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2009-04-09 機能性低血糖症の疾患概念はグレー
■[医学]機能性低血糖症の疾患概念はグレー

血糖値の異常な変動が精神的・身体的症状と関連するという主張がある。■20年来のつらさがほぼ消えたことについてにて体験談が述べられている。糖尿病治療薬やインスリノーマ(インスリン分泌腫瘍)などによる通常の低血糖症と区別するために、ここでは機能性低血糖症とする。反応性低血糖症とされていることもある。まず注意すべきは、通常の低血糖症と、機能性低血糖症は異なる疾患概念であることだ。
通常の低血糖症はよく見る。症状は、軽症であれば、手の震え、眠気、発汗、動悸などで、重症では昏睡に陥る。治療はブドウ糖の内服や静脈注射を行い、通常は治療に速やかに反応する。■低血糖(メルクマニュアル)や、■低血糖症(goo ヘルスケア)で述べられているのは、通常の低血糖症のことを指す。私の知る限りにおいて、通常の低血糖症を起こす人たちが、キレやすくなったり、うつ病になりやすかったりはしない。
一方、機能性低血糖症は、「激しい落ち込み、時に爆発する怒り、恐怖感、自殺観念、情緒不安、多動傾向、自傷行為」などの精神症状を示すとされる*1 。しかも、低血糖時のみではなく、血糖値とは無関係にこうした症状が現われる。血糖値の絶対値よりも、血糖値の変動やインスリン分泌の機能失調、カテコラミンの分泌が重要視されているようである。「血糖値の変動が情緒不安等の症状を引き起こす」という仮説自体は、荒唐無稽ではなく、証拠があれば十分に信じられる部類に入る。しかしながら、現時点では十分な証拠に欠けている。
機能性低血糖症の疾患概念はグレーであり、しかも黒に近いと私は考えている。機能性低血糖症は、マクロビオティックや分子矯正医学と強く関連しているが、マクロビも分子矯正医学もどちらもまっとうな医学とはとても言えない。機能性低血糖症についての医学論文を探してみたが、信頼できそうなものを発見することはできなかった。「治療」という雑誌に、柏崎良子による「機能性低血糖症の症例と治療」という論文*2が掲載されていたが、驚くべきことにこの論文には参考文献が一つも提示されていない。5例ほど症例提示がなされていたが、必ずしも機能性低血糖症の疾患概念を支持するものではないように私には思われた。
この論文や、あるいはネット上では、ニューボールドの診断基準によって低血糖症を診断するとされている。
低血糖症の診断(Dr.ニューボールドの診断基準による)
75gOGTTを5〜6時間行い、ブドウ糖の値に関して、次の5つの項目に1つでもあてはまるものがあれば低血糖症と診断する。
1. 5時間のOGTTで絶食時の血糖値より50%mg以上上昇しない場合。
2. 5時間のOGTTで絶食時の血糖値より20%mg以上下降した場合。
3. 5時間のOGTTの間にどの時点でも1時間に50mg以上下降した場合。
4. 5時間のOGTTで絶対値50mg以下を記録した場合。(65mg以下は疑わしい)
5. 血糖値のカーブに関わらずOGTT実施中に、めまい、頭痛、混乱、発汗、憂欝等の症状が現れた場合。
「低血糖症の診断」とあるが、正しくは「機能性低血糖症の診断」である。原典にあたりたかったが、参考文献が提示されていないので見つけられなかった。"hypoglycemia newbold゛でpubmedで検索してもゼロであった。一般的に受け入れられている診断基準ではない。ネット上にニューボールドの診断基準を知らない産業医に対して不満を述べている体験談があったが、別に知らなくても当然だと思う。なんらかの診断基準をつくって仮説を検証するのはかまわないが、そうした検証がなされたかどうかわからないのであれば、その診断基準に価値はない。そもそも、「めまい、頭痛、混乱、発汗、憂欝等の症状が現れた」だけで、血糖値のカーブが正常であっても機能性低血糖症と診断できてしまうのは奇妙だ。病名と病態が一致していない。「1〜4のいずれかの場合に一致して症状が出現すれば機能性低血糖症と診断する」のなら理解できる。
なんらかの糖代謝異常が示唆される症例や、食事によって症状が改善する症例があるのは確かなようである。そのため、真っ黒ではなくグレー、あるいはトンデモタグではなく医学タグにした。ここからは私の邪推であるが、機能性低血糖症の診断・治療は、高価なサプリメント販売のためではないだろうか。顧客は多いほうが儲かるので、できるだけ多くの患者が機能性低血糖症と診断されるよう診断基準はかなり緩めにつくる。まともな医学論文を書くと、サプリメントの効果の証明を要求されるので書かない。柏崎による論文には、とくに根拠を示さずに、「インスリンレセプターの感受性を高めるためにビタミンC投与が有用」「ナイアシンは低血糖時に分泌されるアドレナリンやノルアドレナリンが酸化されてアドレナノクロム、ノルアドレノクロムに進む反応を抑制する作用があり幻聴、幻覚を抑える働きがある」などと書かれてあり、不安になる。査読はなされたのであろうか。小内亨*3の「サプリメントの使い方 利点と弊害」と並べたのはわざとなのか。
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玉石混交
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NATROMさんはまっとうな医学ではないとおっしゃってますが、「分子矯正医学」でグーグル検索をかけてみても概ね肯定的なページが見つかります。
「ビタミンは少量摂取では栄養的作用を及ぼすが多量に摂取すると薬理作用を示し始めからだが健康に保たれる」など素人目には正しいことを言っているように見えます。また、ノーベル賞をとったライナス・ポーリング氏が提唱したとなるといたって真っ当な医学に見えます。他にも人には「生化学的個性」があり、それによって必要な栄養素が個人個人で違うこと。この生化学的個性という概念は化学物質過敏症やアレルギーなど個人差が激しい疾患を説明するのに非常に説得力が持つと感じます。
アレルギーはともかくとして化学物質過敏症みたいないわゆる「まっとうな医学」からは排斥(とまでいかなくても疑問視)されている病気の患者には特に正しいように見えてしまうでしょう。
いったいどのような点が「まっとうな医学」ではないのでしょうか?また、「分子矯正医学」は効果がまったくないあるいは効果が非常に薄いのでしょうか?
ポーリングはノーベル化学賞(と平和賞)を受賞したけど、生理学・医学賞を受賞したわけでないんですよねぇ。
ライナス・ポーリングはノーベル賞をとった偉大な科学者でありますが、同時に、メガビタミン療法という代替療法にはまったことでも有名です。「学説の正しさは証拠によって判定するべきで、有名な誰それが支持しているからという理由で盲信するべきではない」という教訓になります。「生化学的個性」についてはそういうこともあってもいいかもしれませんが、大量のビタミンが効くかどうかは、ビタミン投与群と、非投与群を比較する臨床試験を行って判断するべきです。私の知る限り、メガビタミン療法に十分なエビデンスがあるとは言えません。
「アレルギーはともかくとして化学物質過敏症みたいないわゆる「まっとうな医学」からは排斥(とまでいかなくても疑問視)されている病気の患者には特に正しいように見えてしまう」というのは正しいです。だからこそ問題であると感じています。まあ、大量ビタミン療法は財布以外には大きな害を及ぼさないことが多い(害を及ぼすこともあるだろうが)ので、ワクチン否定をしている一部のホメオパシーなどに比べれば、害の程度は少ないほうだろうと思います。一方、サプリメント販売と連鎖して、医学的に不正確なページが山のようにあるのはなんとかできたらいいなと考えています。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090408#p7
ビタミン錠剤の服用によりガン予防ができるのでは?との考えによる
臨床試験を実施してみたところ、
>微量栄養素の添加には何の利益もない−そして時に有害影響がある
結果がでているそうです。
>ほとんど信じられないほどに、どの研究でもメリットはなく、
>有害影響すら示唆された。
>こうした結果を見れば、栄養が十分な西洋人に
>微量栄養素についての試験を行うことを薦めるのは難しい。
とのことですので、少なくともガン予防に関しては
ビタミン錠剤の服用はメリットなく、
むしろ有害な影響が出ることがあることがはっきりした。
ということと理解しています。
あとは、他の疾患においてビタミン錠剤の服用によるメリットが
あるかどうかですが、既に有害な影響がありうることが
判っていますので、想定されるメリットが有害影響を
上回ることが期待されないかぎり、
怖くてだれも臨床試験をしないのではないでしょうか。
いつもはROMなのですが、今回のメガビタミン療法を見て、以前気になっていた
高濃度ビタミンC点滴療法(ググればいくつもヒットします)を思い出しました。
最初はトンデモかと思い自分なりに調べてみたのですが、グレーかな、と言う所で
止まってしまいました。
本題とはそれますが、アメリカではかなりメジャーなのでしょうか?
ハワイの病院で看護師をしている日本人の友人に聞いたら知らないと言ってました。
ビタミンAは、サプリメントに頼らずに中毒になれる数少ない栄養素です。
ビタミンA - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3A#.E9.A3.9F.E4.B8.AD.E6.AF.92.E7.97.87.E7.8A.B6
水溶性ビタミンでも、ビタミンB群には上限値が定められたものがあります。
#要は過剰摂取で異常が出るということ。
第6次改定日本人の栄養所要量について
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9906/s0628-1_11.html
ビタミンCの過剰摂取は、活性酸素を増加させる可能性があるとか。他にも過剰摂取には様々な害があるようですね。
「健康食品」の安全性・有効性情報 ビタミンC
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail45.html
ご教授ありがとうございます。
ひとつ賢くなりました。
ご教示ありがとうございます。
この機能性低血糖症の症状を見ると、まんまpersonal disorderにかぶってる様ですね。
キチガイ軍団に嫌がらせを受けているのでしょうか。
心配しております。
やはり本物のナトロムはユダヤ資本の不興をかって玄界灘に沈(ちん)されていると思われる。
そのほかにも興味深い症例がありますが、治療介入が症状を改善させた可能性は示唆されるものの(対照群がありませんのであくまでも「可能性を示唆」です)、機能性低血糖症の疾患概念を正当化させるものではありません。血糖値とは無関係に生じた不安神経症の人がいたとしましょう。他の病院でいろいろ検査されても、明らかな異常はありません。柏崎良子医師のクリニックを受診して5時間の糖負荷試験を受け、「あなたの症状の原因は低血糖です。食事やサプリメントで良くなります」と言われました。もうそれだけで、症状が改善してもおかしくはないでしょう?これはこれで、患者さんの苦しみを解決したという点で評価はできますが、機能性低血糖症の疾患概念の正当性とは無関係ですね。「あなたの症状の原因は悪波動です。ホメオパシーで良くなります」と言われて症状が改善する患者さんだっていらっしゃるでしょうから。
柏崎良子医師は、治療前ではなく、治療後の糖負荷試験の結果も発表するべきでした。もしかしたら、治療後の糖負荷試験の結果も、治療前と同じだったのかもしれませんよ。症状と糖負荷試験の結果がパラレルであったとするならば、機能性低血糖症の疾患概念の正当性を強く示唆します。「症状と糖負荷試験の結果がパラレル」とは、治療介入にも関わらず症状が改善しなかった患者さんでは治療後の糖負荷試験でも低血糖は残存しており、症状が改善した患者さんでは低血糖が消失した、ということです。あるいはコントロールとして正常人の糖負荷試験のデータも必要ですね。特に自覚症状はなくとも、ニューボールドの診断基準で低血糖症にあてはまる人が相当数いたとしたら、ニューボールドの診断基準の正当性が疑わしくなります。こうしてデータがない限りは、機能性低血糖症の疾患概念が検討に値するものとは思われません。
あとよく分からないのは、ホメオパシーが出てくるくだりです。「あなたは○○です」と言われて患者の症状が改善される、というのはプラセボ群について指摘しているのでしょうか。
実際、私は糖負荷検査も受けて、反応性低血糖症という診断がおりたばかりで、現在はさらに胃腸の弱さの原因を探る検査をしつつサプリメント中心で療養中です。この間に、心療内科でうつ病と診断された症状が緩解し、薬を一切摂る必要がなくなりました。ただ、メガビタミン療法という治療方法がまだ腑に落ちていませんし、栄養をしっかりとれば元気になるというのは低血糖症どうこうというより、そもそも常識だと思いますんで、疾患概念が確立されていないというのは実感するところです。
あと、他のところでよく分からなかったのは、
・マクロビオティックや分子矯正医学と強く関連している と書いておられるが、マクロビオティックは全く関係がない。肉や野菜をもっととるよう勧められた。(余談であるが、炭水化物を抜くよう指導された事もない。)
・機能性低血糖症の診断・治療は、高価なサプリメント販売のためではないだろうか と書いておられるが、他でサプリメントを購入している事を伝えると、ならばそれを使えば良いと柏崎医師に言われた。
ということです。特に、マクロビオティックについては、NATROM氏の「機能性低血糖症の疾患概念はグレーであり、しかも黒に近い」という考えの根拠となっているようですが、出典はあるのでしょうか。
×肉や野菜をもっと
○肉や卵をもっと
です。
「肉や卵をもっととるよう勧められた」ということから、「マクロビオティックは全く関係がない」とは言えません。エントリーを書くきっかけになって「20年来のつらさがほぼ消えたことについて」にも「。食べるものは基本的にマクロビオティクスに肉と卵を足したものだと思えばいい」し、「本当に怖い低血糖症 マクロビオティックが現代の病を治す」という本すらあります。厳密なマクロビでは肉類はNGですが、緩いマクロビでは肉類は制限されません。また、本エントリーを読んでいただければわかりますように、「機能性低血糖症の疾患概念はグレーであり、しかも黒に近い」という考えの根拠は、マクロビとの連鎖ではありません。そもそも、機能性低血糖症の疾患概念を指示する根拠の欠如が、私の主張の根拠です。柏崎良子による論文だけなら、グレーではなく真っ黒です。もしかしたら柏崎論文以外に、信用のおけそうな論文がある可能性を否定できませんが、ご存知でしょうか?
サプリメントについてですが、もし他でサプリメントを購入していなかったら、NAPOLIさんがサプリメントを勧められた可能性は十分ありますね。柏崎論文についても、ビタミンやら微量金属やらを補給しろとの言及が山のようにあります。しかし、それらが効く根拠は一切提示されていません(そもそも参考文献が一つも提示されていない。実際のところ、柏崎論文は「論文」とは言えない)。柏崎医師が自覚的にサプリメント販売を推進しているとは言いません。しかし、自覚していないにしろ、サプリメント販売の片棒を担いでいるのは確かです。柏崎医師が、自身の金儲けのためにサプリメントを販売していないとしても、高価なサプリメント販売を目的に作りあげられた機能性低血糖症の概念を信じ込んでしまったという可能性はあるのではないでしょうか。
「症状が心理的な影響を受けているときには…」の件、承知しました。興味深いです。「臨床的にはよく見られる」とのことですが、統計データとして発表されているものはないのでしょうか。
マクロビを低血糖症の疾患概念と絡めて論ずる事がこのエントリで必要であったとは、私は思えません。「20年来のつらさがほぼ消えたことについて」に書かれている事はあの人の個人的な解釈が大きく、彼自身マクロビに忠実ではないようですし。さらに、「本当に怖い低血糖症 マクロビオティックが現代の病を治す」は、単にマクロビの大家が我田引水のために低血糖症を持ち上げただけの内容です。「緩いマクロビでは肉類は制限されません。」と書いておられますが、そうするとあなたの食事もマクロビとなってしまうのでは?マクロビには独自の哲学(というか科学的根拠のない思想体系)があります。http://www.macrobiotic.gr.jp/macro/では、1.穀物菜食と自然食 2.一物全体 3.身土不二 4.陰陽調和 5.よく噛んで少食に(腹八分目) をマクロビ料理のキーワードとして挙げていますが、最後の当たり前の事以外、どれも低血糖症に当てはまりません。低血糖症の治療にあなたが「機能性低血糖症の疾患概念はグレー」と主張されるところに、敢えてマクロビを取り上げるのは、論旨を弱めているように見えます。柏崎医師の論文のまずさを指摘するのに、マクロビは必要ないのではないでしょうか。
サプリメントについては承知しました。もっとも、サプリメントにドイツ並みの評価基準があれば、事情は変わってくるのかもと勝手に夢想しています。
「不安や抑うつ等の精神症状は疼痛閾値を下げ、病態を複雑にし、痛みの慢性化や難治性化を引き起こすことも知られている」
http://plaza.umin.ac.jp/JPS1927/fpj/issue/TOC07-130(2)/07-130-2.htm
ペインクリニック関係の教科書からさかのぼれば、原著論文にたどりつくと思います。臨床的な統計データをどうしても、ということであれば、通常の臨床研究におけるプラセボ群での改善率が、ある程度は参考になるかと思います。
また、マクロビの独自の哲学をすべて取り入れて忠実に運用している人はどれくらいいるのでしょうか。マクロビ親和性の高い人でも、厳密に肉類を一切摂らない人は珍しいでしょう。柏崎論文では「食品では天然のビタミン、ミネラルの含有量の多い、主食(胚芽米、全粒粉など)や調味料(粗製糖や黒砂糖、天然の塩など)を摂りいれるようにし」とあります。「食べるものは基本的にマクロビオティクスに肉と卵を足したもの」という、「20年来のつらさがほぼ消えたことについて」の解釈は正しいと思います。また、我田引水だろうと、マクロビの大家が低血糖症を持ち上げたりするからこそ、「全く関係がない」とは言えないのです。
確かに、柏崎医師の論文のまずさを指摘するのに、マクロビは必要ありません。別にマクロビに言及しなくても、柏崎医師の論文のまずさは指摘できますから。しかしながら、上記したように、機能性低血糖症の疾患概念を支持する医師がどのような食事指導をしているか、あるいは、マクロビ実践者が機能性低血糖症のことをどのようの評価しているのか、読者に現状を理解していただくために、マクロビに言及したことは適切であったと考えます。マクロビに言及することによって「論旨を弱めている」とは考えません。
サプリメントについてドイツの評価基準がどのようなものかは知りませんが、私の望ましいと思うサプリメント評価基準は、柏崎論文で言われているような科学的根拠のないサプリメントの効能への言及が規制されるような方向に働くものですね。
随分古いエントリーにコメントしましてすいません。
最近になってから長年の体調不良は機能性低血糖症が
原因ではないかと考え色々と情報を集めていた所
こちらのブログに辿り着きました。
現役の内科の先生との事で、質問させて頂きたいのですが
エントリーを読む限りでは機能性低血糖に関しては何もせず
とりあえず静観しておくのが一番でしょうか?
返信有り難うございます。 神経科は一時期通っていたのですが薬の量がどんどん増えていった事とまるで効かなかったので止めてしまいました。
機能性低血糖症と診断され1年を経過した者です。
機能性低血糖症を疑っている方たちが、説得力のある医師の方のご意見を読んで受診をやめてしまうとしたら残念だと感じましたので、遅まきながら一言コメントさせていただきたいと思います。
内科医の方の立場からのご意見は、大変参考になりました。
分子整合医学に基づいた治療をしている病院はいろいろあり、ブログ等で受診した人の感想を読むと、中にはサプリメントを売りたいだけなのかと思われる医院も見受けられるようです。
「一般的なことしか言えなくて済みません。食事の内容を変えると症状が軽快することもあるようです。バランスが良く規則正しい食事を心がけてください。また、なにかしら症状があれば、医師にかかってみてください(すでに診てもらっているだろうとは思いますが)。内科だけでなく、心療内科や精神科という可能性もあります。」
というアドバイスは、本当に一般的に医師の方が言われることで、機能性低血糖症と診断された人は、診断以前にこれらのことはやってみている方が多いことと思います。
私も、いままで大学病院や慢性疲労症候群に対応する医院等を受診して、症状に応じた薬を処方されましたが、全く良くならなかったという経緯があります。プラセボ的な要素はほかの医院にかかった時にもあったはずですが・・・
私はたまたま更年期障害などの病名が付きましたが、生活の質を損なう多くの症状を抱えているにもかかわらず、病名が付かないという理由で身体性表現障害とされて苦しんでいる方が、多いのではないかと思います。
実際に身体性表現障害なら精神科的なアプローチで良くなっていくと思うのですが、機能性低血糖症の症状と言われるものがあって身体性表現障害でない場合、救われる道がありません。
(最近よく聞く抗うつ薬が効かないうつ病の人なども、もしかしたら・・・と気の毒でなりません。)
なかなか周囲の理解を得られないからこそ、つらく苦しく、万が一プラセボでもいいから、ほんの少しでも良くなりたいというのが、この病気の人に共通する願いかと思います。
私はQOLが著しく低下し、万事休す状態で、最終的にマリヤクリニックを受診しました。その際家族も来るようにと言われ、症状や生活の仕方などについて家族と一緒に詳しく説明してもらうことができました。
現在は、医師に言われた通り、血糖値が下がりすぎる時間帯に軽食を摂るなどの生活の改善やサプリメント(自分で選んで調達)の摂取などで激しい苦痛を感じなくて済む生活をしています。
ご自身も機能性低血糖症だと『おもいっきりテレビ』で話されていた柏崎医師は、自身の病気であるからかもしれませんが、熱意を傾けて治療をしていられるように感じました。(根拠が曖昧であるにしても)
私の場合ここでやっとドクターショッピングが終わりました。
でもそうでない人ももちろんいます。
まだまだ原因が分からない病気が多いようですが、NHKでやっていたドクターGのように総合診療医の先生が頑張っておられること、以前読売新聞で連載していた代替医療(アロマテラピー・漢方など)を病院の治療に取り入れている病院が増えていること、ペインクリニックの存在などは、現代医療がとりこぼしている患者にとって大きな救いです。漢方などは、後からその効能が証明されてきていますが、証明されていなかった時も効能はあったはずです。
ご高説から、患者が根拠のない治療方法で不当に苦しませたくないという熱意が伝わってきました。ただ、機能性低血糖の疑いがある方もしくは診断を受けた患者の方は、少しでも治る可能性のある治療法を試し、自分の体に合った治療法を選び取るしかないのが現状だと感じています。
ペインクリニックは病名だけでなく痛みがあれば治療の対象としてみてくれます。機能性低血糖症という病気がなくても、症状があります。苦しみは毎日です。
去年の今頃、本当に苦しかったので、一人でも多くの人が、楽になってほしいという思いがあります。こちらのエントリーの趣旨とは全く違う次元の話であり、またほかのエントリーを読ませていただく時間もないのに、失礼かと思いましたが、原因を突き止める選択肢としての受診をやめてほしくないと思って、コメントさせていただきました。
精神科も心療内科も門外漢なのでしょうから、でしょうでしょうと推測だらけの文章を書くのはやめた方がよろしいんじゃないですか。
柏崎氏個人の論文の不出来と、分子整合医学の正当性の検証は関係ありません。
こんなブログで陰口を叩かず、直接溝口先生に手紙でも出されてはいかがですか。
http://orthomolecule.jugem.jp/
溝口徹先生については、単に機能性低血糖症という疾患概念の提示に留まらず、統合失調症も独自の栄養療法を行っているようで、グレーではなく、真っ黒ですね。そもそも、教科書や、信頼できる医学雑誌ではなく、「直接溝口先生に手紙でも出されてはいかが」という言葉が出てくること自体、トンデモであることを強く示唆しています。まともな論文が存在しないから、その方面の「権威者」を持ち出してくるしかないのです。
分子整合医学は、Quackwatchでは、"Questionable Products, Services, and Theories "に分類されています。リンク先には、原著論文も紹介されています。
Orthomolecular Therapy
http://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/ortho.html
分かりやすいように言えば、機能性低血糖症の疾患概念はグレーですが、分子整合医学はトンデモです。機能性低血糖症は、分子整合医学を信じているトンデモ連中が言っていることだけど、もしかしたら本当である可能性もあるので、グレーだと評価したのです。
もっとも、柏崎先生のところのようにOGTT は、症状が出るので行わないようですが。。。
このエントリーの最初のほうで、「通常の低血糖症」の説明として、メルクマニュアルおよびgoo ヘルスケアにリンクしていますが、リンク先で反応性低血糖について述べられています。これはもちろん、NIDDKの"Reactive Hypoglycemia"のことです。
「機能性低血糖症」とNIDDKの"Reactive Hypoglycemia"の違いは、後者は、糖尿病関連の低血糖症と症状が似ていることです。すなわち、「手の震え、眠気、発汗、動悸」などで、ブドウ糖投与などで症状が改善します。糖尿病関連の低血糖症と似ているというか、原因が異なるだけで、病態は同じです。病態が同じだからこそ、メルクマニュアルおよびgoo ヘルスケアでは、一緒に扱われているのです。
ややこしいのは、柏崎先生らのいう「機能性低血糖症」のことを、たまに「反応性低血糖」と呼ぶ人もいることです。紛らわしいので、柏崎先生らのいう「機能性低血糖症」のことを「反応性低血糖症」と呼ぶべきではないと考えます。
"Functional Hypoglycemia"でPubmed検索してみましたが、2010年に中国語の論文がある以外は、すべて1992年以前の論文ですね。1992年の論文は[Functional hypoglycemia. Fancy or fact?]というオランダ語の論文です。確かに、柏崎先生らのいう「機能性低血糖症」のことのようですね。