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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2010-02-08 「代替医療のトリック」

[][]「代替医療のトリック」 「代替医療のトリック」を含むブックマーク

cover

■代替医療のトリック(サイモン・シン著, エツァート・エルンスト著, 青木薫訳)。原題はTrick or Treatment?。著者の一人のサイモン・シンは、サイエンスライターとしてトップクラスであり、暗号解読フェルマーの最終定理といった著作がある。「代替医療のトリック」も含め、いずれも青木薫による翻訳である。私は、サイモン・シン+青木薫という組み合わせの本は自動的に買うことに決めている。もう一人の著者のエツァート・エルンストは、プロフィールによれば、「代替医療分野における世界初の大学教授」であるとのこと。「著者論文多数」ともあるが、Pubmedで調べてみるとその通りであった。たとえば、「"Ernst E"[Author] and homeopathy」では73件が引っ掛かった。これからは、良く知らない代替医療について調べたいときには「"Ernst E"[Author] and 」を付けて検索することにしよう。

さて、本書「代替医療のトリック」の主題は、代替医療に効果があるのかどうかである。効果の検証のために、臨床試験が必要であることが本書では繰り返し述べられる。第I章では臨床試験の方法論について述べられている。最初の対症比較試験は、イギリス海軍の医師リンドによって1747年に行われた壊血病に対する食事の効果を調べるものであった。他の条件を同じにしてオレンジとレモンを与えられた群では患者はめざましい回復を見せた。現在は、壊血病の原因はビタミンCの不足であるとわかっているが、当時はわからなかった。しかし、メカニズムが不明であっても、治療の効果を科学的に検証することは可能である。


リンドは環境と食事という変数を変えてみることにより、オレンジとレモンが壊血病を治療するための鍵になることを示した。この試験の対象となった患者の人数はごくわずかだったが、結果はあまりにも鮮明だったので、リンドはこの結果に確信をもった。もちろん彼は、オレンジとレモンにビタミンCが含まれていることも、ビタミンCがコラーゲンを作るために必要な成分であることも知らなかったが、それはここでは重要ではない。なにより重要なのは、彼の治療によって患者が良くなったことだ。医療においては、治療の有効性を示すことが最優先とされる。基礎となるメカニズムの解明は、のちの研究にゆだねればよい。(P32)


ある療法に効果があるかどうかと、その療法のメカニズムの解明は異なるものであることに注意して欲しい。代替医療の擁護者*1は、しばしば後者のみを「科学的根拠」と勘違いしている。例を挙げよう。ホメオパシージャパン*2では、水に記憶があるとする実験が再現できなかったとするBBCの番組について言及し、「しかし、それはホメオパシーの科学的根拠がないということであり、ホメオパシーが治癒をもたらすという事実を否定するものではありません。今の科学ではホメオパシーを説明できないということだけです」と述べている。

しかし、問題は「ホメオパシーが治癒をもたらす」というのが事実かどうかなのだ。ホメオパシージャパンが、メカニズムのみを「科学的根拠」とみなしているのに注意して欲しい。実際には、「科学的根拠に基づいた医療」と言うときの「科学的根拠」とは、効果があるかどうかを問題にしている。本書では、第III章をホメオパシーに割いており、上記したBBCの実験について言及している(P164)。水の分子や、細胞レベルの研究では、ホメオパシーに何らかの作用があることは確認されていない。


しかしそんなことは、ホメオパシー論争の本筋からすると大したことではない。なぜなら、分子レベルや細胞レベルで起こることは、患者の身に起こることにくらべればささいなことだからだ。ホメオパシーは医療の問題なのだから、生物学や物理学は忘れてよい。究極の問いはこうだ。ホメオパシーは、患者の病気を治してくれるのだろうか?


とりあえず、メカニズムは置いといて、効果があるかどうかが問題なわけだ。ホメオパシーが病気を治すかどうかについては、特に未来の科学に頼らなくても検証可能である。18世紀にオレンジとレモンが壊血病を治すかどうか調べたのと同じように、ホメオパシー治療を受けた群と、受けなかった群を比較して、差があるかどうかを調べればよい。もし、ホメオパシーが治癒をもたらすのであれば、そのメカニズムがまったくの不明であったとしても、ホメオパシー治療を受けた群のほうが治癒する率が高いことがわかるはずである。ホメオパシーについては既に何度も調べられており、ホメオパシーは治癒をもたらさないというのが事実であるとわかっている。ホメオパシージャパンの主張とは裏腹に、効果があるかどうかを気にかけているのは、ホメオパスではなく、ホメオパシー批判者のほうだ。

本書では、ホメオパシーの他に、鍼治療、カイロプラクティック、ハーブ療法についてそれぞれ1章をあて、検証している。その他に付録として、アーユルヴェーダ、アロマセラピー、キレーションセラピー、分子矯正医学、レイキ等が、簡単に評価されている。「その衝撃的な内容とは?」という帯のアオリとは裏腹に、ごく一部の例外を除けば、効果がないか、証拠不十分か、ときには危険ですらあるという結果であった。

けれども、確かに効果があったとする体験談がたくさんあるのではないか。本書では、「個人的経験と科学的研究の矛盾(P297)」がなぜ起こるのかについても述べてある。自然治癒や、併用する他の治療(通常医療の薬や生活習慣の改善)の効果、平均への回帰(治療介入は具合の悪い時期に開始されることが多い)、確証バイアス(代替療法を信じている人は効果があった解釈しがちな傾向がある)、そしてプラセボ効果。これは別に代替医療に限らず、標準医療であっても判断を誤る原因となる。だからこそ、二重盲検法などのしっかりとした臨床試験が必要なのだ。



関連記事

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*1:2010年3月3日追記:代替医療の擁護者だけでなく、批判者も同様の誤謬に陥っている例がある。

*2:URL:http://www.homoeopathy.co.jp/introduction/world_T20021203.html

ゆんゆん探偵ゆんゆん探偵 2010/02/08 17:33 超良書でした。私からも強くオススメします。否定的にせよ肯定的にせよ、代替医療について論じる全ての人々がまず議論の土台を作るリファレンスになり得る本。著者達のあくまで論理的で誠実な筆致がそれを可能としています。

暗号解読も良書暗号解読も良書 2010/02/08 20:02 代替医療という名前付けも誤解をまねく一因なのではないでしょうか。(代替エネルギーだったら実際にエネルギーだし、代替甘味料だったら実際に甘いし、同じように代替医療といわれたら医療を代替して効果を上げそうな気になる)
もっと医療ではないという側面を強調して、臨床試験で効果の証明されないものに関しては「ニセ医療」とか「なりすまし医療」といった方が適切だと思います。

ゆんゆん探偵ゆんゆん探偵 2010/02/08 20:09 暗号解読も良書さんへ。この本の素晴らしいところは、著者達が最初にそういった「これこれはニセ医療である」との予断を持たずに、ひたすら事実を積み重ねて個々の「代替医療」の真偽を確かめている点、またその検証の過程をしっかりと記述している点にあります。ですのでこの本の書名としては、やはり「代替医療」と記すので正しいと思います。

RyoRyo 2010/02/11 11:53 本屋で見つけて、さんざん迷った挙句にお財布と相談して保留にしたのですが、やっぱり買って読むべきですね。

門前の小僧門前の小僧 2010/02/11 17:35 Ryoさん

サイモンシンの本は今のところ全て文庫化されています。しかも文庫化のペースが上がっています。(暗号解読は約6年かかりましたが、宇宙創成は2年半です。)
この本も1,2年で文庫化される可能性があると思いますので、それまで待つのもひとつの手かと。

m26m26 2010/02/18 19:31 トラバさせて頂きました!
少し疑問に思ったのですが、通常の医師さんたちも外来の時や、その他患者さんに対して、ある種の見えないプラセボ効果を考慮したうえで診察するときってないのでしょうか?ブログでも書いたのですが、僕だったらその効力を加味した判断をしそうな感じです。

NATROMNATROM 2010/02/18 21:39 もちろん、プラセボ効果も期待できるように振る舞うことはあります。たとえば、睡眠剤を処方するときに、「私も同じものを使っていますが、よく効きますよ」などと言えば、たぶん、単に処方するよりも、よく効くだろうと思います。これは実際の効果+プラセボ効果を狙ってのことですが、例外的ながら、プラセボ効果のみを期待して処方することもあります。「代替医療のトリック」でも言及されていますが、プラセボ効果のみを期待した医療は、インフォームド・コンセントに基づいた医療と相反します。この辺りは、わりと微妙な判断になりますが、私は、ときには医師の裁量によって、パターナリズムに基づいた医療がなされてもいいと、つまり、プラセボ効果のみを期待した医療がなされてもよいと、考えています。

m26m26 2010/02/19 00:11 同感です。ただプラセボ効果だけを狙って処方をすることもあるとは驚きです。具体例はぱっと思いつきませんが、それは患者を処理するだけの悪意のプラセボでないことを祈ります。って、そんなお医者さんいるんですかね。(失礼)実際の効果+プラセボなら大賛成です^^

月猫月猫 2010/02/19 09:30 amazonに頼んでたのがさっき届きました。早速読み始めようと思います。
良い本らしいので楽しみです。

pikapika 2010/02/24 11:00 書店で購入して、今読んでいる最中です。とっても良書です!
特に、お薬の服用が困難な私は、風邪をひいたときなどハーブを利用してその場を凌いでいますが、効果の真偽もさることながら、副作用について書かれている点が、大変参考になりました。
と同時に、何も知らずに摂るのは、やはり「恐い!」と改めて思いました。
同じ化学物質過敏症の患者さん方にも、代替医療やハーブの「有効性」のことはともかくとして、「安全性」の見地から、是非読んでいただきたいと思いました。

かわにくかわにく 2010/03/11 23:41 これ(「代替医療のトリック」)を読んで、サイモン・シンにはまりました。
「フェルマーの最終定理」「暗号解読」「宇宙創成」、すぐに読めてしまいました。

かわにくかわにく 2010/03/11 23:41 これ(「代替医療のトリック」)を読んで、サイモン・シンにはまりました。
「フェルマーの最終定理」「暗号解読」「宇宙創成」、すぐに読めてしまいました。

かめかめ 2010/04/03 17:10 「代替医療」という言葉の本当の意味を述べるとすれば、「医療行為ではないが適切なアドバイスと医療の妨げにならない、また、医療の補完に当たる部分のサポート」というように学んだ者です。
あくまで「医療行為」ではなく、もちろん処方された医薬品などの効果を妨げることのないように成分を理解したうえでのみ使用するようにと学びました。
国家資格を得ていない資格(日本では)というものはたくさんあると思いますが、それを一まとめに「偽」扱いされますと、それによって安らぎを得ている方々の心のよりどころはいったいどこへ求めればよいのでしょうか。
医療ありき、そして、代替医療ありき、そして一番は身体や心のもっていき方を模索している方々への手助けになればと行われているそれぞれの行為だという観点を、少し理解していただける余地はありましょうか。
科学だけでは心は安らぎません。
安らぎがない医療は本当の改善をもたらすとは思えない病気もたくさんあります。
その部分に働きかけるものが必要になったとき、皆さんもわかると思います。
最後にもう一度になりますが、確かに私たちの行為は医療行為ではないのです。
それを忘れて医療行為のように宣伝などをされている方も多いと思いますが、それはやはり誤りで、あくまでもお医者様の行為の妨げにならないようにそれぞれの施術をするべきなのです。
勘違いをされているすべての方々へ、施術者も、読書された方へも。
一度ご自分の発言に左右されている人の身になって考えてみてください。

zororizorori 2010/04/03 17:43 かめさんの学ばれた「代替医療」と「代替医療のトリック」で述べられている「代替医療」は違うものですね。
「代替医療のトリック」では個別具体的に言及されていて、一般論でひとまとめに批判や否定はされていませんので、ご心配のようなことはないかと思います。

同様に、かめさんのおっしゃる本当の代替医療についても具体的にどんなものがあるのか述べていただくと、安らぎを求めている人の役に立つのではないでしょうか。

pikapika 2010/04/07 19:22 zororiさんへ

過日は、他のエントリーで、私の「含みを持たせたコメント」により不愉快な想いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。


かめさんへ

私は、代替医療で、「身体や心のもっていき方を模索している方々」を否定しているわけではありません。しかし、「身体や心のもっていき方を模索している方々への手助けになればと行われているそれぞれの行為」を受けるのであっても、「医学的」に正しい情報提供がなされ、その「正しい医学情報」を理解し自己責任の上で受けるのであれば、何ら問題ない、と理解しています。しかし、多くの代替医療において、主張されている医学情報に「偽」の部分が混在しているので、各代替医療の医学情報に対し、「真」か「偽」かの判別が難しい一般人には、このようなブログも必用であると考え賛同し発言しています。

私は化学物質過敏症で大学病院に丸7年間お世話になっていますが、主治医の先生と約束していることがあります。
それは、「pikaの病気が回復するなら、身体が楽になるなら、心が安らげる(救われる)なら、どんな代替医療をしても構わない。ただし、宗教にだけは絶対に走ってはいけない」と言われています。
先生が仰った「宗教」という言葉の意味が解らず怪訝な顔をしていると、先生は具体例を出して説明してくださいました。

先生のご専門は産婦人科ですが、ある病気(障害)を持って生まれてきた赤ちゃんに、標準医療の手術を勧めたところ、その親御さんは、ある代替医療の治療法を先生に説明され、手術を断られたそうです。その代替医療の治療法というのが、「赤ちゃんの頭にキャベツを乗せて何かする」という治療法でした。
標準医療では、その病気(障害)の原因や治療法は解明されており、乳児(1歳ぐらい)のうちに手術すれば、病気の進行は食い止められ、障害は残るものの元気に成長していける病気らしいのですが、親御さんはそれを断られたそうです。

普通に考えれば、「キャベツを頭に乗せてその病気が治る」など、絶対に有り得ない話ですが、しかし、この親御さんは、その代替医療の治療法を信じ切ってしまっているのです。これが、「宗教」です。
その代替医療の名前をここで出すのは差し障りがあると思うので出しませんが、とても有名な代替医療で、一般の方は「偽」だなどと思わないよう代替医療です。

その親御さんにとっては、子どもの頭にメスを入れることが耐え難い想いであり、子どもためを思って子どもへの愛情から、ご自分では最善の治療法だと思われて選択された治療法の一つなのでしょう。
しかし、どうなのでしょうか。 

子どもの頭にメスを入れることを免れ、代替医療をすることによって、親御さんにとっては、「ご自分の安らぎ」は得られるのかもしれません。しかし、親の誤った選択によって、より過酷な人生を歩んで行かなければならなくなった「子どもさんの安らぎ」は、一体どこに求めればいいのでしょうか。だから、代替医療ですか。

私は、このケースはネグレクトと同じだと思っています。先生が悲しそうな顔をされながら私に話をしてくださいましたが、私も先生の話を伺いながら、涙がでそうになりました。正直、その親御さんに対しては腹が立ちます。 私は、主治医から、私がどんなに辛い状況に置かれたとしても、この親御さんのように、「宗教」に走ってはいけない、と言われています。

先生は、心の安らぎを求めて「宗教」を信仰したり、標準医療と平行して代替医療で治療を試みることを否定されているわけではありません。「科学」で、「偽」と、確かなエビデンスとともに証明されている代替医療に対し、「心や身体の安らぎ」を求めるのは構わないが、「医療」を求めてはいけない、ということを私に説明してくださったのだと理解しています。

具体例は、「キャベツを頭に乗せる」という治療法なので、医療について知識のない一般人の目にも「偽」であると理解できます。しかし、多くの代替医療においては、「科学」で、「偽である」と確かなエビデンスとともに証明され、科学者の目には明らかに「偽」と解る代替医療であったとしても、現実には、医学的概念や医学用語、治療法を並べ、患者が回復した体験談とともに最もらしく説明されているのが実情です。

つまり、素人目にはあたかも「真」に見えるというだけで、「科学」で確かなエビデンスとともに、その代替医療の主義主張が「偽」と明らかであるものは、「頭にキャベツを乗せている」治療法と変わらない、ということです。

かめさんが対象とされている代替医療と、私が推測している代替医療とは同じものであると思いますので、この際だからはっきり言わせてもらいますが、その代替医療も、そういった意味では、「キャベツを頭に乗せる」という代替医療と何ら変わらないのです。ただし、私は、前述したとおり、その代替医療が、科学的・医学的に「偽」だからと言って、全てを否定しているわけではありません。

化学物質過敏症の患者の中にはその代替医療を受け、「心が救われた」との理由から、結果的に病状が改善に向かっている患者さんの話も、ご本人から伺ったことがあります。また逆に、施術を受けて施術者から「治った」言われ、念のために病院で検査・確認したところ、「治っていなかった」という患者さんの話も伺っています。さらに、途中でその代替医療を止められた患者さんは、その後治療せずとも化学物質過敏症から回復され、今は幸せに暮らしておられますが、私はその方から、私の発言に対し感謝されすらしています。

かめさんのように「安らぐ方」もいれば、現代医療を否定するとかしないとか関係なく、「安らがない方」もいらっしゃることを、かめさんは知るべきです。
そして、「安らがない方」の中には、その代替医療に対する高い対価を払い続けていた患者さん、病院で検査・確認しなければ、危うい目に合っていたかもしれない患者さんもいるのです。
かめさんこそ、一度ご自分の発言に左右されている人の身になって考えてみてください。

「科学」の目を持って科学的な目を通して代替医療を理解したからといって、その代替医療の効果が失せる、というわけではないのであれば、科学の勉強をして正しい情報を知り得た上で、その代替医療の治療を受けたところで何ら問題はないはずです。