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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2011-06-20 放射線被ばくで集患を

[]放射線被ばくで集患を 放射線被ばくで集患をを含むブックマーク

もしあなたが関東近辺の開業医で、クリニックがつぶれそうになっていたら、放射線被ばくとさまざまな症状を積極的に結びつけるとよい結果を産むかもしれない。鼻血や下痢などの症状が低線量の放射線被ばくで起きることは医学的には考えにくく、医師としての良心が残っているならば、安易にそうした症状と放射線を結びつけることはできない。また、周辺の医療機関からの信用もガタ落ちだろう。しかしながら、需要はある。

被ばくがあろうとなかろうと、常に下痢や鼻血は生じている。原因が明確でないこともいくらでもある。下痢の多くは感染によるものであるが、感染源や起炎菌が明らかになるほうが少ない。鼻出血も半数以上が特発性、つまり原因は不明である。しかし、原因が不明であると患者は不安に思う。原発事故の後に下痢や鼻血が生じたら、被ばくが原因ではないかと疑うのは、人の心の働きとしては当たり前のことだ。臨床医の役割は、そうした不安を理解し、不安を解消できるような診療を行うことである。

ただ、医師が常に適切な(患者の不安に配慮した)説明をするとは限らないし、あるいはどのような説明を受けてもなお、不安のままの患者も一定の割合でいるだろう。とくに、患者がネットなどの無責任な情報に煽られた場合は。しかし、まともな医師は、症状を放射線のせいにはしてくれない。ここにビジネスチャンスがある。「その症状は放射線被ばくによるものだ」という「正しい」診断をしてくれる医師は貴重であるがゆえに、患者が集まるであろう。保険診療範囲内で検査などを行うだけでもいいが、治療となるとさらに工夫の余地がある。

「EM菌が放射能に効く」という主張がある*1。なるほど、放射線被ばくによると主張されている諸症状の多くに、EM菌は「効く」だろう。同様に、ホメオパシーのレメディーも「効く」。電解還元水も「効く」。ビタミンC大量投与もマクロビオティックもバイオラバーも物質Xも気功も「効く」。顧客のニーズに合わせて、自費診療で適当なものを提供すればいい。重大な疾患の除外と、言質を取られないようなインフォームドコンセントを行っていれば、訴訟のリスクは小さい。

下痢や鼻血だけが対象ではない。被ばくと諸症状と積極的に結び付けるのは、ロングテールのビジネスになりうる。下痢や鼻血だけでなく、寒気、頭痛、筋肉痛、関節痛、手足の震え・けいれん、倦怠感、疲労感、アレルギー症状の悪化、イライラ、抑うつ、発疹、めまい、生理不順などの症状が、今後、放射線被ばくと関連していると訴えられるであろう。潜在的な顧客は多くいる。「その症状は放射線のせいでしょうね」という一言だけで、患者はあなたのクリニックに集まる。



関連記事

■インチキ医療がなくならない理由

■気功で化学物質過敏症が完治〜大明気功 体験談

■マイコプラズマ・ファーメンタンス・インコグニタスについての噂

*1:放射能と微生物 チェルノブイリへのかけはし 特定非営利活動法人チェルノブイリへのかけはしの公式サイト&ブログURL:http://www.kakehashi.or.jp/?p=3409

JA50JA50 2011/06/20 09:59 「その症状は放射線のせいでしょうね」と言い切ってしまうと言質をとられることになるので「可能性がある」とすべきでは?

MukkeMukke 2011/06/20 11:25 >「その症状は放射線のせいでしょうね」と言い切ってしまうと言質をとられることになるので「可能性がある」とすべきでは?
「放射線(が飛んでくるのではないかという不安)のせい」と言っているだけなので無問題だと愚考しますw

JA50JA50 2011/06/20 12:01 今は、可能性をにおわせるだけの方が、より不安を増幅させます。この意味でも、言い切るより「可能性がある」とすべきではないでしょうか。

somebodyssinsomebodyssin 2011/06/20 21:37 >今は、可能性をにおわせるだけの方が、より不安を増幅させます。
それだとプラセボ効果で「症状」が軽快するかもしれない多くの人を「救う」ことすらできないです。だったら言い切るほうがいいに決まってるし、砂糖玉の原価ぽっきり+アルファで「診療」して、後で鮮やかにネタばらしすればさらに良いって世間知らずな私は愚考します。

katsuya_440katsuya_440 2011/06/20 23:28 L-アスコルビン酸等のラジカルスカベンジャーは、被曝症状の軽減に効果がある可能性があります。それにL-アスコルビン酸は鼻血への効能が認められていますから、レメディーと同列視されるのはいかがなものでしょうか?
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00004801.pdf

mimonmimon 2011/06/21 02:20 家庭用電解水生成器が効くのなら、「創生水」だって効きます。
http://www.soseiworld.co.jp/substance_removal/
カルシウムイオンを付加するか除去するか「だけ」の違いで、本質的に同類だと思います。

giwhodawgiwhodaw 2011/06/21 04:00 katsuya_440さん

リンク先資料で示されるビタミンCの効能はほとんどみな「ビタミンCの欠乏・不足」に対するものであって、鼻血への効果も「ビタミンCの欠乏または代謝障害が関与すると推定される場合」となっており、有効とされる処方は主として「欠乏を補う」範囲に留まっています。NATROMさんがレメディ等と同列視しているのは「欠乏を補う範囲を超えた大量投与」という『処方』であって、ビタミンC自体の薬効を否定されているわけではないと思います。

att460att460 2011/06/21 20:12 >ビタミンC大量投与

「2011-05-27 ビタミンC点滴とがんについて面白いサイト」の記事を念頭に書かれたのでは?

ビタミンCの大量投与は安全とは言い切れないという研究報告があるようで。

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail45.html

none_2217none_2217 2011/06/21 20:28 それをやって一時的に大儲けできたとしても、信用に傷がつきませんかね…

NATROMNATROM 2011/06/21 21:20 誰からの信用を重視するかという話になります。他の医療機関からの信用は落ちますが、一定数の患者の信用は維持されます。他の医師から信用されないこと自体が、ある種の患者からの信用を高める場合もあるのです。

元外科医元外科医 2011/06/27 20:39 まともな医療をやるのがばかばかしくなりそう(笑)

ひぽくらてすひぽくらてす 2011/06/28 20:28 ホスピスを考える横浜市民の会 低濃度ラドンへの対策が必須
http://www5.airnet.ne.jp/shimin/sub300-igakutopics-bk09-5.htm#y5

オックスフォード大学保健経済研究所保健経済学のAlastair Gray教授らは,英国の肺がん死に
屋内ラドンが及ぼす影響を調査した結果,毎年約1,100例が屋内ラドンによる肺がんで死亡しているが,
現在の政府の対策はラドン濃度の高い少数の世帯のみを対象としたもので,全体の95%を占める
低濃度ラドンによる死亡は見過ごされていると発表した。

同教授らは,英国では毎年1,100例の死亡がラドンに起因したものと推定。これは肺がん死全体の約3.3%を占めている。
Gray教授らは,英国に比べてラドン濃度の高い国は多いため,今回の知見は他の多くの国々にも当てはまるとしている。
英国の家屋内のラドン濃度は平均21ベクレル(Bq)/m3であるが,EUでは55Bq/m3であることを考慮すると,EU内の肺がん死の約8%,
つまり毎年1万8,000例はラドンによる肺がんで死亡していることが示唆される。

えびでんすえびでんす 2011/06/28 20:29 ラドン温泉(ラジウム温泉)-WHOによるラドン被曝に関する問題提起
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%B3

2005年6月、世界保健機構 (WHO) は、放射性のラドンががんの重要な原因であることを警告した。

2004年、これまでの疫学調査の基礎データを解析した結果、100 Bq/m3レベルという比較的低いラドン濃度環境においても
肺がんのリスクが有意に高く、しかも、その線量-効果関係は、閥値無しで直線的な関係(どれほど微量な線量であっても
それに見合った分だけ発がん確率が上昇する)にあるという。

2005年8月、WHO は、高自熱放射線とラドンに関する第6回国際会議 (6th lnt. Conf. on High Levels of Natural Radiation
and Radon Areas) を開催し、RRR (Residential Radon Risk) に関するラドンプロジェクトを開始した。

ふくしまふくしま 2011/06/28 20:30 WHO によれば、ラドンガスは空気中でラドン壊変生成物をつくり、これが呼吸気道に沈着し、放出するアルファ線により
DNA に傷を付け肺がんを引き起こすとされる。屋外のラドンレベルは通常は非常に低く、屋内ではラドン濃度は高く、
鉱山・洞窟や水取り扱い施設または住宅などでは高くなることがある。

アメリカ政府もWHOに準じている。ラドンの安全基準となる量については、いまだ解明されていないといわれる。
アメリカの環境保護庁 (EPA) の見解によると、ラドンに安全量はなく、少しの被曝でも癌になる危険性をもたらすものとされ、
米国科学アカデミーは毎年15,000から22,000人のアメリカ人が屋内のラドンに起因する肺癌によって命を落としていると推定している。

はうすえむでぃーはうすえむでぃー 2011/06/28 20:31 癌掲示板..>ラジウム温泉器って・・
http://www.gankeijiban.com/bbs/read/minkan/1168962612

9 名前: 名無しさん@? 投稿日:2007/05/22(火) 08:41
私の家族に癌患者がいます。
放射線療法を受けたおかげで、腫瘍は消滅しなかったものの、だ液が出なくなり、歯がポロポロ抜け始める副作用が出ました。
また、出血すると血が止まりにくくなるので注意が必要とも言われました。
因果関係は不明ですが(高齢ですので無関係かも?)、最近では心臓疾患も出始めました。

温泉療法的な放射線は、放射線療法とはゼロがいくつも付くケタ違いに微弱だと思いますが
どの程度の放射線をどの部分にどの時間浴びれば癌が治るのか?
また、どこまでが安全で、どれ以上が危険なのか?
その根拠はどこにあるのか?
素人判断で適当にして良い物か?

いはじんじゅついはじんじゅつ 2011/06/28 20:41

40代の多発性骨髄腫と放射線被曝との因果関係
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/02/s0206-3.html

国際がん研究機関 「放射能に安全と言える量はない」 低線量の無害説や免疫増強説を完全否定
http://www.47news.jp/CN/200506/CN2005063001003768.html

いしんぼういしんぼう 2011/06/28 20:44

放射線科学センター ガンや遺伝的影響は非常に低い被ばく線量からその障害がおきる
http://rcwww.kek.jp/kurasi/page-55.pdf


原発事故による癌患者の増大は40万人以上――ECCR予測
http://chikyuza.net/n/archives/8340

sksksksk 2011/07/14 21:08 チョット主題と違いますが。
こういうのってXX過敏症とかとよく似ている部分があるようですね。
そのうち「放射能過敏症」とかが出てくるのでしょうか?
放射能を感じるとか?「線」でないと無理か?
まあ、ガンマ線の親類なら私も感じますが。

>「その症状はxxのせいでしょうね」という一言
XX過敏症の一部にもそれを望んでいらっしゃる方がいるのでしょう。

心療内科(でいいのかな)の範疇になるのでしょうか?

薬に追加の「一言」で症状(心も含めて)が軽くなるなら「あり」かも、でも「なし」だよなあ。回りへの影響がおおきそうですから(「放射能過敏症」)がでそう。

mortanmortan 2011/10/29 04:24 現場から産まれた親身で経験豊かなアドヴァイス、どうもありがとうございます。。。

2011-06-14 自己責任論を隠れ蓑にした現代医学否定

[][]自己責任論を隠れ蓑にした現代医学否定 自己責任論を隠れ蓑にした現代医学否定を含むブックマーク

日本のホメオパシー団体は複数ある。ビタミンK不投与事件を起こしたのは、日本ホメオパシー医学協会の認定ホメオパスである。日本ホメオパシー医学協会とは別に日本ホメオパシー振興会という団体もある。事件を起こした医学協会とは違うことを示したい気持ちと、ホメオパシーを支持する仲間意識の混ざり合う微妙な距離感があるようだ。日本ホメオパシー振興会代表の永松昌泰氏は、日本ホメオパシー医学協会には深刻な問題があることは確かと言いつつ、一方的に悪者にされ過ぎているところもあるかもしれないと述べている。


■朝日新聞 長野剛さんの電話取材 (永松学長のひとりごと)

私が直接知っている中に、こういうケースがありました。

もう8年前のことです。

 

I 型糖尿病の方が、

「医学協会」の中心的人物のセッションを受けて、

「すぐにインスリンを止めなさい」

と言われて止めたら、

血糖値がどんどん上がって300くらいになったので、

聞いたら、

「好転反応だ」と言われた。

そのうち、道を歩いているうちに、

ぶっ倒れて救急車に運ばれた。

血糖値は500にも達していて、

生死の境をしばらく彷徨った、

とおっしゃる方がいらっしゃいました。

 

しかし、ちょっと疑問な点がありました。

私がずっと昔、共にやっていたときは、

新薬を止めることに関して、

彼女*1はそれなりに慎重だったからです。

(今はわかりませんが・・・)

 

そう思って、ご本人に何度もよく聞いてみると、

実際にはその療法家はそんなことを言ってはおらず、

その療法家の「著書」を読んだご本人が、

止めなくてはいけないのだろう、と一人合点して、

勝手にインスリンを止めていて、

その療法家は、

ご本人がインスリンを止めたことを知らなかったことが判明。

 

また療法家から「好転反応だ」とは言われておらず、

ご本人が勝手に誤解して、そう解釈していた、

ということも判明しました。

 

こういうケースもきっとあるのだとは思います。


1型糖尿病は、かつてインスリン依存型糖尿病と呼ばれていたように、インスリンを中止すると死に至る危険が高い病気である。日本ホメオパシー医学協会の普段の主張から考えるに、インスリンを中止させたり、血糖値上昇を好転反応だと判断したりすることは十分にありそうな話と思われるが、永松氏によれば、日本ホメオパシー医学協会の療法家が明確にインスリンの中止を指示したり、好転反応だと判断したわけではなく、患者本人が勝手に誤解していた、とのこと。仮にそうだとしても、日本ホメオパシー医学協会には問題があることを、永松氏は正しく指摘している。


ただ、問題は、ホメオパスが直接言った、言わなかった、

ということではなく、

ホメオパスが直接言おうが、

本人が勝手にやったことであろうが、

「医学協会」が全体として強烈に発している

「メッセージ」「雰囲気」は、

「安易な医療ネグレクト」の方向に非常に導きやすい、

ということだと、改めて思います。


この部分は完全に同意する。しかし、同時に、永松氏の指摘は、永松氏自身にブーメランとして突き刺さる。前回のエントリー■ハーネマンアカデミー学長の永松昌泰氏は断薬の危険性について十分に説明しているのか?で指摘したように、永松氏は、「(病院からの処方薬)基本スタンスとして、何も変えないことを指導している」と口先では言いつつ、お母さんの「独断」で抗てんかん薬をあげなかった事例を好意的に紹介し、「薬を止めただけで治るケースが後を絶たない」「勝手にやめてしまう人が続出する」と書いた。断薬の危険性についてはほとんど述べられていない。

永松氏の指導を受け、抗てんかん薬を中止し、「ぶっ倒れて救急車に運ばれ生死の境をしばらく彷徨った」事例が生じたとしても、永松氏は、「ご本人が、止めなくてはいけないのだろう、と一人合点して、勝手に抗てんかん薬を止めた。ご本人が勝手に誤解して、そう解釈していた」と言い逃れるであろう。ただ、問題は、永松氏が直接言おうが、本人が勝手にやったことであろうが、「日本ホメオパシー振興会」が全体として強烈に発している「メッセージ」「雰囲気」は、「安易な医療ネグレクト」の方向に非常に導きやすい、ということだ。永松氏は、「本来のホメオパシー」にこだわっておられるが、私から見るとそんなことはどうでもよい。「本来のホメオパシー」かどうかではなく、実際に効果があるかどうか、現代医学を否定しているかどうかに興味がある。特異的効果があるなら、エビデンスを出せ。エビデンスがないなら、せめて、現代医学を否定するな。

彼らが口先だけでは「現代医学を否定しない」と言う理由は、現代医学を避けた結果に対する責任を回避するためだ。新生児ビタミンK不投与事件において、日本ホメオパシー医学協会は、「今回のケースは本人の承諾を得て「K2シロップとらない」かつ「ホメオパシーのレメディーをとる」という選択を母親がしたものです」と述べている*2。つまりは、母親の自己責任というわけだ。実際には、由井寅子氏らは、「ホメオパシーにもビタミンKのレメディー(Vitamin-K)はありますから、それを使っていただきたい」「ビタミン剤の実物の投与があまりよくないと思うので、私はレメディーにして使っています」などと言っていた*3。母親が「K2シロップとらない」という選択をしたのが事実だとしても、それは日本ホメオパシー医学協会による虚偽の説明のせいだろう。

ちなみに、虚偽あるいはミスリーディングさせる説明と選択の自由をセットにする手法は、ホメオパシー団体に限らず、インチキな代替医療を勧めるときによく使用される。「現代医学では治らないばかりかむしろ害がある。一方で、この代替医療はこんなに効果がある。しかし、あなたには選択の自由がある。私は強制しない」というわけだ。選択の自由など自明なことだ。問題は、説明が適切か否かである。



関連リンク集

■面接官「特技はホメオパシーとありますが?」 - Not so open-minded that our brains drop out. 日本ホメオパシー医学協会のホメオパスが使用する「ホメオパスの責任回避とユーザーへの責任転嫁のための」同意書。

■事件とは無関係の日本ホメオパシー振興会の言い分〜穏健なホメオパシー団体には自浄作用が期待できるか? - Not so open-minded that our brains drop out. 日本ホメオパシー振興会の予防接種への態度。


関連記事

■ハーネマンアカデミー学長の永松昌泰氏は断薬の危険性について十分に説明しているのか?

■平沢進と物質X(ミラクルミネラルソリューション)

■ホメオパシーが叩かれる理由

*1:引用者注:日本ホメオパシー医学協会会長の由井寅子氏のことだろう

*2:ホメオパシーでは死んでいない!山口地裁での和解を「ホメオパシーで長女死亡」と事実を捏造して朝日新聞が配信。(日本ホメオパシー医学協会)URL:http://www.jphma.org/About_homoe/jphma_answer_20101222.html

*3■ホメオパシー訴訟の和解がもたらした最大の成果 - NATROMの日記

もこもこ 2011/06/15 13:50 何だかもう「自己責任」って言葉が嫌いになっちゃいそうです。気のせいかもしれませんが、インチキなものに限って「自己責任で!」と自己責任って言葉を押しだしてる気がします。もちろん、何でもある程度自己責任なのは理解していますが…

何と言うのでしょう?「自己責任で!」が「私は責任を全部ぶん投げします!」と同意語で使われてるような気がします。思うのですが、例え最終的に選んだ患者にもある程度責任があったとしても、イコール医者(またはなんちゃって医者・ホメオパス等)に一切責任が無い、というわけではないと思うんです。でも彼らは「自己責任だから私には一切責任が無い」と言っている気がします。上手く言えないのですが、例えば詐欺師に騙される方にだってある程度責任とか非はあると思うのですが、だからって詐欺師が悪くない、なんてことにはならないじゃないですか。

kubotakubota 2011/06/20 15:37 自己責任という言葉は、何かを使用する人とか利用する人本人の口から、自発的に出てきた場合は意味があると思うのですが、この記事の内容のように「自己責任でお使いください」というような言葉を他人が言った場合は自己責任ではないですよね。「自己責任でお使いください」と言った人が自分には責任がないという他社責任(利用者の責任で売った自分には責任がない)という意味合いに見えて、非常に嫌な感じがしますね。

att460att460 2011/06/20 18:03 私はよく悪徳商法関係の掲示板に出入りしていますが、そこでも「自己責任」は良く見かけます。特に、マルチ商法関係は多いです。

数少ない(絶滅危惧種などと呼ばれている)真っ当なマルチ商法従事者の方が、「自己責任とは、(勧誘者側が)説明責任を果たした上ではじめて成り立つ」と喝破していました。

もとHAの生徒もとHAの生徒 2011/06/22 21:15 遅れ取り戻し計画

P.197,L1〜P.208,L.37
12ページ分
6月12日〜6月24日までの12日間で



はじめまして。
私はハーネマンアカデミーでホメオパシーを学んだことがあります。
上記の話は、在学中、何度か永松さん本人から聞かされていました。
その話、当時不思議に思っていました。今でもです。

普通、ホメオパスを変えることはありません。
どうして永松さんがその人と知り合うようになったのでしょう。
本を読んでいてその著者を信頼しているのなら、まずその著者に相談したはずです。
上記の話は巧妙な物語だとは思いませんか。

私は当時、その話を聞いて、「自分のことだな」と思っていました。
授業中に永松さんは他の団体を批判することがあります。
ほとんど納得できる内容でしたが(ある意味、私は洗脳されていたのです)、
この話だけは奇妙に思ったことを覚えています。

断薬に関しては書きたいこともありますが、
(私が在学中、どのような断薬が行われていたのか、など)
暴露的なことをネットで書く勇気がないので、書けません。
(正直、永松さんが怖いので、ここに書き込むのもドキドキです)

ハーネマンアカデミーで私が学んでいたとこのことです。そこで知り合った人の
お子さんが、砂糖であるレメディーは甘いので、レメディーを全部食べてしまったそうです。
親(私と一緒に学んでいた生徒さんです)としては心配です。
永松さんに「大丈夫でしょうか」と不安げに質問したら、
永松さんは、にこっと笑って「大丈夫です」と答えました。
みんな、納得くできないという表情をしたのですが、それ以上突っ込むのは
なんとなく気まずい雰囲気になると思い、だれも何も言いませんでした。

わたしわたし 2011/08/25 17:38 本当に自己責任なんですね。自分は正しい。だから他人を非難できる。しかしどこかで自分が認めているんですよ、その時点では。後で他からだまされたとか自分は知らなかったと言うけど、根底には常に自分は正しいと思っているからだと思いますよ。
現代医療だって「承諾書」みたいなものに判を押させる事があるでしょ。
それはね、患者側が自分は正しい、間違ったらぜんぶ他が悪いという自己責任逃れようとしているからです。
だからといって、間違っているものを認める必要はない、ただ、自分はただの被害者だと主張する事は、最初に自分の選択権を放棄したという結果なのよね。

自然免疫同好会自然免疫同好会 2011/09/27 17:10 >「本来のホメオパシー」かどうかではなく、実際に効果があるかどうか、現代医学を否定しているかどうかに興味がある。特異的効果があるなら、エビデンスを出せ。エビデンスがないなら、せめて、現代医学を否定するな。

ホメオパシー振興会の実質は由井寅子さんのところの実質とは違い、現代医学の否定はしていないように見えていました。
が、永松昌泰氏は「資金力のある修行僧」で、遠い昔に由井寅子さんその人にも踏み石として利用されて終わったのを、悪口を言わずに紳士的態度を貫いておられるのかと思っていました。
永松さんと寅子さんの関係については、情報源が既に亡くなられた方のため、これ以上のことは存じ上げておりません。

2011-06-06 ハーネマンアカデミー学長の永松昌泰氏は断薬の危険性について十分に

[]ハーネマンアカデミー学長の永松昌泰氏は断薬の危険性について十分に説明しているのか? ハーネマンアカデミー学長の永松昌泰氏は断薬の危険性について十分に説明しているのか?を含むブックマーク

日本ホメオパシー医学協会のホメオパスでもある助産師が、新生児に対しビタミンKシロップを与えず、新生児がビタミンK欠乏性出血症によって死亡した「ビタミンK不投与事件」はいまだ記憶に新しい。日本ホメオパシー医学協会以外にも、ホメオパシー団体はいくつかあり、永松昌泰氏が代表を務める日本ホメオパシー振興会は、以下に引用するような見解を出した。


■<7/31、8/5付 朝日新聞に掲載されたホメオパシー関連の記事について>  日本ホメオパシー振興会

今回の事件が、あたかも「ホメオパシーそのもの」によって起こったことのように報じられています。前回の見解でも述べましたように、VK2シロップの代替として「ホメオパシーレメディーVK2」なるものを投与すること自体、「本来のホメオパシー」ではありません。日本ホメオパシー振興会が普及しております「本来のホメオパシー」においては、そのような無意味かつ危険な行為はありえないことです。


要するに、日本ホメオパシー振興会による「本来のホメオパシー」であれば、ビタミンK不投与事件のようなことは起こらないと言いたいらしい。しかしながら、日本ホメオパシー振興会の代表であり、「真のホメオパスを養成」するというハーネマンアカデミーの学長でもある永松昌泰氏のブログを読むと、いつなんどき、ビタミンK不投与事件と同じことが起こってもおかしくないことがわかる。


■ホメオパシーの素晴らしさ (永松学長のひとりごと)

■ホメオパシーの素晴らしさ (2) (永松学長のひとりごと)


詳しくはリンク先を読んでいただくとして、かいつまんで言うと、抗てんかん薬を処方された子を持つ母親から、「何とか薬をのまない方法はないか」と相談をされ、レメディーを摂ってもらったところ、数分後に速くも劇的改善がみられただけでなく、半年以上てんかん発作が起こらず、「癲癇波が消えている。もうこれならば、薬は飲まなくて良いでしょう。それにしても、不思議だ」と医師に言われた、とのことである。話はこれだけで終わらない。


実は、薬は一度も摂っていないのです。

最初に私とお会いしてから、

そのお子さんの状態が、あまりにも良くなったので、

お母さんの「独断」で、

薬はあげなかったのです。

ですから、その医師は、

こんなにこの薬が効くなんて! と思ったようです。


ともかく、良かったです。


■断薬の危険とホメオパシーの危険|てんかん(癲癇)と生きるで指摘されているが、「文中で医師の言葉とされているものは捏造されたものか、大いなる聞き間違いである可能性が高いと言える」。てんかん発作がたったの半年しか起こらなかっただけで、しかも減薬ではなくいきなり「薬は飲まなくて良い」と判断されることは通常はないからである。加えて言うならば、通常は、抗てんかん薬は薬物血中濃度をモニターしながら使うので、母親が薬をあげなかったことを医師がまったく気付かないのは不自然である。だが、このエントリーの本題は体験談の不正確さではない。この話が正確であったとしても、大きな問題がある。

言うまでもないが、てんかんの薬を自己判断で中止することは危険である。てんかん発作が起きなかったのは単なる幸運であって、もしかしたら不幸な結果に終わっていたかもしれないのである。抗てんかん薬の断薬の危険性について十分に理解している人から見たら、「ともかく、良かったです」で済まされるような話ではない。銃の危険性を理解している人が、ロシアンルーレットをわが子に向けて打ち、弾が出なかった話を「ともかく、良かったです」と書くであろうか?永松氏は断薬の危険性について、一言も触れていない。同じような子を持つ母親が、永松氏のブログを読んで、自己判断で抗てんかん薬を中止するかもしれないとは考えなかったのであろうか?

現在(2011年6月6日)は、永松氏のブログの該当記事には、賞賛のコメントしか付いていない。しかし、多くのコメントが削除された結果である。その一部は、■ホメオパシーが素晴らしいわけが無い|まぶたの匠・湘南美容外科 Dr. GO のBlogで読むことができる。私のコメントと、永松氏の回答を引用しよう。

こんにちは。このエントリーを読んで、たくさんの疑問が湧きましたが、あまりたくさん質問をしても御迷惑でしょうから、ひとつに絞ります。

・永松さんは、抗てんかん薬に限らず、医師から処方された薬の断薬の危険性について十分に説明しているのでしょうか?

投稿者: NATROM | 2011年06月03日 13:26

NATROMさま

初めまして。あなたがNATROMさんなのですね。

いらっしゃるのを楽しみにしておりました。

これから、末長くよろしくお願いします。

たくさん疑問が湧いてこられたとのことですね。

>・永松さんは、抗てんかん薬に限らず、医師から処方された薬の断薬の危険性について十分に説明しているのでしょうか?

なかなか巧みな導入の仕方ですね。

この件については、

今まで本文中に何度か書いたことがありますし、

4月中旬には中川さんとのやりとりの中でも書きました。

http://www.hahnemann-academy.com/blog/2011/04/post_287.html#comments

私は、医師の投薬が本当に適切であることを、切望しています。

医師の言うことに従っていさえいればそれが患者さんの最大利益になる、ということが本当に実現するならば、こんな幸せなことはありません。

それが本来の医療のあるべき姿なのですから。

ただ、本来の医療のあり方と、

現実に起こってしまっていることとの乖離は、

残念ながら非常に大きいものがあると思っています。

いろいろと書きたいこともありますが、

おそらくは長いお付き合いになるでしょうから、

今日はこれくらいにしておきます。


永松氏の回答を受けて、私の2回目のコメント。おそらく、このコメントは公開されなかった。


こんにちは。ご返事ありがとうございました、と書こうと思ったのですが、良く見たら、

 

・永松さんは、抗てんかん薬に限らず、医師から処方された薬の断薬の危険性について十分に説明しているのでしょうか?

 

という質問に明確なご返事はいただけないようですね。適切でない医師の投薬も中にはあるにせよ、どの症例がそうなのか、ホメオパスは判断する能力があるのでしょうか。「基本スタンスとして、何も変えないことを指導している」として、それにも関わらず、

 

・お母さんの「独断」で、薬はあげなかったのです

・薬を止めただけで治るケースが後を絶たない

・勝手にやめてしまう人が続出する

・そういう例は、いくらでもあります

 

ということは、指導にきわめて大きな問題があると、考えざるを得ません。「何も変えないことを指導している」のではなく、実質的に、薬を止める方向への誘導をしているとしか思えません。

 

ホメオパシーに限らず、代替医療に好意的な人たちの中で、現代医学による治療を中断したとたん良くなった、と主張されるケースを散見します。中には、不適切な治療がなされていた、というケースもあるでしょう。しかしながら、不適切な治療がなされていなくても、「治療を中断したとたん良くなった」と誤認しうることもいくらでもあります。誤認の可能性についてどのように考えるのか、ご教示ください。

 

それから、私には、永松さんの主張は、ビタミンKシロップを与えなかった助産師と同じに見えます。

 

・お母さんの「独断」で、ビタミンK2シロップはあげなかったのです

・ビタミンKシロップの代わりにレメディを与えて問題なかった例は、いくらでもあります。

 

どこが違うのでしょう?断薬による犠牲者が出たとき、由井寅子氏と同じように、永松さんも、犠牲者の「自己責任だ」として、責任を回避するのでしょうか?


永松氏は、その後、ブログに、「「正しくない質問」には、シンプルにはお答えできません」と書いている*1。私の質問は正しくなく、未熟で、真摯な態度からの質問ではなく、意味がない表面的なところだけの議論をしようとしている、と言いたいようだ。永松氏のブログしか読んでいない人は、私が質問したコメントは削除されているため、「正しくない質問」だったのか、あるいは、痛いところを付かれたため永松氏が答えることができず逃げただけなのか、判断できないだろう。永松氏が削除した私の質問は以下である。「正しくない質問」なのかどうか、読者がそれぞれ判断していただきたい。


・永松さんは、抗てんかん薬に限らず、医師から処方された薬の断薬の危険性について十分に説明しているのでしょうか?



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luckdragon2009luckdragon2009 2011/06/06 19:24 行為としては、ビタミンK のケースと同じく医療行為忌避であり、子供への医療行為ネグレトでしょう。
件の学長さんは、それを薦めたし、コメントを削除したと言う事は、自己の危険性について、言及するのを避けた、という事になります。

tematema 2011/06/06 19:46 > 「正しくない質問」なのかどうか

 正しくありません。
 リンク先↓に、以下の記述があります。
http://www.hahnemann-academy.com/blog/2011/04/post_287.html#comments

#私のところにいらっしゃる方々は、
#抗鬱剤が「正しく」使われていない結果として、
#いらっしゃった方ばかりですから、

 この場合の「正しく」は、「患者の両親が幸せになるように」という意味でしょう。
 NATROMさんの質問は、患者の両親に事実を見せてしまい、不幸にします。
 このため、正しくないのです。

zukunashizukunashi 2011/06/06 23:29 ものすごく下らないことです。下らないことですが、書きます。
振興会の学長さんのブログ
http://www.hahnemann-academy.com/blog/2011/06/post_336.html
この日のブログは間違いなくNATROMさんのコメントに対する返事ですね。
NATROMさんのこのエントリーを読んで確信できました。

だとすれば…まあ推して知るべし。

NATROMさんは確かに批判をしたのでしょう。それはNATROMさんの実直さの表れかもしれません。私は自分の範疇の問題でも、多分批判せず見て見ぬふりをするだけですから。

ところでかの学長先生はプロフェッショナル 仕事の流儀の上山博康さんを引き合いに出して「人に批判されるということは、(学長先生は)何かをしている、ということだ。」と言いたかったのかも知れませんが、私も含め大多数のROMは学長先生のブログを見て単に「軽蔑」しただけなのをご存じないのでしょう。

軽蔑はあまりしたくはないですが、こういう感情は隠しようがないです。本当に哀れな老人です。

rocky-racoonrocky-racoon 2011/06/07 00:10 自分の患者さんがホメオパシーに傾きそうになったら一体どうすればいいんでしょう。
その“素養”(“化学物質”は身体に悪い、とか考えている人)がある人はかなり多いと思う。
論理的に冷静に説明することで納得してくれる方ならいいけれど、
そういう人たちは論理よりも優先される事柄が多そうで…

att460att460 2011/06/07 12:39 >私も含め大多数のROM

そういった人達は、相手にしていないのでしょう。

アピタル_こちらアピタルです。_■ホメオパシーを巡る問題(その1) 「ホメオパシー療法、信じる前に疑いを」
https://aspara.asahi.com/blog/kochiraapital/entry/kNKQFuNbTK
>日本ホメオパシー振興会の永松昌泰と申します。
>投稿者:永松 投稿日時:10/08/05 01:10

という投稿に期待はしていたのですが、残念ながら裏切られたようです。

#もっとも、私の場合は、出入りしている所が所ですので、
#期待は必ず裏切られるという法則が成立していますが...

tadano--rytadano--ry 2011/06/07 17:49  PubMedで "homeopathy epilepsy"で検索すると19件ヒットしますが、獣医分野が目立ちます。さらにLimitsで"Humans,RCT"を追加すると0件に。これは流石に敷居が高いかな…。そこで "Humans,case reports"で1件ヒット。インドの小児科学会誌でアブストラクトも見られません。ホメオパシーの発表の場が限られているということを考慮に入れてもこれは少なすぎる。

 これに対し、抗てんかん薬、例えばバルプロ酸で検索すると、"varproic acid(バルプロ酸) epilepsy"で4289件、"Humans, RCT"のLimitsをかけても149件、"Humans,case reports"で968件。たった一種類の薬ですら質量ともに圧倒するデータがそろっています。かの有名なランセットのメタアナリシスでは、ホメオパシーに対して「あらゆる疾患を対象に」してプラセボ対照試験を検索しても110件。たった一つの疾患群の、たった一種類の治療薬に対しても数で勝てていません。

 ホメオパシーの信奉者たちは、このように非常に貧弱な根拠を元に「科学的な根拠がある」といっているわけですが、正直に言ってまともに取り合うレベルではありません。彼らのすべきことは、症例を地道に集め、批判に耐える形で発表し、また良質なRCTを設計し、実行していくことであるはずです。ホメオパシーが本当に有効であれば結果は当然ついてくるはずです。

 ところが実際に彼らがしたことは、プラセボ以上の効果があるとは統計上言えないとしたメタアナリシスに対して、統計の専門家であった私でさえ「ああ、そういえばそんな指標があったっけなあ」と思うような超マイナーな指標を見つけ出し、そのメタアナリシスが(より統計学的に重要な指標を満たしていることは完全に無視して)その超マイナーな指標を満たしていない事を楯に「偏った方法がとられ 、大いに欠陥のある研究である」とはやし立てることだったのです。その執念を正しい方向に使っていただければ、きっと実りのある議論ができるでしょうに…。

NATROMNATROM 2011/06/07 19:20 私も、エントリーを書く前に、RCTなんてまずされていないだろうなあと思いつつ、念のためPubmedで検索してみました。獣医学関連が多いのにびっくり。

mimonmimon 2011/06/07 21:49 なるほど、「王様は裸だ」と指摘されても、自らの愚行を省みることなく、指摘のほうを「なかったこと」にしているように感じられます。なぜでしょうね。

tadano--rytadano--ry 2011/06/07 23:28 さらに検索を進めますと…

(1)Eur J Paediatr Neurol. 2010 Mar;14(2):116-24. Epub 2009 Jul 9.
Recurrence risk after withdrawal of antiepileptic drugs in children with epilepsy: a prospective study.
Ramos-Lizana J, Aguirre-Rodríguez J, Aguilera-López P, Cassinello-García E.

断薬開始前6カ月以内の脳波異常の有無にかかわらず、2年以上発作がなくて断薬した216例をprospectiveに観察。2年後再発率は、West症候群0%(ただし8例しかなし)、中心・側頭部に棘波を持つ良性小児てんかん(BECT)10%、良性乳児けいれん13%、小児欠神てんかん16%、その他の特発性全般てんかん43%、潜因性局在関連性てんかん20%、症候性局在関連性てんかん45%、症候性全般てんかん54%。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19541516

(2)小児てんかんにおける断薬過程に関する研究
大塚 頌子 岡山大学医学部小児科 脳研発達神経科学部門

小児てんかんにおける断薬過程の系統的研究を行い治療終結に関する指針をうる目的で, 断薬後2年以上の285例を対象に臨床的, 脳波学的に検討した。これらの症例を脳波上てんかん波が消失して2年以上経過した後減量を開始し断薬した正規群(190例)と, それ以外の非正規群(95例)に分類して検討した結果, 断薬後の再発率は前者で, 2.1%, 後者で21・1%であり前者に有意に低率であった。臨床発作抑制期間(T.R.)に関しては, 3年以上のT.R.で断薬した群の再発率は3年未満で断薬した群に比し有意に低率であったが, 治療終結に関してはT.R`3年という規準よりてんかん波消失2年という規準の方がより信頼しうる客観的指標となりうることを明らかにした。
http://ci.nii.ac.jp/naid/20003314390

(3)小児大発作てんかんの長期予後に関する臨床的研究 : 10年以上長期追跡例について

兼松 幸子 東京女子医科大学小児科 他

発症より10年以上経過観察した小児大発作てんかん(発症15歳以下)510例を発作の有無, 投薬状況によりA群(予後良好群)276例(54%), C群(予後不良群)75例(15%)およびB群(中間群)159例(31%)の3群に分け臨床的検討を行った。5年以上発作消失例は全体の85%, 断薬後再発例は9%であった。A群の特徴として, 1)発症年齢6歳以下, 2)知能正常, 3)10歳までに発作消失, 4)15歳までに脳波上発作波消失, 5)有熱時のみの発作があげられた。発作の再発は, 脳波異常を残したまま断薬した症例に多い傾向がみられた。小児大発作てんかんは従来予後良好とされているが, 予後を左右すると思われる減量開始基準の検討がさらに必要と思われる。
http://ci.nii.ac.jp/naid/20003314407

結論としては、たとえ何年も発作が無く、脳波も正常であっても決して再発率はゼロにはならない、つまり一般的な意味での「治った」とは言えない、ということですね。

これらの結果を受けて、「小児てんかんの薬物治療終結のガイドライン」では、

1.断薬開始のめやす:3 年以上発作がなければ断薬を考慮する。明らかな特発性てんかん以外はMRI(FLAIR 画像が必須)で器質的脳病変の有無を確認する。良性のてんかん症候群 は 2年の発作消失期間で断薬を考慮してもよいが、一方、West 症候群などてんかん症候群によっては慎重に断薬したほうがよい。[推奨度B]
2.脳波所見の加味
断薬開始前に脳波を検査する。てんかん放電がない方が再発しにくいが、てんかん放電がなくなるのを待つと発作がないのに長期に服薬する不利益もある。
1)てんかん放電が2 年以上ない場合は、特発性、潜因性、症候性を問わず、断薬を考慮する。[推奨度B]
2)てんかん放電がある場合は、それが以前より悪化していないか頻発していなければ、再発の危険因子をふまえつつ断薬を考慮する。ただし良性のてんかん症候群はてんかん放電が頻発していても断薬を試みてもよい。[推奨度B]

となっています。http://square.umin.ac.jp/jes/pdf/childend.pdf

att460att460 2011/07/17 09:38 久しぶりに件の方のBLOGを覗いてみたのですが。

>2011年07月12日
>広告は芸術的であっても「芸術」になってはいけない!
より

>医療も同じです。
>医療従事者のために医療があるのではない。
>
>クライアントの最大利益のために、医療が成されなければならない。

の一文を見て、思わず、同感と叫んでしまいました(^^;;

トゥルセガルトゥルセガル 2011/09/10 21:04 >それが本来の医療のあるべき姿なのですから。

すごく自分に酔った文章ですね・・・。

att460att460 2011/09/11 11:39 このエントリーが上がっていましたので、久々にBLOGを見てきましたが...

ホメオパシーバッシングと原発推進の構造の類似
http://www.hahnemann-academy.com/blog/2011/08/post_388.html

今回は陰謀論ですか(呆)

以前、裏切られたと書きましたが、もう、何も思い浮かびません。


ところで、

>しかし、現代医学において、
>2種類以上の薬を同時に摂った時に何が起こるのか、
>ということは、ほとんど研究されていません。
>3種類以上の薬を同時に摂った時の研究は、まったくありません。

と書いていましたが、山ほど研究がありませんでしたっけ?


>極めて「不都合な真実」ということになります。

ホメオパシーのレメディーに効果が無いというのは『極めて「不都合な真実」』でしょうね。

自然免疫同好会自然免疫同好会 2011/09/27 18:11 >医師の言うことに従っていさえいればそれが患者さんの最大利益になる、ということが本当に実現するならば、こんな幸せなことはありません。


>それが本来の医療のあるべき姿なのですから。


>ただ、本来の医療のあり方と、


>現実に起こってしまっていることとの乖離は、


>残念ながら非常に大きいものがあると思っています。


永松昌泰さんのこともNATROMさんのこともよく存じ上げませんので、
「放射線障害、がん、てんかんで思い出しましたが、カンナビノイドは十分なエビデンスがないのに昔むかしの法律によって研究も規制されてしまっているのですよねえ。」
http://www.hemp-revo.net/report/0403.htm

とか切り出してみたら、意外と共通の基盤でいろんな話ができるかもと思ったりしました。
「和」を重んじる哲学の人のようにお見受けしますので、ややこしい波風は立たないのでは。