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2011-01-06 ファインマンさんが若者たちのやる気を引き出した方法
■[日常]ファインマンさんが若者たちのやる気を引き出した方法

「リーダーが部下のモチベーションを上げる方法」のようなエントリーは、わりとブックマークを集めるようだ。そういう情報を必要としている人がいるのだろう。特殊な事例ではあるが、ファインマンが部下のやる気を引き出した方法を紹介しよう。ファインマンは、アメリカ合衆国のノーベル物理学賞賞受賞者で、第二次大戦中はロスアラモスで原爆の開発に関わった。■ご冗談でしょう、ファインマンさんによると、ファインマンは、優秀な高校生を集めたグループを率いて、IBMの機械を用いて膨大な計算を行うという仕事を行った。
ロスアラモスで仕事につかされたこの若者たちが、まずさせられたことといえば、IBMの機械にチンプンカンプンの数字を打ち込むことだった。しかもその数字が何を表わしているのかを教えるものは誰一人いなかったのだ。当然のことながら仕事は一向にはかどらない。(P193)
マンハッタン計画は最高機密であり、集められた若者たちは仕事の目的について知らされていなかったのだ。ファインマンさんは、軍隊の秘密主義的なやり方にはだいたい反対する。
そこで僕はまずこの若者たちにその仕事の意味を説明してやるべきだと主張した。その結果、オッペンハイマーがじきじきに保安係に談判に行き、やっとのことで許可がおりた。そこで僕が、このグループのとりくんでいる仕事の内容や目的について、ちょっとした講義をすることになった。さて話を聞き終わった若者たちは、すっかり興奮してしまった。「僕らの仕事の目的がわかったぞ。僕らは戦争に参加しているんだ!」というわけで、今までキーでたたいていたただの数字が、とたんに意味をもちはじめたのだ。圧力がかかればかかったで、それだけ余計なエネルギーが発揮される…という調子で仕事はどんどん進みはじめた。彼らはついに自分たちのやっている仕事の意味を把握したのだ。
結果は見ちがえるばかりの変わりようだった!彼らは自発的に能率をもっと向上させる方法まで発明しはじめた。仕事の段取りは改善する、夜まで働く、しかも夜業の監督も何も要らない、という調子である。今や完全に仕事の意味をのみこんだこの若者たちは、僕らが使えるようなプログラムまでいくつか発明してくれた。(P193)
まあ、特殊過ぎて、そのまんまでは応用が利かないだろうが、いくぶんかでも参考になれば幸いである。おそらくは、「仕事の意味を理解させる」方法は、すでに良く知られているだろうと思うが。









"そのとき、僕をはじめみんなの心は、自分達が良い目的をもってこの仕事を始め、力を合わせて無我夢中で働いてきた、そしてそれ[=原爆]がついに完成したのだ、という喜びでいっぱいだった。そしてその瞬間、考えることを忘れていたのだ。つまり考えるという機能が全く停止してしまったのだ。ただ一人、ボブ・ウィルソンだけがこの瞬間にも、まだ考えることをやめなかったのである"
原爆投下から人が何かを学ぶとすれば、それは考え続けなくてはならぬということなのでしょうね、「おしまい」などと言わずに。
「アメリカに何かを学ばせてあげよう」
などと言うのも無理があろうかと。
彼らは彼らでその後の歴史に学んだことはあるはずで、symbioticworm氏の挙げたファインマン氏の言こそ、その表れと思いますが。
この話の当時のアメリカ国民は、
「大日本帝国とナチスドイツから、祖国の独立と自由な世界を守る」
という、手の施しようもないほど正義っぽい大義名分の下に結束していました。
(もちろん、日本にもドイツにも大義名分はありましたが)
しかしながら、そうして得られたはずの「自由の勝利」は、結局はソ連の台頭を招き、アメリカ国民はいつ果てるとも知れない東西冷戦の緊張の中で生きることになってしまいました。
それらの挫折と反省から、ファインマン氏もアメリカ国民も色々と学んだわけで。
(もちろん、日本もドイツもですが)
もしも
「僕らは戦争に参加しているんだ!」
と言った時の「戦争」が、ベトナム戦争だったら、若者に「仕事の意味」を教えることは、むしろ逆効果になったかも知れません。
(「夜業の監督も何も要らない」とか危険すぎる)
いずれにせよ、この記事は人間心理一般の話だと思いますので、歴史的側面から評価を加えるのは本筋から離れるかと思います。
(人にモチベーションを与える技術としては、山本五十六の
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」
も頻繁に引用されますし、ビジネス関連では孫子やクラウゼヴィッツもしばしば担ぎ出されますが、それらを「軍国主義的だ」と批判するのが見当違いなのと同様です)
あえて歴史的背景から教訓を引き出すなら、
「仕事の意味を理解させる」
ことが人間のやる気を引き出すのは、その「意味」に相手が賛同する場合に限る、ということではないでしょうか。
逆にいうと、「仕事が必要か」を考えて欲しいなら、「仕事の意味を理解させる」ことが必要で、そういう意味でもファインマンさんは偉大だったのではないでしょうか?こじつけっぽいですかね。
いろいろと考え続けると疑問が出てきて、虚無的になりがちですが、ファインマンさんはそうならずに、折り合いを付けて仕事を遂行し続けた人だったと思います。「困りますファインマンさん」では、そういう雰囲気がより強くなっていますね。
そもそも目的がわからなければ創意工夫やカイゼンの生まれる余地がありません。
でも指導者がいつも実行できるかというと、なかなかそうでもないのが人の世ということでしょうか。指導者自身が目的を意識していなかったりとか、説明する気がなかったりとか。ファインマンさんの例では軍機密の壁というか、官僚の石頭をそれとなく批判したりしてるんでしょうか。
むろん他の方々が御指摘のように、目的自体の正当性を常に問うという姿勢も大事です。
アメリカは自国に原爆を普通に投下していますが?
自国内で核実験をして、軍の演習場で核攻撃後に軍隊を突っ込ませる演習もしています。
もちろんその後何が起こったか経験し、学習もしています。
>rsさんの、何かを学ばせる「はじまり」、って、一体何ですか?
それとなくどころか、単純な真正面批判ですね。ただ、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」では、比較的素朴、能天気な印象ですが、チャレンジャー号爆発事故調査では、複雑になっていますね。既にわかっていた事故原因を表に出すために、軍のクティナ大将が物理学者を突っついて、ことをうまく運んだのではないかと、ファインマンさんは推測しています。ロジャース委員長との関係なども面白いです。
どんだけNATROMさんを気にしてるかよくわかるな。
あの人は’読めないバカ’(c)小林よしのり だからねぇ.
本人が誤読大王ですから・・・