NATROMの日記 RSSフィード Twitter

0000 | 01 | 02 | 03 | 04 |
0010 | 11 |
0011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 11 |
0012 | 04 | 05 | 06 | 07 | 09 | 10 | 11 | 12 |
0013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 11 |
0014 | 01 | 02 | 05 | 06 | 07 | 09 |
0015 | 05 | 06 | 09 |
0016 | 01 | 02 | 09 | 10 |
2004 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2006 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2014 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2015 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2016 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 |
cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2010-12-23 ホメオパシー訴訟の和解がもたらした最大の成果

[]ホメオパシー訴訟の和解がもたらした最大の成果 ホメオパシー訴訟の和解がもたらした最大の成果を含むブックマーク

山口市助産師ビタミンK不投与事件における、助産師と母親の和解およびその報道(■山口助産師ビタミンK不投与事件 「母親と助産師和解」と朝日新聞でを参照)について、日本ホメオパシー医学協会がコメントしている。この訴訟および和解がもたらした最大の成果は、日本ホメオパシー医学協会から、


■日本ホメオパシー医学協会 12月22日付けasahi.comニュース 社会裁判記事(伊藤和行記者)に報じられた記事について日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)よりコメントします。*1

ホメオパシーのレメディーは、ビタミンK2のシロップの代用にはなりません。


という言質を明確に引き出したことにあると私は考える。このことで、日本ホメオパシー医学協会のせいでビタミンK欠乏性出血の危険にさらされる赤ちゃんはいなくなる。原告のおかげで、他の赤ちゃんの命が救われた。もう少し早い段階から、「ホメオパシーのレメディーはビタミンK2のシロップの代用にならない」と明言されていれば、原告の子も死ななかっただろう。

私の知る限りにおいて、日本ホメオパシー医学協会が、「ホメオパシーのレメディーはビタミンK2のシロップの代用にならない」と明言したことは初めてである。というか、以前は、レメディはビタミンK2のシロップの代わりになる、あるいはもっと積極的に、ビタミンK2のシロップは有害だから代わりにレメディを使えと、言っていた。以前も紹介したことがあるが、大事なことなので何度も引用しよう([ ]内と、強調は引用者による)。


■ホメオパシー 体験談紹介 私は、1歳10ヶ月の娘を体外受精、現在妊娠6ヶ月の子を長女の時の凍結胚移植で授かりました。*2

[投稿者]それと、出産後K2シロップを与えたくないので、そのレメディーももらったのですが、これはもし産院でK2シロップを与えなくても赤ちゃんに与えた方がいいのでしょうか?センターに問い合わせればいいのですが、どなたかの参考にもなればと思い質問させてもらいました。


村上先生

[中略]それとK2シロップの件ですが、産院で与えなくてもいいのであればその代わりにそのレメディーを与えていただいてもかまいません。いずれの場合もレメディーをくださった方にご相談やサポートをしていただけるとご安心かと思います。


おい、村上先生。ホメオパシーのレメディーは、ビタミンK2のシロップの代用にはならないんだぞ。



由井寅子著、「ホメオパシー的妊娠と出産」、ホメオパシー出版、67ページ 鴫原操助産師による章

生まれた翌日、退院の日、1カ月検診、この3回、赤ちゃんにK2シロップを飲ませていますよね。これは、頭蓋内出血とか、出血傾向の予防のためなのです。それで、ビタミン剤の実物の投与があまりよくないと思うので、私はレメディーにして使っています


おい、鴫原助産師。ホメオパシーのレメディーは、ビタミンK2のシロップの代用にはならないんだぞ。



由井寅子著、「ホメオパシー的妊娠と出産」、ホメオパシー出版、36ページ 由井寅子氏による章

(引用者注:赤ちゃんに)血液凝固のためにビタミンKを注射したりしますが、それをやると一足飛びにがんマヤズムが立ち上がるし、逆に出血が止まらなくなることもあるのです。そして難治の黄疸になることもあります。ホメオパシーにもビタミンKのレメディー(Vitamin-K)はありますから、それを使っていただきたいと思います。


おい、由井寅子氏。ホメオパシーのレメディーは、ビタミンK2のシロップの代用にはならないんだぞ。わかってんのか。


日本ホメオパシー医学協会は、母親が「できるだけ現代医学や薬剤の介入のないお産を望んでいると思っていた」と主張している。まあ、その通りなのかもしれない。だとして、なぜ母親がそのようなお産を望んでいたのか?その一因は、上記引用したような、あたかも「ビタミンKの実薬に害があり、レメディがその代わりになる」といった、一連の日本ホメオパシー医学協会の(医学的に不適切な)主張にあるのではないか。

仮に母親が薬剤の介入のないお産を望んだとしても、助産師にはそのリスクを説明する義務がある*3。日本ホメオパシー医学協会は、助産師は説明したと主張している。しかし、上記引用した日本ホメオパシー医学協会の説明を受けてきた助産師が、はたして医学的に正しい説明をしたかどうか、そもそも、その能力があったかどうかが疑わしい。「ビタミン剤の実物の投与があまりよくないと思うので、私はレメディーにして使っています」などという説明を聞いて、「いやいや、それはないから。レメディはビタミンKの代わりにならないから」と考えることができるのなら、そもそも日本ホメオパシー医学協会のホメオパスにならないだろう。

「ホメオパシーのレメディーは、ビタミンK2のシロップの代用にはなりません」と明言したことについては、日本ホメオパシー医学協会を評価する。しかし、過去の主張との整合性についても説明をするべきだ。方針転換をしたのであれば、そのことも明言するべきだ。また、ホメオパシーのレメディは、予防接種の代用にもならなければ、吸入ステロイドの代用にもならなければ、抗生物質の代用にもならないことについても明言していただきたい。



関連記事

■ホメオパシーはまた人を殺すだろう

■喘息に対するステロイド治療を否定するホメオパシー

*1:URL:http://www.jphma.org/About_homoe/jphma_answer_20101222.html

*2:URL:http://www.rah-uk.com/case/wforum.cgi?no=1342&reno=no&oya=1342&mode=msgview&list=new

*3■自己決定権、親権の及ぶ範囲、医療専門職による説明義務を考えるを参照

mimonmimon 2010/12/25 00:28 NATROMさんのマネをして、「○○の代用にならない」と書こうとすると、薬効分類番号を111から順に挙げるはめに陥りそうですので、止めておきまして、代用になりそうなのを探しますと、「799他に分類されない治療を主目的としない医薬品」でしょうか。「791絆創膏」の下位に分類されちゃう医薬品って、何なのでしょうね。
日本薬局方には、不思議と「ショ糖」が載っていません。「トウモロコシデンプン(いわゆるコーンスターチ)」や「常水(いわゆる水道水)」まで載っているのですが。
次の改訂のときに、ショ糖を載せていただくと、ホメを「薬事法違反」に問いやすくなりそうに思えます。

luckdragon2009luckdragon2009 2011/01/03 14:48 低血糖に使うブドウ糖は載ってないのかな。
よく知らないけど...。

mimonmimon 2011/01/03 15:55 薬局方にブドウ糖は当然載っています。
それどころか、その前のページには、ブドウ酒まで載っていまして、あまり薬局で売っているのは、見たことがありませんけれども。

luckdragon2009luckdragon2009 2011/01/03 18:32 そっか。ぶとう酒はともかく、ブドウ糖は糖だから、ホメの砂糖玉(アピタル用語用法)を薬事法違反系で問えないのかな、と思ったのだが、形状が似てないし無理かな。(ブドウ糖はある程度大きめの白い塊だから。)

HaidiHaidi 2011/09/12 21:52 あらま。
村上先生、鴫原助産師さん、これに関してはNATROMさんのおっしゃるとおりですわ。

にゅー配置薬にゅー配置薬 2011/09/29 21:42 とらこのデタラメを見抜けない人のことがずーーーっと不思議でした。
とらこと関わってしまう人のことをわたしなりにわかろうとしてみました。
わたしは赤ん坊の時、母乳の出が悪くて母親の乳首を噛んで出血させてしまったぐらい、しかるべきものが豊かに与えられないと全力で怒る子でした。
なので、ホメオパシーに興味をもった時、日本語での実用的な知識や日本製の高品質で妥当な価格のレメディが豊かに与えられないことで、自分が生まれ出た全世界に対して全力で怒りがわきました。
とらこの砂糖玉サービス業はアクセスだけは良くて、そういう乳を要求する赤子のような情動に応えている部分があったのではと、想像しました。
さまざまな理由で小児科の臨床をやめてしまった、きわめて優秀で献身的な女医さんを何人か知っているので、ホメオパシーと医療ネグレクトについてネット上で語られる話を読むと、うまくはいえませんが本質からズレていると感じます。
それで話が飛躍するようですが、時間外のコンビニ受診を減らしつつ簡単なホメオパシーセルフケアができるような構成で、帯津先生のホメオパシー医学会あたりがレメディのセットを提案して、家庭用救急箱や日本の伝統の配置薬のようにしたらいいと思います。
まともなホメオパシーをすでに習得した薬剤師もけっこういるのですし。

金澤一郎先生のコメントは、「個人的に使うのはかまわないが」ですし。