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2009-04-01 ドラクエが医療を崩壊させた
■[医学]ドラクエが医療を崩壊させた

日本の医療が危機に瀕している原因は複数あるが、その一つに医療訴訟の増加が挙げられる。医療者に過失があって訴えられるのは仕方がないが、過失がなくとも結果が悪ければ訴えられることもあるのだ。医療訴訟の背景には、医療の不確実性に対する理解不足があるように思える。「過失がなければ問題なく治って当然」、言い換えれば、「結果が悪かったのであれば、なんらかの過失があったに違いない」という訳だ。医療者から十分な説明を行っても、こうした思い込みのある患者さん/ご家族に十分納得していただくことは難しい。
昔から、というか昔のほうが、「結果が悪かった」医療行為はあったし、患者さん/ご家族への説明も、昔と比較すれば現在の方がずっと丁寧に行われている。にも関わらず医療訴訟が増加してきたことには、何らかの説明が必要だ。ここ何十年かの間の日本に、医療の不確実性に対する理解不足をもたらす何かがあったのだ。ドラゴンクエストがその一つであるという仮説を提示したい。より正確には、ドラクエにおける、死亡したキャラクターの蘇生のシステムが医療の不確実性に対する理解不足を、ひいては日本の医療崩壊をもたらしたという仮説である。
いまさら説明する必要もないと思うが、ドラクエはロールプレイングゲームである。ドラゴンクエスト2以降はパーティ制(複数のキャラクターが戦闘に参加)を採用しており、キャラクターの誰かが死亡した場合、何らかの手段で蘇生させる必要がある。レベルが進むと蘇生のための呪文を覚え、あるいはアイテムでも蘇生できるが、序盤は教会に行ってお金を払い、「いきかえらせる」ことになる。お金さえ払えば、失敗することなく、確実に蘇生する。プレイヤーは専門家のいる施設へ行き、正当な対価を支払いさえすれば、確実な結果が得られることに慣れてしまう。これがいけない。
一方、より現実的なシステムを採用しているのが、ウィザードリィである。ウィザードリィにおいても、死亡したキャラクターをカント寺院という施設で蘇生させることができる。ドラクエと異なるのは、カント寺院では蘇生に失敗しうることだ。死亡状態からの蘇生に失敗すると、より悪い「灰(ASH)」という状態に陥る。蘇生に失敗してもカント寺院が返金することはなく、それどころか、灰からの蘇生には、より高い対価を要求する*1。この点において、ウィザードリィは現実の医療を実にリアルに表現している。医療行為に伴なう合併症によって入院期間が延びたとしても、過失がなければ、医療機関がその分の医療費を負担することはない。
このようにウィザードリィでは、プレイヤーが医療の不確実性について誤解する恐れのない蘇生システムが採用されている。難を言えば、「患者」への共感の欠如と説明不足が問題か。カント寺院は蘇生に失敗しても一切謝らない。しかし、たとえ過失がなくても、「最善は尽くしたのですが、結果的に灰になってしまいました。申し訳ありません」などと、「共感表明謝罪」ぐらいはしてもよいだろう。
また、説明書には蘇生が失敗する可能性は書いてあるが、カント寺院からは一切説明がない。蘇生処置そのものに過失がなかったとしても、説明義務違反で訴えられれば負ける。十分な説明および同意、つまり、インフォームドコンセントが必要であろう。たとえば、こんな感じ。
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医療制度に優しい死者蘇生システム(WOLF RPGエディターにて作製)
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*1:お金が足りなかったら、カント寺院の連中は「背教者」呼ばわりして追い出す。彼らには応召義務なんてない。
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「最善は尽くしたのですが、結果的に灰になってしまいました。残念です」
との「共感表明」までですね。それ以上はお断りだッ!
・・・・とか
はっ、それで、「タライ回し」のときに医者の手が離せなかろうと
とにかく受け入れろという話になるのですね。
http://d.hatena.ne.jp/HUSUMA/?of=5
そういえば、其の昔「ファンタジーIII」ってので遊んでいたのですが、ダメージが人型のアイコンで示されまして、あまりに酷いと腕一本無くなった状態になり、その時はなぜか呪文でも復活せず、隻腕のまま以後の冒険を続けるという、リアルだか何だかわからない状況に……。復活のさせ方によってはとれた腕が生えてくることもあったんですけどね。
「患者は最善の医療を受ける権利を有する」とされ、最高裁判決の判例では「人の生命及び健康を管理すべき業務(医業)に従事する者は、その業務に照らし、危険防止のため実験上必要とされる最善の注意義務を要求される」としている。
医師にとって、医師の少しの注意義務違反が医師法違反であり、基本的な人権を謳う日本国憲法(第25条 すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。)を犯すことになる。
貴様のような人間はいずれ医療過誤起こすだろうな。
人間的に問題があるようだ。
「最善」とは厳しいですね。
医師の過失の有無は、通常の医師の有する一定の注意能力を基準として判断される、と思ってました。
「実験上」とはなんだろうか?
>人間的に問題があるようだ。
「神様的に問題がある」ではなかろうか?
AHA-BLS JEMTA日本救命協会ヘルスケアー通信: 善意による救助と法的な責任
http://jemta.sblo.jp/article/8706336.html
この記事の該当部分は「日経メディカル」からの引用ですが、「経験者のうち2割強が「二度と応じたくない」と回答した。」とあります。その理由が気になります...
航空機内での救急医療援助に関する医師の意識調査
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/04/samaritan/
に、色々解説が書いてありました。