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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2009-05-27 病院に喫煙ルームはあっていい

[]病院に喫煙ルームはあっていい 病院に喫煙ルームはあっていいを含むブックマーク

私が勤務していた大学病院は、屋内は全面禁煙だった。喫煙所は屋外にあり、屋根はついているものの四方の一面だけにしか壁はなく、風を遮るものはない。冬はさぞ寒いだろう。また、雨天時には、傘をさすか濡れる覚悟がないと喫煙所にはたどりつけない。そばを通るときはタバコの臭いがして不快ではあったが、喫煙所でタバコを吸っている方々はマナーを守っている喫煙者であり、不便を強いられていることに同情する気持ちのほうが強かった。


f:id:NATROM:20090523102020j:image

喫煙所。屋根がないと雨天時に利用されないから機能評価に通らないらしい。



屋内に喫煙ルームをつくればいいのに。患者さんの背景はさまざまだ。腸疾患で口から食べることができず、喫煙ぐらいしか楽しみがないという患者さんもいる。悪性疾患で余命が長くない患者さんもいる。そういう人たちに対して禁煙しろとは私はとても言えない。雨や寒さの心配をせずにタバコぐらいは吸わせてあげたい。

喫煙者の趣味嗜好に対してなぜ非喫煙者がコストを負担しなければならないのか、という意見も理解できないでもないが、別にすべての病院に禁煙ルームをつくれと言っているわけではない。小さい施設であればコストに見合わないということはあるだろうが、大病院で利用者が多いのであれば、寒さや雨を心配せずに喫煙できる場所があってもいいじゃないか。それぐらいのコストなら負担してもいいよ。非喫煙者としても、煙がダダ漏れの屋外の喫煙所よりかは、屋内の喫煙ルームできちんと分煙できたほうが望ましい。

病院が屋内に喫煙ルームをつくらない理由の一つが、病院機能評価である。評価項目の一つに、「ベランダ、屋上、出入り口を含む全館禁煙を原則とする」とある。要するに、屋内に喫煙ルームがあったら、分煙が徹底されていても病院機能評価に落ちるわけだ。患者さんは病気を治すために入院しているので、禁煙が望ましいというのはわかる。しかし、成人がリスクを承知した上で喫煙するのは自由であろう。病院機能評価の評価項目で、「精神科、療養病棟、緩和ケア病棟は分煙について評価する」とあり、一応の配慮はあるものの、一般病床の患者さんだって、喫煙によって生活の質が上がるという人だっているのである。


f:id:NATROM:20090527113727j:image

財団法人日本医療機能評価機構のサイトの一般病院版 評価項目(Ver.5.0)より*1


全館禁煙、敷地内禁煙ではなく、分煙がなされているかどうかを評価の対象にすべきだと私は考える。敷地内禁煙の施設であっても、施設から一歩出たところが事実上の喫煙所になっていれば、出入り口を通る人が煙を吸うことになる。分煙が徹底されているほうがいい。「一般病棟についても、全館禁煙ではなく、分煙を評価せよ」という主張であれば、賛成する非喫煙者もいるだろう。「禁煙ファシズム」批判をしている人たちは、「嫌煙運動批判が一種のタブーとなりつつつある」などと言っているが、喫煙の害を否定するような阿呆なことを言っているからだ。



関連記事

■喫煙所が目の前にあるのに

*1:URL:http://www.report.jcqhc.or.jp/cgi-bin/koumoku.cgi?page_id=hk030P&version=5.0&hyoujikubun_id=12&ryouiki_id=3&koumoku_id_d=6&hukugou_id=0

KosukeKosuke 2009/05/27 13:58 以前からちょっと行き過ぎの感を持っておりました> 全館禁煙。
却って便所などでの隠れタバコを助長してしまった事例も知っています。
また、この一文があるために、移転新築の際にわざわざ別棟で作った喫煙所を自転車庫に用途変更してしまった県立病院を知っています。
> 敷地内を含め全面禁煙の場合は高く評価する。

でも、「全面禁煙」をきっかけに禁煙を成し遂げる方もいらっしゃるかもしれませんね。悩ましい。

愛読者愛読者 2009/05/27 21:24 同意します。

TT 2009/05/28 08:13 医局のベランダ、1Fにあれば放射線撮影室や内視鏡等検査室の搬入口の直ぐ外。
職員が・・・
医師は白衣・事務(ニ○イなど)の制服組は私服のカーディガン?を羽織って・・・

critical physiciancritical physician 2009/05/28 10:08  煙草には多額の税金がかけられているので、コスト負担の問題はそれで相殺できるのでは。私自身は勤務病院が特定機能評価を受けて全面禁煙になる前に禁煙しました。
おかげで統計上は余命が6年のびるそうですが、あまり実感がないなぁ。
 煙草を吸って良い仕事ができるなら、そういう人のために喫煙ルームはあっても良い
と思います。「死んで生きる人もいる。生きて死んでる人もいる。」by宮本武蔵。

松田松田 2009/05/28 14:18 煙だらけの喫煙ルームで吸う煙草は不味いって誰かがテレビで言ってました。私の友人は煙草は好きだけど煙は嫌いみたいです。混まない環境なら問題無いですが、煙だらけの喫煙室に押しこめられるより、少々濡れても屋外で吸いたいって人もいそうな気がします。個人的には外で吸ってる人に分煙がどうとか言うのは行きすぎと考えてます。歩き煙草とポイ捨てはやめて欲しいですけどね。

たらこたらこ 2009/06/28 14:56 余命が長くなければ、点滴で酒も飲ませてあげなよ。デリヘル嬢を呼ぶのも個室なら容認してやれ。病院は、公共的な側面もあるので、個人的なあれをしたい、これをしたいというワガママが制限される場所である。では、なぜ、たばこは許してやってもよいが、酒はダメなのか、そのあたりの基準がはっきりしない主張である。

ちなみに、たばこ病に係る社会福祉費用は、たばこにかかる税収はとっくに超えていますが、、、

NATROMNATROM 2009/06/28 18:13 他の患者さんや医療従事者に迷惑がかからないなら、お酒もデリヘルも容認できると私は考えていますが。まあ、実際にはデリヘルを誰にも迷惑にならずに病室に呼ぶというのは難しいので、それぐらいの元気があるなら外泊・外出時にしていただくことになります。お酒については、私が主治医だったら、黙認することもあるでしょう。まあ、喫煙と、酒・デリヘルとの一番の違いは、依存の有無ですな。ニコチン依存症の人がタバコを我慢するのはずいぶんと苦痛なようです。お酒は我慢できるんですよ。

「たばこ病に係る社会福祉費用は、たばこにかかる税収はとっくに超えている」という点については、私も直感的にはそうだと思いますが、確かな根拠を探すと意外と難しいのです。喫煙によって早死するが故に年金や医療費の節約になりうるという効果まで含めて、「たばこ病に係る社会福祉費用は、たばこにかかる税収はとっくに超えている」ことを示す確かな根拠をご存知なら教えてください。

一穴一棒へテロ一穴一棒へテロ 2011/11/20 17:00 >NATROM 2009-05-27 病院に喫煙ルームはあっていい さんは書かれました:
>私が勤務していた大学病院は、屋内は全面禁煙だった。喫煙所は屋外にあり、屋根はつ>いているものの四方の一面だけにしか壁はなく、風を遮るものはない。冬はさぞ寒いだ>ろう。また、雨天時には、傘をさすか濡れる覚悟がないと喫煙所にはたどりつけない。>そばを通るときはタバコの臭いがして不快ではあったが、喫煙所でタバコを吸っている>方々はマナーを守っている喫煙者であり、不便を強いられていることに同情する気持ち>のほうが強かった。

わたくしの所感:
ニコチン依存の入院患者が厚生労働省の認可したニコチンパッチを処方してもらうと、入院治療費全体に保険がきかなくなって自費になるって医者に言わせる官僚たちが、どんだけ頭が悪かったんだか。夜にナースが入れる座薬が癖になってる人も、優しく忍耐強くたいへんお安くサービスしてもらえる日本の病院を、大切にしてもらいたい。