NATROMのブログ

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遺伝子の情報技術はデジタルである

ドーキンスの「遺伝子の川」を引用し、200字以内で答えさせる問題を発見した。全文引用するの何なので、下記リンク先を参照のこと。

■読むとは、思い出すことなりぃ、とかね。 ■超私的脳戸より)

「2001年大分医科大学医学部看護」とあるので、実際に出た問題なのであろう。リンク先では


知識を整理させるだけの問題なのだけれど、予備校でやってみると案外出来が芳しくない。おもしろがる生徒はおもしろがって答えを書くのだけれど、生物の成績が悪いわけではないはずの子でも案外書けなかったりする。知識がないというのではなく必要に応じてその知識を想起できないみたいなのだ。

とあるが、いや、難しいッスよ、これ。ここを読んでいる諸君らは答えられる?問題 aの方は高校生物の範囲内の話だろうが、問題 bのほうは、結構難しいはず。高校生物の範囲外である。少なくとも、私が高校のときには教わらなかった。引用されている部分には答えは書いていないので、自分で考えて答えなければならない。高校生のころの私は正答できなかったであろう。難しい問題であるけれども、しかし同時に良問でもある。問題文の、「アナログ式の情報伝達機器であるビデオテープあるいはカセットテープなどを例に」というのが、すばらしいヒントになっている。*1

*1:ちなみに、ドーキンスの「盲目の時計職人」に、複製の正確さの問題とは別に、なぜ遺伝システムはデジタルでなければならなかったのか、という議論がなされている。出題者はそこまで想定はしてはいなかったであろうが。