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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2011-05-05 それはホルミシス効果なのか?東電顧問・加納時男氏のインタビュー

[][]それはホルミシス効果なのか?東電顧問・加納時男氏のインタビュー それはホルミシス効果なのか?東電顧問・加納時男氏のインタビューを含むブックマーク

本日(2011年5月5日)の朝日新聞の朝刊。衆院議院 河野太郎氏と、東電顧問・元参院議員 加納時男氏のインタビューが載っていた。見出しは、河野氏のほうが『「安全神話」もとから「おとぎ話」』。加納氏のほうが、「原子力の選択肢を放棄するな」。原発に対する異なる意見を載せているわけだ。加納氏は原発推進派である。それはともかくとして、加納氏のインタビューの最後の方で、「低線量放射線 体にいい」という見出しが。


低線量の放射線は『むしろ健康に良い』と主張する研究者もいる。説得力があると思う。私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った。過剰反応になっているのでは。むしろ低線量は体にいい、ということすら世の中では言えない。これだけでも申し上げたくて取材に応じた


「低線量の放射線は『むしろ健康に良い』と主張する研究者もいる」というのは正しい。このような主張を放射線ホルミシス効果という。ただし、放射線ホルミシス効果を主張する研究者は少ない。証拠が不十分だからだ。現時点では、放射線ホルミシス効果の実在について、説得力があるとは私には思えない。まあ、説得力の有無については主観の問題なので、個人的な意見の相違としてよかろう。次が問題。

私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った」。何を言っているのかよくわからない。文脈から言えば、「低線量の放射線治療」とは、ホルミシス効果のことを言っていると解釈できる。しかしながら、もちろん、標準医療では放射線ホルミシス効果を取り入れた治療はない。仮にホルミシス効果が実在するとしても効果は小さく、病気が治ることを観察できるような強い効果はない。そのような強い効果があるのなら、臨床的な証拠を出せるはずである。「低線量の放射線治療」がホルミシス効果のことを指しているとしたら、病気が治ったとされる同僚は、「効果の証明されていない代替医療を受けて、治療のおかげで病気が治ったと誤認した」という可能性がきわめて高い。

ホルミシス効果を狙ってではなく、標準医療の範疇に含まれる放射線治療を受けたという可能性もある。何をもって「低線量」とみなすかにもよるが、相対的に「低線量」だという説明を医師から受けたのかもしれない。そうだとしても、「むしろ低線量は体にいい」という文脈からかけはなれている。加納氏の同僚が受けたという「低線量の放射線治療」が、ホルミシス効果を期待してのものだとしても、標準医療の範囲内のものだとしても、加納氏の主張には問題がある。

十分な証拠があれば、「むしろ低線量は体にいい」と言っても批判はされない。だが、十分な証拠がないのに、「むしろ低線量は体にいい」と主張すれば、批判されるのは当然のことだ。低線量放射線の害を少なく見積もりたい立場の人たちが、放射線に対する不安を過剰反応だとして、「むしろ低線量は体にいい」と主張したのであれば、なおのことだ。



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■閾値とかホルミシス効果とかをバナナで説明してみる

■武田邦彦氏の過去の発言を検証してみる

STST 2011/05/05 11:23 がんでない人が放射線治療受けて体に良くなるわけがないし(機序もエビデンスも皆無に近い)、そんな説明する医師はさすがに居ないと信じたいものです。加納さんは医療従事者でも何でもないので、X線写真とかCTとかの画像医学のことを、治療の一環だったからとかいって「放射線治療」と呼んでいるとか、その程度じゃないですかね。あまり細かい反論する意味も無いかもしれません。

RyoRyo 2011/05/05 11:36 前立腺癌の小線源療法とかでしょうか?

nekotetumamorinekotetumamori 2011/05/05 13:30 東電のお偉いさんがホルミシス効果についてどう捉えていたか、参考までに。人形峠ウラン残土処理の顛末絡みの話ですが、あるブログにこんな話が書いてありました。

「また、一部は加工されて家庭用ラジウム石「ドールストーン」となり、元東京電力副社長の竹内さんの自宅で放射線ホルミシス効果の実証施設に。」http://plz.rakuten.co.jp/12months365days/diary/?act=view&d_date=2009-06-06&d_seq=0000

まあ、この東電の元副社長氏が果たして「ホルミシス効果」というものをどう見ていたかは知りませんが、もしかしたら東電の企業体質として経営陣や幹部社員の放射性物質の取り扱い・放射線防護に対する見解が甘かった部分が元からあったのではと勘繰ってしまいたくなります。(※そのブログのブログ主の方は原子力関連企業に勤めているとの事ですが、このコメントにはブログ主の方に対する悪意はない事を明記しておきます。)
ちなみに「ドールストーン」でググると、やはり代替医療関係の業者のサイトばかりが上がってきますね(爆)

symbioticwormsymbioticworm 2011/05/05 18:00 なんでもかんでも両論併記すりゃいいってもんじゃないことの好例ですね。

infoblogainfobloga 2011/05/05 19:18 アホかと思って流したけど、
こういう視点で書けば説得力のある批判になるのですね。
目の付け所がさすがです。

fnorderfnorder 2011/05/05 21:00 NATROMさんは「どこがどう『アホ』なのか」をちゃんと認識して説明・批判しているだけだと思いますが。医師としての知識あってのことではあるでしょうが、特異な視点ということではないと思います。

一平一平 2011/05/05 23:19 原発反対の朝日新聞が原発推進、反対両方の意見を公平に掲載したことは珍しく、評価に値する。加納氏の「低放射線は体にいい」との意見を除けば至極まともな意見である。一方の河野洋平氏の発言は感情的、非科学的で実に子供っぽい。彼には期待していたが彼のこの発言を聞いて国政を任せられる人ではないことがわかり、実に残念である。それにしても原発への過剰反応は何とかならないか。役人、一部の学者が危ない危ないと誇張して言うことによる被害はどれほど大きいか。これを吟味することも無く役人が過剰反応して非現実的な対応を指示しても自分の懐が痛むわけではない。避難する住民、出荷制限される農家への賠償は結局は増税或いは電気料金値上げで補うことになり、この姿勢はまさに親方日の丸の姿勢と言わざるを得ない。これは人災であり、大半の避難住民はまさにこの被害者である。幽霊の正体見たり枯れ尾花、これが行き着く先であろう。

JA50JA50 2011/05/06 09:53 これ記事、私も読んだ。
河野さんのはいつものやつで新鮮みもなにもあったものじゃない。でも「東電顧問・加納時男氏のインタビュー」は、へぇ、こんな人もいるのかと興味深かったです。でも、この「健康に良い」というのにはあきれた。

この手の言葉は悪徳商法や代替療法、さらには今はサプリメント業界がさかんに使っている。
低線量どころか高線量の放射線が治療に使われているのは事実で、実際、それで「病気が治った」ということはある。ただし、「病気が治った」ということをもって「健康に良い」などという意味不明な言葉に短絡するとおかしくなるんで、それを言ってしまうと、この手の業界と同じと、私は見なしてしまいます。。

反原発論者に非科学的な主張が多いけど、原発推進論者も御同様かと、この記事を読んで感じました。

やむちゃやむちゃ 2011/05/06 13:00 加納氏の出張、読みましたが徹頭徹尾トンデモな主張で正直あきれましたが、このような人物が経営してるから東電ってこうなんだと妙に納得もしました。
東電自身18m前後の津波の可能性があることは認識しており、今回のような全電源喪失の可能性も認識していながら「経済性」とやらで放置していたことは、最近広く知られてきています。1000年1度あるかないか(実は100年に1度程度らしいですが)だからほっとけ、というのが加納氏などの基本的な考え方であり、日本中の原発がこのような思想の元に作られているわけです。「お手盛りな想定」に対してだけは「絶対安全」ってわけです。
「役人、一部の学者が危ない危ないと誇張して言うことによる被害はどれほど大きいか。」あまりその様な主張を見聞きしたことがないのですが、現状の放射能汚染状況は実はたいしたことではないってことでしょうか?
よく聞くのは「直ちに健康に影響はない」ですが、これって「すぐにどうこうはならないけれど数ヶ月〜数年後に白血病になったりガンになったりするかもしれない。でも今の被曝との因果関係なんて判りっこないし調べるつもりもないので補償もしません。」ということですよね。

ティーカティーカ 2011/05/06 13:42 >やむちゃ氏
経済性を考慮して災害対策を行うのはむしろ基本では?
どのように可能性が低い現象に対しても対策していては、それこそ際限なくコストがかかってしまいます。恐らく原発に限らず、今回の大震災によって津波の被害を受けた多くの市町村はその考えにのっとって対策を立てていたと思われます。やむちゃ氏は宇宙人が襲来してきても傷一つつかないように対策を立てることが適切であると考えますか?
東京電力は津波の直撃によるリスクを低く見積もりすぎていたのではないかと個人的には考えます。

それと、何度か聞いてきた「絶対安全」という主張ですが、今までソースを見たことがありません。できれば提示していただけるととても嬉しいです。

官房長官の「直ちに健康に影響がない」という言い回しは、現状では悪影響を及ぼすレベルではないが、継続的にその被曝を受け続けることで長期的な影響が否定できないという意味です。しかし、正直なところ誤解を招きやすく、無闇に不安を煽っているような発言だと思いました。
もしも健康被害が出た場合、政府には補償を行う義務が発生します。

やむちゃやむちゃ 2011/05/06 21:52 ティーカさんへ
経済性を考慮して災害対策を行うのはむしろ基本ですよね。しかし今回、経済性などまったく度外視して原発が推進されてきたことが明白になったと思うのですが、そのように見えませんか?
東電や推進官僚や御用学者の方々は1000年だかに1回程度の大津波に耐える為の確定的コストより、今回のような事象(被害)x発生率の方が期待値が低いと計算していたってことでしょうか。それをまともに表現するとバカな民衆には理解できずに大騒ぎするから、「想定される最大津波は5.5mであり、これに対して絶対に安全に作っています。」で押し通しときゃいいやと・・・。とにかく安全、何でも安全、放射能漏れたってむしろ健康にいいと・・・。
斑目委員長は、事故後、1w目ぐらいでマスメディアの前に始めて出てきたころ「そんな想定をすると原発を作れなくなってしまうんで仕方なかったんです。」と(馬鹿正直に)述べていました。これがまさしく本音で、現在の各施設の全部が全部ねじの1本まで、絶対に作れなくならない程度の想定をして、その上でその想定への対策を講じているわけです。そのお手盛りの想定を裏付ける御用学者を用意して。異議を唱える者を「反対のための反対派」とレッテル貼りをして。

もしも健康被害が出た場合、東電には補償を行う義務が発生すると私も思います。しかし、一般住民の場合、だれがどれだけ放射線を浴びたか証明は不可能です。政府も東電もそんなモン、端から追跡する気などないんじゃないですか?(認められるのはせいぜい小児甲状腺癌ぐらいでしょう・・・)
だから加納みたいなヒトデナシは、平気で低線量ならむしろ健康にいいなどとせせら笑っているのでしょう。

kittenkitten 2011/05/06 23:07  健康被害が出た場合は、補償するのは政府になると思います。
どういった感じになるかは、C型肝炎やアスベストが参考になるかと。
どちらも、(比較的)最近、国による治療費の補助が始まっています。
 今回の放射線のケースは、追跡調査という面からみるとC肝やアスベストに比べれば
はるかに容易だと思いますよ。

 また、私は追跡調査は確実に行われると予想しています。
チェルノブイリよりもはるかに情報がオープンな国でおこった原発事故です。
原発賛成派、反対派ともに、今回おこったこと、今後おこることを、
しっかりと調査して、今後につなげたいと思っているはずですから。

JA50JA50 2011/05/07 09:39 >それと、何度か聞いてきた「絶対安全」という主張ですが、今までソースを見たことがありません。できれば提示していただけるととても嬉しいです。

私も「提示していただけるととても嬉しい」。

このフレーズ、反原発論者がよく使うんだけど、実際、そのソースが提示された例を見たことがない。
絶対安全などというのはそれだけでトンデモ認定されるべきものなのに。

ぼくうさぎぼくうさぎ 2011/05/07 10:42 これを読んで嬉しくなりました。こういう偉い人が原子力を推進しているんですね。心強いです。
そうそう、放射線治療っていうんですよね。Wikipediaで調べたら「細胞のDNAに障害を与えることで作用する」って書いてありました。悪いDNAをやっつける正義の味方みたいです。ところでDNAって何だっけ?
とにかく電力会社の人たちは、どんどん浴びて健康になって欲しいです。特に加納時男さんには集中的にね。
森林浴があるんだから、放射線浴ってのも流行るんじゃないかなあ。これから夏になるから「むしろ低線量は健康にいい」って書いたTシャツなんかもいいよね。デンコちゃんのイラストもつけて、東京電力で配らないかな?

tadano--rytadano--ry 2011/05/07 11:19 某匿名掲示板より

加納 時男(かのう ときお、1935年1月5日 - )は日本の政治家。参議院議員(2期)。
議員時代は自由民主党・宏池会所属していた。母方の叔父に藤山一郎がいる。芝中学校・高等学校・東京大学法学部卒業。慶應義塾大学経済学部(通信教育課程)卒業。

昭和32年、東京電力入社、営業計画課長、省エネルギーセンター副所長、営業部副部長、科学万博電力館長、関連事業部長等を経て平成元年、取締役原子力本部副本部長に就任、以降、代表取締役常務、副社長を歴任

東京電力副社長(原子力担当)。東大教養学部講師なども務めた。朝まで生テレビ!の原発討論の回には推進側パネリストとして出演。1998年、 第18回参議院議員通常選挙に経団連の組織内候補として自由民主党公認で比例代表区に出馬、当選。
国会議員の中ではエネルギー問題に精通する数少ない議員の一人で、エネルギー政策基本法の成立に尽力。北京オリンピックを支援する議員の会の会員。第1次小泉内閣では文部科学大臣政務官をつとめた。2008年8月、福田康夫改造内閣で国土交通副大臣に就任、麻生内閣でも留任した。2009年9月16日退任。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E7%B4%8D%E6%99%82%E7%94%B7


4月になって突如HP閉鎖宣言、掲示板を閉鎖、東電顧問に就任されたようです。

加納時男HP
◇加納時男事務所を閉鎖します。
 永い間お世話になりました加納時男事務所は このたび 閉鎖することになりましたのでお知らせ申し上げます。昨年7月に 参議院議員を退職した後、残務整理等を行って参りましたところ、このたび整理の目処がつきましたので、3月31日に「加納時男後援会」を、4月30日に「地球環境・エネルギー総合研究所」を解散させていただきます。http://www.eco-22.com/top.htm(現在閉鎖)

永い間 ありがとうございました 投稿者:加納時男 投稿日:2011年 3月28日(月)21時58分2秒
永い間お世話になりました私の事務所は すべて閉鎖、解散することになりました。併せて このホームページ おしゃべり広場、メルマガも終了させていただきます。12年以上にわたるご愛顧に心から厚く御礼申し上げます。
最後に申し上げるのは辛いのですが、3月11日に発生した地震、津波により被害を受けられた方にお見舞いを申し上げますとともに 一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
この際発生しました福島第一原子力発電所の事故では、放射性物質の放出、避難、出荷・接種制限に加え、計画停電もお願いし、まことに申し訳なく深くお詫び申し上げます。
目下、空前の災害への対処と復旧に多くの仲間が命懸けで戦っております。私も前議員、元社員としてどんなに小さことでもお手伝いする覚悟で毎日臨んで参ります。

副社長→国会で12年→今度は顧問 加納前自民参院議員、東電に里帰り 原発事故のたび擁護質問

 東京電力副社長から財界代表として、自民党参院議員となり、2期12年務めた加納時男氏(76)が“古巣”の東電顧問に就任していたことが、2日までにわかりました。議員時代、原発事故が発生するたびに原発擁護の質問をするなど、文字通り、電力業界の代弁者として“活躍”してきた加納氏。勤務場所は、東京都千代田区内幸町の東電本社から300メートルと離れていない港区新橋の東電東新ビル7階の「東電顧問室」です。 (藤沢忠明)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-05-04/2011050411_01_1.html

shinzorshinzor 2011/05/07 15:03 >それと、何度か聞いてきた「絶対安全」という主張ですが、今までソースを見たことがありません。

確かに、「絶対安全」などというトンデモは現在の電力業界は言いません。(いまだにそんなトンデモを言うのは武田先生ぐらいです)しかし、過去の電力業界はそう受け取れる発言をしてきました。「絶対安全」と言わなければ建設を認めてもらえないという、現実があり、はっきり明言せずとも、そのように誤解させる言い方を交渉術として利用してきたということは言えると思います。

例えば、「決定版 原発大論争」(別冊宝島編集部編)(1988年)に掲載されている、電力業界の内部資料のQA集には、
「我が国の原子力発電所は、その設計、建設、運転にあたって「多重防護」の考え方が貫かれており、これを完璧に行う限り放射性物質の周辺環境への異常な放出は考えられません。その意味で絶対安全が保障されていると言えます。」
と書いてあります。他にもあります。古い話ですが。

やむちゃやむちゃ 2011/05/07 17:05 >それと、何度か聞いてきた「絶対安全」という主張ですが、今までソースを見たことがありません。

正しいソースに基づいて議論すべきとは思いますが、「原発は絶対安全」と誰かがどこで主張していたかの問いは、無意味と思い無視しました。私は、原発で私利を得る政・官・学・財(電力&メーカ含)・司法・メディア・地元などの推進派以外の多くの人が原発は必須品だと信じていることが全く理解できないというだけで、別に反対派ではありません。;-p
推進派が、巧妙にリスク想定を作り、その想定に対して絶対事故は起こりません、と主張してきたことを問題視しています。
都合の良い学者や研究にどんどん金を出し、金で黙らない都合の悪い研究者には「反対のための反対派」のレッテルを貼り、マスメディアを金で黙らせ都合の良い宣伝機関にすることで、福島原発の想定津波高5.5mが作られていたわけです。
そして、このような手法は津波や地震だけではありえず、当然ながらありとあらゆる構造・ネジの1本まで全部同様であると思っています。津波だけ抜かっていたと思うほうがおかしいでしょう。
現原子力安全委員長斑目氏の言った、「反対派」の言うこと(例えば想定津波高さとか活断層の大きさとか、圧力容器の脆化とか)にいちいち対策していたら、どこにも原発が作れなくなるじゃないか!ってのは極めて正しい結論だと思います。
というわけで、私は少なくとも現存する原発は全部危険な代物だと判断する立場です。
明日、福井県のもんじゅが直下型地震でアポーンすることも十分ありうると思います。一時的に電源が喪失した状態でちょっとした配管の亀裂が数箇所生じたら、あっというまに手のつけられない状態になるでしょう。その辺、情報はぜんぜんオープンでないので根拠レスといえばそのとおりですが。

放射能汚染による晩発性健康被害が政府や東電がきちんと補償されるであろうと思っている方が居られるようですが政府系の方でしょうか?
C型肝炎やアスベスト被害がちゃんと補償されていると?水俣病やイタイイタイ病は?

間違いなく一定量以上の有害物質の摂取・放射線を浴びたことが証明できない限り補償しないのがこの国のスタンダードですよね。
仮に、低線量汚染地域でしばらくボランティアした人が10年後に白血病になったとして、その人の被曝量をどうやって証明しますか?誰が証明してくれますか?そしてその白血病が原発事故と因果関係があることをどうやったら証明できますか?不可能だと思います。関係あるかもしれないが無いかもしれない、としか言えない。当然、東電は何の補償もしないでしょう。
再処理工場のある英セラフィールドや仏ラアーグの近所では小児白血病が多発しているという一部報道はあるが、ちゃんとした疫学調査など行われず当然補償もないとのこと。
日本だとちゃんと調査して疑わしきは対処してくれる、なんてことはあり得んでしょう・・・

kittenkitten 2011/05/08 07:57 >やむちゃさん

>C型肝炎やアスベスト被害がちゃんと補償されていると?

 うん、その程度には補償されるよ、ってことです。
「全く補償されない」ということはないですよ。

 また、現時点で明らかになっている科学的知見に照らし合わせてみて、
明らかに政府の対応がまずかったと認定された場合、
責任者は刑事罰まで覚悟する必要がありますよ。
(過去に、刑事罰に問われた官僚が何人かいますよね?状況はともかく)

 何が言いたいかというと、政策責任者は「間違えたらタイホ!」される可能性のある
プレッシャーの中で決定を行っているので、
私たち外野の人間と比べれば、無責任じゃないよってことです。

 あとは程度問題になりますが、たぶん私とやむちゃさんでは認識に差がありすぎて、
溝はうまらないと思いますし、無理に埋める必要もないでしょうが・・・
少しだけ。

>低線量汚染地域でしばらくボランティアした人が10年後に白血病になったとして、その人の被曝量をどうやって証明しますか?

 そのケースだと、「低線量汚染地域」に住んでいた(あるいは避難していた)人たちの白血病の有病率が有意に上がることで証明できそうですね。

>関係あるかもしれないが無いかもしれない

そんなレベルで補償すると、カネがいくらあっても足りません。
東電に無茶な額の補償を請求しても、結局は政府が穴埋めするしかないのです。
または、電気代が値上げされることになるか、ですね。
どちらにしても、最終的には国民にツケが回ってくるわけで・・・。
 もちろん、東電は素寒貧になるまでカネを出せとは思いますが、
そこまでやっても足りない分は、最終的には国民が払うことになります。

 国民がそれでよい(=そのレベルの補償がよい)と納得すればそうなりますね。

 無理やり制度設計するならば、
ガンの治療そのものを全部公費対象にしちゃうのがわかりやすいですね。
「原発事故と因果関係が否定できない」とすれば、全部対象でいいでしょ。
 あとは、補償額が大きくなる分だけ国民負担が大きくなる関係です。

 実は、C型肝炎の治療費補助がそういう形になっている、とも言えます。
治療費の補助を受けるのに、因果関係の有無なんて必要ありません。
(その分、「補償」額は少ないんですけどね。)

>日本だとちゃんと調査して疑わしきは対処してくれる、なんてことはあり得んでしょう・・・

 ちゃんと調査して疑惑がなくなったケースもあるでしょう。
環境ホルモン騒ぎとかは、これに該当するかな?

 また、ちゃんと調査して疑わしくもないのに対処続けていることもありますよ。
BSEの牛の全頭検査とか。(個人的には金の無駄と思いますが。)

 結局はケースバイケース、としか言えないかも。
状況によっては国は動くこともあるし、動かないこともあります。

やむちゃやむちゃ 2011/05/08 23:46 KITTEさん

>>C型肝炎やアスベスト被害がちゃんと補償されていると?
> うん、その程度には補償されるよ、ってことです。
>「全く補償されない」ということはないですよ。
まあ確かに全くではないですね。水俣病にしてもイタイイタイ病にしても「全く補償されていない」わけではないです。でも個々の被害者の中には「全く補償されていない」人がたくさんいます。どちらの立場に立って物事を理解するかが問われているとおもいます。
> また、現時点で明らかになっている科学的知見に照らし合わせてみて、
>明らかに政府の対応がまずかったと認定された場合、
>責任者は刑事罰まで覚悟する必要がありますよ。
>(過去に、刑事罰に問われた官僚が何人かいますよね?状況はともかく)
浜岡原発の運転再開差し止め訴訟は推進派の勝利でした。明らかに現時点の常識である想定津波高さは、原発が設計された想定津波高さより高いのにね。
「運転再開手続きに違法性はない」そうです。そりゃそうです、そんな法律を作ってんですから。

> 何が言いたいかというと、政策責任者は「間違えたらタイホ!」される可能性のある
>プレッシャーの中で決定を行っているので、
>私たち外野の人間と比べれば、無責任じゃないよってことです。
だから、やつらは都合の良い法律を作ることに腐心し、その手続きさえ守れば事故ろうが放射能汚染されようが、知ったこっちゃないわけです。これはある意味超無責任です。ま、政策を遂行する実務官僚ならそれでいいかもとは思いますけどね。

>>低線量汚染地域でしばらくボランティアした人が10年後に白血病になったとして、その人の被曝量をどうやって証明しますか?

>> そのケースだと、「低線量汚染地域」に住んでいた(あるいは避難していた)人たちの白血病の有病率が有意に上がることで証明できそうですね。

あのね、白血病と長期低線量被曝との相関関係なんて、閾値なしか有りかホルミシスかも判然としていないのに、なぜにそのようにお気楽な・・・
例えば福島県民の白血病発症率が100倍になったとしましょう。10万人中6人→600人程度となるわけです。600人は有意に異常で放射線の影響と考えられるから、その600人全員を補償の対象にしよう、なんて話を官僚が決めるわけがないですよね。それぞれどの程度の被曝をしたのか調べる必要がでますよね。すると当然人それぞれ、多かったり少なかったり証明できたりできなかったり・・・福島県外に転居してから発症した人なんかどうしようもないですよね。
ここでもどういう立場で物事を理解しようとするかが問われていると思います。

>>関係あるかもしれないが無いかもしれない
>そんなレベルで補償すると、カネがいくらあっても足りません。

官僚はそのように考えます。水俣もイタイイタイも肝炎もアスベストも、そのようにぐうの音も出んくらい個人が証明しない限り補償しなかったですよね。それも発生から何十年もたってあらかた死ぬ人が死に絶えた頃にようやく因果関係を認めて・・・。
ここでも、どういう立場に立って物事を理解するか、理解しようとするかが問われていると思います。
私は少数者を切り捨てるのは嫌いです。それは自分の身内や自分自身(=最小の少数者)が切り捨てられるのが嫌だから、というのもありますし、隣の人が不幸な環境におかれていたままでは、いくら自分が恵まれた環境にあったとしても本当の幸せにはなれないように感じるからです。

庸 2011/05/09 22:36 >隣の人が不幸な環境におかれていたままでは、(中略)本当の幸せにはなれないように感じるからです。

世界全人類が平和になるまで ひとりで不幸でいらっしゃいませ。
その発言こそが、恵まれた環境にいるお坊ちゃんの世迷言そのものだとお気づきになりませんので?

rjkatsurjkatsu 2011/05/09 23:17 こういう皮肉しか書き込まない人が多いね此処の支持者。

kittenkitten 2011/05/10 00:14 >やむちゃさん

 色々と論点はあるんですが、私と一番違うと思うところを一つだけに絞ります。

補償金が無限に出てくる訳ではない事には、同意していただけますよね。
やむちゃさんは、あえてそこは考えないようにしているように見えますが。

「この事例を補償せよ」ということは、その分のカネを他の被害者から奪うことになりませんか?
 そんなことは知ったこっちゃない、というのであれば、

>隣の人が不幸な環境におかれていたままでは、いくら自分が恵まれた環境にあったとしても本当の幸せにはなれないように感じるからです。

この言葉を、そのままお返します。
上の方で誰か茶化してますけど、私はどちらかというとこの考えに共感できますね。
この「隣の人」に東電が入らないのか?とも思いますが。(苦笑)

rjkatsurjkatsu 2011/05/10 00:33 >世界全人類が平和になるまで ひとりで不幸でいらっしゃいませ。
その発言こそが、恵まれた環境にいるお坊ちゃんの世迷言そのものだとお気づきになりませんので?

>こういう皮肉しか書き込まない人が多いね此処の支持者。

>上の方で誰か茶化してますけど、私はどちらかというとこの考えに共感できますね。

はぁ〜?だね!

kittenkitten 2011/05/10 00:57  日本語としてわかりにくかったかも知れませんね。すみません。
>上の方で誰か茶化してますけど、私はどちらかというとこの考えに共感できますね。

これは、庸さんのコメントに対する批判です。(余計な茶々いれるな、と。)
私が「共感できる」と書いたのは、やむちゃさんの方です。

shinzorshinzor 2011/05/10 06:31 20年ほど前に、保険金が少ないと保険会社に文句を言っていた人がいました。自分には何の過失もないのだから、完全に補償されてしかるべきだ、損失が生じるのは納得できないと。
この人の要求を満足させるためには、保険料を上げないと無理です。沢山払って、沢山もらうか、少なく払って、少なくもらうか、結局同じことです。助けいあいという保険制度を考えれば当然のことです。政府の補償も国民の税金であり、国民全体の助け合いということでは同じだと思います。

自分とは関係ない、第三者としての保険会社や政府と言うものが存在して、金を払ってくれると勘違いしている人は多いです。第三者は無限の資源を持っていると思っているかのようです。自分達の有限な資源をどのように配分するかという問題だと思うのですが。

一人の物乞いに施すことは出来るが、スペインでは物乞いが行列を成している。
(ベガーズ・イン・スペイン)

庸 2011/05/10 07:36 皮肉だったことは確かですが、茶々と取られると心外ではあります。

隣の人も幸せなのがいい。少数者を切り捨てたくない。
そんなの当たり前なので。
けれど金も時間も労働力も、そして叡知も有限な中で、誰かがどこかで線を引かないと全員が共倒れになるから苦渋の選択をするしかないことだってある。それを手を汚さない人が他人を冷血漢のように批判することには我慢なりませんでした。
腹立ちのあまり、品のない書き込みであったことは謝ります。

やむちゃやむちゃ 2011/05/11 00:22 #他人のふんどしで盛り上がっちゃってNATROMさん申し訳ありません・・・

>「この事例を補償せよ」ということは、その分のカネを他の被害者から奪うことになりませんか?

国の補償なら原資は税金だから、ってことでしょうか?
ならば、今のところ多少は累進性のある税制なんでその心配はしていません。
ってか、基本的に日本の政府の対応は、払える金があるかどうかではなく、払うと責任を認めることになるので払ってたまるか、という方針であると思います。
少なくともいろいろな公害病の民衆よりもイージス艦や要らんダムの方が大切だったのは間違いありません。(いくら「国防」が大切ったって、現に死にかけてる「国民」を金は有限だから切り捨てしょうがないよね、とかいいながら、一方で戦闘機だオモイヤリ予算だなんて使いたい放題、そりゃ間違ってるでしょ!といいたいww バブルのツケだって低金利で全部国民から巻き上げたけど、これだって数百兆円に相当するんじゃないかと思うが、みな粛々と負担してるよね・・・)

まあ、もともとは、この原発事故以降に数万〜数十万人(←全く根拠レス)ガン死者が増加したとしても、どうせ政府も東電も補償してくれないよ、庸さんのような方が「苦渋の選択」で「手を汚して」切り捨ててくれちゃうからねって主張なんですw

>この「隣の人」に東電が入らないのか?とも思いますが。(苦笑
「隣の人」の中に東電の人も入ると思いますが、東電の役員や顧問は入らないような気がします(爆

いやしかし、「役員報酬半減」やと?やはりこんなセンスの連中が仕切ってりゃ福島事故も必然ですな。
「過去30年分の役員報酬&顧問料は遡って全額没収、払えない人は自己破産していただき、余生は生活保護で暮らしていただく」ぐらいして欲しい。そうすれば他の電力会社も多少はピリッとするでしょうしw
・・・でも元ネタの加納時男なんかは、資産のほとんどはスイス銀行で、今頃南の島でドライマティニでもなめてんだろうねぇ・・・

shinzorshinzor 2011/05/11 23:55 >ならば、今のところ多少は累進性のある税制なんでその心配はしていません。

いや,納税額に関係無く,税金の使途の違い(行政サービス)による影響は誰でも受けます。自分は少額納税者だから,どんな使われ方をしても気にしないてなことは無いでしょう。予算の使途にはご不満が有るようですし。

リスクのトレードオフについては中西準子先生がBSE騒動の時に興味深い試算をされていました。
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak261_265.html
人命はお金に換えられないので万全の対応をするべきだとして,全頭検査が行われた。しかし,日本でクロイツフェルト・ヤコブ病で死者が出る可能性は100年に1人程度。一方,全頭検査の費用は年間20億円,100年間では2000億円。つまり2000億円で1人の命を救う計算。お金で命は買えないのだからそれも当然?いや,その2000億円でもっと沢山の命を救える対策は幾らでも有る。何人の命と引き替えに1人の命を救おうとしたのだろうか。でも、国民が一つの恐怖だけに踊らされると,国もこういう事をせざるを得なくなる。さすがに国は早々に止めたが,一部の自治体はそれを批判し,独自に続けた。

zz 2011/05/12 01:26 やむちゃ氏

「資産のほとんどはスイス銀行で、今頃南の島でドライマティニでもなめてんだろうねぇ・・・」

あまりにも漫画チックなコメントで笑っちゃいました。
なんでこう、「反原発」の人ってこうまで定量的な判断ができないんだろうか…
そんなコメントしかできないから、いつまでたっても(恐らく永劫に)現実的な代案も出せないお花畑だって見られてるのにわかんないのかな?

やむちゃやむちゃ 2011/05/12 22:16 >>ならば、今のところ多少は累進性のある税制なんでその心配はしていません。

>いや,納税額に関係無く,税金の使途の違い(行政サービス)による影響は誰でも受けます。

激しく同意です。

>自分は少額納税者だから,どんな使われ方をしても気にしないてなことは無いでしょう。予算の使途にはご不満が有るようですし。

超激しく同意です。

>リスクのトレードオフについては中西準子先生がBSE騒動の時に興味深い試算をされて>中略
>さすがに国は早々に止めたが,一部の自治体はそれを批判し,独自に続けた。

そう、で一方、水俣病やあれやこれや非加熱製剤HIVや中国残留孤児やなんやかんやは、涼しい顔して「苦渋の選択で切り捨て」てきたのは、一体どういうことでしょうか?
私の解は、「官僚の責任が問われる事案かどうか」だと考えています。
どなたかの心配する集めた税金が減ることなんか、高級官僚たちはなんとも思っていません。官僚の責任が問われない事案で、政治家の得点稼ぎになりそうなことであれば全頭検査にドンだけ費用がかかろうが知ったこっちゃないってところでしょう。
どこ産の牛肉か明示するだけで、それ以上の費用をかける必要なんて全くなかったと思いますよ。

ということでshinzorさんとは意見の相違は見つかりませんが・・・

さて、放射能汚染の拡大による健康被害についてですが、今後、確実にガンの発症率が増大していくと思っています。おそらく、そのようなガン患者に特別な救済はなされないでしょう。個々のガンの原因の特定なんかできない以上「苦渋の選択」で「切り捨てる」しかないってことになるんでしょう。悲しいことに。
私としては、医療費ぐらい全部無料(高度先進医療は「公開基準」による順番対応)にすりゃいいのに、と思うのですが。


zさんへ

>あまりにも漫画チックなコメントで笑っちゃいました。

そうです。ここはニヤリとしていただければ私としては十分なんですが・・・

>なんでこう、「反原発」の人ってこうまで定量的な判断ができないんだろうか…

はあ? まったくもって意味不明なんですが・・・

>そんなコメントしかできないから、いつまでたっても(恐らく永劫に)現実的な代案も出せないお花畑だって見られてるのにわかんないのかな?

うーん、野暮ですが解説しますと、
加納時男氏は、「東電出身、元国会議員として二重の責任を感じている。・・・」なんて言っていますが、福島原発の想定津波高さは低すぎますよ〜、いづれ大津波がきて非常用発電喪失する可能性が高いですよ〜、そしたら原発アポーンするよ〜って、「お花畑で蝶と戯れる反原発派」だけじゃなく、東電自身の専門家チームが国際学会で報告しているのに、なんら対策をしなかったという極めて重大な過失(未必の故意ではないかとまで思うが)が役員にはあるんだが、「原子力を選択したことは間違っていなかった。」とのこと。その後のインタビューの展開には、感じている「責任」とやらを少しでも果たそうなんて気配は全くありません。これまで東電から得た役員報酬、顧問報酬を合算すると相当な額になると思うが、責任を感じてるなら全部東電に返却して見せろってんだ!(でも、東電株主に損させちゃだめだとも言ってるんで、この人、多分、東電株も相当持ってるね。)
ってあたりの思いを一行の皮肉にしてみたんですが、わかり難かったですか?
全く共感できないですか?

symbioticwormsymbioticworm 2011/05/13 00:57 >>やむちゃさん
こんばんは。

>ってか、基本的に日本の政府の対応は、払える金があるかどうかではなく、払うと責任を認めることになるので払ってたまるか、という方針であると思います。
>まあ、もともとは、この原発事故以降に数万〜数十万人(←全く根拠レス)ガン死者が増加したとしても、どうせ政府も東電も補償してくれないよ、庸さんのような方が「苦渋の選択」で「手を汚して」切り捨ててくれちゃうからねって主張なんですw
>・・・でも元ネタの加納時男なんかは、資産のほとんどはスイス銀行で、今頃南の島でドライマティニでもなめてんだろうねぇ・・・
>そう、で一方、水俣病やあれやこれや非加熱製剤HIVや中国残留孤児やなんやかんやは、涼しい顔して「苦渋の選択で切り捨て」てきたのは、一体どういうことでしょうか

shinzorさんや庸さんが懸念していらっしゃるのは、上記のように官僚・政府をわかりやすい悪役としてカリカチュアしうる(やむちゃさん自身、zさんの"あまりにも漫画チックなコメント"という指摘に対しては"そうです。ここはニヤリとしていただければ"と答えていらっしゃいますね)自身の「政治性」に、やむちゃさんがあまりにも無頓着なこと、その無頓着さによって判断の定量性が損なわれていることではないでしょうか(勘違いでしたらshinzorさん庸さんすいません)。

実際に補償がいくらであったらやむちゃさんは「切り捨て」ではないと判断されるのでしょうか? もし、"私としては、医療費ぐらい全部無料(高度先進医療は「公開基準」による順番対応)にすりゃいいのに、と思うのですが。"がその答えなのだとしたら、やはり極端かつ戯画化された善悪二分化のバイアスが見られ、(z氏のように"できないんだろう"というような強い言葉を使うつもりはありませんが)判断の定量性をいささか損ねていると、自分としては疑いを抱かざるを得ません。

判断材料が足りない際に判断を保留する態度は「科学的」には中立でも、現状是認という形で「政治的」には保守的な態度となりますから、最大限可能な妥協点を引き出すためのいわば牽引力として、必ずしも定量的判断のみに基づかない――悪し様に言えば「偏見」の入った――感情的な意見というのも、時に必要と思います。その点においては自分も、やむちゃさんの「論理」には同意しないまでも、その「感情」の部分では「共感」を覚えるものです(なんだかヴォルテール然として気障ではありますが)。ただ、自身の態度が必ずしもあらゆる面で中立ではありえない、バイアスを含んだものであると相対化を試みる冷静さがなければ、その態度が「政治的」なものにせよ「科学的」なものにせよ、その足元はおぼつかないものにしかならないでしょう(これは、自戒も込めて)。

shinzorshinzor 2011/05/13 06:40 >今後、確実にガンの発症率が増大していくと思っています。

「思っています」じゃ説得力がなくて、定量的に示さなければなりません。ここから議論が始まります。現在のところ、殆ど増大しない程度の被ばくというのが予想の主流です。それに対して、そもそも低線量の影響については良く分からないので、安全側の仮定で「ガンの発症率は増大する」という予防原則で行動せよということかもしれません。ところが、その行動で別の被害が増大するかもしれません。ところがその程度かはよく分からず、非常に多くなるかもしれないので、予防原則でその行動は避けよとも、言えます。このように「予防原則」はどうとでも言えます。

やむちゃさんが言っていることは、「なにも分からず、定量的根拠もないけど、自分の主張が正しい。なぜなら自分の主張は安全側だから」です。ところが、安全側かどうかは定量的検討をしなければ分かりません。安全側と思い込んでいるだけです。

kittenkitten 2011/05/13 12:34 >やむちゃさん

 残念ながら、前提の違いを確認しただけになってしまいました。
まぁ、違いが確認できただけでもよしとしましょう。
 もちろん、私は加納氏のこの発言はダメすぎると思っていますし、
やむちゃさんの東電、政府批判も同意できる部分もあるんですが、
「そりゃちょっと言いすぎじゃね?」とも感じたので、コメントしました。

 これ以上はコメント欄を汚すだけになりますので、私はこれで退場します。

shinzorshinzor 2011/05/13 22:33 >そう、で一方、水俣病やあれやこれや非加熱製剤HIVや中国残留孤児やなんやかんやは、涼しい顔して「苦渋の選択で切り捨て」てきたのは、一体どういうことでしょうか?
>私の解は、「官僚の責任が問われる事案かどうか」だと考えています。

切り捨ててと十把一絡げにしていますが,それぞれ事情が違いますし,全部切り捨てているのでも、無制限に保障しているのでもありません。

その中でも,水俣病では,「因果関係不明」の方にも「医療費ぐらい全部無料」に近い補償をすることになったと思いますが,その経緯は以下の通りです。
・チッソは「2,268名の認定者の方々に対し、合計1,451億円(一人平均6,400万円)」の支払った。
・そのほか補償金以外の損失  2,952億円。
・さらに因果関係不明の認定棄却者10,305名(認定患者数の4.5倍)にチッソが一時金260万円を、国、県が医療費(本人負担分)等を支給。チッソは317億円を負担。決着に見えたが。
・関西訴訟の最高裁判決(2004年10月)後,訴訟が再燃,新規の申請者が再び増加。
・2009年,対象者への一時金支給や療養費及び療養手当の給付などの救済措置と分社化を目的とする「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」成立。
http://www.chisso.co.jp/topics/minamata/index.html

因果関係不明の方(条件はある)も補償するとなれば,公費負担も必要になり政治決着になります。行政のルーチンワークとして処理できるような問題ではありません。「公害健康被害の補償等に関する法律」に基づく判断条件を満たさないものをも救済しようというのですから,新たな法的根拠として特別措置法が必要になります。

チッソは因果関係不明の認定棄却者にも補償したわけですが,実はメチル水銀が原因ではなかった方を補償したために,会社が破綻し,認定者への補償も出来なくなる可能性も考えれば苦渋の選択だったとは思いませんか。そして心配通り,数年間無かった認定棄却者の申請者が再び増え出し,このままでは救済が出来なくなるおそれが出てきたため,公費負担の特別措置法に繋がったわけです。

ところで,やむちゃさんの官僚心理の解釈では,被害者を救済すれば責任を問われ,切り捨てれば問われないので,切り捨てていると言うことになります。一方で,「集めた税金が減ることなんか、高級官僚たちはなんとも思っていません」なら,気にせずにバンバン補償金を支払いそうです。
責任が問われない方向が決まっていれば、判断に悩むことは無くて楽ですが、現実はそんな単純ではありません。,救済すべき人を救済しなくても,救済しなくてよい人を救済しても責任は問われます。危険な建屋を造っても,過剰に頑丈な建屋を造っても会計検査院から責任を問われます。補償金も全く支払われないのでも,無制限に支払って居るのでもありません。
薬害HIVでも,非加熱製剤を禁止すればHIV被害は防げたかもしれませんが,血友病患者にとっては非加熱製剤に代わるものが十分無い状況では出血による障害のおそれが増します。原因が何であるか不確実な状況では,禁止することもしないことも苦渋の選択です。誰かを救済すれば,他の誰かが救済されなくなります。どちらに偏っても責任は問われます。

やむちゃやむちゃ 2011/05/16 00:43 kittenさん、コメントありがとうございました。
natromさん、「やめろ」と言われるまで続けてしまいそうですみません・・・ご迷惑かどうか判っていません。

symbioticwormさん、こんばんは。

私は自分の哲学を示した上で極めて政治的なことを述べているつもりです。しかしその主張はそれほど極端なことを述べているつもりはありません。医療費全部無料とかねw大胆なことだとは思いますが。ww
残念ながら、現実解・実現方法を論じるには時間もマンパワーもぜんぜん足りないんで、それを極端なことだと信じている方々の信仰を解きほぐす具体的数値を示すことはできません。
したがって、私のそれも「信仰」であるとしておいていただいて結構ですが、ベースとなっている部分はご理解いただきたい・・・と願っています。(苦笑

たとえば、医療費全部無料どころかベーシックインカム制度だってテクニカルには何も難しいことはないと思っていますが、その「信仰」を支えるベースは「隣人が不幸だと気分が悪い」という感情であり、基礎となる理屈は、
1)なんだかんだ言っても日本で餓死する人の数は極僅か
2)医療費払えなくて早死を選択している人というのは、多くても全医療費の20%相当ぐらいのモンでしょう、
3)医療用具・医薬品の消費量の増加20%分は、工業製品なんでその原価の社会的負荷はたいしたことない、
4)医療関係従事者の労働力へのインパクトが一番の問題だが・・・いつも失業率5%ぐらいあるし、大幅業務削減となる生命保険会社や、世の中に貢献しない証券(賭場)関係業界から優秀な人材をシフトさせていけば、マンパワーも問題解決は可能。
5)結局、最大のネックは、「自分の税金が貧乏人の医療費に使われるのは我慢ならない」という信仰をお持ちの方々が実は主流であるってことかなと。

shinzorさん、こんばんは。
A)「日本政府は、いつも切捨てばかりじゃなくそこそこ補償している例もあるんだよ」
B)「安全サイドの補償をしてはいけないケースもあるんだ」
って2点を主張なさっているように受け取りましたが、よろしいでしょうか?

A)については冷戦終結後、社会党なんかが政権に参加するようになってきてから若干そのような傾向が出てきた感はありますが、まずなんといっても遅杉。そしてまだまだ半端。しかも、長年にわたり被害者があきらめることなく絶望的な状況の中で命がけで裁判&政治闘争を続けてきたから実現されたことです。
行政訴訟で原告が勝つなどちょっと前までありえないことでした。そんな中、病苦に苛まれながら絶望的裁判闘争を続けることがどれだけ大変か・・・

B)については、また後ほど・・・電池切れです。w

shinzorshinzor 2011/05/16 22:52 やむちゃさん,

>A)「日本政府は、いつも切捨てばかりじゃなくそこそこ補償している例もあるんだよ」
>B)「安全サイドの補償をしてはいけないケースもあるんだ」

それで間違いとはいいませんが,一番肝心な所が抜けていますので,補足します。
資源・財源は有限なので誰かを補償すれば,誰かが補償を受けられなくる。補償を切るのも増やすのも苦渋の選択。そもそも無条件の「安全サイド」など無い。ある1つの視点では安全サイドでも,別の視点では危険サイドの場合も有る。こうしておけば安全という方法があれば楽だけど、そんなものは無い。

fnorderfnorder 2011/05/17 00:46 「いかなる場合でも全員が助かることを目指す。先に諦めるべきでない」という姿勢もあるかと思います。

ただ、そういう姿勢を本気で貫くなら「あいつらはマティーニ片手にせせら笑ってるんだよ」とか冗談でも言わないで欲しいですね。

AikAik 2011/05/17 01:33 むしろ
「いかなる場合でも全員が助かることを目指す。そのためには全滅したっていい」
と言っているのでは。

本人には自覚がないようですが。

NATROMNATROM 2011/05/17 09:03 「苦渋の選択で切り捨て」に対して警戒するべきというのは正しいです。リソースが有限であることを言い訳にされることを危惧するのは当然のことでしょう。ただ、政府に対しての不信の一部は、過剰に過ぎるのではないかと私は感じています。たまたま、私は肝臓を診る内科医ですが、いわゆる薬害肝炎に関する政府の対応は、100点満点とは言えないまでも、合格点はあると考えます。詳しくは、以下のURLを参照にしてください。

線引きは許されないのか?薬害肝炎訴訟
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20071217#p1

アスベストや薬害エイズや水俣病については、政府の判断の妥当性について私はわかりません。被害者・弱者を広く救済するために、政府側に厳しい見方をしたほうがいいとは思います。ただ、やはり、薬害エイズについては、こういう意見もあります(雑感459-2009.1.5「安部英医師がなぜ無罪になったかが分かる−80歳の老医師を痛めつける理由があったのか−」 http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak456_460.html#zakkan459)。

限定された情報で判断し、後に結果が明らかになってから「後出しジャンケン」で責任を追及されがちであるという職業ゆえかもしれませんが、東電や政府の対応がまずいということはあっても、「やつらは都合の良い法律を作ることに腐心し、その手続きさえ守れば事故ろうが放射能汚染されようが、知ったこっちゃないわけです。これはある意味超無責任です」とまでは言えないと、私は思うのです。医師も、「ガイドラインやEBMさえ守っていれば、患者が苦しもうと死のうと知ったこっちゃないのだろう」などと言われることだってあります。

やむちゃやむちゃ 2011/05/18 23:54 #意外と読んでくれている方が多いことに感謝しています。

リソースが無限だなどとは思っていません。リソースの割り振りが明らかに誤っているじゃないかと言っています。

>いわゆる薬害肝炎に関する政府の対応は、100点満点とは言えないまでも、合格点はあると考えます。

合格点なのは、いつ頃からの対応についてでしょうか?
この時期がNATROMさんの「線引き」がどの辺にあるかわかりやすく示してくれそうです。

旧厚生省の基本スタンスは、製薬企業などとの許認可&天下りの関係から、「疑わしきは企業の利益に」であったと思います。従って1964年時点、既にC型肝炎が血液経由で感染することが常識であったにもかかわらず、血液製剤の安全性についてたいした検証もせず承認したのは当然でしょう。ここら辺は非同意の方が多そうです(爆
しかし、1977年FDAがフィブリノゲン製剤の承認取り消しした後、ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放ししにしていたのは、未必の故意殺人ではないかと・・・コレ言い過ぎではないと思っています。
あ、怒りの対象が「政府(厚生省)」と国立機関(予防衛生研究所とか、お手盛り審査委員会とか)と製薬企業(役人の天下り多数)のチャンポンになってます。
#すいません、「政府(厚生省)の対応が合格点」でした・・・


>医師も「ガイドラインやEBMさえ守っていれば、患者が苦しもうと死のうと知ったこっちゃないのだろう」

今のところ、そのようなことを言うつもりはありません。しかし、たとえば医師会が企業と一体化し、天下りをガンガン受け入れ官僚組織を取り込み、ガンガン献金して政治家や大学を取り込み、大量の出稿・CMを突っ込みマスメディアを言いなりにして、お手盛り安全委員会に、医師会にガンガン利益が転がり込むようなご都合主義のガイドラインやEBMを作らせた結果として患者が苦しんでいたとするなら、その医師会には罵詈雑言を浴びせることでしょう。

福島事故に関して我慢ならないのは、多くの人が危惧して対策を求めていたにも関わらず、みんな無視していたことです。そしてその通りの事態が発生したにもかかわらず、もっとも責任のある元東電役員・現顧問がa)「原発推進は正しかった。」、b)「東電株主に損失を与えてはならない。」、c)「そもそも被曝は健康にいい。」とのたまっている訳です。

この事故は、100%「後出しジャンケン」ではありません。
起きるであろう事が起きただけです。
こういうことが起きることを指摘していた人たちに「原発反対派」のレッテルを貼ることによりみんな安心していた・・・とすると世の中馬鹿ばっかり・・・
斑目委員長は、「そんなに想定をすると原発を作れなくなってしまうんだ」と言っていましたが、極めて正直な言葉だと思います。
「リソース有限なんだから(苦渋の選択で)切り捨てるべき」というのと「原発作るためには津波高さの想定はコレぐらいにすべき」っていうのはなんだか似ている気がします。
「自分たちのおいしい生活を維持するためには、その辺までは助けるけど残りの人は死になさい」
「原発村がおいしく回転していくためにはリスク想定はここまでにしておこう。それを超えてもまあ、”想定外”ってことでいいんじゃない。」

つきつめるとそういう話になると思うんです。

NATROMNATROM 2011/05/19 17:20 >1964年時点、既にC型肝炎が血液経由で感染することが常識であったにもかかわらず、血液製剤の安全性についてたいした検証もせず承認したのは当然でしょう

いわゆる血清肝炎は知られていましたが、非A非B肝炎の予後(慢性化して肝硬変や肝癌の原因となること)は、当時は知られていなかったと思います。急性C型肝炎のほとんどは一過性で治ります。一過性の肝炎のリスクと比較するなら、血液製剤のメリットのほうが大きいという判断もありでしょう。当時の判断を現在の常識で裁くのには違和感を感じます。


>しかし、1977年FDAがフィブリノゲン製剤の承認取り消しした後、ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放ししにしていたのは、未必の故意殺人ではないかと・・・コレ言い過ぎではないと思っています。

1977年FDAがフィブリノゲン製剤の承認を取り消したということは、1977年まではFDAは承認していたわけですよね。日本だけでなく、FDAも「既にC型肝炎が血液経由で感染することが常識であったにもかかわらず、血液製剤の安全性についてたいした検証もせず承認した」のでしょうか?厚生労働省のサイトによれば、1977年のFDAの判断は、主にB型肝炎の感染の危険性に基づいてなされました。日本の製剤はウイルス不活化処理をなされていて肝炎のリスクは少なく、アメリカ以外の欧州各国を含む多数の国ではフィブリノゲン製剤は使用されていたともあります。もちろん、当事者の一方の言い分ですが、私の知る限り、こうした事情に対する反論はないようです。「ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放ししにしていた」のではなく、当時の既知のリスク(B型肝炎のリスク)には対応していたのではないですか。1977年までの段階では、B型肝炎のリスクの対応は、日本はFDAより優れていたとも言えます。少なくとも、私が厚生労働省の官僚であったとして、薬害肝炎をどこまで防ぐことができたか、あまり自信がありません。

少なくとも、薬害肝炎に関する、私の認識は上記の通りです。「リソースの割り振りが明らかに誤っている」こともあるでしょう。福島の事故については、「100%「後出しジャンケン」ではない」のかもしれません。私も原発事故についての責任追及は後出しジャンケンではないと思いますが、原発についての専門家でないからそう思えるだけかもしれないとも思っています。私のよく知っている分野(薬害肝炎)について、「ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放ししにしていた」などと事実とは乖離しているとしか思えないようなことを言われてしまうと、原発事故についても同じことを言われているのではないかと、思ってしまうのです。もし、やむちゃさんが、上記したような「当時の事情」など承知の上で、「ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放ししにしていた」と主張していらっしゃるとしたら、ぜひ、参考となる資料等を教えてください。

やむちゃやむちゃ 2011/05/19 19:48 NATROMさんが合格点を付けておられる対象は、厚生省限定、期間は最初から今までずっと、ということでしょうか?
製薬会社幹部、いろいろ学者含む諮問機関等もひっくるめて、ということでしょうか?

NATROMNATROM 2011/05/19 21:09 薬害肝炎に関しては、司法の判断が概ね妥当なところだろうと考えています。地方裁判所によって判断が分かれ、1976年から国の責任があるとするものから(名古屋)、国の責任はないとするものまで(仙台)あります。もともと線引きするのは不合理であったわけですので、裁判所によって線引きの判断が分かれても不思議はないと考えます。また、弱者救済の観点から、国や製薬会社に厳し目の判決が出るのも理解できます。

FDA承認取消を基準にするのは上記した理由で妥当ではないと考えます。1987年の集団発生の時点で、何らかの介入をしてもよかったとは思います。が、そう思ってしまうのは「後出しジャンケン」ゆえではないかという疑念も同時に持ちます。臨床を行っていて、厚生労働省の通達で、突然に特定の薬剤や機材が使用できなくなることがあります。結果的には何ら問題なく使用再開できることがほとんどなのですが、その間の診療には差し障りが生じます。薬害肝炎の事例を知っているので、厚生労働省の慎重な態度はよく理解できます。そこにはトレードオフがあります。1987年の時点で薬剤の使用禁止や回収を行えばそれはファインプレーだったとは言えますが、それは歴史を知っているからであって、もしかしたら不要な規制を行ったことで患者に不利益を与えたと非難されるかもしれなかったのです。ファインプレーをできなかったことを私は批判する気にはなりません。製薬会社については、独自の情報を得ていたかもしれませんので、判断は保留します。

原発事故に関しては、小出裕章氏をはじめとして、前もって警告する人はいました。私が知らないだけかもしれませんが、薬害肝炎について、事前に明確に危険性を指摘した医学者は私の知る限りはいません。少なくとも、血液製剤のリスクについては既知ではありませんでした。それでもなお、厚生労働省は薬剤の安全性について責任があるわけであり、厚生労働省を批判する正当性はあります。特に、被害者の方が批判するのは当然ですし、法廷戦略や政治的な立場として「線引きなしの救済を」と言うのは良く理解できます(個人的には、過失を問うのではなく、無過失保障を要求するほうがいいと思います。輸血で感染した人も救済の対象になるべきです)。しかしながら、「ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放ししにしていた」という言説については、かなり強い証拠を提示していただかない限り、懐疑的に受け止めます。私の認識は「ファインプレーができなかった」です。

shinzorshinzor 2011/05/20 06:39 薬の作用は副作用でもあるわけで、副作用を恐れて、使用を禁止すれば有用な作用も失われますね。
禁止が遅れたという批判もあれば、承認が遅いという批判もありますね。

やむちゃやむちゃ 2011/05/23 00:27 NATROMさん、真摯なご回答ありがとうございます。
同じ情報への評価であっても、その人の立ち位置の違いにより大きく評価が異なることは当然だと思っています。しかし、87年ですら何らかの手を打てたら「ファインプレー」レベルというのは、ちょっとどしょうか、と言ってみたくなります。
私も、厚生省に限定するなら・・・いや、製薬企業も含めてでしょうが、実務に携わっていた人々の多くは、意図して「ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放しにしていた」訳ではないと思いますよ。87年レベルであっても何らかの声を上げるのは将来を棒に振る覚悟が必要であって、果たして自分だったら何か出来たかといわれると厳しいかもしれません。なのになぜ批判するのか?(もちろん批判対象の主体は責任者であり、そのような組織を主導していた人たちですが。)
批判の根拠を示せとのことで、ごもっともですが、ご想像の通り確たる一次資料・二次資料は持っていません。(二次資料だけなら多少は示せるかもしれませんが。)
しかし、なぜ私が政府・企業・学者らに対してこのような判断・評価に至ったかはなんとか示したいと思っています。(大変そうですが・・・)
そのうちの一つなんですが、安田純一氏(当時の国立予防衛生研究所の血液製剤部長) が79年に『血液製剤』(近代出版; 1979)でFDAが承認を取り消した理由と同等のことを述べているんですが、どう評価されます?

1896年の明治三陸地震津波で、岩手県綾里で38.2mが記録されているなどを根拠に福島や浜岡の想定津波高さが低すぎるって指摘をしている人はたくさんいたんですが、安田純一氏の著書と同様、「主流じゃないから無視されても止む無し」ってところでしょうか。・・・こんな想定を認めたら原発を稼動させられなくなるし、そんなことになったら経済へのデメリットが大きすぎて大変なことになるからしかたないやん、とされてた訳ですが、リスクの指摘に対して「リスクばかりを騒ぎ立てるが、原発止めることのデメリットを無視・軽視する姿勢が許せん」という没ロジックな感情がどんだけダメージを与えていたことか。

NATROMNATROM 2011/05/23 08:57 >私も、厚生省に限定するなら・・・いや、製薬企業も含めてでしょうが、実務に携わっていた人々の多くは、意図して「ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放しにしていた」訳ではないと思いますよ。

とのことですが、一方で、やむちゃさんはこうも言っています。

>しかし、1977年FDAがフィブリノゲン製剤の承認取り消しした後、ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放ししにしていたのは、未必の故意殺人ではないかと・・・コレ言い過ぎではないと思っています。

誰が「ヤバイと重々承知しながらガンガン売りまくり使いまくりを野放しにしていた」のでしょうか?


>安田純一氏(当時の国立予防衛生研究所の血液製剤部長) が79年に『血液製剤』(近代出版; 1979)でFDAが承認を取り消した理由と同等のことを述べているんですが、どう評価されます?

「FDAが承認を取り消した理由と同等のこと」であれば、「日本の製剤はウイルス不活化処理をなされていてB型肝炎のリスクは少ない」とされていた、という主張に対する反論が必要であろうと考えます。FDAはB型肝炎のリスクのため承認を取り消し、結果的にはC型肝炎にも対応できた(意図的に対応したのではない)のに対し、日本ではなまじB型肝炎に対する不活性化処理をしていたため承認取り消しをしなかった、というのが私の理解です。深く調べたわけではないので、この理解は誤っているかもしれません。しかしながら、私の知る範囲内で、説得力のある反論は知りません。『血液製剤』(近代出版; 1979)にその辺の記述はありませんか?

それから、少なくとも医学の分野においては、「当時から危険性は指摘されていた」とする文献を見つけ出すのは容易です。今現在標準医療として確立している治療法でも、危険性が指摘されていた文献はいくらでも発見できるでしょう。危険性が指摘されていない治療法はありません。なので、当時の判断を評価するには、危険性が指摘されていた文献だけを選択的に評価するだけでは不十分なのです。当時、どのように評価されていたのか、という視点が重要です。

津波に関しても、「危険性は指摘されていなかった。利権に目がくらんでリスクを軽視した連中は馬鹿だったんだ」という意見があります。私も、そうした意見に説得力を感じており、「連中は馬鹿だったんだろうなあ」とは内心では思っていますが、しかし一方で、後出しジャンケンで批判しているかもしれないと自覚はしており、安易に批判に乗っからないようにしています。