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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2008-01-04 行政学者から見た医療崩壊

[][]行政学者から見た医療崩壊 行政学者から見た医療崩壊を含むブックマーク

cover■まちの病院がなくなる!?―地域医療の崩壊と再生 伊関 友伸 (著)


医療崩壊に関する本としては珍しく、非医療従事者によって書かれた。著者の伊関は2004年3月まで埼玉県に勤務する公務員であり、県立病院課および県立精神医療センターの職員として埼玉県立病院の経営改善に関わった。現在は城西大学経営学部准教授で行政経営の研究を行っている。行政側から見た、自治体病院を中心とした医療崩壊とその対策について述べられている。オビには「夕張市の病院はなぜ崩壊したのか?」とあるが、「決して夕張市特有の問題でない。…夕張市立総合病院は、たまたま全国の自治体病院に先駆けて医療崩壊を起こしただけにすぎない(まえがき)」。危機に立つ自治体病院を例に出し、現状と問題点を挙げている。

特筆すべきは、一章を割いて「医師はなぜ病院から立ち去るのか」を論じているところである。その理由として、新臨床研修制度の導入や激務・低報酬の他、コンビニ受診、マスコミによる表層的な報道、医療訴訟の増大などが挙げられている。実例として、阿賀野市水原郷病院の医師大量辞職、奈良県橿原市の死産事件、福島県立大野病院事件などが述べられている。いずれも、医療関係者のブログではよく知られている話題である。加えて、医療従事者からは見落としがちな一面も著者は指摘する。医療従事者だけだと、「行政や官僚はアホかwwww」となってしまいがちだが、それは一方的な見方かもしれない。


現場の意見を軽視する行政の体質も問題である。現場の医師の意見を聞かず、国の方針や他自治体のやり方をそのまま機械的に導入する。「国の方針です」「他の自治体がやっています」というのが、行政内部でいちばん予算が通りやすいからである。他と違ったことをやろうとすると、上司や財政担当、議会など、外部から横やりが入ることが多い。その点で、医療政策担当者も被害者である。(P196)

[現在の国の行う医療政策は、ことごとく現場の医師のやる気を喪失させるものであるようだが、]その原因は、国の行う医療政策の目的が、「医療費の削減」が第一となっていて、国民にとって必要な「医療の質の維持」という目的が後回しになっているためであろう。これは、厚生労働省だけが悪いというわけではない。国全体の政策として「医療費を削減する」という政策目標が設定されている中で、厚生労働省ができることは限界がある。…医療の現場がどれだけ疲弊していても、厚生労働省は医療費の総額を増やすという政策決定をする権限は与えられていない。(P202)(いずれも強調は引用者による)


医療事故を起こした個人を責めるよりも事故が起こりやすいシステムを改善すべきなのと同様に、行政や官僚の個人を責めても仕方がないのだろう。『国民が、医療政策についてすべて国に「お任せ」で、国の進める医療費縮減政策をよしとしていることが、官僚が政策変更をしないことにつながっている(P204)』。日本は民主主義国家であるからして結局は国民の責任ということだ。選挙などを通じて変えていくしかないのだろうが、現状を鑑みるに日本の医療の未来はあまり明るくないと私には思われる。

最終章では病院PFIについて述べられている。PFIとは、「Private(民間)、Finance(資金)、Initiative(主導)の言葉のとおり、民間の資金やノウハウを使い、公共施設を整備、運営する手法である(P216)」。私は病院PFIについては、高知医療センターの失敗ぐらいしか知識がなかったため、勉強となった。PFIにも長所・短所があり、ツールとしてうまく使うべきであるとのこと。こういう本でも読まないとなかなか学ぶ機会がない。

sunafukin99sunafukin99 2008/01/04 18:40 日本人はどうしてこうも自分で自分の首を絞めるのがうまいのでしょうか?

>日本は民主主義国家であるからして結局は国民の責任ということだ。

身も蓋もなく言ってしまえば全くその通りです・・・w。

inoue04inoue04 2008/01/04 19:48 いったん、産科、救急、小児科が壊滅して、ようやく選挙の政治イシューになって、何らかの改善がなされるんです。

杉山真大杉山真大 2008/01/04 23:02 以前のコメントで言及したんですけど、いわゆる「理科離れ」を論じる場合、往々にして理工系・具体的に言うと製造業(ないしは生産業)の技術者になる人が少なくなる、って話になっているんですよね。例えば理工系の志望者が減っていて、それ以上に医療や薬科志望が増えていたとしても「理科離れ」ってなっちゃうんですよね。

かの『理系白書』を始め、理工系志望が減って医学部や文系志望が増えているのを嘆く声って結構あるけれど、幾ら製造業が盛んでも医者や法律家に事欠く事態が果たして望ましい社会なんですかね?

inoue04inoue04 2008/01/05 01:35 医学科は理系とは言いがたい側面があるから、理科離れといっても言いすぎじゃないですが、薬科は理系そのものですよ。だから理科離れとは違う。ただし、「単に薬渡すだけの仕事」に、一般的な自然科学の訓練受けた人材を使っているという致命的な問題があります。

kittenkitten 2008/01/06 00:07  現役の薬剤師です。本筋からそれまくりですが・・・

>inoue04様
 薬剤師の仕事は、単に薬渡すだけじゃありませんから。
医師のフォローをして、医療を提供する仕事をしている誇りをもっています。

 世間一般からは、薬渡すだけの仕事と思われていることもありますし、
情けないことに薬を渡すしか仕事しない薬剤師も一部存在していますが、
しっかり誇りをもって仕事している薬剤師もたくさんいると申し上げておきます。

inoue04inoue04 2008/01/06 08:36 >薬剤師の仕事は、単に薬渡すだけじゃありませんから。
 それに続く話は10年前から耳にタコですので結構です。

d-mod-mo 2008/01/06 09:34 >inoue04さん
その物言いはあんまりでしょう。
医師や薬剤師などの方々に敬意を払う人間の減少も
現在の医療崩壊を加速させていると感じます。

medicinemedicine 2008/01/06 11:00 inoue04さんは薬学部から医学部へ転進した賢く立派な学生さんですから。医師国家試験もうすぐですね。

kittenkitten 2008/01/06 13:06  医師、薬剤師に限らず、真面目に仕事している社会人に対して失礼な話です。

10年前から耳にタコなら、ご自身のおっしゃっていることが、
真面目にやってる薬剤師に対する最大級の侮辱であることは、ご存知でしょうに。
 inoue04様の意見が間違っていると言っているわけではありません。
でも、その言い方は失礼だ、と思っただけです。なんでケンカ売るかな、と。
ネット上だし、試験前の学生さんなら仕方ないのかも知れませんね。
 あまりにも本筋と関係のない話なので、これくらいにしておきます。

inoue04inoue04 2008/01/07 09:05 不穏当な発言はお詫びします。
100年前と同じ仕事をし続けてもいい。
しかし、社会的必要性と仕事の難易度はまた別の話なんです。薬剤師たちはそこを勘違いしている。高度な仕事は社会には必要で、簡単な仕事は不必要なのだと思っている。
 コンビニのレジ打ちは2時間で憶えられますけれども、必要な仕事で社会に欠かせない。しかし、それに就くのに大学で6年も学習されたら、おかしい。
 批判をかわすのに、「レジ打ってるだけじゃないです。こんな仕事も、あんな仕事もしている」とかいう反論は、的外れもいいところでしょう。
 脱線したことも、Natromさんにはお詫びします。

NATROMNATROM 2008/01/07 10:44 これまで一緒に仕事をした薬剤師さんは、私が非典型的な処方をしたときに、「処方箋はこれで良いですか?」と照会してくださいます。そのままの処方で良いこともありましたし(非典型的な処方である旨を処方箋に書かなかったので照会は当然)、処方ミスが未然に防がれたこともあります。当院では一部の病棟の中心静脈栄養の薬剤の混合は、清潔に薬剤師さんがやってくださいます。処方に迷ったときは相談にものってくれます(当院非採用の薬を前医が出していたときなど)。

薬理学は習いましたが忘却の彼方です。専門分野の薬についてはともかく、薬剤一般のことについての知識は薬剤師さんのほうが上です。もちろん、薬剤師よりもずっと知識を持つ優秀な医師もいるのでしょうが、私のような医師にとっては薬剤師さんの助けは必要です。むろん、inoue04さんもこうしたことも理解した上で発言されているのでしょうが、誤解を招きやすい発言でもありました。ただ、inoue04さんは、薬剤師の仕事そのものではなく、薬学部教育についての問題点を指摘されていると、私は理解しています(ちなみに、inoue04さんは医学部教育の問題点も指摘されています)。

koneko04koneko04 2008/01/07 17:24 横やりを入れるようで申し訳ないのですが。。。

kittenさんはご存知ないかと思いますが、NATROMさんが言われるように、inoue04さんは薬学部の教育制度についての問題点について、かなり前から以前のブログで書いていらっしゃいました。

薬学部教育の問題点というのは、これはこれで専門家の皆様が意見を交換しつつ議論するのに値するテーマだと思います。今後、どちらかでディスカッションがされることを期待しています。部外者なのでロムさせて頂けるだけで光栄です。宜しくお願いいたします。

神保町のネコ神保町のネコ 2008/01/07 18:12 >しかし、社会的必要性と仕事の難易度はまた別の話なんです。薬剤師たちはそこを勘違いしている。高度な仕事は社会には必要で、簡単な仕事は不必要なのだと思っている。

どこからつながる「しかし」なのか読み取れない私にどなたかご教授を…
素でわかんない…

アイスゆずアイスゆず 2008/02/10 01:03 こんばんは。初めておじゃまします。

>日本は民主主義国家であるからして結局は国民の責任ということだ。
勉強になりました。
私は、「医療再生を願うネット市民の会」の会員です。この会は、次の3つのスローガンをこころがけることによって、医療崩壊からの再生を願う、ネットで活動する市民の会です。
 1. コンビニ受診を控えよう
 2. かかりつけ医を持とう
 3. お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう
ホームページはこちらです。
http://saisei.aikotoba.jp/index.htm
お時間のよろしい時に、のぞいて頂けたらうれしいです。
おじゃまいたしました。

NATROMNATROM 2008/02/11 09:47 アイスゆずさまへ。みなさんがこうしたスローガンを守れば、医療崩壊からの再生も早いでしょう。実際のところ、多くの患者さんは、ちゃんとしているのです。比較的少数の方々が医療崩壊に寄与しているのが問題なのです。