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2009-06-24 治療にホメオパシーを用いる化学物質過敏症の権威
■[トンデモ][医学]治療にホメオパシーを用いる化学物質過敏症の権威

前回は、日本の化学物質過敏症の第一人者である宮田幹夫先生の研究を紹介しました。「化学物質過敏症治療の先駆け」「Dr.化学物質過敏症」と言われている医学者が「全くの詐欺」と言われる商品にお墨付きを与えたとしても、それだけでは化学物質過敏症の疾患概念が怪しいとは言えません。分野全体はまともでも、たまたま一人だけがちょっとアレな人だったかもしれませんし。さて、今回は、国際的にも化学物質過敏症の第一人者とみなされているウィリアム・レイ(William Rea)医師を紹介します。
ウィリアム・レイ医師はアメリカ合衆国のテキサス州ダラスで環境健康センターを運営しています。ダラス環境健康センターと北里大学は共同研究を行っており、北里研究所病院臨床環境医学センターはダラスのECU(Environmental Control Unit)を参考にして作られているそうです。日本のマスコミでもとりあげられています。テレビ朝日の「素敵な宇宙船地球号」では、「アメリカ・テキサス州のダラス環境健康センターで治療を受けているアリー(14歳)」の事例が紹介されました*1。1999年のNHKスペシャルでもウィリアム・レイ医師がコメントしています。
NHKスペシャル 地球 豊かさの限界 第3集 それはDDTから始まった その1
16分45秒ごろ(URL:http://video.google.com/videoplay?docid=-2946207763814372531)
このようにウィリアム・レイ医師は、国外からも取材が来るほどの「権威」です。しかし、公的機関からはさほど高い評価をされていません。ウィリアム・レイ医師は、当局から医師免許を取り消しの懲戒処分請求をなされているのです。■William Rea医師への懲戒請求(食品安全情報blog)から引用します。
Quackwatchの裁判ウォッチから
Disciplinary Action against William Rea, M.D.
September 16, 2007更新
http://www.casewatch.org/board/med/rea/complaint.shtml
テキサス州ダラスで環境健康センターを運営しているWilliam J. Rea医師が、医師免許を取り消されるかもしれない懲戒処分請求に直面している。テキサス州医事当局が彼を以下の罪で懲戒請求した。(a)疑似科学的検査法を用いた。(b)正確な診断を行わなかった。(c)「無意味な」治療を行った。(d)彼の治療法が根拠がないという情報を患者に提供しなかった。(e)彼が訓練を受けていない分野の治療を行った。(f)米国内科医認定機関が認めていないのに自分は認定された医師であると称していた。Reaは、科学界では認められていない多種類化学物質過敏症(MCS、化学物質過敏症)の宣伝者として有名である。
ウィリアム・レイ医師は、「化学物質過敏症で苦しむ患者を診断・治療する医者を排除し、臨床環境医学の特色を破壊するための組織化された全国的な努力が存在する。」と反論しています*2。保険会社は支払いをしたくないがため、化学物質過敏症に対する診断や治療を望まないのだ、という主張です。さて、どちらの主張が正しいのでしょう?ウィリアム・レイ医師は、疑似科学的な検査を行い、無意味な治療を行うインチキ医者なのでしょうか?それとも、ウィリアム・レイ医師に対する批判は保険会社の陰謀なのでしょうか?ダラス環境健康センターのサイトにある、ウィリアム・レイ医師が行っている検査や治療のリスト*3を見れば、だいたいのところが理解できると思います。治療のリストを挙げましょう。念のために言っておきますが、「ウィリアム・レイ医師はこのような科学的に根拠のない治療を行っている。ケシカラン」と当局が挙げているリストじゃないですよ。ダラス環境健康センターが「こんな治療を行っている」と自分から掲げているリストです。
- Immunotherapy (免疫療法)
- Imunology Services
- Nutrition(栄養療法)
- Physical Therapy (理学療法)
- Osteopathic Manipulation (オステオパシー)
- Chemical Depuration Program (Combining Heat Depuration Chambers and Physical Therapy)
- Oxygen Therapy (酸素療法)
- Nutrient Therapy (栄養療法)
- Homeopathy (ホメオパシー)
- Psychological Support Services
- Energy Balancing
オステオパシーや"Energy Balancing"(気功のようなものらしい)にも言及したいですし、一見まともに見える免疫療法や栄養療法についても細かく言えば問題がありますし、"Immunotherapy"と"Imunology Services"、あるいは、"Nutrition"と"Nutrient Therapy "はどう違うんかと突っ込む誘惑にも駆られますが、その辺はグッと我慢して、最近はわりと有名になってきたホメオパシーについて述べます。「ホメオパシーは、治療反応を開始させるために小用量の薬を個々に合わせる洗練された方法です。我々には、この種のヘルスケアにふさわしい患者の必要性について取り組むために、公認のホメオパスのスタッフがいます」*4と、ホメオパシーにきわめて肯定的です。ホメオパシーには科学的根拠がないとみなされていることなど述べていません。そんなことを患者さんに知られると、効果がなくなってしまうから仕方がないのかもしれませんが。
国際的な化学物質過敏症の第一人者は、治療にホメオパシーを用い、当局から医師免許を取り消しの懲戒処分を請求されるような医師だったんですね。化学物質過敏症の疾患概念が国際的にも科学界で未だに認められていない理由の一端をみなさんにご理解いただければと思って、今回のエントリーを書いてみました。私は、化学物質過敏症の疾患概念や、臨床環境医が行う検査・治療には懐疑的ですが、化学物質過敏症とされる患者さんの苦痛は疑っていません。症状の原因が「化学物質」であると決め付けず、心因性も含めて原因の調査が行われるべきです。しかし、ニセ科学的な検査・治療を行う化学物質過敏症の「第一人者」のために、科学的な研究・治療法が妨げられています。結果として犠牲になったのは患者さんです。
関連記事
*1:URL:http://www.tv-asahi.co.jp/earth/contents/osarai/0424/
*2:"To put it bluntly, there is currently an organized nation-wide effort to destroy the specialty of Environmental Medicine and to eliminate from practice physicians who diagnose and treat patients suffering from chemical sensitivities. " URL:http://www.environmentalhealth.ca/special/fall07ReaOpenLetter.html
*3:URL:http://www.ehcd.com/services/patientservices.html
*4:"Homeopathy is a sophisticated method of individualizing small doses of medicines in order to initiate a healing response. We have a licensed homeopath on staff to address patient needs appropriate to this type of healthcare."











化学物質や臭いに段々反応しなくなってきていますし、以前のように全身倦怠感や体のバランスがとれなくなるような症状は出なくなり、CS自体は回復しているんです。(大学病院の主治医もそういう見解)
しかし、末梢神経の機能が一昨年から段々おかしくなってきています。
両足のくるぶしから下の感覚が変で、特に指が麻痺していて触られても感覚がないですし痛いです。月曜日の神経内科の診察・検査で、触れられたときの感覚がないばかりではなく、「冷たい」と感じる感覚も鈍いことが解りました。
また、自分の意思で指を曲げようと思っても、右足はもう左足のようにきちんと曲げられません。
明日は、「感覚神経伝道検査 腓腹神経」と「運動神経伝道検査 頚骨神経」の検査を受けます。糖尿病からくる抹消神経の異常でもありませんでした。現在、甲状腺機能も検査中です。
でも、多分、普通の医学的検査を受けてもきっとどこも悪くないんですよ・・・。
いつもそうなんですから・・・。
心因性で、このように末梢神経の機能に異常が出ることはありますか?
xyzさんへ。もちろん、ホメオパシーを”sophisticated method”などと評価する国があったら、その国の良識を疑いますね。「医療費の節約のためにエビデンスが乏しい代替医療も許容しよう」という立場ならまだ理解はできます。あくまでも医療者が代替療法の限界を理解した上で使えば有用な場合もあります。ウィリアム・レイ医師が当局から目をつけられたのは、そのような立場からほど遠いところにあったからだと理解しています。ちなみに、イギリスはもはやホメオパシーは保険適用されないようですよ。「病院運営団体のNHSトラストはホメオパシーを拒絶する」http://www.medicalnews.jp/index.php?itemid=696。
化学物質過敏症が心因性であるとするならば、ホメオパシーは、多少効果がありはしませんか?実は私は、慢性疲労症候群に、軽い化学物質過敏症が加わっているような状態に、ここ数年来、なっています。現代医療が、原因解明にも治療にも、今のところ無力なのに対して、ホメオパシーは気休めにはなって、助かっております。
NATROMさんのような頭のいい人達に、早く原因の解明と治療法の確立をしていただきたいです。自分では最近、予防接種の副作用(長期的というか慢性的な)ではないかとか考えています。ワクチンに添加されているものに、遅延型アレルギーを起こすことによって、発症するのではないだろうかと推測していますが、どうでしょうか?
でも、原因がわかったところで、治りそうにはないので、諦めの境地に達しております。
もちろん、化学物質過敏症とされている患者さんの少なくとも一部は心因性だと考えられます。ホメオパシーが効果がある患者さんもいるでしょう。。「電磁波から身体を守る黒豆」だって効果がありますし、「大明気功」だって効果があります。いわゆる「プラセボ効果」をうまく使って患者さんを癒す手法は通常の医師も使いますし、そのこと自体を批判しているのではありません。「ほかのさまざまな化学物質にも反応する。電磁波にも反応する」と煽ったり、通常の医学が必要な患者さんから玄大学を遠ざけたり、ニセ科学的な手法で金儲けをしたりしなければ、当局からもお目こぼしされていたと思います。
>自分では最近、予防接種の副作用(長期的というか慢性的な)ではないかとか考えています。ワクチンに添加されているものに、遅延型アレルギーを起こすことによって、発症するのではないだろうかと推測していますが、どうでしょうか?
思いつきで勝手気ままに推測するの自由ですが、今のところはその仮説を支持する証拠はほとんどないと思います。可能性のある要因はワクチン以外にも山のようにあるだろうに、いったいなんでまたワクチンが犯人だと推測したのか、興味深いです。
ワクチン原因説は、思いつきで勝手気ままに推測したというより、ここ数年、慢性疲労症候群の症状に苦しみながら、「いったいどうして、こんな体になってしまったんだろう?」と自問自答を繰り返した末、思考力も衰えた状態でたどり着いた、一つの案という感じです。WikiのCFSの片隅にも、組み換え型のB型肝炎ワクチンが原因かも、という説もあるということが、載っていました。あながち、途方も無い説ではないと、私は思っています。
それにもちろん、ワクチンだけが犯人とも思っておらず、遺伝的な脆弱性とか、環境的なこととか、ストレスとか、CFSやCSの発症には、いろんなことが複合的に絡んでいるのだろうと思います。
もし、ワクチンの副作用だとしても、ワクチンの副作用で、てんかん発作を起こすようになる人や、死亡する人が、非常に稀なケースであるように、CFSやCSを発症するのも、稀なケースなのだろうと思います。
昔の話。今はもうない。
ホメオパシーに現代科学の根拠がないのは、理解できます。ただ、同じ基準を鍼灸に適用すると、鍼灸もトンデモ科学になってしまうのではないかと思います。
ホメオパシーがダメで、鍼灸(実際のところどう思っているのかわかりませんが、、)は認容してもよいことの違いがわからないのですが。
鍼灸が容認されるとしたら、一般的に鍼灸師は、ワクチンを否定したり、「喘息を治せる。ステロイドはやめろ」と言ったり、高価なインチキ機械を売ったりしないからでしょうね。
>私は、化学物質過敏症の疾患概念や、臨床環境医が行う検査・治療には懐疑的ですが、化学物質過敏症とされる患者さんの苦痛は疑っていません。
NATROMさんは、化学物質過敏症の病態が解明されていないという理由から、もしくは、『化学物質過敏症の病態が困難等という理由から、病気そのものの存在を否定』されているわけではないですよね!?
NATROMさんは、「現在の化学物質過敏症の疾患概念や、臨床環境医が行う検査・治療」に懐疑的だけなのであって、「化学物質過敏症とされる患者は、“未知の病態”に苦しんでいる」との認識に立っていらっしゃるのですよね?
>症状の原因が「化学物質」であると決め付けず、心因性も含めて原因の調査が行われるべきです。
NATROMさんは、『化学物質過敏症の症状のひとつとして、精神的な症状もでるために、心因性である』と決め付けていらっしゃるわけではないですよね!?
世界各国の二重盲検法の検査や厚生労働科学研究の研究(検査)結果から、「化学物質過敏症と診断された一部の患者の中には、心因性によって症状が誘発されている患者もいる」という認識でいらっしゃるのですよね?
ご質問のお答えはきっとこの中にあろうかと思われます。
http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/CS.html
もちろん、その通りです。病態の解明と、病気の存在は、別の問題です。結核菌の発見以前にも結核はありましたし、有機水銀が原因とされる前にも水俣病はありました。
>NATROMさんは、「現在の化学物質過敏症の疾患概念や、臨床環境医が行う検査・治療」に懐疑的だけなのであって、「化学物質過敏症とされる患者は、“未知の病態”に苦しんでいる」との認識に立っていらっしゃるのですよね?
化学物質とされる患者さんの中に、未知の病態で苦しんでいる人もいるのだろうと思いますが、少なくとも患者さんの一部は、既に知られている精神疾患や、あるいはアレルギーや中毒としたほうが適切なのではないか、と考えています。この場合は、必ずしも「未知の病態」とは言えません。「誤診」というほうが適切です。
>NATROMさんは、『化学物質過敏症の症状のひとつとして、精神的な症状もでるために、心因性である』と決め付けていらっしゃるわけではないですよね!?
精神的な症状が出るかどうかは、あまり重視してません。ブラインドテストの必要性(http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/blindtest.html)では、「鼻腔や口腔の発赤や鼻汁の分泌」といった症状が、造花によって誘発されることを述べました。この場合、「鼻腔や口腔の発赤や鼻汁の分泌」はアレルギー症状であって、「精神的な症状」ではありません。しかし、心理的な要因で誘発されます。逆に、器質的な疾患で精神的な症状が出る場合もあります。
>世界各国の二重盲検法の検査や厚生労働科学研究の研究(検査)結果から、「化学物質過敏症と診断された一部の患者の中には、心因性によって症状が誘発されている患者もいる」という認識でいらっしゃるのですよね?
概ねその通りです。心理的な要因で症状が誘発されることだけではなく、症状の原因とされる化学物質に暴露されても、本人が知らされていない限り、必ずしも症状が誘発されないことも重要です。ただ、化学物質過敏症を診ている医師によれば(私信)、数としては多くないものの、臨床的には微量の化学物質に反応していると考えたほうが説明しやすい症例もある、とのことです。エビデンスレベルとしては低いですが、専門家個人の意見もエビデンスとみなされます。問題は、微量の化学物質に反応している患者さんと、心理的な要因のみで症状が誘発されている患者さんとを、簡易的に区別できる方法が今のところないことです。
ご親切にURLを貼ってくださって、ありがとうございました。
>NATROMさん
お考えを伺って安心しました。NATROMさんの他のブログのゲスブにコメントしておきますので、お時間のあるときに是非お読みになってください。
お返事ありがとうございました。
http://fptsukioka555.blog86.fc2.com/blog-entry-255.html
この中で、化学物質過敏症の専門医の診断について、次のような記述がありました。
>患者さんの症状を見るだけで、
>お医者様の”長年の経験”から【慢性有機リン中毒】――
>そして【化学物質過敏症】と診断しているだけ。
>いつどこで有機リン化合物に暴露したのかいっさい”不明”です。
診断の現場において、このようなことが日常化しているとするならば、NATROM様の言う「誤診」は多いのだろうなと思えます。
今日、神経内科の検査が終了し先生から説明を伺ったのですが、1つ先生にお尋ずねすることを忘れてしまって、申し訳ありませんが、NATROMさんにお尋ねしてもよろしいでしょうか?
平成11年(CS発症前)に他の病院の内科の検査で、自己免疫疾患の検査(詳細は不明)が陽性と出てさらに詳しい検査をしたことは、以前他のエントリーのコメントでお話したとおりです。
今回6月の神経内科の自己免疫疾患の検査(抗核抗体)で、正常値80(単位は解りません)のところ、40でした。平成11年の検査が抗核抗体検査なのかどうかは解らないのですが、この自己免疫疾患の検査の数値というのは、IgE抗体検査のように、その時々の病状や体調によって、数値が上がったり下がったり、陽性になったり陰性になったりするものなのでしょうか?
ちなみに、今日頚椎のMRI検査をうけ、血液検査の結果も出ました。神経伝道検査は、今回はしませんでした。
結局今回も原因がはっきり解らず確定診断に至りませんでしたが、今後も「疑い」ということで、経過観察していくことになりました。
あらゆる検査値について、「その時々の病状や体調によって、数値が上がったり下がったり、陽性になったり陰性になったりする」とお考えください。ただし、個々の検査によって、揺れ幅は違ってきます。抗核抗体については、一般的には40倍未満が基準値とされています。以前、80倍であった人が、今回測ったら40倍であったなんてことは普通にあります。抗核抗体の検査法は、倍々に希釈していって反応を見る方式ですので、40倍と80倍の間はありません。おそらく、pikaさんの場合は、抗核抗体はもともと基準値上限ぐらいであって、日によって基準値内におさまったり、基準値をわずかにオーバーしたりするのだと思います。
詳しく説明してくださって、ありがとうございました。
四肢に抹消神経機能障害の症状が現れ始めてかなり凹みましたが、こちらの治療をすることで、CSと診断された病状の改善に繋がるかもしれないと、前向きに考えられるようになりました。神経内科の先生や主治医の指示に従って、今後も回復に努めたいと思います。いろいろありがとうございました!
倍希釈の繰り返しなら倍率は2の乗数になるはずで、40倍とか80倍とかじゃなく32倍とか64倍なんてなるはず。1024バイトを1kバイトって呼ぶようなもんなのか、それとも最初の1回目だけ五倍希釈とかなんだろか。
たしかに基準からあんまり下見るのは意味ないですよね。ナットクしました、ありがとーございます。
なぜ治ったのかずっと半信半疑だったのですが、いろいろと勉強していく内に一つの結論に至り、その内容をまとめました。
http://yamarou2.ehoh.net/cs/index.html
NATROMさんからは私の理論ってどう思いますか?
お忙しいところいつも恐縮ですが、また教えていただいてもよろしいでしょうか?
>ニセ科学的な検査
ズバリ、毛髪分析は、信用しても良い検査なのでしょうか?
あるブログで、ドクターズデータ社が訴えられたこと(しかも2回目?)を知りました。平成18年11月、私はここで毛髪分析を行ってもらったので、そのエントリーの内容にショックを受け、会社名が間違いないか確認しようと思い、しまってあった資料を引っ張り出してきたところ、すっかり失念していた分析結果を見て愕然としました。
毛髪分析は、当時某掲示板で紹介されたのを機に知り、自分のCSの回復に役立てばとの想いから、日本の「○○予防医学研究所」という代理店を通して毛髪を送り、検査の申し込みをしました。
大学病院の主治医に毛髪検査を受けたことを話したところ、ご覧になりたいということだったので一応先生にはお見せしましたが、既に東京の専門病院の医師から勧められたサプリメント(マルチビタミン・マルチミネラル)を4年間服用していたこともあり、「○○予防医学研究所」から、不足していたビタミン等の改善指導がありましたが、摂取するビタミンやミネラルを変更することはありませんでした。
具体的に、「あなたのコバルトの値は極端に少なく検出されました。ビタミンB12が不足している筈なので、改善の手を打ってください。」と指導されましたが、上記にも書きましたとおり、マルチビタミンの中にB12が入っていたので検査結果は無視しました。
しかし、平成19年の12月、初めて症状が両足に現われ、春に一端症状が消失したので凍傷と思い、主治医に話すこともなくそのままにしていたところ、平成20年12月、本格的な症状が現われ、8月には両手にも症状が現われ現在に至ります。昨年6月の内科の血液検査では、B12が不足していることはありませんでしたが、今年1月下旬から服用し始めたメチコバール500が効いてきているようで、症状が軽減してきています。
他、毛髪分析でナトリウムとカリウムが多く、ナトリウム摂取を控えるように指導されました。この頃(平成18年11月前後)ちょうど偶然にも、大学病院でもナトリウムとカリウムの血液検査をしていましたが、結果は毛髪分析の結果と同じでした。
毛髪分析には科学的根拠はない、といった類の話を耳にしたような記憶があり、また、血液検査とは相応しないように書かれてあるHPを読んだこともあります。
毛髪分析がどの程度信用できる検査なのか、NATROMさんのご意見をお伺いしたいです。お返事は急ぎませんので、よろしくお願いいたします。
検査の正確性については、同一のサンプルを複数の研究所に送って毛髪検査を行わせたところ、結果が一致しなかったという研究があります(Barrett S. Commercial hair analysis: Science or scam? JAMA 254:1041-1045, 1985)。"commercial use of hair analysis in this manner is unscientific, economically wasteful, and probably illegal.(毛髪分析の商用利用は非科学的で、経済的に浪費で、おそらく違法である)"と要約にはあります。
また、仮に検査が正確であったとしても、結果をどのように解釈し、どのような対策をとればいいのか、ほとんどの疾患について、現在のところ明らかになっていません。pikaさんの毛髪中のコバルトが、標準的な人と比較して少なかったという結果が正しかったとしましょう。業者はビタミンB12を勧めたようですが、「毛髪中のコバルトが少ない人にビタミンB12を摂取させたら健康上良い影響があった」とする臨床研究があるのでしょうか?私は、そんな研究は存在しないと思います。おそらく、「コバルトが不足しているのをビタミンB12で補う」という連想からでしょうが、仮の話として、毛髪中のコバルト低下は、コバルト不足ではなく、余剰のコバルトを排出する機能が低下していることを反映しているのかもしれませんよね。だとすると、余分なコバルトを摂取することがかえって悪影響を及ぼすかもしれません。
2004年ごろの話ですが、医師向けサイトで日本の臨床検査会社が「毛髪ミネラル検査の受託を開始」することを紹介したので、エビデンスについて問い合わせましたところ、「当然保険点数も収載されていませんので、疾患との結びつきも明らかになっていません」「本来は先生ご指摘の通り検査に関するエビデンスをお示しできればよろしいのですが、エビデンスを求めるための研究を目的とした検査依頼に応えることも弊社の大切な役割と思っています」とのお答えをいただきました。「疾患との結びつき」については、自閉症を念頭に置いた回答だと思います。
Quackwatchでは、「商業的な毛髪分析:インチキ療法の基本的な徴候」とし、栄養状態を評価したり、食事・サプリメントを選ぶ根拠としては毛髪分析は役に立たないと書かれています。
Commercial Hair Analysis: A Cardinal Sign of Quackery
http://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/hair.html
慢性のヒ素中毒や鉛中毒については、毛髪検査も意味があるようです。Quackwatchで"Commercia(商業的)" Hair Analysisとしているのは、科学的に根拠の乏しい診断に付随してサプリメントを売りつける業者を念頭に置いているのでしょう。サプリメントを推奨したり、利用者に髪を切って郵送させたりするタイプの毛髪診断はインチキとみなしていいと思います。微量のミネラルを測定するのだから、髪が外部から汚染されればとたんに検査結果が狂います。正確に毛髪のミネラルを測ろうと思ったら、素人にサンプリングさせるわけありません。キレーション治療は論外です。
>「毛髪中のコバルトが少ない人にビタミンB12を摂取させたら健康上良い影響があった」とする臨床研究があるのでしょうか?私は、そんな研究は存在しないと思います。おそらく、「コバルトが不足しているのをビタミンB12で補う」という連想からでしょうが、
臨床研究があるのかどうか私には全く分かりませんが(送付されてきた資料の中にも特に説明はなかった)、「あなたの毛髪分析データについてのドクターズデータ社の見解」には、次のように説明されていました。
「コバルトは体内でビタミンB12として利用されます。主として肝臓、腎臓、心臓などに貯蔵されており、必要に応じて動員されます。十分な量がストックされていればビタミンB12が不足した時でも大丈夫です。
あなたのコバルト値は極端に少なく検出されました、ビタミンB12が不足している筈なので、改善の手を打ってください。」
平成18年11月の毛髪分析の指導に従い、ビタミB12を食事やサプリでもっと摂取していれば、現状のような病状には至らなかったのではないか、と少し後悔していたので、ご説明を伺って「関係ない」ことが解り、元気が出ました。(笑)
ありがとうございました!
>科学的な研究・治療法が妨げられています。結果として犠牲になったのは患者さんです。
NATROMさんには、内科で診断された病名(まだ「疑い」)をお伝えしておりますが、CSとの併発だとお考えになりますか?
それとも、CSが誤診だとお考えになりますか?
丸7年間私を見てきた夫は、誤診だと思っています。
問診等でCSであると診断された患者さんが、負荷テストで陽性になるかどうかは、調べられています。結果はご存じの通りです。「誤診されている人もいる」どころか、CSという疾患概念の存在自体が疑わしいという状態です。つまり、CSであるという診断は、常に誤診であるかもしれないのです。ただし、私信ですが、CSの診療をしている医師から、心因性であると思われる症例も多いが、微量の化学物質に反応しているとしか思えない症例(いわば真のCS)もあると聞いてます。これは可能性としてはありそうな話だとは思います。
先日ノルウェーで虚血性心疾患のリスク低減目的で葉酸とビタミンB12の投与する
研究の結果が出てたんですが、サプリメント投与群とプラセボ投与群では
有意にサプリメント投与群に発癌のリスクが高くなっていた(21%)との結果が出てるようです。http://www.nytimes.com/2009/12/01/health/research/01regi.html?_r=1
論文の中身までは見てないので、どの程度の量と期間なのかはわかりませんが、ビタミンだからと安易なサプリメントの摂取は考えものだと思います。
もちろん、ノルウェー人の結果が日本人にもそのまま当てはまるのかはデータがないので分かりませんけど、もともと葉酸代謝拮抗剤は抗癌剤として使いますんで葉酸やビタミンB12の過剰摂取が癌細胞の増殖を促す作用があっても理屈は合うのかなと思います。
ご説明ありがとうございました。