公園には、子どもの着替えを多めに持っていくこと。できれば網と入れ物も。サンシャインプールにはレジャーシートを持っていくこと。寿司屋の冷酒は、喜多屋を頼むこと。コースは食いきれないほど出るから、子どもの分は控えめに頼むこと。以上。

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2004-08-27 てめえらもあやふやなくせして文句つけんじゃねえ

[]熱力学第二法則について議論@2ちゃんねる 熱力学第二法則について議論@2ちゃんねるを含むブックマーク

私のサイトに、熱力学第二法則は進化を否定する?ってコンテンツがあるんだけど、そこでの何気ない記述から、物理@2ch掲示板で議論に。

■ちょっとした疑問(質問)はここに書いてね36■

17 :ご冗談でしょう?名無しさん :04/08/19 01:50 ID:ydnl5TaF

九州大学の某サイトに

>熱力学第二法則は物質やエネルギーの出入りのない「閉じた系」でのみ成立する

という記述があったのですがこれは正しいのでしょうか?

「開いた系」の要素を入れると数式は成立しませんよね?

49 :ご冗談でしょう?名無しさん :04/08/19 22:04 ID:???

>>17

ttp://www.meken.med.kyushu-u.ac.jp/~tosakai/index.html

九州大学のサイトってコレか?検索したらトップに出てきたが。

メール送ってやった方がいいのかな…

しかも疑似科学を告発するような内容のサイトだし…

う、なんかまずい表現だったのか・・・?しかし、物理板でも賛否両論。

53 :ご冗談でしょう?名無しさん :04/08/19 22:33 ID:???

>>49

熱力学第2法則とエントロピー増大則を勘違いしてる気がするな。

それでも間違ってるが

59 :ご冗談でしょう?名無しさん :04/08/19 23:13 ID:xUVGyHLd

エントロピー増大則以外の形で述べられてる第二法則も、

つまりは環境まで含めた閉鎖系においてエントロピーは増大する

ってことを言ってるわけだから、九大のページは別に間違ったことを

言ってるわけじゃないだろ。

だんだん議論に。

68 :ご冗談でしょう?名無しさん :04/08/20 06:30 ID:???

(中略)

>>59

外部とエネルギーや物質のやりとりがあったって第二法則が破れるわけじゃない。

なので間違い。

69 :ご冗談でしょう?名無しさん :04/08/20 07:39 ID:???

>>68

…?

“外部とのやりとり”の要素が数式の中に出てきても成立するのか?

やりとりがあってもなくても、低温から高温に熱が移ったり、

エントロピーが減少したり、とかは滅多に起こらないだろうが。

数式の部分が成立しないと、厳密には物理法則として成立しないのでは?

数式は全然関係ない…のか?

議論を整理する101さん。

101 :ご冗談でしょう?名無しさん :04/08/20 22:29 ID:???

>>17 >>100

術語の定義が混乱しているようなので以下に定義を書きます。

開放系:系外とエネルギーと物質を交換する系

閉鎖系:系外とエネルギーは交換するが物質は交換しない系

孤立系:系外とエネルギーも物質も交換しない系(=断熱系)

因みにwikiでの熱力学第二法則の定義。

断熱系で状態変化が起こるとき、エントロピーは必ず増加する。可逆的な変化ではエントロピーの増加は0となる。(エントロピー増大の原理)

「閉じた系」の解釈ですが、件のサイトに

『物質やエネルギーの出入りのない「閉じた系」…』

との記述があったので「閉じた系」=孤立系(=断熱系)の事だと考えられます。

「開いた系」でも成り立つといっている人は、「どんな系でも熱力学の法則は成り立つ。

但し、第二法則の場合その系を含んだ大きな孤立系全体でエントロピーを考えれば良い」

といっているのでは?

言い訳いうと、閉じた系と書くか孤立系と書くか迷った挙句、「閉じた系」を採用したのだ。いろんな本に、普通に「閉じた系」ってのが孤立系の意味で使われていたんだもん。で、「閉鎖系」と区別をつけるために、「物質やエネルギーの出入りのない」という説明をつけたと。ただ、非専門家によって不適切な用語が広く使われていることは結構あるから、これはまずかったかもしれん。で、議論は続き、新しいスレが立った。

181 :ご冗談でしょう?名無しさん :04/08/22 11:41 ID:???

立てました。 いい加減このスレタイから外れて来てるので以降はこっちでやって下さい。

熱力学第二法則

http://science3.2ch.net/test/read.cgi/sci/1093142398/

それで結論は、うー、えーと、何ですか?私のサイトの記述でいいんですか?よくないんですか?とりあえず、「閉じた系(孤立系)」ってしたほうがよいような気はするが。

遠藤遠藤 2004/09/20 21:26 孤立系(isolated system):その周辺系とどのようなかたちでも相互作用を持たない系
閉じた系(closed system):系と周辺系の間の境界を越えて物質の移動のない系
それで、エントロピーの次元はエネルギー/温度であるから、熱の移動を考えないと意味がないと思います。結論として、現状の「閉じた系」がふさわしく、孤立系では誤解を招くのではないかと。(参考:基礎物理化学 上 W.J.Moore著 細谷治夫・津田坂雅子訳 東京化学同人)

遠藤遠藤 2004/09/20 22:16 読み返してみると、私は酔っ払ってますね。101さんに近い意見を言いたかったのですが、論理が無茶苦茶です。孤立系は熱の移動がない系であるとすると、孤立系内ではエントロピーは常に増加します。それ以外の系の内部では、エントロピー変化が増大するとは言えません(減少することもある)。と考えると、エントロピー増大則は孤立系としたほうがスマートですね。

※もう少し推敲してから投稿することにします、反省。

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2004-08-26 果たしてこれが日常で医学なのか?

[][]肝臓の酸素 肝臓の酸素を含むブックマーク

こないだタクシーに乗ったとき、運転手さんが「いや〜、こないだの人間ドックで、肝臓のサンソが高いって結果が出ちゃってねえ」と言ってきた。肝臓の酸素というのは、エコーガイド下で門脈および肝静脈を経皮的に穿刺・採血を行い(肝動脈は穿刺困難なので大腿動脈血で代用)、肝臓での酸素消費量を推定する検査*1のことであろう。肝機能が低下すれば肝臓での酸素消費量が低下し、健常者と比較して肝静脈血の酸素分圧が高く出るのである。って、よく考えたら肝臓の酵素(こうそ)のことでした。

[][]医師気象室発作 医師気象室発作を含むブックマーク

人工気象室では、「温度、湿度、日射、降雨、降雪、風など、自然の気象条件を実験室内で再現できる」。過酷な気象条件に曝露された場合、どのような健康障害が生じるのか予測できない。よって、実験者の健康を守るため、常に医師が待機しておかねばならない。しかしながら、その医師自身がしばしば発作を起こしてしまうのだ。って、意識消失発作(いしきしょうしつほっさ)の誤変換だったんだけど。

*1:こんな検査はありません。念のため

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2004-08-24 ピカチュウ風船

NATROM2004-08-24

[]ピカチュウ風船 ピカチュウ風船を含むブックマーク

マリンメッセでゲットしたピカチュウ風船。浮力を微妙に調節すると、音も無くゆっくりと部屋の中をただよって、それなりに面白く遊べた。さすがにヘリウムが抜けてきて、二本足で動く謎の生物(写真)みたくなった。これはこれで、なんともいえない動きをする。子どもより大人のほうが遊んだかも知れぬ。

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2004-08-23 Bonferroni の補正

[]Bonferroni の補正 Bonferroni の補正を含むブックマーク

こないだの補足。「長距離選手の遺伝子を調べたら、有意に『持久型』のタイプが増えていた」という報告に対し、ホントに?という懐疑的な見方をしたわけだ。今後もこの手の話が話題になることもあるだろうが、「ボンフェローニの補正はしたの?」と冷めた見方をする嫌な奴になろう。ボンフェローニの補正てのは、「施行回数が増えたら、それだけ偶然に有意差が生じる可能性が増すので、補正せんといけん」ってこと。以下、ヒトの分子遺伝学第二版 (メディカル・サイエンス・インターナショナル、Tom Strachan and Andre P.Read著)よりの引用。

相関研究から計算された確率は検討された数で補正しなければならない

[相関研究では]まったく相関が見つからない場合もあるし、各検定には偽陽性である危険も独立に存在する。エラーを避けるためには、補正を行う必要がある。有意水準は、通常のp=0.05ではなく、p=0.05/nとする。ここでのnは、それぞれ独立に検討した相関を解析した数である。これはBonferroniの補正(Bonferroni correction)と呼ばれる。(P317)

たとえば、4個のSNPsについて検定したら、有意水準はp=0.05ではなく、P=0.05/4=0.0125になるわけね。4つのSNPsを使用した研究では、ぎりぎりP<0.05となっても、有意とは言えない。p<0.0125となって初めて、通常のP<0.05と同程度の有意水準をクリアしたとみなす。厳しい。押田芳治教授の研究では使用した遺伝マーカーが4つだったからよかったけど、ゲノム全体の相関解析をするときには、数万個のマーカーを使ったりする。新聞などには補正前のやたらと低いP値*1が出ていたりするが、原著を参照すると補正するとやっとこさP<0.05とかいう数字だったりする。他にも偽陽性が生じうる要素があるし、こうした話はとりあえず追試されない限りは、懐疑的に見ておいたほうが無難。「ヒトの分子遺伝学」には、上記引用部分に続けて、こう書かれている。

・・・こうした厳格な補正が適用されている研究は非常に少数である*2。したがって、ある研究で報告された相関が、別な患者集団を用いた別の研究で再度確認されることは非常に少ない。



関連記事

■多重検定によるタイプ1エラー

*1:実際のP値にnをかけて補正する場合もある。4個のSNPsについて検定を行った場合、有意水準をP=0.05/4=0.0125とする代わりに、実際のPに4をかけてPを補正する。実際のP=0.01だったら、それに4をかけて、P(補正後)=0.04と考えるわけ。

*2:引用者注:1999年での話。最近は、特によい雑誌に載るものは、きちんとなんらかの補正がなされている。

2004-08-21 遺伝学者の憂鬱

[]遺伝学者の憂鬱 遺伝学者の憂鬱を含むブックマーク

■遺伝子に「持久型」 陸上選手の素質見分けるカギ?(朝日新聞)

 日本の実業団や大学の陸上部に所属する182人のアスリートを対象に、本人の承諾を得て血液やほおの粘膜細胞を採取して、筋肉を動かすエネルギー物質を体内で合成する遺伝子を調べた。

 するとこの遺伝子には、長時間運動してもエネルギー物質の供給量が落ちにくい「持久型」と、これに比べると供給が長続きしない「非持久型」の二つのタイプがあった。

 国内大会で上位に入るトップレベルの長距離選手(31人)では約20%が「持久型」だった。女子長距離選手に限ると半数が「持久型」だった。

 一方、平凡な長距離選手(108人)の場合、「持久型」は9%だけだった。また、優秀な短距離選手(12人)でも「持久型」はいなかった。タイプの差が持久力を引き出す素質に差を生み、競技成績につながっている可能性があるという。

名古屋大総合保健体育科学センターの押田芳治教授の研究。以前、遺伝学の研究をしていたこともあって、こういう記事には興味を引かれる。大雑把に言えば、病気の人のDNAと普通の人のDNAを調べて、差があるかどうかを調べる研究だ。DNA配列に差があることがわかれば、診断の参考になったり、発症機序の解明につながったりする。研究の常で明確に差があることを証明するのは困難で、「かもしれない」「示唆される」という研究が多い。この研究も同様のようである。朝日の記事だけでは、情報が不十分であり、以下の報告を合わせて考えてみる。

ミトコンドリア(Mt)DNAと身体トレーニング効果  ―エリートアスリートにみられるSNP―

押田芳治, 上原記念生命科学財団 研究報告集 Vol. 17, 2003, P92-93

http://www.ueharazaidan.com/houkokushu/Vol.17PDFdata/pp092-093oshiday.pdf

ミトコンドリアにおけるATP合成酵素サブユニットのSNPs一塩基多型)を見つけて、相関解析を行なったようだ。対照群(一般大学生)ではn=112で、「持久型」の頻度は3.6%。長距離走選手全体(トップレベル+平凡)n=139では11.5%で、長距離走選手全体vs対照群では、P<0.05といったところ。トップレベルの長距離選手vs健常対象者ではP<0.01となる。

けっこう良さげに見えるが、P<0.01とは要するに100回やれば一度ぐらいは偶然で起きうる範囲内のこと。たくさん検定を行なえば、それだけタイプ1エラー(実際に差はないのにも関わらず、統計的に有意差ありとしてしまう誤り)の頻度は増す。この手の研究でやっかいなのは、潜在的に多くの検定を行なってしまっているという点。たとえば、仮に100個のSNPsを調べたとしたら、一つぐらいはP<0.01の結果が出てしまう。調べた遺伝マーカーの数が結構重要なのだ。今回の研究では4個の遺伝マーカーを調べた。補正しても、P<0.05の有意差は残る。

それから、場合分けも潜在的な検定の数を増やす。アスリート全体vs対照群で差が出なかったら、長距離選手vs対照群ではどうだろう。長距離選手の中でもトップレベルの選手のみだったら?性別で分けてみる。年齢で分けてみる。まあ色々。極端なことを言ったら、トップレベルと平凡な選手の線引きなんて恣意的だから、もっとも低いP値が出るように線を引くことだってできるのだ。

今回の研究は、ミトコンドリアDNAの機能的なSNPsを調べているという点で有望ではある。しかし、追試で同様の結果が出ないことには、信用するべきではない。直感的には、nが少ないのにも関わらずP値が低すぎるような気がする。ということはつまり、問題となっているSNPsが結構強い影響を与えていることを示唆している。もしある表現型が多くの遺伝子に影響されているのであれば、ある一つの遺伝子の及ぼす影響は弱いはず。なので、通常の病気の相関解析は、結構nを増やさないと有意差が出にくい。通常の病気とは違って、長距離の資質が比較的少ない遺伝子によって影響されている可能性もある。とにかく、もっとnを増やした追試待ちであることには変わらない。

しかし、なんで今ごろ朝日新聞が紹介するのだろうか。研究報告自体は2003年になされている。わざわざオリンピックにあわせたのか。言わずもがなのことであるが、よしんば上記研究が追試によって裏付けられたとして、この遺伝子だけで長距離選手の資質が決定されるわけではない。



関連記事

■Bonferroni の補正

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2004-08-20 楽しい夏休み

[]ボリショイサーカス ボリショイサーカスを含むブックマーク

妻とチビとでサーカス鑑賞。サーカスなんて25年ぶりだよ。あんまりこういうの好きなほうではなかったし、まあこんなもんだろうてなところ。チビも退屈しているようだ。ていうか、「おうちかえる」とか言いはじめたよ。結局、ライオンが出てきたところで、「こわいこわい」とか言うため撤収。家に帰ってから、「ボリショイサーカス しょぼい」とか「ボリショイサーカス 衰退」とかでググってみたり。ネット上の意見をみるに、やはり、ソビエト崩壊以降、少し質が落ちたのではなかろうか。

プログラムは1000円なり。写真が暗かったり、ピントがあっていなかったり。高い。プログラムに載っている偉い人のあいさつに

”人間と友達になりたい”と思っている動物たちと触れ合えば、こどもたちの”いじめ”や”暴力”はなくなるのではないだろうか。

とあったけど、サーカスに出てくる動物たちが幸せそうには見えないのは、大人の汚れた感性だろうか。

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2004-08-19 楽しい夏休み〜高千穂@宮崎旅行

NATROM2004-08-19

[]高千穂 高千穂を含むブックマーク

露天付きの部屋をとって、非常に快適。景色はいまいちだったが、二年前に増築したとのことで、部屋も風呂もきれいだった。テレビ番組まで衛生的(写真)。風呂の温度はややぬるめ。このくらいがちょうどよい。トルマリン泉で、マイナスイオン効果が高いんだそうだ。温泉と紹介されていることもあるが、効能書きの掲示がなかったし、公式サイトでは一言も「温泉」って書いていないのだ。

[]高千穂神社 高千穂神社を含むブックマーク

早朝はあいにく雨が降っていたが、9時過ぎには止んでいた。宿のすぐ近くの高千穂神社へ。杉の巨木があり、雫が上から落ちてくる。あんまり高いので、下に落ちるまで数秒かかる。しばらく見上げていた。トトロはこういうところに住むのだろう。

[]高千穂峡 高千穂峡を含むブックマーク

雨は止んでいたが、増水のためボートは中止。代わりに遊歩道を歩いた。チビ歩く歩く。景色はきれい。 渓谷のくせに結構暑い。高千穂峡淡水魚水族館がクーラーが効いていて快適。食堂で高千穂牛定食を頼んで失敗。昨日よりうまいものが出てくるわけないのだ。チビは流しそうめん初体験。

[]高森湧水トンネル公園 高森湧水トンネル公園を含むブックマーク

チビはトンネルが大好きだ。車でトンネルを通るときは「やったあ」。通り過ぎたら「もういっかいとおる〜」。というわけで高森湧水トンネル公園。見た目入り口はしょぼい。中は涼しく、七夕の飾りやら電飾やらがずらっと。これで300円は高いなと思っていたが、一番奥にウォーターパールなるものが。「ウォーターパール」は製品名であり会社名でもあるようだ。株式会社ウォーターパールのサイトより。

ウォーターパールは、水に特殊な音波を与え球体に変化させる噴水装置と、専用特殊ストロボライトを組み合わせることによって起こす残像現象をシステム製品化した、当社独自の発明特許商品です。

1秒間に約50〜60粒の水玉を連続的に噴出し、専用特殊ストロボライトを照射することで、空中に浮かんだような完全な球体の姿を実現します。

http://www.waterpearl.co.jp/waterpearl-main1.html

水玉が静止したり、ゆっくりと落ちたり、上へ上がったりして見える。なかなか面白い。

[]草千里 草千里を含むブックマーク

阿蘇を通って帰る。草千里に寄ったが、天候が悪く、かろうじて遠めに牛が一匹いただけ。霧が出て寒かったが、ソフトクリームを食べる。前回来たときは、焼きとうもろこしを食べたあとに、芯を牛にやった。豪快な牛の食べっぷりをチビに見せたかったが残念。

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2004-08-18 楽しい夏休み〜鹿児島旅行

NATROM2004-08-18

[]さつま湖 さつま湖を含むブックマーク

さつま湖に悪い外来魚がいるという情報をキャッチしたので、早起きして退治に行く。が、ボウズ。あまり釣れる気がしない。他に釣り人もいなかったし、釣り人の落とすゴミもなかったのだ。いるのか外来魚。

[]吹上浜 吹上浜を含むブックマーク

遊泳禁止。ていうか、波が高くて泳ぐ気はしない。チビが怖がるので早々に撤収。北朝鮮の工作船が来てたそうだ。

[]平川動物園 平川動物園を含むブックマーク

一般的にはコアラが売り物。うちのチビ的には、遊園地にあったSLと路面電車がヒット。どちらもタダ。路面電車は素晴らしいことに冷房がついている。電車を運転している気分になっているチビ(写真)。SLと電車を往復して一時間は遊ぶ。コアラを見に行こうと言っても、「おしごとがおわったらね」とのこと。

ようやく歩きはじめたと思ったら、今度はウサギに引っかかる。ウサギを触ってうっとりするチビ。確かにここのウサギは手入れが行き届いていて毛並みがいい。ここでも一時間ほど時間を使う。で、コアラは思いのほかたくさんいたが、ほとんど動かないので面白くない。最後に遊園地で安っぽい新幹線(20円)に乗って終わり。

[]高千穂 高千穂を含むブックマーク

二日目の宿は高千穂。ちょっと鹿児島と高千穂は遠かった。着いたときには19時前。食事は美味いが、やはり良い日本酒がない。ワインを飲んだ。高千穂牛がやわらかくてうまかった。

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2004-08-17 楽しい夏休み〜鹿児島旅行

NATROM2004-08-17

[]温泉へGO! 温泉へGO!を含むブックマーク

夏休みなので、チビ・妻・おかんと旅行へ。今回の旅行のためにカーナビを買ったのだが、超便利である。旅行先での貴重な時間+ガソリン代を考えると、十分ペイする。ちょっと遠出して、吹上温泉@鹿児島県と、高千穂@宮崎県の二泊三日。(日記自体は8月21日に書いている。)

[]人吉でうなぎを食う 人吉でうなぎを食うを含むブックマーク

せっかくだから、初日の昼食は、人吉市@熊本県でうなぎを食う。ちょっと古い感じの店で、やたらと待たす。二時間待ちの人もいたとか。きもと骨せんべいはすぐに出てくるので、これを食べながらまたーりと待つ。店じゅうに淡水魚の水槽があるので、チビと見て回る。待たせただけあって、うなぎはふんわりしてうまかった。次は、人吉に泊まりでコース+酒でいただきたい。

[]かごしま水族館 かごしま水族館を含むブックマーク

水族館が好きで機会があればあちこち行っているのだが、数年前に行ったかごしま水族館が、これまで見た水族館の中でもっとも印象的だった。なにも、珍しい魚がいたわけではない。鰯の群れだ。入ってすぐのエスカレータを上がると、黒潮大水槽という大きな水槽(写真)があって、もちろんサメやらカツオやら大きな魚も入っているのだが、イワシの大群が泳いでいて、それが一つの大きな生き物かのようにうねっていた。ときに二つに分かれたかと思えば、また一つになり、たまに群れからはぐれたのが大きな魚に食われる。ずっと見ていて飽きなかった。

というわけで、今回もイワシの群れを楽しみにしてたのだが、今回は大水槽にイワシはいなかった。なぜだ。確かに、ジンベエザメは見ごたえがある。ただ、イワシも入れておいてくれ。中水槽にイワシの群れはいたが、その水槽にはイワシだけ。前回、イワシの群れに感動して初代館長の本を購入したのだが、その本には「同じ水槽にイワシと捕食者を同時に入れておくことで緊張感が出る」、みたいなことが書いてあったのに。まあ、イワシは残念だったが、他の展示は十分見ごたえはあった。

[]吹上温泉 吹上温泉を含むブックマーク

初日の宿は吹上温泉。ここに来るのは二度目。ここの露天風呂には、シャワーがない。シャンプーもない。石けんもないことになっているが、ひそかに一個だけあった。天然の温泉だから、石けんの使用は控えるようにとのこと。早速入ってみるが熱い。しょうがないから足だけ浸かっていると、蚊が来襲。それでも、暮れつつある鹿児島の夕焼けを見ながらの露天は素晴らしかった。後で聞くと、夏はどうしても熱くなるとのこと。水でうめると、色がついたりしてよくないらしい。夏は避けたほうが無難かも。

ここは食事がやたらと美味しい。とれたての新米をいただいた。いい酒が飲みたくなるところだが、日本酒は大関しかない。その代わり焼酎は充実している。さすが鹿児島。飲みすぎてすぐに寝た。夜中にふと目を覚まして散歩。少し雲がかかっていたが、地べたに寝っころがって星を見た。

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2004-08-16 フェルミ推定ごっこ

[][]フェルミ推定ごっこ フェルミ推定ごっこを含むブックマーク

今日のお昼はキャナルシティのラーメンスタジアムで。ラーメンスタジアムのラーメンははずれが無くどれもうまいのだ。広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由を読み始めた最中なので、フェルミ推定をやってみる。問題「日本にラーメン屋は何軒あるか」。仮定1、平均的な日本人は一月に1回ラーメン屋でラーメンを食べる。仮定2、平均的なラーメン屋は一日100食出す。仮定3、日本の総人口は1億2000万人。100人×30日(一ヵ月)=3000人が、一軒のラーメン屋がカバーしているとして、1億2000万人÷3000人=4000軒。そこそこの推定値になっているかどうか。

[]スチームボーイ スチームボーイを含むブックマーク

ラーメンの後は中州ぜんざいでかき氷。ここのかき氷は妙にうまいのだが、いったいなぜか。「ありがとう」と言って作ったきれいな結晶の氷でも使っているのか。多分、かき氷機が特別なのだろうと思っている。キャナルシティから歩いて5分。夏にキャナルシティに来る人にはお勧め。

そのあと映画。評判がいいので、「スチームボーイ」を観た。ナディアとジャイアントロボが混ざっていた。冒頭のシーンは例の原発事故を思い出したりしたり。


2004年9月7日付記 1億2000万人÷3000人=4000軒ではなく、4万軒ではないかという妻の指摘。早く言え。4万軒なら、推定としてはまずまずではなかろうか。

hiepitahiepita 2004/08/20 23:01 新横浜ラーメン博物館のQ&A
http://www.raumen.co.jp/home/faq.asp
によると
>A:中華料理店、ファミリーレストラン等含めて約20万店舗と言われています。
だそうです。ファミレスまで入れるのは何か違うような気もしますが、、。

NATROMNATROM 2004/08/21 10:29 ファミレスまで入れたとしても、20万軒と4000軒は二桁違っていますから、推定値としては不適切ですね。日本人はもっとたくさんラーメン食べているのでしょうか。

チーズチーズ 2004/09/04 13:06 http://www.ur-ron.com/html/sumilation.html
最近私がよくいく職場近くのラーメンFCのページより。だいたい客席×10前後くらいが1日あたりのラーメン杯数みたいです。
とすると、平均的なラーメン屋の客席数が分かれば平均的なラーメン杯数も分かりそう。

チーズチーズ 2004/09/04 16:48 http://www.ntv.co.jp/a-sama/20031202/t_main.html
こんなのもありました。5万店・・・きっと、平均的な日本人は月に10回はラーメン食べてるんだよ。

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2004-08-15 楽しい休日〜海水浴

[]またまた海へ またまた海へを含むブックマーク

実家に兄が帰省中ってこともあり、父・母・兄・妻・チビとで海へ。今日は海の家。8月も半ばを過ぎると、クラゲよけネットの外はクラゲがうようよ。ヤドカリ数匹ゲト。帰りにスーパー銭湯に寄って、夕食は実家でそうめんを食べた。夏休みって感じ。

[]オリンピック オリンピックを含むブックマーク

野球の日本代表対イタリアを見てたら、ホークス対ブルーウェーブみたいになっていた。

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2004-08-14 楽しい休日〜夜の動植物園

NATROM2004-08-14

[]夜の動植物園 夜の動植物園を含むブックマーク

福岡市動物園で「夜の動物園」をやっているので行く。バスでお出かけ。5時半ごろ着いて、浄水通りでお茶。6時から納豆専門店で夕食。キノコと納豆のサラダがうまかった。チビはもくもくと納豆ご飯を食べる。安上がりな奴め。18時半過ぎからてくてくと動物園へ。駐車場はいっぱいだ。ここの駐車場は少し狭いのではないか。珍しい動物といえば、イリオモテヤマネコぐらいで、あとはありきたりの動物しかいないが、それはそれで結構面白い。チビ走る走る。チビはコウモリとフクロウが好きだったようだ。フンボルトペンギン(写真)が、ゴキブリを追いかけて食べていた。

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2004-08-13 エピジェネティクスと獲得形質遺伝

[][]エピジェネティクスと獲得形質遺伝 エピジェネティクスと獲得形質遺伝を含むブックマーク

進化論と創造論の掲示板で、ちょっと前に獲得形質遺伝のことが話題になった。たとえば、「ストレス環境下では、母親が分泌したストレスホルモンが胎児に影響して、ストレスに強い子が生まれるってこともあるのでは?」という疑問。で、「そういう現象が起こったとして、孫に伝わらないと獲得形質の遺伝とは言えない。また、獲得形質遺伝があったとしても、限定されたものであって、適応的複雑さは説明できない」とか答えたはず。私は保守的で体制派でドーキンス聖職者協会の人間だから、獲得形質遺伝にはきわめて懐疑的なのだ。

ただ、まったくありえないと言っているわけではなく、限定された形での獲得形質遺伝はありうると思っている。たとえば、エピジェネティクス「DNAの塩基配列の変化を伴わずに起こる、遺伝子発現における遺伝的変化」という現象がある。DNAがメチル化されると遺伝子の転写が抑制されるんだけど、普段使わない遺伝子はメチル化しておいて、いざ環境が変化したときに脱メチル化させ、その脱メチル化が遺伝するのであれば、見た目、獲得形質が遺伝したように見える。もちろんこれは、「限定された形」であって、「適応的複雑さは説明できない」であるのには変わりないんだけど、もしそういう現象があったら興味深いよね。で、Nature Japanに興味深い記事を発見したので紹介。登録しないと読めない。元記事はLoving mothers ease stress through epigenetics, Nature Reviews Neuroscience 5, 598 (2004);

■母親の深い愛情を受けて育った子供はエピジェネティクスによってストレスに強くなる

ストレスを受けると、視床下部−下垂体−副腎(HPA)軸が活性化し、血漿中のグルココルチコイド濃度が上昇する。グルココルチコイドは、負のフィードバックループによってHPA応答を鈍化させる。生後1週間目に母親が十分に世話をしたラットが成獣になった時、海馬におけるグルココルチコイド受容体(GR)の発現レベルは相対的に高く、グルココルチコイドの負のフィードバックループに対するHPA軸全体の感受性も相対的に高くなっていた。母親による世話を受けるとGRの発現レベルが大きく上昇するメカニズムについては、これまでに複数の仮説が提唱されていた。しかし、この効果がラットの一生の間持続する過程については解明されていなかった。

遺伝子の転写調節は極めて複雑な過程であるが、DNAメチル化は、こうした過程に関与するメカニズムの1つだ。Weaver et al.の研究では、母親ラットに十分に世話されて成長したラットと母親の世話をあまり受けなかったラットにおけるGRプロモーターのメチル化を比較した。「十分な世話を受けた」グループの場合、転写因子NGFI-Aの結合部位にあるシトシンのメチル化のレベルは、「あまり世話を受けていない」グループよりも90%低かった。このシトシンは、十分に仔の世話をする母親の場合もあまり世話をしない母親の場合も生まれたての仔においては高度にメチル化されているが、母親の十分な世話を受けた仔(この母親の仔でないケースも含む)の場合には、生後6日以内にメチル化のレベルは低下し、その後も低いレベルが続いた。また、メチル化レベルの低下とNGFI-AとGRプロモーターとの結合の増加とが相関していた。NGFI-AとGRプロモーターとの結合が増えるとGRの転写が増えることが予想される。

そのあと、「あまり世話を受けていない」ラットに、DNAメチル化を抑制させる薬剤(トリコスタチンA)を使用し、グルココルチコイド受容体(GR)の発現量が増加したことまで確認している。この例は個体発生の例だから、獲得形質の遺伝とは言えない。子孫に伝わらないのにエピジェネティクスと呼んでいいのかとも思ったけど、「娘細胞に伝達される遺伝子機能の変化」もエピジェネティクスに含めるようなのだ。哺乳類の場合は、DNAメチル化による獲得形質遺伝の可能性はきわめて低いと思われるが、上記引用した事例を見るに、「限定された形」であっても獲得形質の遺伝はあるかもしれないと思うよね。単細胞生物だったら、アリアリだと思うのだ。

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2004-08-12 問題文はよく読もう 献血ルームにて

[]不特定の相手と性的接触 不特定の相手と性的接触を含むブックマーク

研修医のころ、献血ルームでアルバイトをしていたことがある。血圧を測って、問診して、献血できるのかどうかを判断するのだ。判断といってもマニュアル通りにやるので、実は誰でもできる。献血中に血圧が下がったり、気分が悪くなったりする人もいるので、医師を1人確保しておく意味合いもあったのだろう。ただ、そのような事例に遭遇したことはなかったが。

問診で献血をお断りする理由は、薬の服用が多かった。薬の種類にもよるが、薬を飲んで3日以内の人は献血できない。たとえば、風邪などをひいて薬をのんでいた、というケース。もう治ったから献血に来た、という場合でもお断り。持病がある人も献血できないのであるが、もともと献血に来ようかという方は健康な人が多いので、そうはいない。まれに「以前、輸血をしていただいたので、恩返しに」という方が来るが、輸血歴のある方もお断りすることになっている。不特定の異性と性的接触をもった人も、性感染症の恐れがあるためお断り。問診をする上でいつも疑問に思っていたのが、そのような項目に正直に「はい」と答える奴がいるのか。とういうわけでこの記事。

■HIV感染可能性の血液出荷、2人分を輸血に使用(読売新聞)

 日本赤十字社の献血者情報を管理するコンピューターシステムの不具合で、HIV(エイズウイルス)に感染している恐れを否定できない献血者の血液4人分が今年7月以降、誤って医療機関に出荷されていたことが11日分かった。

 このうち2人分は既に輸血に使用され、残り2人分は未使用で回収された。日赤は同日午後記者会見を開き、経緯を説明する。日赤は、HIVに感染した血液が病原体検査をすり抜ける恐れをできるだけ排除するため、献血時の問診で「不特定の相手と性的接触を持った」などと回答した人の採血を断っている。こうした問診情報は、コンピューターシステムに記録され、同一人物が1年以内に再び訪れても、献血の対象から外している。

 しかし、7月にシステムを更新した際、問診結果が適切にコンピューターに反映されなくなった。このため、本来は献血の対象とならない人から採血してしまったという。誤って採血された血液は献血者8人分だったが、このうち4人分は出荷前に差し止められ、残り4人分が出荷された。

「HIVに感染している恐れを否定できない献血者」って言うなら、すべての献血者がそうだよなあ、とも思うが、日本赤十字社はできるだけ安全な血液製剤を供給する義務を負っているのだ。かようなミスはまずい。それにしても、「不特定の相手と性的接触を持った」と正直に回答するする人もいるんだね。正直っていっても、次の献血のときはウソついたんだけど。

実は、一度だけ、「不特定の相手と性的接触を持った」に、「はい」と答えた人がいた。夫婦で来られていた40歳台の女性。おばちゃんではなく、奥様という感じの上品な人だった。問診表を見てびっくり。恐る恐る聞いてみると、どうやら、「不特定の」という部分を見落としていたらしい。ご本人は真っ赤になっていたが、旦那さんは大笑いしてた。


2004年8月23日付記id:alchymiaさんの指摘を受け、第二段落の「特定の異性と性的接触をもった人も」→「不特定の異性と性的接触をもった人も」に訂正。オチがオチだけに、この間違いはよろしくなかった。ありがとうございました、alchymiaさん。

alchymiaalchymia 2004/08/23 11:05 はじめまして、科学ニュースでgoogle検索をして来ました。とても分かりやすくて、自分で解説を書く必要がなくなってしまいました。ところで、重箱の隅をつつくようで申し訳ないのですが、上の記事の第二段落5行目の「特定の異性と性的接触をもった人も、性感染症の恐れがあるためお断り。」というのは「”不”特定の〜」でしょうか。

NATROMNATROM 2004/08/23 11:26 訂正しました。奥様と同じ間違いをしてしまいました。

kobakoba 2004/10/01 11:32 何人以上が不特定なんですか?って聞かれたことあったなぁ。

s0j1s0j1 2015/09/10 10:04 奥様かわいい

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2004-08-11 スパムウォッチ〜何が上手なんだろ?

[]スパムウォッチ スパムウォッチを含むブックマーク

■42247 / inTopicNo.1)  マジ上手な人募集デス!!

□投稿者/ アミーゴ★ 兄弟姉妹(1回)-(2004/08/11(Wed) 11:52:42)

ホントに上手い人っていない?ただやりたくてテクありとか言ってるけど

ぶっちゃけか〜なり期待はずれ…マジなめとんかーって感じで…(笑)

こんな私を満足させられる自信ある殿方はメールしてきて!

ありがちなスパム投稿なのだが、投稿先が、ICF FORUM(インターネットクリスチャンフォーラム)の掲示板。キリスト教徒の人たちが集まるところなのだ。キリスト教の中でもリベラルな人が多いようだが、それでもこんな書き込みに反応する人なんかいるはずがない。ほんと、スパマーってのは何も考えてねえな。ていうか、メールアドレス書いていないんだが。

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2004-08-10 血液型差別はすなわち遺伝子差別である

[][]遺伝子差別する教育評論家 遺伝子差別する教育評論家を含むブックマーク

血液型と性格・行動に関係があるとする考え方は根強い。血液型と性格の関係については、科学的な根拠に乏しいことを、遺伝学からみた血液型性格診断で既に指摘してある。占いにとどまるのならまだしも、教育に応用していることを無批判に伝えている記事を発見したよ。


■「血液型」を保育に活用 阿部氏が具体例報告*1(琉球新報)

 阿部氏はまず「日本人は血液型の話が好きだが、教育に生かしてこなかった」と指摘。自身がかかわる保育園で20年前から血液型を保育に活用、効果を挙げていることを具体的事例を基に説明した。

 これまでの調査で、血液型と園児の行動様式に因果関係があることが分かったと指摘。教室内で自由に座らせると、B型の子は「先生の前に」、A型の子は「窓際や廊下など端の方に」、O型は「真ん中で群れになって」、AB型は「一番後ろ」など血液型により顕著な違いが表れたという。

 O型は肩をなでるなどのスキンシップを好むなど、それぞれの血液型に特性があり、それらを活用することで園児一人ひとりが楽しく園生活を送れるようになったと成果を披露した。

阿部進氏は教育評論家であるとのこと。テレビ番組などの元ネタになっているようだ。「これまでの調査で、血液型と園児の行動様式に因果関係があることが分かった」とあるが、こうした調査では容易にバイアスが入り込むことは既にわかっている。たとえば、血液型と行動に関係があるという思い込みが、園児が予想通りの行動をとったことのみを記憶してしまう認知バイアスなど。他にもいろいろある。どのようなバイアスがありうるのか、そのバイアスを排除するにはどのように実験をデザインするべきなのか、を考えることは、よい頭の体操になる。

バイアスを排除した研究はけっこう手間がかかるのだが、阿部氏はそこまでしているのだろうか。もししているというのなら、私立幼稚園連合会九州地区会などではなく、きちんとした科学雑誌に発表するべきだ。数万あるヒトの遺伝子のうち、たった一つの遺伝子が行動様式に顕著な違いをもたらしている!NatureやScienceが狙えると思うぞ。でも、阿部氏はバイアス入りまくりの粗雑な研究しかしてしていないよ、きっと。自然科学の素養もなさそうだし。

付け加えるならば、血液型を利用した保育の問題点は、科学的根拠に乏しいことだけでなく、本質的には遺伝子差別に他ならないということだ。「個人の遺伝情報を保育に活用、効果を挙げている」と書き直したらよくわかるだろう。よしんば、ある遺伝子が行動に影響を及ぼしているとしても、その情報を利用することの是非は厳しく問われなければならない。阿部氏はいいことも言っている。

阿部氏は血液型だけでなく、子どもの行動をじっくり観察しそれぞれの個性を把握すれば、個々に応じた接し方が可能となると指摘し「一人ひとりの生徒にあった対応をすると、みんなの先生ではなく、わたしの先生と思うようになる」と特性に合わせた接し方の大切さをユーモアを交え紹介した。

「子どもの行動をじっくり観察」するのであれば、はじめから血液型を保育に活用するなど必要なかろうに。個人を見ずに、その個人が属している集団(人種とか性とか国籍とか血液型とかね)のみを見る事が差別のはじまりなのだ。

*1:URL:http://www.ryukyushimpo.co.jp/news01/2004/2004_08/040806m.html

ココココ 2005/10/04 17:02 「個人の遺伝情報を保育に活用、効果を挙げている」
これが問題だというが保育を医療に置き換えれば正しい行為になるわけ?
どっちも役立つならいいんじゃないの。そりゃ科学的根拠は必要だとは
思うけどさ、医療だって科学的根拠を得る前にも人を使って治療実験を
してるわけだろ。差別を助長するっていうけど、そんな科学的証拠があ
るの?かえって隣の人の特徴・違いを理解し合えることで差別を防ぐと
いう別の結論だってあり得るんだよね。

NATROMNATROM 2005/10/04 17:34 個人の遺伝情報を医療に使用するのはいいのか?→場合によってはいい。しかし、その情報を第三者に漏らしては駄目だし、本人の同意が必要。

医療も治療実験をしている→インフォームドコンセントをとっているし、ヒトに応用する前に動物実験レベルで証拠は集める。科学の素養のない人間が安易に遺伝情報を保育に使うのとは次元が異なる。

差別を助長するっていうけど、そんな科学的証拠があるの?→科学的証拠ではないが、血液型差別の事例はある。そんなもんに「科学的根拠」を要求するなんて、ココさんは科学信者なのですか?

特徴・違いを理解し合えることで差別を防ぐという別の結論だってあり得る→「【○○人は生まれつき頭が悪い。】でも、そうした特徴を理解することで差別を防げるんだ」という結論もあり得るとお考えで?【】内に、さまざまな差別的な主張を入れてみよう。よしんば、【】内の主張が事実だとしても、それは一般的な傾向を示しているだけであって、目の前の個人にあてはまるとは限らないのだ。ましてや、【】内の主張に科学的な根拠がない場合の問題は言を待たない。

ココココ 2005/10/05 13:30 原爆小頭症の人のことを理解したらそれは差別を助長することになるだろうか? 周りがその人が変わり者であることの本当の理由を知らず単なる変わり者だということになればかえって当人は不利益を被り差別を助長するだろう。
ところでおれはあなたよりどうやら頭が悪そうだ。しかし、それを他者がはっきり理解した結果、どんな差別を受けることが現実に想定されるだろうか、おれに対する差別が助長され、差別されることは正当かされるだろうか。しかし、そうはなるまい。如何なる理由で頭が悪い人も差別されるべきではないというのは既に社会通念だし、頭が悪いことがはっきり理解された結果により差別が助長されるとはいえないのではないか。ではある人が生まれつき頭が悪い、その特徴が理解されることにより、差別を防止するどころか、助長するというのは如何なる理由だろう?

NATROMNATROM 2005/10/05 15:35 差別の問題は、集団の特徴を個人の特徴とすりかえてしまうことにあります。ココさん個人の頭が悪いことによって待遇に差がついた(たとえば就職できなかった)として、それは差別ではありません。ココさん個人の頭が悪さを他者がはっきり理解したら、待遇に差がつくでしょうね。ここで問題にしているのは、【日本人は頭が悪い】というだけで、ココさん個人の能力の有無に関わらずココさんが就職を断られるようなケースです。これは、【】内の主張の真偽にかかわらず、差別です。

で、血液型を保育園に活用している阿部氏は、要するに【O型は肩をなでるなどのスキンシップを好む】という情報を活用してたってこですよね。よしんば【】内が事実であったとして(事実じゃないのだけれども)、O型でもスキンシップを好まない子もいれば、非O型でもスキンシップを好む子もいるでしょうに。原爆小頭症の例を挙げておられますが、原爆小頭症の中にもさまざまな個人がいるわけであるけれども、そういう個人差を抜きに「原爆小頭症の人は○○だ」という決め付けたら差別でしょ。

「あくまで統計的な傾向にすぎない」ってことをちゃあんと理解していれば、そういう決め付けもなく、よって差別も起こらないという反論が予想できますが、血液型と性格に相関があるって信じている連中が、そうしたことを理解していますか?それが理解できるようなら、血液型性格診断などというトンデモには引っかからないように思うのですが。

ココココ 2005/10/05 18:11 おれの待遇に差がつくことは差別ではないよね。待遇に差がついても個人が頭が悪いことがはっきりしたことにより差別されているとはいえない。差別も助長されているとはいえない。

あの集団に属していたとしても個人の評価は個々に行われ客観的で合法的なものであれば差別にならない。逆に個人の評価を無視して集団の傾向だけで判断すれば差別となる。つまり、ある集団がどういう傾向があるということをはっきりさせるのは差別ではない。

個人差を抜きにせずに原爆小頭症を理解すればよいだけでは?
遺伝情報は個人情報。どんな遺伝子を持っているかもその人の個性。その遺伝子がどういう傾向があると知ることはその人の個性の一端を理解することになる。

NATROMNATROM 2005/10/05 19:56 「ある集団がどういう傾向があるということをはっきりさせるのは差別ではない」って、まったくソノトオリですネ。で、ココさんは、元々のエントリーの何が気に入らなかったのですか?傾向をはっきりさせることと、その情報を利用することは、また別ですよ?【ある遺伝子Aを持つ人々がある疾患にかかりやすい】ことをはっきりさせることは別にいいでしょう(それでもインフォームドコンセントは必要だけど)。で、【】内が事実だとして、生命保険に入れるかどうかを審査するときに遺伝子Aの有無を活用することは、無条件に「理解が深まる。いいことだよねえ」で済ませられますか?

研究することを問題にしているのじゃないの。遺伝情報をむやみに利用することを問題にしているの。まったく利用するなって言っているんじゃないんだよ。メリットがデメリットを上回りそうなら使うのはかまいません。たとえば、遺伝子Aの有無は医師にとって有用な情報でしょう。それでも、遺伝子Aを調べるにはインフォームドコンセントが必要だし、得られた情報は他の人に漏らしちゃいけないし、そもそも遺伝子Aを調べて臨床応用していいかどうかは議論があってしかるべき。そういう心配りもせずに、「遺伝情報を活用して効果を上げた」って無邪気に書いているのがダメダメだよな、って言っているのです。

ココココ 2005/10/05 23:57 生命保険の審査で遺伝情報が利用されるかどうか倫理的に許されるものなのかどうか現時点では個人的には分からない。ABO血液型も遺伝情報の一つではあるだろうが例えが飛躍しすぎだ。ある遺伝子Aを持つ人々の疾患比率が非常に高く保険審査に影響するほど比率が高い場合があったとら、確かに遺伝情報は慎重に活用すべきものだろうが、それがABO血液型の保育園の活用でそこまでいうのは極論だ。

この保育園の例では、園児が不利益を被っている実態として遺伝子差別があるといえるのかどうか。園がこういう方針であることを当然保護者は知っているだろうし個人情報は問題ないだろう。この園で育てられた園児が現に不利益を被っていたり、将来もその受けた保育のせいで何らかの不利益があるという相応の根拠がなければ差別とはいえないだろう。とりあえず現時点では当事者たちは不利益があるとは思っていないわけだし、後々のことまで調査した結果でもあるというなら話は別だが、そうでなければ予断といわれても仕方あるまい。

NATROMNATROM 2005/10/06 08:51 「確かに遺伝情報は慎重に活用すべきもの」という主張と、「ABO血液型の保育園の活用でそこまでいうのは極論だ」という主張が矛盾しています。なぜなら、ABO血液型は遺伝情報だからです。よしんばABO血液型と性格に関連があるとしても(あるとしたらなおさら)、ABO血液型の利用には慎重になるべきです。慎重に活用すべき遺伝情報の中で、いったいなぜABO血液型だけは慎重さがなくてもよい理由を明示してください。

「当然保護者は知っているだろうし個人情報は問題ないだろう」って、ちゃんとインフォームドコンセントはとっているんですか?倫理委員会は通したの?「当人たちが不利益があると思っていないからいいや」で、遺伝情報をこんなに杜撰に扱ってもいいものですか?

「九州大学医学部は、99年春に福岡県久山町民約2000人から採取した血液を使って無断で遺伝子解析を実施した」
http://www.fine.bun.kyoto-u.ac.jp/newsletter/n02a2.html

っていう事例があったのです。久山町民に不利益などないのですが、これはOKなので?「後々のことまで調査した結果」を言い出すのであれば、まさしく、「血液型」を保育に活用している人たちが、後々のことまで考えていたのかどうかを問題にしないのはなぜですか?園児が大きくなって、「自分は血液型を他人に知られたくなかった」と思うようになるかもしれませんよ。

ココココ 2005/10/06 15:25 病気と密接な遺伝子情報を慎重に扱うべきとする例でもってABO血液型の保育も慎重にすべきというのが極論である。それは慎重さとは利益・不利益との関わりで判断すべきだからだ。だからこそABO血液型を保育に活用することに於いて園児とその将来にどんな不利益があるのか根拠を以て説明した上でないと予断ではないかと述べた。
血液から”無断で”遺伝子解析という例はこの保育の例とは関係ないだろう。ちなみに不利益なしと判断したのが町民ならば致し方あるまいがそもそも無断なのでは町民が判断しようがない。
この保育園内で活用した園児のABO血液型が第三者に知られるというのはどういう状況を指しているのだ。個人情報保護法に抵触するようなことをしていると?

NATROMNATROM 2005/10/06 17:11 つまり、ココさんは「病気と関係する遺伝子の扱いは慎重になるべきだが、性格と関係する遺伝子の扱いは慎重にならなくてもよい」とお考えなわけですか?私は、病気や性格に関係しようがしまいが、遺伝子は究極の個人情報であり、その扱いは慎重になるべきであると考えますが。ココさんはどうして表現型によって取り扱いを変えるのか、その基準を根拠をもって説明してください。それに、賛成する側が、まず、「ABO血液型を保育に活用しても園児にどんな不利益もない」ことを根拠をもって説明すべきなのではないですか。遺伝子の研究をするときには、研究する側がそのような説明責任を負いますよ。だいたい、どのような不利益がありうるのかについて、ココさんはまったく想像がつかないのですか?

「この保育園内で活用した園児のABO血液型が第三者に知られるというのはどういう状況を指しているのだ」→この保育園では他の園児に血液型を知られないようにしているのですか?「血液型ごとのグループに分けて」保育をしているようですが、他の園児や園児の親に血液型が丸分かりでしょう。ココさんが、それのいったいどこが問題なのか多分ご理解いただけないでしょうが、まさしくどこが問題なのか理解できない人が結構いること自体が問題なのです。無断で久山町民の遺伝子解析をやっちゃった研究者は、やばいと思いつつやっちゃったのではなく、どこが問題なのか理解せずにやっちゃんたのだろうと思います。「町民にどんな不利益があるのか根拠を以て説明した上でないと予断ではないか」とぐらいは述べたかもしれません。

ココココ 2005/10/06 18:01 表現型によって取り扱いを変えるのかについては、保育園の関係者ではないし、保護者でもないので、どんな利益・不利益があるかは分からない。園の説明を知りたければおれではなく園の関係者から公式の説明を受けるべきだ。園児に不利益が及ぶから差別である断定する方がその根拠を示せないのに何を問題視するのか理解に苦しむ。民事だから問題があるという方にも立証する責任があるのではないか。刑事の場合は完全に検察側に立証責任がある。不利益について想像がつかないが、仮にあたなのように想像がついても想像を根拠にして差別というわけにはいかない。
園児同士や親が血液型を知るかどうかは、それは了解済みであるはずだ。

NATROMNATROM 2005/10/07 09:15 「保育園の関係者ではないからわからない」→えっとね、「病気と関係する遺伝子の扱いは慎重になるべきだが、性格と関係する遺伝子の扱いは慎重にならなくてもよい」としか解釈できないようなことをココさんが言ったのです。だから、「なんで病気なら慎重になるべきで、性格なら慎重でなくてもいいの?」と私はココさんに聞いたのです。自分の主張に責任を持とうね。

「園児に不利益が及ぶから差別である断定する方がその根拠を示せないのに何を問題視するのか理解に苦しむ」→無断で遺伝子解析した研究者も、「町民に不利益が及ぶ根拠を示せないのに何を問題視するのか理解に苦しむ」って言ったでしょうねえ。だいたい、根拠として、血液型差別の事例はある旨、すでに述べたではないですか。もっと詳しい説明が必要ですか?

「民事だからよい」「了解済みであるはず」→だったら、ココさんは、生命保険会社が遺伝子によって保険料に差をつけても問題はないとお考えなわけですよね?刑事ではないわな。保険会社はこう言うでしょう。「当社のお客様は、遺伝子によって保険料に差がつくことを了解済みです。不利益を被るお客様がいるから問題だ?民事だから問題があるという方に立証する責任があるですよ」。

以下の質問に明確に答えてください。

1. 「遺伝情報は慎重に活用すべきもの」という点については同意が得られましたが、遺伝情報であるABO式血液型については、ココさんは慎重さがなくてもよいとお考えなようです。いったいなんでまた、ABO式血液型だけは特別扱いなのですか?

2. 遺伝情報を活用するのであれば、活用する側に将来起こりうる問題点がないかどうかや、現在得られている科学的な知見について正しく説明する責任があることには同意できますか?たとえば、「久山町民の遺伝情報から疾患感受性遺伝子を研究したい」という研究者は、久山町民に、研究の意義や現在の遺伝学的な知見について説明する責任があります。このときに、科学的に正しくない説明をするとNGですね。血液型を保育に活用したいのであれば、保護者に説明する責任があります。

ココココ 2005/10/07 10:28 保育園で園児にどんな不利益が発生したことをもって差別であるとしているのかを問うている。それ以外のことはでコメントしているわけではないをことまず確認しておく。
どんな例をもってしてもこれを直接説明できないければ意味がない。
無断で遺伝子解析した研究者の例は、無断なのだから同様の例にもならない。この保育園の具体的な差別がどういう根拠であるかということと何の関わりもないことだ。
生命保険会社の例もしかり。保険料に差をつけることに倫理的問題があるかもしれないが、そんなことは今議論していない。それは遺伝情報での保険料差別をテーマとして別に議論したい人とすればよかろう。

ココココ 2005/10/07 11:33 一つ、誤解があるようなので指摘するが性格なら慎重でなくてもいいと考えているわけではない。
保育園がABO血液型を活用する慎重さとは園児に対して不利益が及ばないようにする慎重さという意味だろう。だからどのような不利益があるのかにより慎重さも変わってくる。その不利益とは何かを明らかにせずに慎重さに欠けているからそれは差別だというのはおかしいのではないか。

NATROMNATROM 2005/10/07 12:06 ABO式血液型だけ特別扱いする理由も、遺伝情報を活用するときに説明責任の所在についても、答えることができないのですね。

「保育園で園児にどんな不利益が発生したことをもって差別であるとしているのかを問うている」→ココさんの理解が駄目なのは、不利益が発生したことを証明しないと、差別であると第三者が指摘できないと思い込んでいるところですね。違うんですよ。遺伝情報を活用する以上、利益が不利益を上回ることを説明する責任があるのは、保育園側なのです。そのことをはっきりさせるために、説明責任の所在について質問したんですが、答えなしでした。答えられるわけないからしょうがないですが。本来は、こっちは保育園が説明責任を果たしていないことを指摘するだけでいいんですが、ココさんにもわかるように次の段落でどのような不利益がありうるのか、説明しましょう。

「その不利益とは何かを明らかにせずに慎重さに欠けているからそれは差別だというのはおかしいのではないか」→そりゃ、ココさんが遺伝子差別に鈍感でどういう不利益があるのか理解できていないだけです(無断で遺伝子解析しちゃった研究者のようにね)。いっくらでも例は考えられるけれども、軽微な例では、たとえば、「隣の人の特徴・違いを理解し合えることで差別を防げる」と無邪気に思い込んでいる桃子ちゃんのお馬鹿な母親が、「健太君はB型だから××なのよねえ」などと言われて健太君が嫌な思いをするかもしれません。

http://www.chironoworks.com/ragnarok/psychology/log/eid23.html
の「ブラッドタイプ・ハラスメント」の項を参考にしてください。「セクハラだってするほうの人間は嫌がらせだなんて微塵も思っていません」ってところで、ココさんがご自身の鈍感さを自覚できればいいのですが。私のエントリーは、ココさんのような「どのような不利益があるの?」という鈍感な人がまだまだいっぱいいるねえ、って嘆いているんですよ。

そうそう、不利益が何かってことをしつこく聞いていますが、じゃあ、利益って何があるんですか?私は、利益はゼロだと思うのですが。血液型と性格に活用できるほどの大きな相関が仮にあったとしても、上記批判は成立しますが、実際には、そんな相関は存在しません。もしかして、ココさんは、血液型と性格に大きな相関が存在するって信じていらっしゃるのですか?利益/不利益のトレードオフの話をするならば、利益について説明責任が生じますよ。

ココココ 2005/10/07 12:54 たとえの桃子ちゃんの母親の発言は母親の責任でありで、保育園の責任にはならないのでは。
あなたは母親の責任なのに保育園の責任にして保育園が差別していると述べていることになる。

利益はゼロでもそのままなら園児に不利益が及んでいることにならず差別にはならない。
よって不利益しかないから差別であると述べているわけだな。
尚更、具体的にどんな不利益を園児が被っているのか根拠をもって述べた上で差別であると主張すべきだ。

NATROMNATROM 2005/10/07 16:09 ABO式血液型だけ特別扱いする理由も、遺伝情報を活用するときに説明責任の所在についても、血液型と性格の強い相関の科学的根拠についても、やっぱり説明がありません。ま、説明できないんだからしょうがないんですがね。

「桃子ちゃんの母親の発言は母親の責任でありで、保育園の責任にはならないのでは」→ははあ、その理屈でいくと、社会的に差別を受けるであることが予測される個人情報を漏らし差別が起きたとしても、それは差別した人の責任であり、個人情報を漏らした人の責任ではないってことになりますなあ。なに?個人情報を漏らしてもよいという了解済みだったらよい?でも、血液型が個人情報であり、遺伝情報であり、差別に用いられて、さらにつけくわえて血液型と性格の相関に科学的根拠がないってことを、きちんと説明された上で同意していたんならともかく、そうではないんでしょ。インフォームド・コンセントってのは、正しい情報を提供された上でないと有効ではないのです。かの保育園の保護者たちのコンセント(同意)はとっていたかもしれませんが、インフォームド(正しい情報を与えられた)されていないので、有効な了解ではありません。お分かりですか?だいたい、阿部氏の保育園は桃子ちゃんの母親のようなお馬鹿な大人を再生産するような教育でしょう。

健太君がもうちょっと大きくなって、(桃子ちゃんのお母さんのようなお馬鹿な大人と違って)血液型と性格の相関に科学的な根拠がないこと、にも関わらず世間ではさも関係があるかのように扱われていること、B型はマイナーであるがゆえにネガティブなイメージがついていること、自分の血液型を知られて欲しくはなかったことに気付いたとしましょう。園児の中にもココさんと違って頭の良い子はいるでしょうから、健太君のような子がいてもおかしくないでしょう。でも、健太君がB型であることは、保育園時代からの友達を通じてみな知っています。個人情報漏洩の恐ろしいところは、なかったことにできないことですね。さて、この事態について、阿部氏にはまったく責任がないとでもおっしゃる?健太君の母親は、「だって、阿部先生は、血液型別の保育が効果があるって言っていたから信じたのよ。血液型と性格が関係ないなんて知っていたら、あの保育園には行かせなかった」って言っています。

どうせ答えられないでしょうけれども、質問しておきます。

1. 健太君の保護者に正しい情報を与えずに、健太君の個人情報を漏らしてもよいという了承を健太君の保護者から得たとして、その了承は有効ですか?
2. 阿部氏の保育園では、保護者に正しい情報を提供していたでしょうか?

何が「正しい情報」かっていう点になると、血液型と性格の相関の有無についての議論になりますが、その議論からも逃げるんでしょうね。

ココココ 2005/10/07 18:44 あなたの理屈だと、医療機関のカルテの情報が漏洩しその情報に基づいて差別が起きたら、漏らした医療機関に差別の責任があるというのと同じではないか。確かに情報漏洩の社会的責任はあるかもしれないが、漏洩させてしまったことが差別自体を行ったことにはならない。あなたは保育園自体が差別を行っていると述べているのだよな。

病院で癌病棟にいる患者同士は病室の名札などで名前を知ることも簡単だし癌であることも知りうるし、面会者がいれば面会者にも知りうる情報だ。カルテの情報漏洩に同意はするはずなくとも、その程度は範囲で個人情報を知られることは患者は了解している。それが個人情報が漏洩したことになりはしない。保育園の園児同士が互いの了解済みの個人情報を互いに知るのは情報漏洩とはいわない。

あなたは自分の作り出したフィクションを根拠にしようというのか。フィクションが本当なのかどうかを確かめてから言ってもらいたい。

健康診断の後で医者に「問題があるから通院が必要」と告げられ、その問題とは何か問うと、問題がないというならそれを説明しろと逆に居直る医者がいるだろうか。「保育園はABO血液型を活用することで差別をしているのが間違いないと述べるのであれば、事実に沿って具体的に園児がどういった不利益を受ているから差別なのだと予断ではない説明をするべきだ。

NATROMNATROM 2005/10/08 22:08 病院はきちんとインフォームドコンセントをしていますよ。「例の保育園はきちんとインフォームドコンセントをしているのですか?」と尋ねたのですが、返事がありません。どうして、

1. 健太君の保護者に正しい情報を与えずに、健太君の個人情報を漏らしてもよいという了承を健太君の保護者から得たとして、その了承は有効ですか?
2. 阿部氏の保育園では、保護者に正しい情報を提供していたでしょうか?

という、二つの質問に答えがないのですか?説明責任がどちらにあるのかについても、答えがないですねえ。

フィクションを根拠にしているのは、私ではなく、ココさんのほうです。病室の名札や面会者によって個人情報が漏れればそれは病院の責任です。私の勤める病院では、入院の際には名札を出してよいか、面会者を通してよいか、患者さんの了承をとります。名札はともかく、いまどきの病院で安易に面会者に病名が知られるようなところはないでしょう。

3. 「その程度は範囲で個人情報を知られることは患者は了解している」というのはココさんのフィクションですか?それとも、私の勤務する病院は特別なのでしょうか?

「面会者に病名が知られても個人情報漏洩ではない」という感覚だから、「遺伝子によって扱いを変えても差別ではない」という感覚なんでしょうね。なぜ差別なのかココさんには理解できないでしょうが、そもそも理由はもともとのエントリーに書いてあります。

ココココ 2005/10/08 23:26 差別の事実があるなら無論そう述べるべきだろう。だが、差別の事実関係を知らなければ差別があるとは述べることは出来ない(少なくともおれには)。あなたは差別があると述べた。それならば事実関係を示す必要がある。
個人情報が守られるべきなのは、その人の情報はその人のもので、その情報の管理はその人の権利だからだ。だれに知らせないか、または知らせるか、その人の考え次第ということだ。極論すれば、人には個人情報を公表する権利と自由がある。
ところが、あなたは「例の保育園はきちんとインフォームドコンセントをしているのですか?」とおれに尋ねる始末。もちろん、おれは答えられない。尋ねられても知らないものは答えられない。答えられないから、差別があるとも述べられない。なのにあなたは差別があると述べる。それが問題だといっている。
繰り返しになるが、保育園はABO血液型を活用することで差別をしていると述べるのであれば、事実に沿って具体的に園児がどういった不利益を受ているから差別なのだと予断ではない説明をするべきだ。

NATROMNATROM 2005/10/09 09:08 差別の事実関係についてはすでに述べました。なんたって、保育園の責任者自体が「血液型を保育に活用している」って言っているのです。これは、血液型というラベルをもとに個人の扱いを変えているってことですよ。もしかしたらO型の子でも「肩をなでるなどのスキンシップ」を好まない子もいるかもしれないのに、O型というラベルで「そういう子が多い」という予断をもった保育されているのです。ココさんは差別に鈍感だから、差別の事実関係を明示されても、それがいったいなぜ差別なのか理解できないだけです。

「人には個人情報を公表する権利と自由がある」→ああ、もちろんそうですね。でもね、誤った情報に基づいて、「私は個人情報を公開してもよい」という了承をとっても、それは無効なんですよ。

「尋ねられても知らないものは答えられない」→血液型と性格に保育に活用するほどの強い相関が存在しないことは、科学についてもののわかったひとなら容易に理解できることです。もしかしたら、ココさんは科学についてものがわかっていないかもしれませんが。「それぞれの血液型に特性がある」などと勘違いしている阿部氏が、正しくインフォームドコンセントできるわけがないってことは明確なのです。まあ、百歩譲って、ココさんが「知らないものは答えられない」としましょう。で、以下の質問には答えられるはずですよね?

1. 健太君の保護者に正しい情報を与えずに、健太君の個人情報を漏らしてもよいという了承を健太君の保護者から得たとして、その了承は有効ですか?

この質問の次には、ココさんが逃げて逃げて答えれない立証責任の話になるんだけど、遺伝子によって扱いを変えようかって微妙な問題を扱うのであれば、保育園側がそういったインフォームドコンセントを行ったってことを立証する責任があるんですよ。それから、これは私の興味の範疇なんですが、ココさん自身のお考えを聞かせてください。

2. ココさんは、「保育に活用できるほどの強い相関が、血液型と性格の間にある」と考えていますか?


「無断で遺伝子解析した研究者の例は、無断なのだから同様の例にならない」って言っていましたが、無断でなければ、この保育園のように問題はなかったとココさんは考えるのでしょうね。ある研究者が、一応は町民から承諾をとり(正しい情報を伝えずにだけれども)、倫理委員会にも通さず、他人にもわかるような形でその遺伝情報を活用しちゃったとしましょう。この研究者は、批判されても、「事実に沿って具体的に町民がどういった不利益を受ているのか説明せよ。町民は了承しているから問題ない」と言い逃れるでしょう。私は、研究者の方に立証責任・説明責任があると思うのですが、優しい優しいココさんは、この研究者も擁護するんでしょうね。

そうそう、

3. 「その程度は範囲で個人情報を知られることは患者は了解している」というのはココさんのフィクションですか?それとも、私の勤務する病院は特別なのでしょうか?

という質問の答えもお願いします。フィクションを根拠にしていると否定しておいて、具体的に反論されたら知らん振りですか。

NATROMNATROM 2005/10/09 09:24 「1. 健太君の保護者に正しい情報を与えずに、健太君の個人情報を漏らしてもよいという了承を健太君の保護者から得たとして、その了承は有効ですか?」については、掲示板のほうに問題提起がなされていますね。

横道にそれそうな質問とありますが、遺伝情報を活用するにはきちんとしたインフォームドコンセントが必要って話だから、横道でもなんでもないのですが。この保育園が、倫理委員会なりなんなりの承諾を得て、保護者にきちんとインフォームドコンセントをとっておけば、ほとんど問題はなかったでしょう。

まあ、この問題については、よろしければ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/5329/1128817421/
でやりましょう。

ふまふま 2007/05/19 08:22 重大な意味を持つ遺伝情報は、その意味を持つ程度に応じて、個人情報として慎重に取り扱う必要があるよね

問題は血液型に意味がないと言っている一方で、慎重に取り扱うべきだと主張する不整合性でしょう

1.血液型に意味がある。だから、それをインフォームし同意の上で活用する
2.血液型に意味はない。だから、個人情報としても意味がない

のどっちがが普通で

3.血液型に意味はない。だが、慎重に取り扱うべき重要な個人情報である

ってどういうこと?

追加追加 2007/05/19 08:34 血液型に科学的に意味がなくても、血液型に社会的な意味があれば
それは個人情報かも知れないよね。

問題は「血液型による社会的差別」が本当に存在するのかって話。
社会的な意味がある、具体的に言えば差別があるというのは仮説で
あって、未検証だと思う。そこが問題になっている訳だが、そこは
一生懸命スルーですかねw

君は君は 2007/05/19 09:11 頭が弱そうだから、もうちょっと説明する

差別をする側は差別の存在に無頓着、ということはある
社会的マイノリティーが差別される場合は、その差別の存在に対して
マジョリティーはあまり意識していない、ということは十分にある。
しかし、差別を受ける者が多数存在すれば、(言い換えれば、社会的
パワーが十分にあれば、)その存在は容易に社会的認知される

血液型の場合、例えばAB型は、社会的にマイノリティーなのかなあ?

NATROMNATROM 2007/05/19 09:29 久山研究における無断の遺伝子解析を例に出して、「表現型に影響しようがすまいが、遺伝情報であっても保護されるべき」であると言っている。加えて血液型は、性格と関与は実際になくても、関与があると社会的に信じられている以上、なおのこと慎重に扱われるべき。血液型による社会的差別」が本当に存在するかどうかは、上記議論を読んで理解できないふまさんの読解力の問題。たとえば、http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20051114など。よしんば社会的差別があるかどうか分からないとしても、社会的差別がないことを積極的の証明する責任を負うのは、血液型を利用する方。よろしいかな?

それから、「追加」「君は」というのは名前なのですか?名前を書く欄には名前を書きましょう。マルチハンドルがいけないとか、他人と紛らわしいハンドルはいけないとか、そういうことを理解する能力に欠けているようですが。ご自分のブログがあるようなので、寝言はそこで言ってもらえればありがたいです。

ふまふま 2007/05/19 10:52 >性格と関与は実際になくても、関与があると社会的に信じられている
一部で信じられているからと言って、社会的に信じられているんですか

>遺伝情報であっても保護されるべき
そでれ、自分の血液型を公開することが制限されちゃうんですか?

>マルチハンドルがいけない
それは主観的な話です。もちろん、ここは貴方のブログだから
それでいいのですが、一般的に通用する話ではありませんよ。

>社会的差別がないことを積極的の証明する責任を負うのは、血液型を利用する方。
学歴(高卒、大卒)を採用人事に利用したら、差別がないことを積極的に証明しなかえればならないの。頭の方は大丈夫ですか?>NARTOMさん

ふまふま 2007/05/19 10:58 何型が何型に対して、どういう社会的差別を受けて不利益を蒙っているのでしょうか

どの血液型も該当者が多いですから、もしも社会的差別があれば、多くの人が差別の存在を認識しているのが、普通だと思いますけどね

もしかしたら血液型によるバカ人事をやっている人が一部にはいるのかもしれないけれど、それは社会的差別ではないでしょう

ふまふま 2007/05/19 11:12 顔面の様子を、採用人事に利用したら、差別がないことを証明しなければならない!
年齢を利用するなら、年齢差別ではないことを証明しなければならない!

ふまふま 2007/05/19 11:31 差別ってのは差別する側がそれによって社会的に利益を得て、差別される側が社会的に不利益を蒙るんだよね。白人が社会的利益を得て、黒人が社会的不利益を蒙っているなら人種差別だ。仮にA型が社会的利益を得て、AB型が社会的不利益を蒙っているなら、血液型差別だ、と言っていい

でもね、おバカ教育やおバカ人事だからと言って、差別的教育や差別的人事であるとは全く限らないと思いますよ

ふまふま 2007/05/19 12:04 >無断の遺伝子解析
無断って言ってるじゃんw

それに遺伝情報ってことは個人認証が可能と言う面もあるしな。指紋とか虹彩とかみたくバイオメトリクス認証的な意味ね
そんなもんと高々4分類の情報を一緒にするなよ

ふまふま 2007/05/19 12:19 駄目すぎて、つっこみどころ有り捲くりで、いろいろ付け足すことになってしまうんだが…

血液型保育はバカ保育だと思うが、「血液型保育のために血液型を利用する」ことを説明し、同意の上で血液型の情報を得て、血液型保育のために情報利用することは、『個人情報の取り扱いという点』では別に問題ないよ。

もう、ほんとに駄目だわ。

NATROMNATROM 2007/05/19 21:20 ああ、何か壊れちゃったね。社会的差別の例は既にリンクした。理解できないのは、ふまさんの責任。自己責任で自分の血液型を公開するのは自由。誰もそんなことを問題にしていないのに。マルチハンドルがいけないのは一般にも通用する話です。また、合理的な理由があれば差別にはなりません。もちろん、顔面の様子や年齢を利用するなら、差別ではないことを証明しなければなりませんよ。差別についてよく理解してから来てください。

以降、ふまさんはご自分のブログで好きなだけ発言してください。マルチハンドルがなぜいけないのか理解できないような人は、今後、私のブログでの発言を禁止します。発言禁止の正当性については、きくちさんとこやapjさんのサイトも参照してください。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1174435333
http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/blog/index.php?logid=5107

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2004-08-08 ハヤを釣った

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午前中は出勤。午後から、渓流にまた行った。こないだよりは人が多く、魚が少ない。しかし、浅いところになにやら稚魚がいて手ですくえた。ハヤの稚魚なのだろうか。他に、トビムシ、プラナリアなど。今回は小魚用の針も準備した。ヤマメは釣れなかったが、ハヤ数匹ゲト。目をこらすと、流れの中に確かにヤマメはいる。

10年前は流しそうめんをやっていたであろう廃屋発見。おばけやしきである。チビは水にも入らんと、「やーい、お前んち、おっばけやーしきー」と、となりのトトロごっこ。10回以上やる。飽きないのかこの生き物は。雨水が貯まったボウルにわいたボウフラを観察。橋の上で、哺乳類の下顎骨を発見。キツネだろうか?この渓流は、骨だけでなくイノシシの死体(生)があったりして、なかなか油断できないところだ。夕食に地鶏料理を食べて帰った。

来年以降の自分のためにメモ的に書いているのだ。渓流まで車で3時間の人間をうらやましがらせるために書いているのではないのだ。

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川崎麻世ってのがいるらしいのだ。私は全然知らぬが、はてなのキーワード登録もされているくらいの有名人であるらしいのだ。だから母は間違えたのだろう、と妻は言うが、絶対に違うと思う。単なる、オバサンにありがちな症状の一つに過ぎぬ。

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2004-08-07 ピカチュウ風船

NATROM2004-08-07

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妻、チビ、おかんとマリンメッセにポケモンフェスタを見に行く。私だけ勤務先から直行なので、駐車場の兄ちゃんにはポケモンフェスタに1人で来た30歳台の変なオヤジに思われたかもしれん。わさわさ人がいた。造詣の悪いピカチュウの風船500円なり。これが飛ぶように売れていた。いい商売してんな、任天堂。「せっかくきたんだから」と、おかんがチビに買った(写真)。あと福引でマイナスのしるしのついた知らないポケモンゲットだぜ。初代のポケットモンスターはプレイしたが、それきり。もはや知らないポケモンのほうが多い。

夜は近所の小学校で夏祭り。なんてことないが、ポケモンフェスタより面白かったです。終わり。

[]マヨリン マヨリンを含むブックマーク

夕食は実家でスキヤキ。オリックス対ホークスのナイター見てて、川崎2点タイムリースリーベースヒットキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!ってやっていると、おかんが

「この人、マヨリンだよね」

お母さん、その人はムネリンです。誰だよ、マヨリン。

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2004-08-06 ウイルス進化説の人の訳は駄目だ

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先日亡くなったフランシス・クリックは、人間の心や意識と脳の問題に取り組んでいた。本も書いている。読む価値は十分にあるが、問題なのは訳した人。中原英臣+佐川峻訳。ウイルス進化論の人ね。原題は、The Astonishing Hypothesis, The Scientific Search for the Soul。日本語訳は、「DNAに魂はあるか―驚異の仮説」。いったいどこにDNAが関係あるんだよう。お前、DNAって言いたいだけちゃうんかと。まあ、タイトルにDNAと入れれば売り上げにも貢献するだろうけど、ここまで酷い邦訳はないんじゃないかと。

同じように思っている人もたくさんいて、ウイルス進化論のコンテンツを作ったときに、「中原訳気に入らないリンク集」を作ろうとしたのだ。ウイルス進化論と関係ないし、お蔵入りになっていたのを、ここで発表する。

タイトルがタイトルで、訳者が訳者なので、ノーベル賞学者ついにトンデモないことを言い出したかと思って読んだのだが、原題は『驚くべき仮説(The Astonishing Hypothesis)』でその仮説は「(意識は)無数の神経細胞の集まりと、それに関連する分子の働き以上の何ものでもない」という(私にとっては)至極当然なもので、ぜんぜん驚くようなことはありませんでした。

http://www.mars.dti.ne.jp/~tanabe/histories/hist0008.html

 いきなりだが、文句を一つ。「タイトルが詐欺だ」

 著者のクリック博士は、DNAの二重螺旋構造を発見した一人であり、これでノーベル賞も取っている。

 当然DNA関係の方が、学者としてのネームヴァリューが高い。んが、この本の内容は、DNAとは全く関係ない。

 この本では、ニューロンネットワークと意識の問題を、視覚というテーマに沿って論じているのであって、

DNAに魂があるのかを論じているのではない。

 詐欺と言われてもしょうがないぞ!

http://www2.plala.or.jp/PALADOX/diary/02.html

原書は"Astonishing Hypothesis "。日本語はサブタイトルになってしまっている。しかも、内容的にはさほど「DNA」の話ではない(生物学的決定論の話ではあるが)。こういう半分詐欺みたいな商法はちょっといただけない。

http://web.archive.org/web/20030212113816/http://www.mars.dti.ne.jp/~skasuga/column/book/carrel_log01.html

余談だが、DNAに魂はあるか(1995 フランシス・クリック著) は題がひどい、訳者(中原英臣)の前書きがひどい、 DNAなんかぜんぜん関係無いのに。視覚のことについての重要な問題がよく押さえられたよい本だと思うし、訳も下訳の人がよくがんばったからか、そんなにひどくない。脳と意識の問題の本が多く出ている今こそ批判的に読まれるべきだと思うのだが。

http://www.moriyama.com/questionnaire/99bestsci.html

「視覚の認知科学・脳科学。日本題が不自然」

http://www004.upp.so-net.ne.jp/kaysaka/bbb4-no.htm

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2004-08-05 自作自演の健康食品サイト

[][]21世紀最初の医療革命!! 21世紀最初の医療革命!!を含むブックマーク

■熊野健康クラブ。ありがちな健康食品サイト。糖鎖が体によいらしい、プ。掲示板には、「それぞれの人物がそれぞれの思いを」書き込んでいる。

食べてます! 投稿者:村山  投稿日: 6月19日(土)18時27分11秒

骨の癌について 投稿者:ガメル  投稿日: 7月29日(木)04時40分15秒

試してるよ〜 投稿者:まちだ  投稿日: 7月30日(金)02時00分25秒

体験記にも載せて頂いた 投稿者:C  投稿日: 8月 2日(月)13時57分39秒

色々な所でも書き込んできましたが 投稿者:役人不信  投稿日: 8月 2日(月)14時30分46秒

お疲れ様です。 投稿者:Seven  投稿日: 8月 4日(水)02時29分37秒

http://8401.teacup.com/webmaster/bbs

リモホが全部、管理人と同じく、"eo.eaccess.ne.jp"。体験記も自作自演リモホが同じ人なんだろうな。

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2004-08-04 ブログデビューです

[]はてなデビューをお祝いしてもらった はてなデビューをお祝いしてもらったを含むブックマーク

hiepitaさんに、はてなデビューをお祝いしてもらった

ブログデビューかどうかまではわからなかったので、NATROMさんがはてなデビューということで。お祝いとともにさっそくリファを。

わーい。知らない人からこうしてリンクされるのが、ブログの醍醐味なのだろう。知らない人っても、化学物質過敏症関係でリンク張ってもらったりしていたのは気付いていたのだが。

この時期に福岡から車で30分の渓流でその場にあった道具でヤマメゲットだそうである。。。。。。。。。おいらのような夏なぞ車で3時間かかってやっと渓流にたどりつく人間の頭はこの文章読んだ瞬間沸騰じゃあ。

えへへ。福岡はいいところでしょ。

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2004-08-03 トンデモ医療判決 腸管壁穿孔事件

[]人間ドックファイバースコープによる腸管壁穿孔事件 人間ドックファイバースコープによる腸管壁穿孔事件を含むブックマーク

ずいぶん昔の判例なのだが、それはないだろうと思ったのでメモ代わりに。

■医事紛争の基本判例より

66歳の男性A。地方新聞社の取締役。アメリカでの研修に先立ち人間ドック検診を思い立ち,1979年4月,B病院に入院。検査の結果,肥満症があり,高脂血症,高尿酸血症の他に,胆石症が疑われた。胆嚢についてはDIC(経静脈性胆嚢造影)が行われたが,胆嚢は写らず,さらにERCP検査が勧められAも了承した。ERCPは2人の医師(うち1人の医師は200例の経験があった)によって行われた。十二指腸に大きな憩室があり,また腸の蠕動運動が強く,10回以上の試みにもかかわらず,胆管にカニューレを挿入することはできなかった。その間,嘔吐反射も強く検査に1時間以上もかかったことから,膵管のみの撮影で検査を中止。検査後医師は,夕方まで絶食すること,検査後3時間外来で待機し,安静にしていることをAに指示した。しかしAは間もなく自分で自動車を運転し離院してしまった。しかしその途中腹痛が起こり,1時30分ごろタクシーで帰院。診察の結果,腹膜刺激症状は見られず,術後膵炎の治療がなされ,鎮痛剤の投与により痛みは一時的におさまった。医師は病院に泊まり経過を見るようAに勧めたが,Aはこれを聞き入れず,医師は腹痛が起きたらまた受診するよう指示し,4時ごろ帰宅させた。Aは夕方7時ごろ再度腹痛を訴え来院し,入院の上,保存的治療がなされた。翌日になってもAの腹痛は治まらず,レントゲン撮影を行ったところ,横隔膜の下に明瞭にガスが溜っており,また腹部の穿刺により排膿があったことから,腸管穿孔による腹膜炎の疑いで救急開腹術が行われた。その結果,十二指腸に直径1僂侶蠅あいており,内容物が流出していた。穿孔部の縫合と胆嚢切除,腹腔ドレナージの設置が行われたものの,術後の急性腎不全,縫合不全などを起こし,敗血症により1カ月半後死亡した。Aの相続人および会社から,検査医の不法行為責任およびB病院の使用者責任を追及する損害賠償責任訴訟が起こされた。

そもそも人間ドックの検査で死亡に至ったという点がすごくまずいのではある(ドックでERCPってどうなのよ?という疑問も)。それにしたって、検査後に医師から安静を指示されていたのにも関わらず、男性Aは検査直後に缶ジュースを飲もうとしたり、勝手に帰っちゃったりしたのだ。ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)は、どんなに上手な人がやってもある一定の割合で合併症が生じる。安静・経過観察が必要なのは当然であり、勝手に帰っちゃうような人の責任は負いたくないというのが正直なところ。しかも、男性Aは検査後の腹痛で病院に戻った後、病院に泊まり経過を見るよう勧められたのにも関わらず、また帰っちゃったのだ。結局は、十二指腸穿孔で緊急手術をされるも亡くなってしまった。Aの相続人および会社から訴訟を起こされたわけなのだけれども、こんなんで負けていたら医療はやってられません。ところが判決はどうだったか。

裁判所は,Aの腹部には打撲の跡は見られず,穿孔は検査によるものである,と詳細な検討ののち認定し,また「Aが術後安静を保っていたとしても穿孔や,その後の死亡が避けられたという保障はなく,検査と死亡の間には相当因果関係がある」として病院側に賠償を命じた。Aは会社の取締役でもあり,死亡による損失額は3億円に達した。しかし,A側にも過失を認めた。医師からの絶食の指示があるにもかかわらず検査直後に缶ジュースを飲もうとしたこと。3時間の安静の指示にもかかわらず,検査直後に自分で運転して帰宅したため,腹腔内の内容物が散らばり予後を悪くした可能性のあること。またその間ジュースなどを飲んだ可能性もあること。これらの落ち度または過失があるとして,2割を患者の責任として過失相殺した。なお,第二審では,1億4000万円余の損害賠償が命じられた。

過失相殺されたとしても、たった2割。医師側の負け。この判決はどうなんでしょう?ここに出ている情報だけを元に判断したら、不当な判決だと私には思える。医師であれば大体は私と意見が同じであろうと信じるけれども、非医療関係者からはどう見えるのだろう?私が医師側に立っているから、客観的に見れなくなっているだけなんだろうか?

医療行為は常にリスクを伴う。合併症が起きないように、あるいは起こってもすぐに適切な対処が行えるように、安静・絶食・経過観察を指示するのだ。そうした指示を無視しておきながら、何か合併症で不利益が生じたら医師の責任を問うことになったら、リスクを伴う医療は行えないことになる。

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2004-08-02 意図的パンスペルミア説 by フランシス・クリック

[][]「生命 この宇宙なるもの」 「生命 この宇宙なるもの」を含むブックマーク

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■生命 この宇宙なるもの <再装版> フランシス・クリック著 中村桂子訳 思索社 原著は1981年。日本語訳は1989年。

クリックが亡くなったことから、何かクリックの著作を紹介しようと思ったわけで、今は手に入りにくいかもしれないが*1、「生命 この宇宙なるもの」を選んだ。生命の起源に関する本で、意図的パンスペルミア説について述べている。生命の起源に関しては諸説あるが、概ね信じられているところでは、30数億年前の地球上で最初の生命が生まれたとされている。その最初の生命がRNAであったのか、たんぱく質であったのか、はたまた鉱物であったのかが意見が分かれるところだ。ところが、クリックは、生命の起源は地球上ではないとした。

パンスペルミア(汎宇宙胞子説)というのは、宇宙のそこら辺に生命の起源となりうる胞子ようなものが存在して、それが地球上の生命の起源だという説。意図的パンスペルミア説は、地球外の星の高度に発達した生命体がロケット等で意図的に送り込んできた原始的な細菌が地球上の生命の起源だという説。ちょっと聞くと、SFっぽく聞こえるでしょ?クリック本人はSFよりは確かなものだと述べている。

これは、実は、荒削りで不確かな科学的基礎の上をかけめぐる想像力による偉大な跳躍という殆どのSFが持っている重要な性質を持っていない。必要なシナリオに寄与する個々の事柄は現代科学の確たる基礎の上に立っている。(P151)

科学の革命的なアイデアは、最初はSFのように見えることもある。SFのように見える学説が受け入れられるとは限らないし、むしろ誤りが証明されて棄てられることのほうが多いのだけれども、見ている分には面白い。いまのところ、意図的パンスペルミア説は棄てられていない。ていうか、現段階ではほとんど検証困難だろう。クリックは自説についての欠点や検証の方法についても述べている。科学の考え方がどのようなものなのか、よくわかるものと思う。クリック自身も意図的パンスペルミア説が絶対に正しいものと考えているわけではなく、魅力的な代替的な仮説として提唱している。

最後に、反進化論者(とくにラエリアン)によって意図的パンスペルミア説がダーウィン進化論に反対するかのように引用されることに注意を促しておこう。意図的パンスペルミア説とダーウィン進化論は矛盾しない。意図的パンスペルミア説は生命の起源に関する説であるのに対し、ダーウィン進化論は生物がどのように変化してきたかについての説である。矛盾しないどころか、意図的パンスペルミア説はダーウィンの進化論が前提となっている。クリックはダーウィニストだ。生命を送り込んできた異星人は、ロケットに微生物のみを載せていた。時間が十分に与えられたら、突然変異と自然淘汰によって、環境に巧みに調和した生物が生まれるだろう。

[]中村桂子 中村桂子を含むブックマーク

上記記事で、最初「中村圭子」と間違って書いていた。はてなの自動リンクで気が付いた。美術系に中村圭子さんってのがいたんですねえ。中村桂子がキーワード登録されていないのはけしからんと思ったけど、30日以上日記を書いて、はてなダイアリー市民にならないと登録できないんだと。

*1:書いた当初は絶版であったが、いつのまにか再装版が出ていた

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