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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2014-09-22 「血管を浮かび上がらせる医療機器」は静脈穿刺の役に立つか?

[]「血管を浮かび上がらせる医療機器」は静脈穿刺の役に立つか? 「血管を浮かび上がらせる医療機器」は静脈穿刺の役に立つか?を含むブックマーク

採血や点滴の際には末梢の静脈を刺す。末梢の静脈の太さには個人差があり、太い静脈であれば穿刺は容易であるのだが、細い静脈だと失敗することがある。何度も針を刺されたという経験をお持ちの読者もいらっしゃるだろう。末梢静脈の穿刺の成否は医療者の技量に大きく左右される。医師になりたてのころ、研修医同士でお互いの血管を刺して練習をしたものだ。

末梢静脈と言えども穿刺に失敗したら血腫などが生じうるし、そもそも刺したら痛いのでなるべく失敗しないほうがよいに決まっている。通常は刺すべき静脈は視診および触診にて探すのであるが、「照射するだけで血液中のヘモグロビンを可視化し、血管(皮静脈)がどこにあるのかが簡単にわかる装置」がある。



■科学の進歩!血管を浮かび上がらせる医療機器「AccuVein」がすごい - feely

f:id:NATROM:20140922172634j:image

写真をみてもわかる通り、血管の位置がくっきり浮き出ているのはもちろん、血管の太さまでわかってしまうのはすごいです。


これなら、誰でも簡単に針を刺して採血することができそうです。



これはなかなかインパクトがある。正直言って、欲しい。しかしながら、「誰でも簡単に針を刺して採血することができ」るかどうかと言えば疑問である。なぜならば、採血に成功するかどうかの要因は、静脈の位置だけではないからである。まさにそこに見えている静脈の穿刺に失敗することだってあるのだ。どのような血管が穿刺しにくいのか。漫画・『おたんこナース』から引用しよう。

佐々木倫子作の『おたんこナース』の第一話は、主人公の看護師が通勤中に他人の腕の採血のしやすさの品定めをするシーンからはじまる。



f:id:NATROM:20140922172635j:image

佐々木倫子作、『おたんこナース』、第一巻より引用



採血困難な腕を憎む気持ち、わかりすぎる。『おたんこナース』は綿密な取材を元に描かれていると思われるリアルな医療現場の描写と、もちろん漫画としての面白さも兼ね備えた名作だと思う。

さて、『おたんこナース』で採血しにくい例として提示されているのは、「固太りのため奥に沈んだ血管」「見えているがもろい血管」「細くて弾力のない血管」である。血管を浮かび上がらせたとして、もろい血管や細くて弾力のない血管はやはり穿刺しにくいのではないか。

臨床の現場で血管を浮かび上がらせる装置が役立つかどうかは、実際に検証してみないとわからない。患者を二群に分け、一方の群では血管を浮かび上げる装置ありで穿刺し、もう一方の群は装置なしで穿刺して比較してみればよい。

この装置の商品名である"AccuVein"についての医学論文を検索してみたら、末梢静脈の穿刺に関する論文が3件見つかった。しかも無作為化試験であった。「血管を可視化する装置を使うと静脈穿刺の成功率は上がるのか?」という疑問をきちんと検証し、しかも無作為化試験という質の高い方法を用いたのは素晴らしいことだと思う。



いずれもサマリーのみ参照した。1件目と2件目は小児が、3件目が成人が対象。残念ながら、3件ともに、装置の利用が静脈穿刺の成功率を改善するとは言えないという結果であった。3件目の論文によれば、「オペレータによる評価はポジティブであるよりもしばしばネガティブ」だったとのこと。この手の医療機器は以前からあるが、いまいち普及していないのは、この辺りが原因なのかもしれない。

この装置がまったく役に立たないと決まったわけではなく、たとえば教育などには使えるであろう。あるいは、対象患者を選べば差が出るかもしれない。しかしながら、「これさえあれば簡単に失敗せずに静脈穿刺ができる」というほど便利なものではないようだ。

stefanstefan 2014/09/22 23:55 twitterからこちらに来ました。医療の片すみで勤め人している者です。
この製品、商品名は違いますが同機種を国内で販売しています。

http://www.technomedica.co.jp/t01/product/rs06.html

中の人じゃありませんが、ここのメーカーは採血管の準備装置(採血管へのバーコード自動貼付)の
国内ほぼ寡占のメーカーで、主に採血室への売り込みが多いかと思います。
この製品も、大学病院や地方の基幹病院の採血室でよく見かけます。先生のところの採血室にも実はあるかも…。
聞いた話の使用感ですが、細い血管のお年寄りの採血で使われる事が多いこと、
おっしゃる通り、経験浅い看護師・技師のトレーニングに使うことも導入目的のようです。
ご参考になりましたら。

nn 2014/09/23 00:22 デモを受けたことはあります。ちゃんと視認か触知ができている静脈に、ルーチンとして使うメリットなんてあるはずないと(直感でも)思いますし、まあ試験結果はその直感通りの結果かな、と思いました。
ただ、いい血管が見つからなくて困ったときに、自信を持つために使う装置としてなら有効だろうな、とも思います。全患者でランダム化するのは、ちょっと試験デザインが酷だな、とは。
とはいえ本当に困ったときに使うだけなら超音波の方がいいのかも。この装置、「血管の深さ」に関する情報が殆ど得られないので。

inoue04inoue04 2014/09/23 07:15 4500ドルでしたら、ハンディタイプの超音波機器よりはるかに安いので、無駄になっても惜しくないでしょう。USとなると10000ドル近い。

S I Q III T IIIS I Q III T III 2014/09/23 08:45 一番刺しやすいのは見えていて影が出来ている静脈なんですが、たまに刺したら逃げていきやがったりするんですよねー。
子供だと最悪視認も触知もまったくできてない血管を、解剖学的構造とかから想像して盲で刺したりしますからね。

>対象患者を選べば差が出るかもしれない。
>全患者でランダム化するのは、ちょっと試験デザインが酷

同意です。本当にルートが取れなくて困るのはCushingでプクプクに太った人とか、volume overで手や足がパンパンの人とかなんで、普通の子だとそう困らんのですよね。ルート確保の難しさを定量化してinclusion/exclusion criteriaにするというのはなかなか研究デザイン上難しい気はします。でも機械を売り込む為には企業はそのくらいするべきですね。

ほやほや 2014/09/23 08:58 実際にデモで使用する機会がありました。
色黒で血管が見えない人には大変有効だったので、おそらくは太めのネグロイドの患者様がこの製品のターゲットではないかと考えております。
日本人だとそこまで黒い人は松崎しげる位なので、あまりありがたみは感じないかもしれません。

ほやほや 2014/09/23 08:58 実際にデモで使用する機会がありました。
色黒で血管が見えない人には大変有効だったので、おそらくは太めのネグロイドの患者様がこの製品のターゲットではないかと考えております。
日本人だとそこまで黒い人は松崎しげる位なので、あまりありがたみは感じないかもしれません。

十六夜十六夜 2014/09/23 21:38 平成24年から一定の研修を受けた介護職員等による喀痰吸引等が認められるようになりました。
同様に、いずれは静脈確保や抜鍼を患者家族や介護職員ができるように…というのは考えすぎですかね。(勿論、このグッズがあったところで点滴は容易ではないということは前提の上です)

toycan2004toycan2004 2014/09/23 21:51 透析シャントの詰り確認には有効ではないかなと思ってます。ヘモグロビンで血管径がある程度正確に見れるということは血管の詰りを視認できると思われます。透析患者のシャントはだんだん細くなる人が多いので詰り初めが認識できるのは投薬で改善出来てすごくありがたいのです。できれば前回データとの差分をとる能力を備えていただけると、より確実に血管の詰り初めを発見できるので中の人がいらっしゃいましたら是非お願いします。
多分同様のことに気がついた透析関連の人は多いと思う。
コストカットで各患者が1台持てるのはかなり先なんだろうけど、そのくらい売れてくれれば月1回PTAするような患者はいなくなると思う。

NATROMNATROM 2014/09/24 08:33 Pubmedではリンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合術前検査にAccuVeinを使用した例が複数報告されています。使いどころを選べばかなり役に立つ装置だと思います。

sailsail 2014/09/24 13:12 内頚静脈が視認できるんならありがたいですが。
誰かそこに使った方います?

eed0hjeed0hj 2014/09/24 18:36 この記事内容とは直接関係ないのですが、血液検査のことでどなたか教えてください。医院で採血・外注検査の場合、結果が検査機関から直接患者に送付され、なおかつ検査機関から、“〜が低いので…”と心配する電話がくるというのはあることなのでしょうか?

shinzorshinzor 2014/09/24 22:23 何度も針を刺されたという経験を持つ読者です。
しかも治療後の経過観察で3カ月に1回血液検査をこの春までやってました。
私は血管が細いので苦労する看護師さんが多くのですが、全く血管が見えないわけじゃありません。血管の位置は分かるわけですから、穿刺が難しいのは、見え方の問題ではなくて、血管が実際に細いためだと思います。従って、はっきり見えるようになってもあまり刺しやすくなるとは思えないのですね。むしろ、実際は細いのに太くはっきり見えるようでは逆効果じゃないかと。見えなかったものが見えるようになるのなら効果絶大なのですが。

NATROMNATROM 2014/09/25 01:09 >医院で採血・外注検査の場合、結果が検査機関から直接患者に送付され、なおかつ検査機関から、“〜が低いので…”と心配する電話がくるというのはあることなのでしょうか?

一般的には検査機関から直接、患者さん宛てに連絡がくることはないと思います。

検査結果は、病歴や症状と合わせて医学的に評価されるべきものであり、主治医がきちんと評価してから患者さんに説明します。検査機関が「勝手に」患者さんに説明してしまうと思わぬ誤解が生じることがあるかもしれません。

とは言え、私はすべての医院、すべての検査機関について知っているわけではないので、何かしら理由があってそういうことをしているケースがある可能性は否定できません。

uchitode2014uchitode2014 2014/09/25 20:35 医学とは関係なく、動作しているところを見てみたいものです。
科学系の博物館にでも展示して、使用できるようにしておけば、そこそこ受けそうに思えます。

inoue04inoue04 2014/09/26 11:11 営業活動が足らない。
販売代理店がデモンストレーションを学会でやればいいんです。
エコーのデモは腐るほど見たが、Accuveinのデモは見たことがない。

eed0hjeed0hj 2014/09/26 21:26 NATROMさん、ご説明ありがとうございました。
検査結果が検査機関から直接送付されたのは、「危険な医学」を信じ実践してネットで発言している、私と同じ病気の患者さんです。ブログを読んでいて検査結果の伝え方に引っかかったのですが、今はそういう方法もあるのだろうか?と思い、書き込みさせていただきました。
電話は、検査機関が「勝手に」したというより、検査結果を本当に心配してのことのようでしたが、NATROMさんのおっしゃる「病歴や症状と合わせて医学的に評価されるべきものであり、主治医がきちんと評価してから患者さんに説明」は完全に抜けおちています。
今気付いたのですが、質問へのお返事コメントは夜中に書いてくださったのですね。自分の書き込みを見たら、まるで自分自身がそういう検査報告を受けたかのような書き方をしていました。

eedeed 2014/09/26 23:15 すみません、大きな読み違えをしていました。「検査機関から」ではなく「検査技師から」でした。ですので、検査機関→医院(検査技師)→患者なのかもしれません。
医院については、ヤフー知恵袋で元医師という方が痛烈に批判していました。「…論理性もなく、臨床データもない偏った凝り固まった持論を展開しているだけでは、これは「医学」とは言えず「宗教」です…」。それでもそこを選ぶ人はいるのですね。それは明日の自分かもしれない…。やはりNATROM本は手元に置いておいた方がよさそうです。

NATROMNATROM 2014/09/27 00:47 >検査結果が検査機関から直接送付されたのは、「危険な医学」を信じ実践してネットで発言している、私と同じ病気の患者さんです。

>「検査機関から」ではなく「検査技師から」でした。ですので、検査機関→医院(検査技師)→患者なのかもしれません。

>医院については、ヤフー知恵袋で元医師という方が痛烈に批判していました。「…論理性もなく、臨床データもない偏った凝り固まった持論を展開しているだけでは、これは「医学」とは言えず「宗教」です…」。


このあたりの情報を総合するに、検査技師が主治医を信頼していないという可能性があるかもしれません。主治医は「ニセ医学」を実践しているが、検査技師はまともで、本来ならば主治医が検査結果を総合的に評価すべきであるところだが、主治医はヤブで信頼できないためやむを得ず検査技師が直接患者さんに連絡した、とか。ありえない話じゃなさそう。

もふなもぶもふなもぶ 2014/09/29 08:13 「すぐ分かるような腕の血管は、みんな脂が詰まって刺しても血が流れない」。
私の場合、使える血管=できたての血管なので、詰まってる血管より細いかも。

 高脂血症あるある状態。 詰まった血管は後でミミズ張れ風に帯状に凹む。
 肘の内側のうち特に小指側半分、脇の下の近くまで何本もそういうのが…。

使える新しい血管を探す看護師さん。 見つからなければ手の甲に(痛い!)。
血管の中に入るまでの角度と入ってからの角度は違う、この辺も指先の感覚で。

「・・・じゃあ、いつ使うの?」

いつ使うのか思いつかずに答えをちらり。 子供の教育用&松崎しげる用か!
透析用血管の太さのチェックも便利なの? ・・・ところで、どういう原理?

提供元でも肌の色の濃い人が例にあがってるから、そういう使い方で良さそう。
「これは可視光と赤外線で皮下の状態を走査して、表皮に映し出す装置です。
 還元ヘモグロビン(=酸素と結びついてない静脈の血液)にだけ反応して、
 そこだけ赤い光で照らさないことで場所が分かるようにします」・・あれ?

そのうち某ニコニコ工作部が超安価で組み立てそうな気がするんですが・・・。
(こういう道具って無意味にわくわくするよね! これはちょっと高いけど!

ナナナナ 2014/10/11 15:21 はじめまして、ずっとロム専でしたがいいニュースだなと思ったのでコメントさせていただきます
私は細くなかなか浮き出ない血管で、ベテラン看護師さんからお墨付きをもらうほど採血しにくい血管です。なのでこういった装置の開発が進めばいいのにとよく思います
腕からではなかなか採れず何度も刺したり刺してから探って、それでもダメでもうずっと手の甲から血を採ってもらっています
何度も刺されると痛いですし眩暈もしてくるので、最近は「血管がわかりにくかったら手の甲から採ってください」と自己申告しているのですが、言うとたまにムッとした顔をされる看護師さんがいるんですよね
プロの方に患者の側からこういった指図をすることは失礼だったのかなとちょっと反省しています

opabiniahopabiniah 2015/12/24 14:52 同じ様な機能の装置を開発していました。原理は静脈血が吸収する赤外線を使い、腕を照らすと赤外線が吸収され、黒く映るのをそのまま腕に投影する方法です。画像を反転すると静脈を明るく映すと事も可能です。

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