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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2013-07-11 水俣病と化学物質過敏症は異なる

[]水俣病と化学物質過敏症は異なる 水俣病と化学物質過敏症は異なるを含むブックマーク

■NATROM氏『化学物質過敏症は臨床環境医のつくった「医原病」だと思う』等について - 赤の女王とお茶をにおいて、sivad氏が私の「難病や公害に対する基本的な姿勢」に問題があると指摘している。あたかも私が水俣病の病因を無視して被害を拡大させた医学者と同様であるかのような書き方であった。読者のみなさまには、このエントリーにて、臨床環境医学の問題点や、化学物質過敏症と水俣病の違いについてご理解していただけたら幸いである。


多種類化学物質過敏症と水俣病との違い

Multiple chemical sensitivity(MCS, 多種類化学物質過敏症)という疾患概念は、主流の医学界からは認められていない。たとえば、American Medical Association (AMA, アメリカ医学協会)は "Until such accurate, reproducible, and well-controlled studies are available, the American Medical Association Council on Scientific Affairs believes that multiple chemical sensitivity should not be considered a recognizable clinical syndrome."*1と述べている。なぜか。その理由は疫学的な証拠に欠け、あるいは疾患概念自体が曖昧であるからである。

まず、疫学的な証拠の有無という点で水俣病と化学物質過敏症は異なる。sivad氏が指摘しているように、水俣湾の魚介の摂取と水俣病の発生についての疫学的証拠はかなりの初期から判明していた。化学物質の曝露と発症に関連がある(あるいは疑われる)のなら、病因物質や発症のメカニズムが不明であっても対策が必要だ。この点において誤解を招かぬよう、■化学物質過敏症に関する覚え書き■何を否定し、何を否定していないかというページにおいて、「微量の化学物質の有害性は否定していません」と私は述べている。ただ(化学物質過敏症の[症状誘発]ではなく[発症]が化学物質曝露と関連していてもそれほど不思議ではないと私は考えるものの)現在のところは明確な疫学的証拠に欠けている。

化学物質過敏症と何かを強いて対比させるのであれば、水俣病や杉並病*2ではなく、低線量の放射線被曝の害であろう。低線量の放射線被曝の害は疫学的には明確ではない*3。疫学的には明確ではない潜在的な害にどう対応するのかは難しい問題である。そうした潜在的な害の過小評価(政府や大企業はそうした害を過小評価する動機がある)に対する警戒には一定の合理性はある。

しかしながら、その点を考慮に入れてもなお、sivad氏による指摘は的外れである。というのも、化学物質過敏症の疾患概念を提唱し、その治療にあたっている臨床環境医たちの問題点についてまったく注意が払われていないからである。



臨床環境医の問題点

単に臨床環境医たちの主張が化学物質からの回避のみに留まっており、あるいは疫学的には明確ではない潜在的な害に対して警戒し、未知の病態に対して真摯な研究を行っていれば問題はなかった。しかしながら、臨床環境医たちはあやふやな疾患の定義および科学的根拠のない診断に基づいて、科学的根拠のない治療を行った。1992年のアメリカ医学協会の勧告では古いと思われる方もいるであろうから、UpToDateから引用しよう。UpToDateとはエビデンスに基づいた医療を実践するためのデータベースであり、最新の医療情報が反映されている。臨床医のほとんどは、自分の知らない疾患概念について知識を得ようとするときに、オーストラリア政府がまとめたレポートよりもUpToDateを参考にするだろう。



■Overview of idiopathic environmental intolerance (multiple chemical sensitivity)

Criticisms of IEI as a distinct medical entity include the lack of reliable case definitions; the lack of consistent physical abnormalities and reproducible laboratory results; the use of unorthodox diagnostic procedures; and the use of unproven and potentially harmful treatments [9]. In addition, much of the research into IEI has been problematic due to excessive reliance upon surveys and self-reported symptoms, selection bias, lack of blinding, and inconsistent quality assurance of laboratory determinations [1].

(訳:明確な医学的実体としてのIEIに対する批判には、信頼できる症例定義の欠如、一貫した身体的異常および再現可能な臨床検査結果の欠如、非正統的な診断方法の使用、効果が証明されておらず潜在的に有害な治療法を含む。加えて、概観や自己申告の症状への過度の依存、選択バイアス、盲検の欠如、品質保証が統一されていない臨床検査のため、IEIの研究の多くは問題を含んでいる。)


IEI(Idiopathic Environmental Intolerance, 特発性環境不耐症)はMCSと同じものを指していると思ってよい。「化学物質」の関与に懐疑的な立場からIEIと呼ばれることが多い。UpToDateはACOEM(American College of Occupational and Environmental Medicine, アメリカ職業環境医学会)のposition statementを参考文献として挙げているが、アメリカ職業環境医学会以外にもアメリカ医学協会などの複数の専門組織が化学物質過敏症の疾患概念に対して懐疑的な声明を発表しており*4、UpToDateの記述はそれを反映している。


Unproven therapies ― The variety of treatments dispensed by clinical ecologists is limited only by their imagination and resourcefulness [25]. These include avoidance of chemicals, environment changes, special diets, over-the-counter or prescribed medications, sublingual ingestion or subcutaneous injection of small doses of an alleged offending chemical, and detoxification procedures. Some interventions cause iatrogenic effects and can seriously disrupt the lives of patients. There is no justification for these treatments.

(訳:証明されていない治療法 ― 臨床環境医によって施行される処置の種類は、彼らの想像力と臨機応変さだけによって制限される。 これらは、化学物質からの回避、環境変化、特別なダイエット食事、市販薬もしくは処方された薬物、嫌疑のかかっている化学物質の小用量の舌下もしくは皮下投与、デトックスを含む。いくつかの介入は、医原性の影響を引き起こして、患者の生活を深刻に途絶しうる。 これらの処置を正当化する理由は存在しない。)


「化学物質からの回避」および「化学物質の小用量の皮下投与」の問題点の詳細については後日述べることにする。いずれにせよ、化学物質過敏症と水俣病が異なることだけでなく、化学物質過敏症という疾患概念や臨床環境医学に対する批判と、疫学的には明確ではない潜在的な害にどう対応するのという問題も性質が異なることを、読者のみなさまにご理解いただければ幸いである。



多発性化学物質過敏症の疾患概念の曖昧さ

疾患の発症に関する疫学的な証拠の不十分さのみならず、疾患概念の曖昧さを考えれば、水俣病と化学物質過敏症の差はより明らかである。水俣病と魚介類の摂取の関係を認めなかった「御用学者」でも、水俣病が"recognizable clinical syndrome"あるいは"distinct medical entity"であることに懐疑を呈したとは聞かない。一方、化学物質過敏症では状況が全く異なる。Cullenが1987年にMCSの定義を提唱してから30年以上経ってすら、疾患概念の妥当性について医学界のコンセンサスは得られていない。

たとえばの話、臨床環境医たちの主張が「化学物質の大量曝露あるいは少量であっても反復した曝露によってなんらかの健康障害が生じる」という主張に留まっていれば、医学界の多数派からこれほど懐疑的にみられることはなかったであろう。しかし、臨床環境医は「きわめて少ない量の化学物質曝露によって症状は誘発される」とも主張した(でもってその主張に基づき"Unproven therapies"を行った)。この主張は検証可能である。検証の結果、主張に反して、二重盲検下では化学物質を負荷しても症状が生じなかったり、あるいはプラセボ負荷でも症状が生じたりしたのであるが。

「化学物質の大量曝露あるいは少量であっても反復した曝露によって、なんらかの健康障害が生じる」という主張に対して「その通りだ。詳細な物質や機序がわからなくとも、なんらかの化学物質への曝露との関連が疑われるなら対策が必要だ」と言うと同時に、「きわめて少ない量の化学物質曝露によっても症状は誘発される」という主張に対して懐疑的な立場に立つことは可能であろう。後者の立場に立っているだけで「難病や公害に対する基本的な姿勢」に問題があるとみなすのは不適当である。



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2013年7月14日追記

flurryさんのご指摘により訳の一部を訂正しました。flurryさん、ご指摘ありがとうございました。

*1:Clinical ecology. Council on Scientific Affairs, American Medical Association. JAMA 1992; 268:3465.

*2杉並病は多発性化学物質過敏症ではないと私は考える

*3:「いや、害は明確だ」とお考えの方は、その線量の10分の1の放射線被曝のことを想定していただきたい

*4■臨床環境医学は専門家にも注目されていた。悪い意味で。を参照のこと

shinzorshinzor 2013/07/11 22:38 sivadさんの記事に,コメントを書いたのですが,長文だったので削除されてしまいました。
確かに,迷惑行為でしたので,ブログを開設してそこにコメントを載せました。
http://d.hatena.ne.jp/shinzor/20130709

sivadさんは,悪役の犯人が存在する昔ながらの公害問題の発想にとどまっているようです。

ついでと言っては何ですが,

>機序はわからなくても、少なくとも疫学的には、『なんらかの化学物質による微量の曝露が原因であろう』と疫学的にとらえられるケースは報告されています。

なんてことはあり得るのでしょうか?「化学物質の多量の暴露が,なんらかの微少な誘因によって症状を引き起こすCSの発病の原因であろう」なら分かるんですが。

疑問の詳しい理由は以下に書きました。
http://d.hatena.ne.jp/shinzor/20130711
簡単にいうと,「なんらかの」という特定されないものが原因だと言う方法があるのかと言うのが1つ。
また、何かが原因であると言うためには,その原因がある(多い)状態と無い(少ない)状態を比較しなければなりませんが,疫学的には,超微量の「なんらかの化学物質」については,1つの状態しかとらえられないのではないかということがひとつ。

ABO FANABO FAN 2013/07/13 05:42 ここに書くべきことではないですが、私の血液型の質問(7/2のエントリー)に回答がないようなので、ひょっとして読まれていないのではないかと思い、念のため書かせていただきました。
回答をよろしくお願いします。m(._.)m

おるおる 2013/07/16 14:49 この手の問題(化学物質過敏症や低周波騒音etc)って精神疾患でほぼ片づけられそうな気がするのですが、それだと問題があるんでしょうかね?

私は、仕事場で3m離れた場所にコンプレッサーが設置されてから、頭が重く感じられるようになりました。同じ距離にいる同僚3人は問題ないって言ってるので、自分だけ気になってるんだなってわかってから徐々に落ち着きましたが、こんな症状を盲検したって答えなんかでませんよね。
昔からこういうことがちょくちょくあるので気にしないようにしていましたが、アスペルガー(この辺りも胡散臭いです)と診断された方の本も何冊か読むと、特定の音、におい、環境、他者の行動等が気になるってあるし、執着しちゃうと酷くなるってあったので、あながち自分の行動は間違っていなかったのかと。

ちなみに、小学校の通知表は「落ち着きがない」「注意力散漫」「興味があること以外に集中しない」って毎期ごとに書かれていましたw

十六夜十六夜 2013/07/16 23:47 もう語りつくされた論議で「何を今さら」で申し訳ないのですが「化学物質過敏症」という名称からして怪しいというか…。こんな名前だから「え? 化学物質過敏症? じゃあ人体に含まれてるリンとかイオウとかにも反応するの?」とか「O2を吸ったりH2Oを飲んだりしてもいいの? 化学物質なのに?」なんて突っ込みをしたくなってしまうんですよね。

普通に「アレルギー」では駄目なのでしょうか。「トリハロメタンアレルギー」とか「ホルムアルデヒドアレルギー」とか。でもって、普通に血液検査やブリックテストで診断すればいいんじゃないでしょうか。ちなみに私は花粉症でネコの毛アレルギーですが。

アレルギーと化学物質過敏症の違い、みたいなサイトも一応見ましたけどやっぱりよく判らない…。一例として「アレルギーは免疫反応で、症状のパターンが決まりきっている(例:花粉症→くしゃみ・鼻水 など)が、化学物質過敏症は自律神経症状で多様」とかあるのですが、花粉症シーズンの私は「くしゃみ・鼻水・目のかゆみ」だけじゃなくて、「頭の重い感じ」や「抑うつ感」もあるのですが、ひょっとして私って、花粉アレルギーじゃなくて、花粉を原因とした化学物質過敏症だった?(笑)

まあ、そんな訳で(どんな訳だ)実際何らかのアレルギー反応って線も考えられなくはないですから「化学物質過敏症はほぼ精神疾患として片づけられる」というのは、多少問題があるのではないでしょうか。

shinzorshinzor 2013/07/17 06:25 十六夜さん、NATROMさんの記事などから私は以下のように理解しました。

きちんと検査をしないでCSと診断された人の中には、アレルギーや中毒の場合もあるかもしれません。しかし、検査してアレルギーでも中毒でもないとわかる患者さんもいます。では何かとなった時に、一気に新しい疾患概念のCSに向かうのか、心因性も含めて他の原因も疑うのかの違いではないでしょうか。超微量の化学物質に反応しているとすれば、負荷試験で確かめることができますが、確かめられた患者さんはいないようですし、そもそも臨床環境医はそういう検査をせずに、超微量の化学物質とどこで結びつくのか不明の症状だけから判断する診断基準でCSと見立てるようです。一方、心因性と判断する診断基準はこれなりに確立しているということではないでしょうか。

NATROMNATROM 2013/07/17 11:26 十六夜さんへ。よくある疑問だと思います。

アレルギーと多発性化学物質過敏症は、重なり合う部分もありますが、異なった疾患概念です。

まず、ご指摘のように症状が異なります。アレルギーに「抑うつ感」が伴っても不思議ではありません(「頭の重い感じ」はアレルギー性鼻炎の症状の一つと見なしてよいように思います)が、アレルギーはいわゆる「アレルギー症状」を伴うことがほとんどです。一方、多発性化学物質過敏症は、あらゆる臓器にあらゆる症状が出るとしばしば主張されます。化学物質過敏症に特異性の高い症状(たとえば、花粉症に対する鼻汁・くしゃみ・目のかゆみのような)はありません。

また、対象となるアレルゲン/化学物質の範囲も異なります。一般的にはアレルギーの対象となる物質は、ソバならソバ、スギ花粉ならスギ花粉と、限定的で特定可能です。一方、多発性化学物質過敏症は、特に「過敏性が拡大」した後は「相互に関係のない多種類の化学物質」に対して反応するようになると主張され、広範囲で特定不可能です。

化学物質過敏症は「血液検査やブリックテストで」診断することはできません。そのような検査で陽性に出た場合は、「化学物質過敏症ではなくアレルギーである」もしくは「化学物質過敏症にアレルギーが併発した」と判断されるでしょう。さらに、臨床環境医は、アレルギーよりもさらに少ない「超微量」の化学物質で化学物質過敏症の症状が誘発され、ゆえに化学物質過敏症とアレルギーは異なると主張しています。

「化学物質過敏症」という名称の不適切さについてのご指摘も正しいと思います。多発性化学物質過敏症(MCS)の代わりに本態性環境不耐症(IEI)という名称が提案されています。

十六夜十六夜 2013/07/17 19:05 shinzorさん。NATROMさん。丁寧な返信ありがとうございます。

「化学物質過敏症」調べれば調べるほどうさんくさい(失礼)概念ですね。「あらゆる臓器にあらゆる症状が出る」つまり、下血しても吐血しても喀血しても歯茎から血がでても、ついでに足の爪が肥大して割れてきても「化学物質過敏症」が原因である可能性がある。化学物質万能すぎだろ。(白癬菌やピロリ菌だって化学物質と言えないこともないけど…)

これは「名称」だけの問題ではないように思います。むしろ名は体をあらわしてちょうどいいというか…。「本態性環境不耐症」としたところで「じゃあ、空気中にO2が21パーセントも含まれる環境に対応できない(=不耐)訳?」と同じつっこみをするだけの話です。

つまり「化学物質過敏症」とされている概念は無理がありすぎるのできっぱり否定・削除して、現在「化学物質過敏症」とされている症状・患者については(A.アレルギー B.急性中毒 C.慢性中毒 D.心身症)と振り分けてしまえばいいんじゃないかなーと単純に思ってしまった訳です。(勿論正確には「E.その他」もあるとは思います)で、その時、現在の「化学物質過敏症」の患者さんを「D.心身症」だけに振り分けるのはやはり問題があるのではないかと。 

>検査してアレルギーでも中毒でもないとわかる患者さんもいます。
そういった患者さんについて、「心身症である」という診断をされるのは理にかなっていると思います。しかし、

>そもそも臨床環境医はそういう検査をせずに、(中略)CSと見立てるようです。
こういった患者さんの中には、実際はアレルギーや中毒であった可能性も否定できないのではないでしょうか。


質問をまとめますが、shinzorさんとNATROMさんは「化学物質過敏症はほぼ精神疾患で説明できる」というご意見に賛同されるのでしょうか。

ABO FANABO FAN 2013/07/17 21:28 本当は、このエントリーに書くべきではないのですが、あえて続けて発言があったここに書きます。

ニセ科学批判派の人は“血液型性格判断”を肯定してはいけないという「空気」があって、この空気はどんな事実(=科学)にも優先するということらしい(?)です。
#だから、私の発言を無視するのでしょうか?

では、現在、以下の点について誰からも反論がないと確認させていただきます。
1. 心理学の研究報告では、「有名な特性」ならユールのQ(相関係数)では0.2〜0.3、t検定のdで0.4程度なので「ごく小さな関連」ではない。効果量で言うと、必ずしも大きくはないが、少なくとも中程度とは言える。
2. これは、能見正比古さんのデータとだいたい同じであるので、彼が正しかったという裏付けになる。
3. NATROMさんが紹介しているNIHの論文では、Big5(NEO)を使っているので差が出ないが、他の性格検査(例えばMBTIやTCI)なら差が出ているのだから、Big5は血液型と性格の関係を測定するには不適当である。
#つまり、NATROMさんの主張は、ことごとく否定されることになります。
現在は、このブログも含め、統計的に差があることを疑っている人は誰もいないと思うんですが…。

では、無視されるかどうか、反応を待つことにします。

shinzorshinzor 2013/07/17 22:14 十六夜さん、
>「化学物質過敏症はほぼ精神疾患で説明できる」というご意見に賛同されるのでしょうか。

医者ではないので、程度については判らないというのが正直なところです。
CS患者さんの書いたものを読むと、重症で極端な症状は心因性が多いような印象は受けますが、所詮素人判断です。

シックハウスと区別していないような人もいますね。

NATROMNATROM 2013/07/17 23:44 >「本態性環境不耐症」としたところで「じゃあ、空気中にO2が21パーセントも含まれる環境に対応できない(=不耐)訳?」と同じつっこみをするだけの話です。

そういう事例があるかどうかは知りませんが、「空気中にO2が21パーセントも含まれる環境に対応できない」と主観的に訴える患者さんが仮にいらっしゃったとしましょう。O2という「化学物質」に過敏であるとはきわめて考えにくいですよね。しかし、症状はあります。ということは(原因が身体的なものであれ心理的なものであれ)患者さんが環境に不耐であるとは言えるわけです。こういう病態を適切に表す病名はどちらでしょう?そんなわけで化学物質過敏症に批判的な立場からは「本態性環境不耐症」という病名は中立的で適切だとみなされています。

「空気中にO2が21パーセントも含まれる環境に対応できない」はさすがに例としては典型的とは言い難いので、たとえば患者が勤務していたオフィスで症状が誘発される場合を考えましょう。臨床環境医学の立場からはオフィスの空気などに含まれるなんらかの「化学物質」が症状の原因と考えます。一方、「本態性環境不耐症」という病名を支持する立場からは、オフィスという「環境」が症状の原因であるとみなします。化学物質が原因かもしれませんが、原因でないかもしれません。「化学物質が症状誘発の原因ではない」という可能性を認めないか認めるかの違いです。


>つまり「化学物質過敏症」とされている概念は無理がありすぎるのできっぱり否定・削除して、現在「化学物質過敏症」とされている症状・患者については(A.アレルギー B.急性中毒 C.慢性中毒 D.心身症)と振り分けてしまえばいいんじゃないかなーと単純に思ってしまった訳です。(勿論正確には「E.その他」もあるとは思います)で、その時、現在の「化学物質過敏症」の患者さんを「D.心身症」だけに振り分けるのはやはり問題があるのではないかと。 

化学物質過敏症とされている患者さんの中には、A.アレルギー B.急性中毒 C.慢性中毒いずれかに分類可能な人がいるというのは確かです。しかしながらその場合、疾患概念の適切さの問題が無いとは言いませんが、どちらかと言えば誤診の問題になると思います。


>質問をまとめますが、shinzorさんとNATROMさんは「化学物質過敏症はほぼ精神疾患で説明できる」というご意見に賛同されるのでしょうか。

「精神疾患」の定義によります。定義を問題にして明確に答えないのはズルイとお思いでしょうが、このあたりはややこしいんです。たとえば心身症は精神疾患ではなく身体疾患であるとする定義があるんですよ。また、うつ病や統合失調症が精神疾患であることに異議をとなえる人はそうはいらっしゃらないと思いますが、これらも脳の機能異常です。だから薬が効くんです。発症に心理的な要因が寄与しないとは言いませんが、本質的には脳内の神経伝達物質の異常などなどに起因するわけで、うつ病や統合失調症は内因性の身体疾患と言えなくもないのです。

明確に身体疾患と精神疾患とを明確に切り分けられないことを承知した上で、あえて切り分けるとしたら、化学物質過敏症の症状誘発は化学物質の暴露ではなく心理的な要因で起こっていることがこれまでの研究で示唆され、ゆえに化学物質過敏症の多くは精神疾患とみなしてもよいと私は考えます。化学物質過敏症の(症状誘発ではなく)発症については、たとえばシックビルディング症候群後に化学物質過敏症が発症する事例などもありますので微妙なところです。ただ、発症のきっかけが身体的な障害だったとして、続発する症候群が必ずしも身体疾患とは限りません。たとえば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など。化学物質過敏症の患者さんには、自律神経や中枢神経の機能異常は(あるいはもしかしたら免疫学的異常も)おそらくありますので、この意味においては身体疾患です。ただ、そのような定義だと、うつ病や統合失調症も身体疾患です。

ABO FANABO FAN 2013/07/18 21:41 いやぁ、shinzorさんとNATROMさんに、ものの見事に無視されましたね。ここまで見事だと、ちょっと感心してしまいます。
以前は、なぜ回答しないんだと急かされたような気がしたんですが、時代が変わったのかな?
確かに、kikulgoのきくちさんも「沈黙は相手の主張を認めたとはみなされません」と言っているので、ここでもそうなんでしょうか?

十六夜十六夜 2013/07/19 21:48 私とNATROMさんやshinzorさんの意見の違いは、「化学物質過敏症」の定義の違いなのかなとなんとなく納得しました。もしかしたら違うのかもしれませんが、当方としては納得できたということで、今までおつきあいいただいたお二方には感謝いたします。

十六夜十六夜 2013/07/22 21:40 一連の記事でもやっとしていたことが少しまとまってきたので追記します。

「化学物質過敏症:あらゆる化学物質の、きわめて少量の曝露が原因で起こり、ありとあらゆる症状があらわれる」これですべての疾患が説明できますね。この疾病概念を認めるとしたら、内科医らくらくです。

とはいえ、こういった「チート病名」が「化学物質過敏症」しかないかといえばそんなことはなく、例えば「自律神経失調症」や「心身症」もそれに近いものがあります。例えば心身症は「ストレスなど精神的な影響が大きい身体疾患」なので、「精神的なものですね」という魔法のキーワードで、ほぼすべての疾患を説明することができます。

勿論、「自律神経失調症」や「心身症」の診断名をつける医師は、「化学物質過敏症」の診断をする医師のように、ワクチンは受けるなだの、ホメオパシーをやれだの、そのうちもっと多くの化学物質に反応するでしょうと脅したりだのはしないでしょうから、「ロクに検査もせず、すぐに心身症的チート病名をつけたがる医師」問題と「化学物質過敏症」問題は別物であるということは理解できます。

それにしても、こういった「何でもアリ」な診断をする際は、よくよく慎重であって欲しい、と願います。他の、特異的な症状と治療法をもつ疾患を可能なかぎり除外してからであって欲しい、と。勿論、そうでなければ他の重大な疾患を見落とす可能性があるからです。それは「化学物質過敏症」でも「心身症」でも「本態性環境不耐症」でも同じことです。

(全然まとまっちゃいねぇ…)

shinzorshinzor 2013/07/22 22:07 十六夜さん、
>とはいえ、こういった「チート病名」が「化学物質過敏症」しかないかといえばそんなことはなく、例えば「自律神経失調症」や「心身症」もそれに近いものがあります。

 それは私も感じます。ノセボ効果はありとあらゆる症状を引き起こし、死に至る場合さえありますからね。医者にとってどんな症状にも使える便利なものである一方で、本当の原因を見落とす危険も孕んでいるのですから、他の原因はありえないことを十分確かめてから使う必要があるというのも全く同感です。
 CS患者さんが、心因性と言われると反発するのも、十分に確かめず安易に診断しているように感じるからではないでしょうか。そのような患者さんが、同様に安易に使える化学物質過敏症と診断されると救われたように感じるのは皮肉な現象ですね。

ABO FANABO FAN 2013/07/22 22:13 またまた茶々を。
nさんが、私のブログでは『数度の真摯な催促をもってしてもあなたから明示的な反論が来なくなった時点で、私は「貴方は私に反論ができなくなった」と判断するかもしれません。』とおっしゃっているのですが、NATROMさんには当てはまらないんでしょうか? それとも、まだ「真摯な催促」と受け取ってもらえないんでしょうか?

十六夜十六夜 2013/07/24 21:57 >shinzorさん

>CS患者さんが、心因性と言われると反発するのも、十分に確かめず安易に診断しているように感じるからではないでしょうか。そのような患者さんが、同様に安易に使える化学物質過敏症と診断されると救われたように感じるのは皮肉な現象ですね。

いやもう、私の言いたかったことを簡潔にまとめていただいて感涙です。これを書こうとしたらあまりにも長文になりすぎて挫折したのです。本当です。(我ながら嘘くさいぞ!)

natobusnatobus 2014/01/11 23:39 1 ■無題

>."*1と述べている。なぜか。その理由は疫学的な証拠に欠け、あるいは疾患概念自体が曖昧であるからである。

:だからAMAは慎重に対処しようという事を言ってるんでしょ?何故否定と解釈したんですか?

>疫学的な証拠の有無という点で水俣病と化学物質過敏症は異なる。

:ええ、そうですよ。しかし環境病としては同じです。原因物質が人それぞれの化学物質過敏症と原因物質がハッキリしている水俣病と比較する事自体間違い。

>化学物質過敏症と何かを強いて対比させるのであれば、水俣病や杉並病*2ではなく、低線量の放射線被曝の害であろう。

:杉並病は対比できるでしょう?一応判決では違うとされてますけどね。
低線量の放射線被曝の害?根拠は何ですか?

>臨床環境医たちはあやふやな疾患の定義および科学的根拠のない診断に基づいて、科学的根拠のない治療を行った。

:人それぞれ違う化学物質過敏症で疾患の定義は難しい、実際北里研究所病院は眼球運動に規則性を発見したがどんなに症状が重い患者でも眼球運動の規則性が見られない場合化学物質過敏症と診断しない。
科学的根拠のない治療って何ですか?詳細とソースを提示して下さい。
日本では対症療法と化学物質を避ける事が普通の治療法ですが対症療法も科学的根拠のない治療を行った事になるんですか?

2 ■無題

>たとえばの話、臨床環境医たちの主張が「化学物質の大量曝露あるいは少量であっても反復した曝露によってなんらかの健康障害が生じる」という主張に留まっていれば、医学界の多数派からこれほど懐疑的にみられることはなかったであろう。

:そう主張してますけど?発症原因としてそう主張してますよ。

>しかし、臨床環境医は「きわめて少ない量の化学物質曝露によって症状は誘発される」とも主張した


:これは発症してからの話でしょ?発症したら極微量でも症状は誘発される事はあります。

>後者の立場に立っているだけで「難病や公害に対する基本的な姿勢」に問題があるとみなすのは不適当である。

:発症原因と発症後のトリガーを間違えている時点でおかしいのですが?

>*2:杉並病は多発性化学物質過敏症ではないと私は考える

:あなたの考えなんか知らない、他人には科学的根拠を求めるのに自分は推測で物を言い過ぎる。