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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2012-12-17 非典型例の恐ろしさ

[][]非典型例の恐ろしさ 非典型例の恐ろしさを含むブックマーク

ワクチンで防げる病気(VPD)に対して、「免疫力があれば難なく乗り越えられる」と主張している自称医師がいた。




ワクチンで予防可能な疾患は「ごく当たり前で自然に備わった免疫力があれば難なく乗り越えられる」というのはたいていの場合はという限定付きでしか正しくない。医療においては、典型的でない経過をたどる例はある。残念ながら、健康であった子供がワクチンで予防可能な疾患で死んだり、障害が残ったりすることもある。実例はいくらでもあるが一例として■ムンプス難聴にかかった方および子どもたちの保護者からのメール その1 - 杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科ブログを挙げておく。「知っていたら、絶対に予防接種を受けたのに」という保護者の言葉は重い。

確かに、健康な子供がおたふくかぜ(ムンプス)に罹っても、たいていの場合は後遺症なく治る。しかし稀ながら後遺症が残ったり、亡くなったりすることもある。稀と言えば、ワクチンによる重大な副作用も稀である。特に死亡といった重大なものは、ワクチンと因果関係があるのか、それとも偶然なのか区別が付き難いぐらい稀である。健康な子がワクチンで予防可能な疾患で亡くなるよりもずっと稀だ。だからワクチンが推奨されている。ワクチンの必要性はメリットとデメリットを勘案して判断すべきものである。

「ごく当たり前で自然に備わった免疫力があれば難なく乗り越えられる」とツイートした自称内科医は、「急性肝炎の劇症化は臨床では容易にわかります」とも言った。外来から入院1日でだいたいわかるのだそうだ(■急性肝炎の劇症化は臨床では容易にわかります - Togetter)。

急性肝炎もほとんどの場合は自然治癒するが、稀に(約1%)劇症肝炎に進展し、死亡したり、肝移植を要したりすることがある。かの自称内科医は、劇症肝炎を5例、急性肝炎を50例経験したそうだ。たったこれだけの経験でどうやって「容易にわかる」という自信を持ったのか謎である。たとえ1000例の急性肝炎を診た経験があり、そのすべてで劇症化を正確に予測できたとしても、1001例目で予測を外すかもしれないではないか。「どのような方法で劇症化がわかるのか」と質問したが返事をもらっていない。返事できるはずがない。答えずに逃げるしかない。

ハッキリ言えば、この自称内科医は劇症化予測が困難な例を経験したことがないだけである。ついでに言えば自験例が無くとも肝臓内科領域について医学雑誌を読んだり学会発表を聞いたりしていれば、劇症化予測が困難な例を見聞きすることはいくらでもある。また、まともな指導医は、非典型的な経過をたどる症例の経験について教えてくれる。この自称内科医は劇症肝炎について勉強もしていなければ指導もされていない

■山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故 - Wikipediaはまだ記憶に新しい。山口市の助産師はビタミンKの代わりに薬効の無い砂糖玉を投与していた。ホメオパシー団体もビタミンKの代わりに砂糖玉を与えていいと言っていた(■ホメオパシー訴訟の和解がもたらした最大の成果を参照)。ビタミンKを投与されていない母乳育児の新生児は約2000人に1人の割合でビタミンK欠乏性出血症を起こす。ということは2000人のうち1999人は砂糖玉を投与されていても何も起こらない。そのためホメオパスたちは事件が起きるまで砂糖玉を与え続けたのだろう。ホメオパスたちはビタミンK欠乏による出血を経験したことがなく、また、ビタミンK欠乏が出血が引き起こしうることを不勉強で知らなかったため、子供が犠牲になったのだ。

たいていの臨床医は、自分の専門分野において、非典型例を経験したことがあるものだ。たとえば、劇症肝炎はおろか急性肝炎を一例も見たこともなく、さらに急性肝炎について勉強したことのない眼科医であっても、眼科領域で「ほとんどは問題ない経過を取るが、稀に問題を生じることがある」事例を知っている。よって、まともな臨床医であれば、専門外領域について少々の経験を積んだぐらいで非典型例を見抜けるなどとはうぬぼれない。

「ワクチンで防げる病気は自然に備わった免疫力があれば難なく乗り越えられるもの」などと主張する医師は、感染症についてよほどの多くの症例を経験したか、でなければ、自分の専門分野というものがなく非典型例を診たことがないか診ても気付いてない、臨床経験に乏しく非典型例の恐ろしさを知らないヤブ医者のどちらかである。後者は、砂糖玉をビタミンKの代わりに投与していたホメオパス助産師と同レベルである。


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■ホメオパスの成功体験が悪性リンパ腫を見落とさせた

オルトオルト 2012/12/17 18:32 @narumita氏は医師ではなくて看護師のようですね。性教育が専門で、臨床経験もあまりなさそうです。
http://researchmap.jp/hori_narumi/

彼女の論でいけば、「すべての交通事故は重大事故でなければ難なく治癒するのでシートベルトは不要」ですね。

NATROMNATROM 2012/12/17 18:46 わかりにくかったかもしれませんが、@narumita氏による「ワクチンによって乳幼児期の感染リスクを回避しよう」という趣旨のツイートに対し、自称内科医が「自然に備わった免疫力があれば難なく乗り越えられる」と返事したのです。

と 2012/12/17 22:34 ちょっと前に風邪薬の記事で、風邪はウイルス感染だから抗生剤は無駄って言う意見を読んで、風邪のような症状でも細菌によるものはあるのでもにょりました…

crantcrant 2012/12/18 16:59 自称内科医さんのツイートを今みたら、シートベルトは普段はしていなくて、取り締まりがあるときだけしているそうです。あぁ、さもありなん。ですね。

e10goe10go 2012/12/19 12:20  シートベルトしないで運転する人は、荒っぽい運転や悪路の運転で事故を起こすかもしれませんね。

 シートベルトは運転中に体を運転席に(緩やかに)固定してくれますが、シートベルトをしていないと体が揺れやすく、ハンドル操作がうまくできなくなることが多いですから。
 シートベルトなしできついカーブを曲がると、これを体験できます。おすすめしませんけど。

NATROMNATROM 2012/12/19 12:32 シートベルトをしないのも、よく考えず自分の経験を延長しているのでしょう。「これまでシートベルトをしていなくても問題がなかったからこれからもシートベルトをしなくても問題ない」「これまで急性肝炎の劇症化は容易にわかったのでこれからも劇症化は容易にわかる」「これまでビタミンKの代わりにレメディを与えても出血なんてしなかったらこれからも大丈夫だ」。

ErdaErda 2012/12/20 00:57 よくいろんな人から免疫力って言葉を聞けど、
これが上がるとか下がるとか何の基準をもって言ってるのかすごく気になる。

「カイコを使って免疫力を測定する方法を発見しました。カイコは人と同じ病気にかかり、人と同じ薬で治るといわれています。」とか
もはや私の理解の範疇を超えてしまった免疫力もあるようだが。
http://www.brolico-research.jp/page/immunity03.html

att460att460 2012/12/20 16:37 「・・・といわれています。」というのも、よく見かけますね。

「根拠はありません」の言い換えだったりして。

sakimisakimi 2013/01/08 02:43 凄いな、この無意味な書込み禁止的な許可反応

それと、http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20121203#p1の書き込みと無茶苦茶に矛盾する事を平気で書けるって予防接種受けようが毒は毒
それを認識しないで予防接種受けない人間はアホですが?

もっと掘り出して欲しいなら、幾らでもやってあげますよ
自分の勉強にもなるので

MMRMMR 2013/01/13 15:54 えーと、にほんごで書いてくださってOKですよ

MMRMMR 2013/01/30 17:04 NATROMさま
以前に書き込んだ時とは違うハンドルで書いてしまいました。
ダブハンするつもりではないので、このエントリのみのハンドルとさせてください。

通りがかり通りがかり 2013/02/26 18:13 自称でなく内科医として検索すると
http://www18.ocn.ne.jp/~nba-sapp/shopping.html
の名前としたら、一人厚生省の□確認でhitした方がいますが、
http://blog.goo.ne.jp/dental-dds/e/c0f19a8138d25e6907155ad333645e0d
http://mimizun.com/log/2ch/news/1107383671/
と同じ人でしょうか。

NATROMNATROM 2013/02/27 01:07 コメントを一件削除しました。空気を読むようにお願いします。

2012-12-04 自宅出産より病院出産の方が失血死のリスクが高い?

[]自宅出産より病院出産の方が失血死のリスクが高い? 自宅出産より病院出産の方が失血死のリスクが高い?を含むブックマーク

「自宅出産よりも病院での出産の方が失血死のリスクが高いと判明」したという記事。もともとはMail Onlineの記事。原著と読み比べてみた。


■【妊婦に悲報】自宅出産よりも病院での出産の方が失血死のリスクが高いと判明!!過度な医療介入が原因か?!英大学調査 | IRORIO(イロリオ) - 海外ニュース・国内ニュースで井戸端会議

英サザンプトン大学が50万件以上の分娩データを検証した結果、自宅出産に比べ、病院でのお産の方が分娩後出血による失血死のリスクが高いことが判明した。具体的な数値は不明だが、原因はお産への過度な医療介入とされている。促進剤で陣痛を早めたり、出産を促すための外科的な処置や、緊急の帝王切開の増加のせいで出産にのぞむ女性たちが危険にさらされているという。


サザンプトン大学というヒントから比較的容易に原著論文にたどり着けた(しかしいつでも容易にたどり着けるとは限らないので、こうした記事は原著を明示するか、せめて著者名を提示するべきだと思う)。サザンプトン大学のサイト→■27_pph_births。原著論文→■BMC Pregnancy and Childbirth | Abstract | Comparing the odds of postpartum haemorrhage in planned home birth against planned hospital birth: results of an observational study of over 500,000 maternities in the UK。open accessで全文タダで読める。


原著論文の結論

原著論文をざっと読んでみた。イングランドにおける1988年〜2000年にかけての50万超の分娩記録のうち、ハイリスク妊娠、誘発分娩、予定帝王切開、37週未満の早産などを除外した27万3872例の分娩において、予定された病院出産(26万7874例)と予定された自宅出産(5998例)を比較したところ、病院出産のほうが自宅出産と比較して分娩後出血のリスクが有意に高かった(2.5倍、95%C.I. 1.7〜3.8)とのこと。明示されていないけど、後ろ向きコホート研究でいいと思う。


IRORIO(イロリオ)およびMail Onlineの記事の疑問点*1

原著には失血死のリスクについては述べられていない。原著で調べられているのは分娩後出血(1000 mL以上の出血)である。母体死亡はきわめて稀であるので、統計的有意差があるかどうかを調べるのはたいへんである。なので、「母体死亡リスクに関係する潜在的マーカー」である分娩後出血を調べたのだ。研究方法としては妥当であるが、あくまでも「潜在的マーカー」なので、後述するように観察された分娩後出血が多いからといって失血死が多いかどうかはわからない。報道するのであれば研究の内容を正確に伝えるべきである。

「具体的な数値は不明」というのは意味不明である。上記述べたように原著論文に具体的数値は書いてある。「数値は不明」なのではなく、ライターが無能か怠惰なだけだと思う。

原因はお産への過度な医療介入とされているというのは、原著を読む限りでは誤りである。「オキシトシンやプロスタグランジンを使用するような誘発分娩」は分析から除外されている。なぜなら、誘発分娩は病院出産でのみ起こるため比較が不正確になるからである*2。同じ理由で予定された帝王切開も分析から除外されている。緊急帝王切開は、病院出産でも自宅出産でも起こり得るために分析から除外されていないようだ(自宅出産中に病院に搬送され緊急帝王切開されたら自宅出産群として扱われる)。


原著では出産前リスクは評価されている

Mail Onlineおよび和訳記事がダメだとして、原著論文のほうはどうか。よくある誤解として、「高リスク妊婦は病院で出産するのだから、病院出産のほうが悪い結果の出産が多いのは当たり前」というものがあるが、その辺は考慮されている。高リスク妊婦は事前に分析から除外されているし、既知の交絡因子(出産歴、妊婦の年齢やBMI)に関しては多変量解析にて補正されている。

「自宅出産中に危険な状態に陥ったら病院に搬送されるので、結果的に病院出産群のほうが悪くなる」という点についても考慮されている。論文のタイトルに"planned(予定された)"と入っているのは、自宅出産中に病院に搬送された例も「予定された自宅出産群」としてカウントしているからである。ぱっと思いつくバイアスは補正されている。


バイアスの可能性

もちろん、ランダム化比較試験ではないので、何らかの未知の交絡因子が関与している可能性はある。たとえば、論文中では分娩後出血の既往が結果に影響する可能性が論じられている。分娩後出血の既往のある妊婦が予定された病院出産を選びやすく、かつ、分娩後出血の既往のある妊婦は再び分娩後出血を起こしやすいのであれば、他の条件がまったく同じでも、病院出産群で分娩後出血が多くなる(ただし、分娩後出血は稀な合併症であるので、分娩後出血の既往は結果に大きな影響を与えることはありそうにないとしている)。

私が一番気になったのは、分娩後の出血量の評価である。正確に測ってんの?特に自宅出産で。論文中には、「分娩中の出血量を正確に評価するのは困難である。しかし、病院での出血量の評価が自宅出産での出血量の評価よりも系統的に多いと仮定する理由が無いので、出血量の評価の不正確さが相対危険度の推定を偏らせることはありそうにない」とあった。

いやどうだろう?病院での出血量の評価が自宅出産での出血量の評価よりも系統的に多いと仮定する理由はいくらでもありそうに思うぞ。たとえば、病院出産の介助者は大量出血症例をより多く経験しているがゆえにキッチリ正確に出血量を測るが、大量出血症例の経験が乏しい自宅出産での介助者は出血量の測定が甘くなるとか。あるいは、自宅出産での介助者は「なるべく病院には搬送したくない」という動機が働くため出血量を過小評価してしまうとか。

「観察された分娩後出血」は「潜在的マーカー」に過ぎない。(50万例(分析対象は27万例)で統計的に意味がある差が出るのかどうかはわからないが)真のアウトカムである母体の死亡がどれくらいあるのかを知りたいところである。真に病院出産のほうが分娩後出血が多いのであれば失血による母体の死亡も多くなると予測される。一方で、自宅出産では不正確な測定によって出血量を過小評価しているのであれば、むしろ母体の死亡は自宅出産のほうで多くなるはずだ。ただ、いずれにせよ、数万例とか数十万例とかでようやく差があるかどうかであれば、あまり気にしなくてもいいかもしれない。



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■石村あさ子助産師の「奇蹟」の体験談

■「非常に感染力の強い方のお産」を扱う助産師

*1:たぶん無いだろうと思うけど、失血死や「お産への過度な医療介入」を論じた別の論文をサザンプトン大学が発表していた場合はゴメンナサイ。

*2:たとえば、病院出産と自宅出産で実際には差が無いのにも関わらず、病院出産でのみ誘発分娩がなされるために、見かけ上病院出産のほうで分娩後出血が多くなる、といった可能性がある

doopylily55doopylily55 2012/12/05 12:36 >過度な医療介入とされているというのは、原著を読む限りでは誤りである
とのことですが、元論文p12では「(病院で行われる)分娩介助・緊急帝切・会陰切開は分娩後出血との関連が先行研究から明らかなので、本研究で病院出産での分娩後出血リスクが高かったのはそれらがより多く病院で行われているからであると推測する」とは言っていますね(この研究で因果関係が証明できないことも述べた上で)。続くセクションで、「それらは多くの場合臨床的必要性に応じて行われるものではあるが、それらのうち本当は不要だったものがどれだけあったのかは今後の研究が待たれる」とも述べています。つまりは、病院でおこなわれがちな分娩介助・緊急帝切・会陰切開などの intervention が分娩後出血を招いてる可能性があるのでそれらの適応について考える余地はあるんじゃないの、というのが筆者の主張したかった事なんだと思っていますが、針小棒大的に報道されてしまったようですね。

山口(産婦人科)山口(産婦人科) 2012/12/05 14:43 お布団やマットにしみこんだ血液は計量されてないのでは?病院でのお産では前もって重さのわかっているものに血液をしみこませて計量します。床にこぼれたり羊水と混じったりしますが、それでも自宅よりは相当正確でしょう。
それに確か産婦人科学会の発表では250人に一人が危機的な出血などのイベントに遭遇しているはずですが、その大部分が大出血なので、稀な合併症とはいえないと思いますけど。

ErdaErda 2012/12/09 20:21 せんせー質問。
すごい安直な考えなんだけど、病院でなら失った分を輸血できたりしないの?
それでもなお失血死するのか、自宅出産でも輸血可能なので考慮条件として存在しないのか。

NATROMNATROM 2012/12/10 08:55 山口(産婦人科) さんが指摘しているように「250人に一人が危機的な出血などのイベント」に遭遇するわけですので、危機的イベントが10万あたり400ぐらいということになります。一方、妊産婦死亡率は10万あたり5とか10とか(失血死以外の死亡も含む)です。Erdaさんの言うように、今は輸血などができますので、出血だけではなかなか死亡に至らないのだと思います。自宅出産でも出血量が多ければ病院に搬送され、必要であれば輸血を受けるでしょう。

なお、本文中の「分娩後出血は稀な合併症であるので…」は、バイアスとなって結果に影響するほどは多くは無いという意味でしょう。

ErdaErda 2012/12/10 21:56 輸血に対して何か制限あるわけじゃないのですねー。
母体の失血死っていうと子宮外妊娠からの卵管破裂、自宅で意識混濁コースなイメージ。

関係ないですが、分娩行為って医師の指示のもとでも看護師は出来ないんですね。
有意差がそうないのであれば、自宅出産を奨励する流れを作ることで産婦人科の負荷が分散されて、
超長期的に見て産婦人科の減少傾向にブレーキが……まずは訴訟リスク軽減からか。

一穴一棒ヘテロ一穴一棒ヘテロ 2012/12/16 12:16 Erda 2012/12/10 21:56 さんは書かれました:
>関係ないですが、分娩行為って医師の指示のもとでも看護師は出来ないんですね。
>有意差がそうないのであれば、自宅出産を奨励する流れを作ることで産婦人科の負荷が>分散されて、
>超長期的に見て産婦人科の減少傾向にブレーキが……まずは訴訟リスク軽減からか。

わたくしの所感:
関係ないけど、産婦人科で検査したって、いつの相手が子供の父親かは医師にも看護師にも特定出来ないし、わたし的には誰の子供なのかって人に聞かなくていいようにしてもらいたい。

2012-12-03 肝臓癌の死亡の増加は食事のせいではない

[][]肝臓癌の死亡の増加は食事のせいではない 肝臓癌の死亡の増加は食事のせいではないを含むブックマーク

3年前に■有害米と肝臓癌死亡数の増加は無関係というエントリーで、国立がんセンター対策情報センターから肝臓癌による死亡者の推移の図を引用した。



f:id:NATROM:20121129123718j:image

年令別がん死亡数の推移(男性)(国立がんセンター対策情報センターから引用)



1970年ごろから2000年ごろにかけて肝臓癌による死亡数が激増しているが、その理由は、肝臓癌の高リスクである慢性肝炎患者集団が好発年齢に達したからだとされている。日本においては肝臓癌の原因の大半が肝炎ウイルスによる慢性肝炎である。全世界的には食事中のアフラトキシン(カビ毒)も肝細胞癌のリスクであるが、日本においてはほとんど無視しうる。そのほか、飲酒や肥満や糖尿病などが肝癌のリスク因子となりうるが、私の知る限りにおいて、洋食やファーストフードが肝癌のリスクとなるという話はない。

しかしながら、Yahoo!知恵袋において、NATROMの日記から孫引きで上記グラフを示し、肝臓癌の増加が洋食化やファーストフードによるものであることを示唆する回答が複数あった。


■アメリカに留学して3か月が経ちます。2か月目までは全く食に関して問題が無かっ... - Yahoo!知恵袋

食事に関しては米国の方が研究が進んでおり、肉食や砂糖、飽和脂肪酸の弊害も糾弾されています。以下は日本の肝臓癌ですが、ファストフードが上陸した70年代から急進、欧米食への適性の無さが見えます。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/N/NATROM/20080909/200...


■生きててダルイ - Yahoo!知恵袋

肝臓病は70年代から急に増えており、我が国の洋食への不適応が見られます。肝臓癌

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/N/NATROM/20080909/200...

毒抜き(デトックス)は精神症状も緩和しますし、自宅でも可能です。

△ ・・・ 肉類 乳製品 パン 白砂糖 etc...


■肝臓を元気にする方法はありますか? ストレッチ、ツボ押し、食べ物なんでもいいで... - Yahoo!知恵袋

生活改善。肝臓ガンは70年代後半からこれだけ増えており環境要因に原因を見だせます。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/N/NATROM/20080909/200...


Yahoo!知恵袋において、回答の際に肝臓癌による死亡者の推移の図を引用した人は複数いた。確認した限りでは、lemonn_ssさん、yahiko_s2さん、goldenhummersさん、godeddyさん、masat_hirakiさん、astekashootさん、mithreamsさんである。不思議なことに文体もそれぞれ似通っている。乳製品や肉類や白砂糖を敵視しており、マクロビ系のトンデモさんのようだ。これらの人たちの他の回答も参照したが、医学的にはデタラメなことが書いてあった。他の多くのネット上でのサービスと同じく、Yahoo!知恵袋においても、デタラメな主張を排除するのは困難なのであろう。ただ、反論されにくい仕様のせいなのか、Yahoo!知恵袋においては特にトンデモさんが跋扈しやすいように思われる。

Yahoo!知恵袋のトンデモ発言をいちいち批判をするのも面倒くさいが、当日記の画像にリンクされるとなると、何らかの対応をすべきであると考えた。はてなフォトライフから画像を単に削除することも検討したが、「画像を編集>絵を描く」でファイルを上書きできるようなのでやってみた。テキスト文字を挿入できればなお良かったのだが、残念ながらはてなフォトライフにはその機能はついていなかった。


f:id:NATROM:20080909110445:image

現在、Yahoo!知恵袋からのリンク先はこれ。

もっとスマートなやり方があったら教えてください。

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■一生に一度でいいから肝炎の検査を受けよう

NNNN 2012/12/03 20:47 笑ったw
さすが俺達のNATROMさん!

antant 2012/12/04 10:57 食事云々であればNASH(NAFLD)関連の肝臓がんと言うことになりましょうか。
記憶に間違いが無ければ、NASHは1990年代半ば以降にアメリカから話が始まったと思います。
日本では2000年以降に消化器病学会でぼちぼち調査が始まっていた様な。
2000年代半ば以降に、確かにそう言う人(NASH)がいるねぇ、と消化器病学会の教育講演会で聴きました。
肝炎ウイルスは40歳未満の方の保有率が低く、ひょっとすると今後肝臓がんの少なからぬ部分をNASH由来のものが占める様になるかもしれません。
でもまあ、まだまだ先の話ですねぇ。
今現在の肝臓がんにNASH由来が占める割合は、1割あるかないか。
仰られる通り、1970年代以降の肝臓がんの急増は、肝炎ウイルス保有者が発癌年齢に突入した為、でしょう。
肝炎ウイルス保有者の発癌に関る食事の影響、なら話が出来るのですが、影響が表れるとしても相対危険度で差が出るかな?くらいでしょうね。
トンデモさん達は、その(相対でなく絶対危険度で見れば)わずかな差を針小棒大に騒ぎ立てるんでしょうけど。
記憶モードで書きましたので、間違えがあった際にはひらにご容赦のほど。

じょんじょん 2012/12/04 12:43 いわゆる信念に基づくトンデモさんではなくて、販売元等からの依頼を受けたマーケティング会社がサクラを動員してやっている書き込みかもしれません。提供された文面素材をアレンジして、関連がありそうなトピックへ片っ端から投下して量で圧倒する作戦です。(質問も含めたマッチポンプかも)
営利目的で引用・参照するのであれば分け前よこせ、というのも一興かと。

NATROMNATROM 2012/12/04 15:08 antさんのご指摘の通り、今後は肝臓癌の原因のうち肝炎ウイルスが占める割合はどんどん小さくなっていき、いつかNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)由来のものが逆転するでしょう。ただ、そのころは肝臓癌自体の数も減っているでしょうね。将来、肝臓内科医の仕事は少なくなりそうです。