NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

「お互いの遺伝子を与え合う」?

ディスカバリーチャンネルの番組紹介より。

■シリーズ:人体機能の研究 セックスと人体機能


人間はセックスをして人類を増やすために生きている、と言っても過言ではない。相手の心を魅了する時、男と女の体内では何が起こるのかを探る。性交中に刺激が高まりオーガズムを迎えると、遺伝子の複製が行われる可能性が高くなるという。オスとメスがお互いの遺伝子を与え合うのは哺乳類のわずか3%だが、人間がそのうちの1種類なのはなぜだろう。なぜ人間は他の動物と違い、お互いが正面を向きあって性行為を行うのだろうか

「オスとメスがお互いの遺伝子を与え合うのは哺乳類のわずか3%」って、いったいどういう意味だろう?有性生殖のことを言っているのかなあ。でも、哺乳類は例外なく、有性生殖のはずなんだけど。なにか誤訳をしているのかとも思って、"Anatomical Travelogues discovery"でググってみたけれども、原文らしき文章は見つからず。「全生物のうち有性生殖を行う種は3%であり、人間はその3%に含まれる哺乳類のうちの1種類である」ってことだろうか。しかし、全生物のうち有性生殖を行う種が3%ってのも、少なすぎるような気がする*1。うう、謎だ。

*1:数え方にもよるだろうけど