NATROMの日記 RSSフィード Twitter

0000 | 01 | 02 | 03 | 04 |
0010 | 11 |
0011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 11 |
0012 | 04 | 05 | 06 | 07 | 09 | 10 | 11 | 12 |
0013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 11 |
0014 | 01 | 02 | 05 | 06 | 07 | 09 |
0015 | 05 | 06 | 09 |
0016 | 01 | 02 | 09 | 10 |
0017 | 01 | 03 | 05 | 10 | 11 | 12 |
0018 | 01 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 |
2004 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2006 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2014 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2015 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2016 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2017 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2018 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 |
cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2012-04-13 サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク―

[]サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク― サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク―を含むブックマーク

日本における受動喫煙による超過死亡数は年間約6800人という推計がある*1。この推計は疫学的に「見える」リスクに基づいて計算されたものである。セカンドハンドスモーク(二次喫煙)のリスクは疫学的に見える。セカンドハンドスモークとは燃えている煙草の端からの煙や喫煙中の人の吐く煙のことで、一般的にいう受動喫煙のことである。

比較的新しい概念であるが、サードハンドスモーク(三次喫煙)と呼ばれるものもある。サードハンドスモークとは、衣服や髪、家具などの屋内環境に残留するタバコの汚染物質のことである*2。たとえば、非喫煙者の親が外でセカンドハンドスモークにさらされ、服を着替えずに帰宅すれば、家の中にいる子はサードハンドスモークに曝露するというわけである。ProtanoとVitaliは、「セカンドハンドスモークという用語を受動喫煙と同じ意味で使うのはもはや適切でない」と述べている。受動喫煙はセカンドハンドスモークのみならず、サードハンドスモークも含む概念であるというわけだ*3

サードハンドスモークの害がどれくらいかはわからない。私が知る限りにおいてサードハンドスモークの長期的な健康障害が疫学的に観察されたことはない。仮に害があったとしても、常識的に考えればきわめて小さいものであろう。しかし、害がゼロだという証明はできない。タバコの煙の害に閾値(これ以下ならリスクは無いというレベル)はないとすれば*4、どんなに微量であっても害はあるということになる。合理的に達成可能であれば、サードハンドスモークの曝露は少なければ少ないほど良い。ただ、問題となるのは、どこまでが合理的に達成可能とみなすか、という点である。

自分で好んで喫煙をしているのではなく受動的にタバコの煙にさらされる側は、何のメリットも無くリスクだけ負わされる。これは不当なリスクであり、可能ならばゼロのほうが望ましいことには議論の余地は無い。しかし、サードハンドスモークの曝露をゼロにするのは、きわめて難しい。

喫煙ゾーンや喫煙室を設けたり、時間で分煙したりでは、どれだけ徹底してもサードハンドスモークはゼロにならない。施設内全面禁煙としても、サードハンドスモークはゼロにならない。通勤途中の自家用車内での喫煙や、昼休みに施設外で一服するのもダメ。細かいことを言えば、本人が非喫煙者であっても、喫煙している人のそばを通り過ぎるだけでもダメ。サードハンドスモークを含めた受動喫煙がゼロである社会は、喫煙者が存在しないか、完全に隔離されている社会である。不当なリスクはどんなに小さくても許されないとする非寛容な社会は息苦しいと思う。



関連記事

■病院に喫煙ルームはあっていい

■嫌煙者詐称に対して懲罰審査を実施する真の嫌煙者

*1■受動喫煙による死亡数の推計について(解説)

*2:本エントリーの記述は主に、Protano C, Vitali M., smoke: why passive smoking does not stop at secondhand smoke., Environ Health Perspect. 2011 Oct;119(10):A422、及び、Matt GE et al., Thirdhand tobacco smoke: emerging evidence and arguments for a multidisciplinary research agenda., Environ Health Perspect. 2011 Sep;119(9):1218-26. に基づく

*3:ProtanoとVitaliの意見に従えば「日本における受動喫煙による超過死亡数は年間約6800人」ではなく「日本におけるセカンドハンドスモークによる超過死亡数は年間約6800人」と言うべきだ、ということになる

*4■「受動喫煙に閾値なし」世界禁煙デー記念シンポジウム開催/専門家ら招き講演や討論:医師のための専門情報サイト[MT Pro]

zukunashizukunashi 2012/04/13 22:03 サードハンドスモークは放射線による害に似ているという印象を受けました。

コアコア 2012/04/13 22:33 確かに昨今の放射能問題を思い出しますね。
このブログでも有名な武田先生は世のお母さん方か僅かな放射能を怖がることは正しいことと言ってます。
一方、低線量の放射能について大丈夫という人たちは心が痛まないのかと批判してます。
そんな武田先生ですが受動喫煙に対しては、40人に1人が発癌するとしても禁煙を勧める動機としては少し弱いなどと発言してます。
武田先生の思考回路は本当に謎です。

saitoh0619saitoh0619 2012/04/14 05:22 三次喫煙の問題ですが,化学物質過敏症の問題と重なると結構厄介な問題になる気がしています。
以前に健康被害の訴えがあって調査に入った会社では,喫煙所を会議室に転用したところ,かなり入念に清掃したにもかかわらず,化学物質に過敏な従業員から「その部屋に入ると頭痛・吐き気がする」という訴えが出ました。

結果,エアコンの室内機の内部の清掃が甘かったためだったのですが,それでも過敏な人にとっては深刻な問題になるわけです。

勿論,化学物質過敏症自体の存在も疑問視されていたりするわけで,中にはこんなのは精神的な問題だと切り捨てる方もおりますが…。

shinzorshinzor 2012/04/14 10:55 社会生活をしている以上、「何のメリットも無くリスクだけ負わされる」ことは有る程度止むをえません。本当になんのメリットもないのかも分かりません。極めて小さなリスクを気にするなら、極めて小さなメリットも考えなければなりませんね。都市に住み、その恩恵を受けながら、日照をさえぎられることを不当リスクと考える人は結構います。そういう人は、都市に住むべきではないし、社会からも孤立すべきかと。

医療+医薬品の業界まとめニュース医療+医薬品の業界まとめニュース 2012/04/14 14:59 相互リンク、相互RSSのお願い


運営者様へ

はじめまして、医療+医薬品の業界まとめニュースを運営しています。
このたび突然ご連絡をさせていただいたのは
当サイトと相互リンク、相互RSSの登録をして頂きたくご連絡をさせていただました。
ご迷惑でしたらこの文章は削除して頂いて結構です。申し訳ありませんでした。
まだまだ未熟ブログではありますが、ぜひ宜しくお願いいたします。

こちらでは貴サイトのリンクは登録済みです。
今後ともよろしくお願いいたします。
医療+医薬品の業界まとめニュース
ブログ:http://mednews.blog.fc2.com/
RSS:http://mednews.blog.fc2.com/?xml

通りすがり通りすがり 2012/04/15 17:17 放射線の害と異なるのは、不快な臭いがあるという部分でしょうか?
あと、私が勤務する病院の喫煙所は2年前に廃止され、面会室となっていますが、きちんと掃除をしているにもかかわらず、未だに臭います。おそらく、壁紙と天井を交換しないとにおいは消えないように思います。

aetos382aetos382 2012/04/16 12:43 分煙されているところは増えてきたと思いますが、片手落ちな気がしています。
喫煙室が分かれていて、二次喫煙は防げても、そこから戻ってきた人の吐く息から刺激臭がするという体験はよくあります。
以前何かのテレビで見ましたが、タバコを吸い終えた後も、呼気には目に見えない有害物質が多量に含まれているそうです。
三次喫煙を根絶することはできないと思いますが、喫煙室でタバコを吸ったら、空気のきれいなところでしばらく深呼吸してから戻って来てほしいものです。

NATROMNATROM 2012/04/16 17:42 臭いについてはリスクがどうこう以前に対策が必要だと考えます。三次喫煙の長期的な健康障害は不明ですが、短期的な健康障害(喘息など)があるのは確実です。「分煙してるからいいだろう」では不十分な場合は多々あります。

それはそれとして、受動喫煙の害は(三次喫煙のみならず二次喫煙も含め)、臭いがしないほど希釈されていてもゼロとは限りません。臭覚の閾値以下だとしても有害物質への曝露はありえます。こういう曝露は少ない方が望ましいけれども(「significanceがなければ無視した方がいい」などと誰が言っているのだろう?)、じゃあゼロにするべきなのか、程度問題でしょ、あるいは「相場観」でしょ、というのが本エントリーの主旨です。

「受動喫煙は(煙は見えるし臭うし吸っている人に注意もできるので)避けようと思えば避けられる」などと言う人がときにいます。必ずしもそうではないことを示したかったというのもあります。

通りすがり通りすがり 2012/04/21 08:07 個人的には臭いも含めて程度問題のような気がします。
あと、食品添加物は口に入る段階での残留量を調査できますが、こういうたばこの煙を測定するのは難しそうですね。
日本のたばこが全部噛みたばこになればいいのに・・・

AnonyねずみAnonyねずみ 2012/05/06 01:15 たとい噛みタバコになったとて、呼気による曝露はあり得るでしょうね。
正直、喫煙者の方々には、ニコチンを吸って頂いた方が公益となるかとは思いますが、そこは営利企業のJTにも負担が掛かる所ですからね。

>NATROMさん
>程度問題でしょ、あるいは「相場観」でしょ

必要以上に、小さなリスクを問題視するのも、ストレス等を過剰に受容する事によるデメリットにもなり得ますからね。
昨今の放射線の問題に関しては、常々そう思います。
無論、だからと言って、「小さな放射線リスクは人為的であれ自然的であれ無視しろ」と言う意見に賛同する訳ではありませんが。

ななみななみ 2014/04/18 23:45 サードハンドスモークをなくすのは簡単ですよ。喫煙を覚醒剤と同様に禁止すればいいのです。闇社会では多少出回るとしても、普通に生活する上では限りなくゼロに近く出来ます。簡単なことじゃないですか?
原発や放射能とは全く問題が違います。
そもそも自分の意思で喫煙して、他人を傷付けておいてそれを指摘したら非寛容呼ばわりとは…。被害者面にも程があります。これを「非寛容」と呼ぶのは「今は女の尻を触ったくらいでセクハラと呼ばれる、非寛容だ」とか「韓国人をチョンと呼ぶだけで人種差別だと言われる、非寛容だ」と言っているに等しいですよ

NATROMNATROM 2014/04/19 07:21 二次喫煙ならともかく、三次喫煙をゼロにしようとして喫煙そのものを禁止するような社会が非寛容である、とそう指摘しているのです。

さくらさくら 2015/11/30 20:26 あなたが、非喫煙者に非寛容なんだと思いますよ。

そもそも観念的ですよね、寛容とか非寛容とかいうこと自体が。
あなたが科学的に検証してるなら、その事実だけを述べればいいのでは?
ご都合主義な退屈な議論だなあと思いました。
受動喫煙反応は病院で調べられるわけで、被害にあってる客観的事実がある。
そこにいきなり、非寛容だよねと
あたかも加害者が被害者であるかのような厚かましさを、しかも観念的に述べるあなたに、頭の悪さがありますね。

TAKATAKA 2015/12/02 22:20  こんにちは。初めにプレゾンテしておきます。
 私は、「不老不死の体を求めて銀河鉄道に乗車して惑星モンダスを目指しながら地球圏のネットを閲覧している者」です。

 ところで、地球を旅立つ前の私は、次のような芸風の論者がネット上に実在するか否かを調べていました。
 「ニセ科学を批判している人の場合、観念的なことを述べてはいけない」
 「なぜならば、【ニセ科学を批判対象にしている人は、科学的なこと以外の発言は許されない】というルールがあるからである」
 「えっ、『そのようなルールを決めたのは一体誰ですか』ですって? ……もちろん、傍観者である私だっりする」
・・・・
 ちなみに宇宙を移動中の今は、次のような法則が地球上に存在しているか否かを調べています。
 「『あのNATOM氏は、何事にも非寛容な態度を見せる論者で間違いない。少なくとも、私自身はそのように思ったのだ』と考える人の大半は、NATROM氏のブログに非寛容なコメントを必ず投稿する」
・・・・・
 さらにちなみに、今後は次のことを調べる予定です。
 「面識のない他人に向かって、『非寛容な態度を見せてはいけません。自分と違う意見を他人から突きつけられたとしても、あなたは常に寛容な態度を見せるべきなのです』と述べる人がネット上に実在した場合、その人の態度は寛容な態度といえるのだろうか、それとも、非寛容な態度なのだろうか?」

 以上で、報告を終えます。ご読了、ありがとうございました。