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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2015-05-30 アメリカ国立癌研究所所長は抗がん剤の効果を高く評価した

[]アメリカ国立癌研究所所長は抗がん剤の効果を高く評価した アメリカ国立癌研究所所長は抗がん剤の効果を高く評価したを含むブックマーク

ネットでは真偽不明の医学情報がたくさん流れています。その中の一つに「1985年に、アメリカ国立癌研究所のデヴィタ所長が、抗がん剤は無力だと議会で証言した」というものがあります。議会で証言したのが事実であるなら議事録がありそうですが、きちんとソースが提示されたものは見つかりません。現在はもちろん、1985年の時点でも、抗がん剤治療は癌治療の柱の一つです。「アメリカ国立癌研究所所長が抗がん剤を否定した」という話は捏造されたものだと私は思います。

「デヴィタ所長(Dr. Vincent T. DeVita, Jr.)」が、1980年から1988年までアメリカ国立癌研究所(NCI:National Cancer Institute)の所長を務めていたのは確かなようです*1。デヴィタ医師とその同僚は1965年に、悪性リンパ腫に対して複数の抗がん剤を組み合わせる治療法を提唱しました。それまで悪性リンパ腫の一種であるホジキン病が治癒する確率はほとんど0%でしたが、デヴィタ医師たちの提唱する抗がん剤組み合わせ療法によって70%まで上昇したのです。現在では組み合わせる抗がん剤の種類が改良され、治癒する確率は90%まで改善されました。こうした「複数の抗がん剤を組み合わせる」治療法の基礎を築いたのはデヴィタ医師たちです。

デヴィタ医師は、乳がんについても抗がん剤を組み合わせる治療法を開発しました。乳がんの手術後に、再発を抑制する目的で、シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシルの3種類の抗がん剤を組み合わせて使いました。3つの抗がん剤の頭文字をとってCMF療法と呼ばれます。1976年には、CMF療法が乳房切除術後の乳がん患者さんの再発を24%から5.9%に減らしたと報告されています*2。CMF療法は現在でも使用されることがあるといいます。

1980年にNCIの所長に就任してからは、デヴィタ医師はがんの治療や予防についての情報の提供を行いました。また、アメリカ合衆国におけるがんの死亡率の減少を目標に定め、計画を作成しました。がんの死亡率を減少させることができるかどうか疑う意見もありましたが、結局のところ、2000年までにがんの死亡率は減少したのです。

がんの死亡率の減少について、デヴィタ医師本人がこう述べています。


■A History of Cancer Chemotherapy*3

Whereas half of this decline is due to prevention and early diagnosis , the other half is largely due to advances in cancer treatment , much of it due to the inclusion of chemotherapy in most treatment programs .

(意訳)がんの死亡率の低下の半分が予防や早期発見によるものであるが、もう半分は主に抗がん剤治療を含むがんの治療法の進歩によるものである。



デヴィタ医師は自身が化学療法について功績を持つ専門家であり、抗がん剤の効果を高く評価しています。抗がん剤は悪性リンパ腫や白血病を治し、がんの手術後の再発の可能性を下げ、生存期間を延長させることができるとデヴィタ医師は述べています。いったいどこから「デヴィタ医師は抗がん剤は無力だと議会で証言した」なんて話が出てきたのでしょうか。

間違った医学情報を拡散させる動機はさまざまでしょう。純粋に善意からという人もいるでしょう。あるいは、標準医療を否定することで代わりの医療(代替医療)を売りたいという目的で、意図的に捏造する人もいるでしょう。いずれにせよ、間違った医学情報は、それを信じた他の人の健康を損ない、場合によっては命に関わることもあります。真偽の疑わしい医学情報を拡散する前に、もしその情報が嘘だった場合のことも考えてみてください。



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■「ニセ医学」についての本を書きました

*1:アメリカ臨床腫瘍学会の関連ウェブサイト http://cancerprogress.net/node/2661 による。他のデヴィタ医師の経歴の記述も、特に断りがない限りは同ページによる

*2http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1246307

*3:DeVita VT Jr and Chu E., A history of cancer chemotherapy., Cancer Res. 2008 Nov 1;68(21):8643-53

uchitode2014uchitode2014 2015/05/31 18:52 引用文の主張は、
"多くのがんの治療に、以前は用いられなかった、化学療法[抗がん剤]治療が用いられるようになったこと"
が、がん治療法の進歩という意図でしょうか。

> advances in cancer treatment,
> much of it due to the inclusion of chemotherapy in most treatment programs .

NATROMNATROM 2015/06/01 18:05 それで良いと思います。直訳すると、

がんの死亡率の低下の半分が予防や早期発見によるものであるが、もう半分は主にがんの治療法の進歩によるものである。そして、そのがんの治療法の進歩のうちの多くが、ほとんどの治療プログラムにおいて化学療法が含まれるようになったことにある。

という感じでしょうか。

NATROMNATROM 2015/06/01 18:10 個人的には、「そこまで強く言っていいんかいな」とは思いました。"most" treatment programsとか。だいたい、がんの死亡率の低下の大半は、喫煙率の低下のおかげちゃうんかと。

また、原文に"the cure rate for patients with advanced Hodgkin’s disease"とあるから、「ホジキン病が治癒する確率」と書きましたが、これは正確には治癒cureではなく寛解remissionというほうが正確だと思います。

ともかく、デヴィタ医師は抗がん剤の専門家として、誇りを持って抗がん剤を高く評価しているのは間違いないです。「抗がん剤は無力だ」などとは言いそうもない人ランキングがあれば、トップに入りそうな人物です。

GoGo 2015/06/02 00:08 最近のガン治療は直らないの技術的な理論に、全く反論していないので、単に「先生が薬は効くと言っている」との話でしかなく、何の意味もなさない記事だ。

NATROMNATROM 2015/06/02 08:31 「最近の癌治療でも全ての癌を100%治す」ことはできない、と仰るのならその通りですが、癌の種類や病期によっては治せたり、再発する確率を減らしたり、生存期間を延長することはできます。一例として、1976年にすでに乳がんの術後補助化学療法が再発率を下げた研究を紹介しました。進行ホジキン病の治療についても2008, DeVita VTとその文献リストに詳しく書いてあります。デマを広めるような人は、こうした反論をなかったことにしたいのかもしれません。

横からコメント横からコメント 2015/06/30 15:43 横からコメントさせて頂くが、「1976年にすでに乳がんの術後補助化学療法が再発率を下げた研究」のこれこそが医師主導の研究で、EBMで考えると「先生が薬は効くと言っている」と同等じゃないですか

NATROMNATROM 2015/06/30 17:07 「先生が薬は効くと言っている」ってのは、EBMでいうと expert opinionで、レベルはあまり高くありません。1976年の研究は、randomizedされているかどうかはAbstractからは不明ですが、少なくとも何百人かを対象にした比較臨床研究であり、expert opinionよりはレベルが高いとみなされます。よって、

>「1976年にすでに乳がんの術後補助化学療法が再発率を下げた研究」のこれこそが医師主導の研究で、EBMで考えると「先生が薬は効くと言っている」と同等じゃないですか

という主張は正しくないと思います。

横からコメント横からコメント 2015/06/30 17:22 そこから話したいのであれば、EBMが相対的な評価であることは十分わかっているわけでしょう。

当然なぜ治験が医師主導から始まるか知っていますか?
わざわざ「医師主導の研究」って書いて意味がわからないようなら素人も良い所でしょう。

横からコメント横からコメント 2015/06/30 17:25 修正前;当然なぜ治験が医師主導から始まるか知っていますか?
修正後:当然なぜ日本の治験が医師主導が多い理由か知っていますか?

NATROMNATROM 2015/06/30 17:32 EBMは相対的な評価であることは十分にわかっていますが、にも関わらず、というか、だからこそ「1976年の研究はEBMで考えると『先生が薬は効くと言っている』と同等」という主張は間違いです。一般的な「医師主導の研究」の意味はわかりますが、突然にコメント欄に現れて、「1976年の研究はEBMで考えると『先生が薬は効くと言っている』と同等」などと主張する人の言う「医師主導の研究」の意味はわかりかねます。

確認しますが、横からコメントさんは、抗がん剤の効果についてどうお考えなんですか?「デヴィタ所長は抗がん剤は無力だと議会で証言した」などとデマを流している人たちの抗がん剤に関する主張が完全にダメダメで間違っているなんてことは、ご理解できています?

横からコメント横からコメント 2015/06/30 17:40 私は自身の正しさを証明したいわけではなく、貴方の無知を露呈させたいだけです。

「医師主導、治験、臨床試験 EBM 相対評価 エビデンスレベル(エキスパートオピニオン、笑)」で
何を指摘しているか分からないということでしょうか。それともとぼけているだけなのでしょうか。

ublftboublftbo 2015/06/30 23:50 今晩は。

▼ 引  用 ▼
私は自身の正しさを証明したいわけではなく、貴方の無知を露呈させたいだけです。
▲ 引用終了 ▲
(横からコメント 2015/06/30 17:40)

見事に失敗しているではありませんか。今の所、全く露呈していません。

いますよね。何かを指摘しているつもりでも、ほのめかし程度で何一つ具体的に言わない人って。

▼ 引  用 ▼
横からコメント 2015/06/30 17:25
修正前;当然なぜ治験が医師主導から始まるか知っていますか?
修正後:当然なぜ日本の治験が医師主導が多い理由か知っていますか?
▲ 引用終了 ▲
修正後の文も意味が不明瞭に思えますけれども。

NATROMさんが誤っているというのならば、何も回りくどい書き方をせずとも、初めから、明瞭な文でもってNATROMさんの主張のおかしな所を詳らかにすれば良いでしょう。その方が読者の勉強にも役立つというものです。

横からコメント横からコメント 2015/07/01 12:34 >ublftbo氏
>>NATROMさんが誤っているというのならば、何も回りくどい書き方をせずとも、初めから、明瞭な文でもってNATROMさんの主張のおかしな所を詳らかにすれば良いでしょう。
そんなことしなくても臨床試験の研究結果や論文を書いてたり、それを用いて治療法を決定している医師ならあの文章で十分わかりますよ。

というより、
あの内容を理解できていて敢えて触れていない≫読者を騙している
あの内容を理解できず放置する≫医師・専門家からは無知だと思われる
のどちらかしかないのですから。

ublftboublftbo 2015/07/01 14:54 今日は。

▼ 引  用 ▼
そんなことしなくても臨床試験の研究結果や論文を書いてたり、それを用いて治療法を決定している医師ならあの文章で十分わかりますよ。
▲ 引用終了 ▲
(横からコメント 2015/07/01 12:34)

え? 先のコメントにあった「無知を露呈させたい」というのは、「臨床試験の研究結果や論文を書いてたり、それを用いて治療法を決定している医師」に限定して露呈させたい、という事だったのですか?
それを露呈と表現しているのは、私の語感では解りませんでした。

もし仰る指摘(「NATROMさんの言っている事がおかしい」)がほんとうなら、「臨床試験の研究結果や論文を書いてたり、それを用いて治療法を決定している医師」であれば、NATROMさんの意見のおかしさに既に気付いている、となりますね。
けれども、実際にそういう立場と思しき読者からの反応はまだ無いので、何とも言えませんね。

今の所あるのは、横からコメント さんは NATROMさんの主張がおかしい と発言している、という事実のみですので、「潜在的に存在するかも知れない“臨床試験の研究結果や論文を書いてたり、それを用いて治療法を決定している医師”」以外の読者にとっては、全く説得力を持たないものと思います。

えっと、単純に言って、私は一読者として、「NATROMさんがおかしな事を主張しているのならば、具体的にどうおかしいのか知りたい」と思っている訳ですね。自分の現状の知識では解らないので、誤りの具体的で確からしい指摘があれば勉強になります。

もちろん、そういう人を対象にしているのではない、と言われればそれまでですが、それだとすると、では何故あえてコメント欄にほのめかす程度の表現で書いたのか、という所がよく解りません。
「臨床試験の研究結果や論文を書いてたり、それを用いて治療法を決定している医師」なら解るのであれば、「あえて書く必要は無い」はずですし(元々「解っている」はずだから)。

ublftboublftbo 2015/07/01 15:22 整理すると、

・(Go 2015/06/02 00:08)
→NATROMさんの記事は、最近のガン治療では治らないという理論的な説明に反論出来ておらず、「先生が薬は効くと言っている」と言うのと同じである。

・(NATROM 2015/06/02 08:31)
→最近のがん治療に一切の効果が無いのならばそうかも知れないが、実際には臨床研究がなされており、がん治療には効果がある事が示されている。

・(横からコメント 2015/06/30 15:43)
→NATROMさんが紹介している研究は「医師主導の研究」であり、EBM的にそれは「先生が薬は効くと言っている」と同等である。

という流れですので、論点は、

何故、
 ・NATROMさんが紹介している研究は「医師主導の研究」である
 ので
 ・それは、EBM的に「先生が薬は効くと言っている」と同等である

と言えるのか、という所でしょう。

構造的には、これこれこういう理由で、「医師主導の研究」は「先生が薬は効くと言っている」と同等である、と説明が出来れば良いので、それほど複雑で長文が必要なものとも思えません。

もちろん大前提として、

Go さんの書いた
 “単に「先生が薬は効くと言っている」との話”

と、横からコメント さんの仰る
 “EBMで考えると「先生が薬は効くと言っている」”

とが概念的に一致していなければなりません。

NATROMNATROM 2015/07/01 15:34 横からコメントさんへ

「横からコメント」さんが何を言いたいのか、ぜんぜんわかりません。ぜひともご教示ください。

shinzorshinzor 2015/07/01 17:51 既にNATROMさんが示している臨床研究の例は「先生が薬は効くと言っている」に等しく反論になっていないと言うのなら,有効な反論にはどのような証拠や研究が必要か示して頂ければ話が進むと思います。
「最近のガン治療では治らないという理論的な説明」は反証不能というのでないのなら。

横からコメント横からコメント 2015/07/02 10:46 日本では認可を目的に臨床試験を行う場合に企業主導と医師主導の2種があるが原則医師主導で行われる。
その医師主導の臨床試験は、実質企業主導(労力・人材・資金の提供がある)臨床試験である。
企業主導だと企業に法的な責任・義務が発生するが医師主導の場合はそれらが努力義務だからである。

その結果、無意識なバイアスではなく恣意的なバイアスが入った臨床試験や論文が大量に発生する。・・・1)
(エビデンスレベルは高いが信頼性の低い論文・臨床試験が多数発生する)

だから特定の条件の論文は「先生が薬は効くと言っている」と変わらないってこと。

まさか前述1)を否定して恣意的なバイアスが入っていないなんて言うなよ。
現場で治療法を選択する医師はそれを当然知っていて、それを考慮して治療法を選択しているわけだから。
1)を否定することは「医大生のほとんどはカラーアトラスを自宅に持って帰って勉強するのを嫌がる」を否定するのと似たようなものだからな。



>shinzor氏 
現場でやっていれば現場の当たり前というものがあるんですよ。
それを考慮しない(もしくは知らない)からあんな発言になるんです。
世の中、教科書やインターネットには載ってないことがあって、彼はそれを知らない。
例えばネットや教科書に載ってない話として、カラーアトラスの話を出しましたが、似たようなものでは・・・
「解剖の前に予習しない学生や大雑把な学生は神経をプチプチ切ってしまう」とか
「他の学部・学科と併設されていない医科の場合、教養科目の物理や化学の講師はその道の論文を執筆するような専門家ではない。そのため期末試験中に『この問題の混成軌道はおかしい』とつっこまれることがある」

ublftboublftbo 2015/07/02 11:34 今日は。

(横からコメント 2015/07/02 10:46)

全然意味が判然としないのですが、要するに仰りたいのは、

 <医師主導の臨床試験であれば一般にバイアスがかかるので、形式的にはエビデンスレベルが高いとされる研究(コーホート研究やRCT)でもその内容の質は低く、従って、実質的にはエビデンスレベルの低いものと変わらない>

という事ですか?

ところで、疑問なのですが、「企業主導と医師主導の2種があるが原則医師主導で行われる。」のに「医師主導の臨床試験は、実質企業主導」というのであれば、論理的には、「臨床試験はことごとく企業主導」という事になりませんか?

それで「企業主導だと企業に法的な責任・義務が発生する」のに、何故「恣意的なバイアスが入った臨床試験や論文が大量に発生する。」事になるのでしょうか。どうも整合していないように思えます。

それはそれとして、今は、NATROMさんが紹介なさった研究がどうか、という話なのですから、そもそも、それを個別具体的に検討していくべきではありませんか。

一般に研究の質というのは、標本はどう採られたか、どのようなコーホートか。対照はどのように設定されているか、無作為化されているか、遮蔽法か、検査や診断の方法は適切か、どのような統計解析法が選択されたか、結果がどのように解釈され、どのような展望が述べられているか、古い研究であれば、それが現在の知見にどのように結びついているか
等々によって評価されるべきだと思いますが、横からコメント さんの述べられた根拠は今の所、「医師主導の研究であるから」という事のみですよね。「これだけ」の条件で当該研究が信頼出来ないものであると看做せるには、「医師主導の研究は概ね(個別具体的な検討が要らないくらいに)信頼出来ないものである」という前提が必要ですが、それを支持する論拠はあるのでしょうか。

後、
▼ 引  用 ▼
1)を否定することは「医大生のほとんどはカラーアトラスを自宅に持って帰って勉強するのを嫌がる」を否定するのと似たようなものだからな
▲ 引用終了 ▲
この喩えの意味が解りません。

横からコメント横からコメント 2015/07/02 12:46 > <医師主導の臨床試験であれば ≪中略≫ 変わらない>
その通りです。

> どうも整合していないように思えます。
それは現場をみてれば私のあげた数行だけで全部分かる。

現場にいない人に分かるように説明すると・・・。
特に(製造法の)特許を取得した直後の医薬品の臨床試験の計画は、あえて名目上医師主導の臨床試験を行う。
なぜなら結果を改ざんし放題だから。
例えば企業主導の場合、提出済みの臨床試験計画を変更をするには書類提出が法律で義務付けられている。
それが医師主導の場合は法で定められていなくてリスクが低い。
他にも検査データを恣意的に弄りやすい(バレても法律上罰せられない)。

だから現場で治療法を決定する人は、恣意的なバイアスも検討して決定する。

実際にエビデンスレベルの高い臨床試験結果や論文に記載された切れ味が「どうも一致しない=(これも改ざんされた論文でないか?)」といったことはよくある。

>1)を否定することは「医大生のほとんどはカラーアトラスを自宅に持って帰って勉強するのを嫌がる」を否定するのと似たようなものだからな
そりゃ医大生だった人ならすぐ分かるような例えですから。
恐らくNATROM氏は医大生だった時期があるはずなのでわかって頂けれると思いますよ。
例えば「解剖の前に予習しない学生や大雑把な学生は神経をプチプチ切ってしまう」に対して
「間違って切ってしまっても神経同士を紐でつなげるから普通は大丈夫なんですよね。」と返し、
さらに
「でも神経叢の神経の分岐で切ったりするとどこから分岐したか分からなくて大変ですよね」
「あるある。」
「しかも神経叢は特徴的な個人差があると教科書通りの経路になっていないから復元できないしね」
「でも、その個人差が臨床では〜〜手術では〜〜」
って話が膨らむわけだ。

ublftboublftbo 2015/07/02 13:21 (横からコメント 2015/07/02 12:46)

ああ、形式上は医師主導であるが、実質的には企業が大きく関わっている、という意味合いですか。やっと了解出来ました。
それにしても、「医師主導」「企業主導」という専門用語を使っていてそれを重要概念として扱っているのに、「実質企業主導」という表現で「名目は医師主導」を指すというのは、だいぶん解りにくいものと思います。

先の喩えは、NATROMさん個人に宛てたものという事ですね。

ところで、上でも書きましたが、今は具体的な研究の話なので、それを個別に検討する必要があると思うのですが、そこについてはいかがでしょうか。
たとえ、「結果を改ざんし放題」だとしても(※これはあくまで仮定です。改ざんし放題というのがほんとうかは別の話)、即座に「この研究成果は改ざんの結果である」とはなりませんよね? 今の所挙げられている根拠は、業界の傾向がこうだからその研究も信頼がおけないであろう、という事だけですね。

再掲します、
▼ 引  用 ▼
横からコメント さんの述べられた根拠は今の所、「医師主導の研究であるから」という事のみですよね。「これだけ」の条件で当該研究が信頼出来ないものであると看做せるには、「医師主導の研究は概ね(個別具体的な検討が要らないくらいに)信頼出来ないものである」という前提が必要ですが、それを支持する論拠はあるのでしょうか。
▲ 引用終了 ▲

横からコメント横からコメント 2015/07/02 14:37 専門家以外が現場を無視してそう結論付けるのも有りでしょう。

NATROM氏はどうも枝葉ばかりに囚われて全体が見えてないようです。

臨床におけるEBMってのは複数の治療法を相対的に比較するために主に使われるんです。
研究手法の違う論文(研究結果)を相対基準で比較したり、比較的近い症例での適用を検討したりなどです。
その中でバイアスを無視してエビデンスレベルだけで決めるなんぞあり得ないんです。


>医師主導の研究は概ね(個別具体的な検討が要らないくらいに)信頼出来ないものである」
医師として働いていれば企業の恣意的なバイアスがかかってるなんて
「カラーアトラスを自宅に持って帰って勉強するのを多くの人が嫌がる」くらい当たり前のことなんです。
特に日本では医師主導の臨床試験で顕著です。
(正確には医師主導の研究の大部分を占める、企業から人材・労力・資金が提供された研究)
現場にいれば誰もが感じることです。
論じるとかそういう以前の問題です。


当然恣意的なバイアスがかかっているかどうかは、読む側からは推測しかできません。
ですが明らかに臨床で切れ味が悪いとか、論文の時代背景を読むとバイアスの程度や有無が確信できます。

バイアスを考慮せずにエビデンスレベルの高い論文をリストで紹介するだけなんてナンセンスだというんです。

ublftboublftbo 2015/07/02 15:15 (横からコメント 2015/07/02 14:37)

どうも、トートロジカルな事しか仰っていないように見えます。ほとんど、「医師主導の研究は信頼がおけない。何故なら医師主導だからである」となっているではありませんか。

▼ 引  用 ▼
特に日本では医師主導の臨床試験で顕著です。
(正確には医師主導の研究の大部分を占める、企業から人材・労力・資金が提供された研究)
現場にいれば誰もが感じることです。
▲ 引用終了 ▲
これほどの、社会的な大問題に繋がるような事の根拠が、「感じる」で済まされるのでしょうか。医師主導の臨床試験がことごとく信頼出来ないのは何故か、と問われて、「現場にいれば誰もが感じる」と返すのは、それこそ、「先生が薬は効くと言っている」と同じように思えますが。

▼ 引  用 ▼
当然恣意的なバイアスがかかっているかどうかは、読む側からは推測しかできません。
ですが明らかに臨床で切れ味が悪いとか、論文の時代背景を読むとバイアスの程度や有無が確信できます。
▲ 引用終了 ▲
これは、臨床研究は、紹介する人が臨床で用いて実感しなければ、それを紹介しても意味が無い、というご主張ですか?

医師主導の臨床研究はバイアス(統計上の意味と紛らわしいですがそのまま用います)がかかっているので信頼出来ない、というのなら、いったいどうやって、ある治療法なりの有用さを、科学的(医学的)知識として共有するというのでしょうか。

と言うか、「現場」と何度も強調なさっていますが、実際、現場での使用におけるバイアスはどのように処理されているのでしょうか(利害関係の、という意味ではありません)。
そもそも臨床研究を行う意義の内には、研究者によるバイアスをなるだけ排除し、交絡の影響などもきちんと評価出来るように、という目的もあるでしょう(繰り返しますが、ここで言っているバイアスというのは、疫学の方法上のものの事です)。

たとえば、エビデンスレベルが高い研究について、医師が「現場で使ってみたが切れ味が悪いと感じた」と表明したとして、「誰がどのような理路でそれを信用する」のでしょうか。

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横からコメント さんは、文面から、医師だと拝察されます。そして、そのご主張は、現場の医師なら容易に察せられる、とも仰っています。
それで、こちらのブログは当然、現役の医師の方もたくさんご覧になっていると思うのですが、実際、横からコメント さんのご意見はどう写っているのでしょうか。興味のある所です。 もしかしたら実際その通りで、私の言っている事が全く的を外している可能性もありますし。

横からコメント横からコメント 2015/07/02 16:06 NATROMさん、私は少なくとも「医師主導」に関しては20年以上前から感じていましたし、やっと社会問題なったじゃないですか。氷山の一角ですが。

まずはノバルティスと医師主導で検索されてはいかがですか?

NATROMNATROM 2015/07/02 19:38 「医師主導の臨床試験はバイアスが入りやすい」というのが仮に事実だとして(バイアスの入った医師主導の臨床試験が存在するのは事実だろうと私も思う)、「EBMで考えると『先生が薬は効くと言っている』と同等」という結論は導けないと思います。さらに、横からコメントさんのおっしゃることは日本での医師主導の臨床試験の話であって、デヴィタ医師による1976年の研究には当てはまりません。

そもそも、乳がんの術後補助化学療法はすでに標準医療ではないですか。長い歴史があって、その有用性は近藤誠氏のようがごくまれな例外を除いて、「医師はそれを当然知っている」のではないですか。それとも、乳がんの術後補助化学療法もエビデンスが不十分であると横からコメントさんはお考えなのですか?

「カラーアトラスを自宅に持って帰って勉強するのを嫌がる」という話はぜんぜんピンと来ません。実習室に持ち込んでホルマリン臭やらがするのが嫌だから、とかいうことですか?こういっては何ですが、横からコメントさんが持ち出す「現場の当たり前」は、いかにもニセ医者が医者の振りをするときに持ち出すようなお話のように思います。でなければ、医学生の経験はあるけれども臨床医の経験はない人が言い出しそうな話です。

よしんば私が「現場の当たり前」を知らないとして、他の臨床医のみなさんも読まれる中、医師を名乗ってブログやツイッターで発言し続け、しかも本まで出させてもらったわけですから、それはかなり巧妙だと言えます。

十六夜十六夜 2015/07/02 23:48 本題とは関係ありませんが…。

「横からコメント」さんは何度も「現場」とか「専門家」などと連呼して医師であることを匂わせていますが、よくよく読んでみると「自分が医師である」とは一言も言っていませんね。それどころか「現場」が「医療業界」や「医薬品業界」であるとも明言していません。

これは「〜という理由で『横からコメント』はニセ医者だ!」と言い出す投稿者が出たとして「私がいつ自分が医者と言いましたか。(ドヤァ)」と返す為のトラップなのではないかと疑っています。こんな私は陰謀論者かもしれません。

でも、「横からコメント」さんが本当に医者であったとしても、大して驚きはしません(本当はちょっと驚く)。いつぞやも書きましたが、近藤誠氏も内海聡氏も新谷弘実氏も医師ですからね。伊藤隼也氏は違うようですが…。

十六夜十六夜 2015/07/05 09:35 またもや本文と関係ない話で申し訳ありませんが…。

医師でない人がネットや教科書にあまり載っていないマニア情報を披露して医師の振りをする選手権とか(一番それらしいことを言った人が優勝)見てみたい気もしますね。

では私もひとネタ…。

「ほとんどの医師にとって支払基金は敵」
「ほとんどの医師にとって国保連合会は敵」
「ほとんどの医師は生命保険会社が嫌い。特に外資系の生保会社の診断書は面倒」

こんなんでどうでしょう。(しかし、マニアックなものであればあるほど、医師以外の人はイミフなので面白くないというジレンマ…)

ちなみに、「解剖で脂肪片」ネタは「研修医なな子」にも載っていましたね。

NATROMNATROM 2015/07/14 15:42 当エントリーのコメント欄だけでも明らかなように、横からコメントさんは、確立された標準医療である乳がんの術後補助化学療法に否定的であるトンデモさんです。2015年7月3日に、おそらくは誤って「韓国における甲状腺がんの過剰診断」のコメント欄に横からコメントさんがコメントしました[ http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20150630#c1435894389 ]。以降、2015年7月14日まで「韓国における甲状腺がんの過剰診断」のコメント欄において議論が続きましたが、甲状腺がんとも過剰診断とも無関係な議論であり、当エントリーに議論の場を戻します。

よくいるトンデモさんと同様に、横からコメントさんは以下の質問に答えられてません。

(1)横からコメントさんは臨床医ですか?医師免許をお持ちですか?
(2)現在の教科書には「乳がんの術後補助化学療法」について書いてありますか?
(3)現在の教科書には「心血管系疾患の二次予防についてのスタチンの有用性」について書いてありますか?
(4)横からコメントさんが行っている診療について教えてください。できれば具体的に。「EBMはあくまで相対指標」などといって、標準医療を否定し、エビデンスの乏しい診療をしているのではないですか?
(5)ご提示の"Low Protein Intake Is Associated with a Major Reduction in IGF-1, Cancer, and Overall Mortality in the 65 and Younger but Not Older Population"という論文については、グルコース摂取ではなくタンパク質摂取についてのものであり、かつ、ヒトについては介入研究ではなく観察研究に基づいたものであり、「グルコースは摂らないほうが良い」かどうかはなんとも言えないという主張を支持するものである、という主張に反論は?
(6)横からコメント さんのご主張が妥当だとすれば、標準治療や診療ガイドラインなどの概念が、ほぼ無意味・無効なものであると看做さざるを得なくなりませんか?

横からコメントさんは、当エントリーにコメントしたい場合、必ず上記コメントに答えてください。

NATROMNATROM 2015/07/14 15:42 「一つの捏造や、専門家間の健全な議論の存在を持って分野全体を否定する」する横からコメントさんの論法は創造論者と同じであるという私の指摘に対し、横からコメントさんは以下のようにコメントしました( http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20150630#c1436853051 )。


>横からコメント 2015/07/14 14:50
>ダーウィンの進化論が否定されつつあるのも知らないとは。
>10年くらい前からエピジェネティクスという説が出てきて、ダーウィンの進化論を否定つつあります。(コリンを投与したマウスの記録更新など)

>癌に遺伝子が大きく関わっているのに進化論とか・・・。
>笑っちゃいますね


「10年くらい前からエピジェネティクスという説が出てきて」というのは誤りです。もっと以前からあります。今から11年前、2004年に「エピジェネティクスと獲得形質遺伝」というエントリーを私は書いています。

エピジェネティクスと獲得形質遺伝
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20040813#p1

別に最新の説について書いたのではありません。11年前には既に、進化論について話そうかっていう人たちにとっては、専門家ではない素人であっても、エピジェネティクスは押さえておくべき基本的な事項の一つだったのです。もちろん、「ダーウィンの進化論が否定されつつある」というのは事実ではありません。

横からコメントさんは、論法だけでなく、知的レベルも創造論者と同じであるようです。

横からコメント横からコメント 2015/07/14 15:49 下記発言が削除されたようですね。
貴方にとっては、私の書き込みの削除のほうが先方のブログ主への対応より優先するようです。まあ、先方のブログ主を対した知識もなくニセ医学と書くくらいですから、まあ驚きませんが。
以下削除された書き込み
http://blog.goo.ne.jp/avin-hmp/e/3cd943ee5eaf15098175d73efc3b0775
上記URLをとりあげたところ、有効な持論の肯定方法が見つからず、人格面からの否定を敢行。
以下NATROMさんの発言

>>ご紹介のブログでは「抗糖化 で 減らせAGEs 」と書かれています。AGEsに関するエビデンスがエキスパートオピニオンぐらいしかないので、ほかの研究も「エキスパートオピニオンレベルまで下げる必要がある」と主張したいのでしょうね。

>>抗糖化やらAGEsやらに関連したアンチエイジングにかぶれたトンデモさん(非医師または能力の低い医師)が、自説のエビデンスレベルの低さをごまかしたいため、ニセ医学的な主張と親和性を高めた、ってところでしょうかね。

>>あの引用のやり方はいくらなんでも無いでしょうに。

ここで私が引っ張ってきただけと分かった途端にマズイと思ったのか批判がなくなり引用者のせいにする。(引用者によって情報の質が変わってしまうようですね)


>>それが臨床的なアウトカムとどう結びつくのかが重要なんです。
またまた言い訳が出てきます。
どういう了見でしょうかね。

≫ニセ医学的な主張と親和性を高めた、
特に上記の発言をした本人のコメントでAGEsを(検査?)指標としてどーたらこーたらと的はずれな発言をする素人がニセ医学と断定している。

横からコメント横からコメント 2015/07/14 16:26 仮にもEBMを実践する医師がエビデンスとは関係ない所で人格面からの否定で論文を否定しようとする行為は、
ノ社の捏造問題・副作用虚偽報告問題をもってノ社の医薬品を全てを否定するひとと変わりませんね。

当たり前のことですがあのブログの図から議論すべきは、ブログ主の人格ではなく図についてである。
ようやく先週金曜日に初めて議論(原著〜〜〜)に応じたものの、その間に行われた貴方の発言はどういう了見でしょうかね。

それが開口一番「ニセ医学」とは。
しかもAGEsを指標とか意味不明なことを抜かす素人がニセ医学と断定するとか。

貴方の手法は、とりあえず相手のアラを探して人格否定。
消去法で自信を正当化するだけ。
それ以外で自身を正当化できないからでしょう。

今度はどんな発言をするんでしょうかね。
これまでの流れからして私を否定して自己正当化をするのでしょうがね。

NATROMNATROM 2015/07/14 16:45 横からコメントさんの提示するURLには「罰則付き新規性で激変したスタチンの評価」という画像があり、2004年EU新規制の前後で、大規模スタディにおけるスタチンの有効性が低下したように見えることを持って、「スポンサー(製薬会社)を外すとスタチンには心臓血管疾患による死亡率低下は認められないという事」という誤った結論が述べられています。ネタ元は浜六郎氏なんですが、私の知る限りではこの図は和文誌にしか載っていません。まあ別に英文誌に載っていてもおかしくはないですが、まともな雑誌ならdiscussionにおいて、私が以下に述べるように、「スタチンには心臓血管疾患による死亡率低下は認められない」なんて結果が導けないことが書かれるはずです。

まずは基本事項から。2004年の段階では、既に心血管疾患の二次予防におけるスタチンの効果は確立されたものだったんです。なので、スタチン vs プラセボのような、単純に心血管疾患の二次予防におけるスタチンの効果を評価する臨床試験は倫理的に組めるはずがありません。よって、2004年EU新規制後の、スタチンの効果が乏しいように見えるスタディは、単純に心血管疾患の二次予防におけるスタチンの効果を評価したものではない、ということがわかります。いくつか原著にあたってみました。


4D(アトルバ):
そもそも二次予防じゃない。血液透析を受けている2型糖尿病患者に対する心血管イベントの一次予防についての臨床研究。

SPARCL(アトルバ):
これは二次予防効果を見ているが、心血管疾患ではなく、脳血管障害が対照。しかも、一次エンドポイントである脳卒中の再発はちゃんと抑制している。

ASPEN(アトルバ):
これも一次予防。しかも、LDLコレステロールレベルが高くない2型糖尿病患者が対照。

ILLUMINATE(アトルバ±torcetrapid):
一次および二次予防。ポイントは全例にスタチン(atorvastatin)が入っていること。atorvastatin+プラセボ 対 atorvastatin+torcetrapidの比較。


もういいでしょ。要するに、2004年EU新規制後のスタディでも心血管疾患の二次予防におけるスタチンの効果はまったく揺らいでいないわけ。心血管疾患の二次予防に効くことはわかっています。「脳血管疾患の二次予防には効くのだろうか?」「あまりLDLコレステロールの高くない人にも効くのだろうか?」「スタチンに加えて別の薬を追加したらもっと効くんじゃないか?」という臨床的な疑問に対してスタディが行われたんですよ。

「これはガチで効く」という対象については効果があることが既にわかっています。臨床研究の対象は、その周辺の「これはもしかしたら効くんじゃね?」ぐらいの対象に移っていくから、EU新規制があろうとなかろうと、時間の経過とともに、「罰則付き新規性で激変したスタチンの評価」のような現象は起こるんです。

こんなことは原著論文にあたればすぐわかります。だから、「罰則付き新規性で激変したスタチンの評価」は、まともな医師には相手にされていないでしょ。「抗糖化で減らせAGEs」とか言っている外科医や、横からコメントさんのような論文を読む能力に欠けた人しか騙せない。あなた、騙されているんです。それとも騙しているほうですか?

反論するならば、以下の質問に答えてくださいね。答えらずに逃げるだろうと思いますが。

(7)「罰則付き新規性で激変したスタチンの評価」で言及されていた論文を一つでも読みましたか?
(8)2004年EU新規制後のスタディでいいですから、「心血管疾患の二次予防におけるスタチンの効果」を否定したスタディを挙げてみてください。
(9)「罰則付き新規性で激変したスタチンの評価」について述べてある、査読つき論文を紹介してください。和文誌しか見つけられません。
(10)和文誌しかないとして、いったいなぜだとお考えですか?スタチンを売る製薬会社の巨大な陰謀でもあるのですか?

横からコメント横からコメント 2015/07/14 16:51 今、私が貴方と同じ方法で、「相手を否定して自己正当化」を行っていることに気がついてるんでしょうか。
私は問題の本質でないので貴方のようなやり方はしませんでしたが、
ここまで酷いと同じやり方でし返したくなるものです。

こうしている間にも一切、あちらのブログ主への謝罪はないこと、
他の書き込みがあることからニセ医学のブログには謝罪は不要と判断したということでしょうね。

まあ、図のことに絞って議論するところをみると少しは成長したようですが
これまでやったできことは変えられません。

あと、貴方は他者の否定からしか自己を正当化できないから、
わざわざ否定できるような材料を与える必要はありません。

NATROMNATROM 2015/07/14 17:17 論文を読み根拠を提示して主張を展開している私と、質問から逃げ続けてまともな論文を挙げられない横からコメントさんの、どこが「同じ方法」なのでしょう。

エピジェネティクスについても、「罰則付き新規性で激変したスタチンの評価」の誤謬についても、反論はないようです。反論できないからだと、分かっていますが。

それから、私が批判したのは、「抗糖化で減らせAGEs」とか言っている自称外科医氏の人格ではなく、能力です。まともな能力を持った医師であれば、「スポンサー(製薬会社)を外すとスタチンには心臓血管疾患による死亡率低下は認められないという事」という誤った結論には至りません。反論があれば、このコメント欄か、ご自分のブログでなさればよろしい。横からコメントが代わりに反論なさってもいいですよ。

横からコメント横からコメント 2015/07/14 17:29 >>まともな能力を持った医師であれば
その言葉をそのまま返します。
まともの能力を持った医師であれば、一つ二つ自分と異なる見解があったとしても自分の専門外で相手を否定しません。
貴方が師事した先生(特に高齢の先生で)がEBMで明らかにおかしいと思うことを実践している方がいるとしてもニセ医学などとは言わないでしょう。

あ、貴方は師事した先生もニセ医学という不届き者でしたか。

NATROMNATROM 2015/07/14 17:44 >まともの能力を持った医師であれば、一つ二つ自分と異なる見解があったとしても自分の専門外で相手を否定しません。

相手を否定しているという点においては、私も、自称外科医氏および横からコメントさんも同じなんですよ。それとも自称外科医氏の「動脈硬化していないか?日本動脈硬化学会」という物言いは相手を否定しているのではないので?横からコメントさんは、乳がんの術後補助化学療法についての知見を積み重ねてきた人たちを否定していますよね。否定と言うか、愚弄していると私はみなしています。

相手を否定しているという点においてはお互い様。違うのは、私は根拠を持って批判しているのに対し、横からコメントさんは間違いの指摘から逃げて逃げて逃げ続けていることです。


>貴方が師事した先生(特に高齢の先生で)がEBMで明らかにおかしいと思うことを実践している方がいるとしてもニセ医学などとは言わないでしょう。

言いますが。というか、倫理的に言うべきでしょうよ。患者さんの命に関わることですよ。横からコメントさんは言わないのですか?患者さんの命よりも師事した先生の面子が大事なのですか。

能力不足とかいう問題じゃないですよ。倫理的にもアウトじゃないですか。

NATROMNATROM 2015/07/14 18:00 幸いにも私が育った環境では、先輩後輩関係なく、批判し合うことが良しとされていました。ディスカッションとか、カンファレンスとか、そのためにやるんでしょ。スタチンや乳がんの術後補助化学療法を否定するレベルのトンデモさんは、少なくとも私の同窓にはいません。何事にも例外はありますので、そういうトンデモさんも過去にはいたかもしれませんが、相互批判を良しとするコミュニティからは離れていかざるを得なくなります。

横からコメントさんは、そうしたことを教えてもらえなかったのでしょうね。「明らかにおかしい」ことを実践していたとしても、師事した先生を批判することは「不届き者」とされる環境で育ったのでしょう。後輩やコメディカルから「横からコメント先生は、この点で間違っているのではないですか」なんて指摘されようものなら、「不届き者め」などと怒ったりしていませんか。

悠 2017/02/18 08:58 僕の調べでは、'85年のデヴィタ医師の議会発言は「反抗がん剤遺伝子(ADG)の発見にショックを受けている」というものでした。
人間には抗がん剤の効き目を無力化する遺伝子があり、ある一定期間同じ抗がん剤を投与し続けるとそれが発動して抗がん剤が無力になる。
しかしデヴィタ医師は諦めず、'88年にNCIの所長を辞めてから現在も抗がん剤の可能性を信じて研究を続けている抗がん剤肯定派医師の一人なんだろうと思います。
だからNATROMさんが引用した2008年のレポートにも、デヴィタ医師は抗がん剤を肯定的に書いたものと思われます。

しかしこれはあくまでデヴィタ医師個人の意見に過ぎません。抗がん剤が無力であること、それどころか有害ですらある可能性はまったく排除されません。
'87年、アメリカの上下両議院の多数の議員が連盟でOTA(アメリカ議会技術評価局)にがん調査の専門プロジェクトチームを発足させ、レポートにまとめました。このOTAレポートは三大治療の欠陥を指摘し、NCIを厳しく批判しています。

それを受けてNCIも重い腰を上げて調査を開始し、'88年、調査結果を公式レポート「がんの病因学」として発表しました。そこに「抗がん剤はむしろ増がん剤である」と書かれています。
同年にデヴィタ医師がNCI所長を辞めているのは、内部でなんらかの確執があったことが想像されます。
日本の抗がん剤の説明書にも副作用として「二次癌の発生」があることが明記されています。

NATROMさんが、デヴィタ医師の議会発言なんていう枝葉末節なネットの情報だけを取り上げて批判する一方で、公式文書であるOTAレポートやがんの病因学には一切触れないのは一体なぜでしょうね?

「デヴィタ医師の議会発言」についてNATROMさんは「きちんとソースが提示されたものは見つかりません」と言っているだけで、別に自ら議事録を探し出して発言が無かった事を証明したわけじゃないんですね。
「捏造されたものだと私は思います」と言っているだけで「捏造であることを証明」したわけでもない。
なんだかなぁ・・・。
この程度の情報でよく「真偽の疑わしい医学情報を拡散する前に、もしその情報が嘘だった場合のことも考えてみてください。」と言えるものだと思ってしまいます。

「捏造」という言葉のもつパワーは強いです。
この二文字を目にするだけで代替治療否定論者になってしまう人もいるでしょう。
反面教師にしたいですね。

ちなみに僕も30年も前のアメリカ議会の議事録なんてどこで入手できるのかわからないし入手しようとも思っていません。はっきり言えばそんなものはどうだっていいです。
「OTAレポート」や「がんの病因学」のような公式レポートや統計データ、そしてなにより30年も前の話より最新の医学情報を知ることのほうがはるかに重要です。

NATROMNATROM 2017/02/18 10:06 悠さん、コメントありがとうございました。

>僕の調べでは、'85年のデヴィタ医師の議会発言は「反抗がん剤遺伝子(ADG)の発見にショックを受けている」というものでした。

ありがとうございます。ソースがあれば教えてください。


>しかしデヴィタ医師は諦めず、'88年にNCIの所長を辞めてから現在も抗がん剤の可能性を信じて研究を続けている抗がん剤肯定派医師の一人なんだろうと思います。

おっしゃっている意味がよくわかりませんが、もしかしたら、悠さんは、「反抗がん剤遺伝子」なるものが抗がん剤にまったく意味がないことを証明するものであると誤解しているのではありませんか?抗がん剤は使用していくにつれて効果が落ちます。とくに固形がんの場合はそうです。別に「反抗がん剤遺伝子」があるとなかろうと、そんなことはとっく臨床的にわかっていたことです。しかしながらそのことは抗がん剤が無意味であるとか、効果がなく害しかないとかいうことでありません。最終的には効かなくなるとしても、生活の質を改善したり、生存期間を延ばしたりすることには意味があります。


>'87年、アメリカの上下両議院の多数の議員が連盟でOTA(アメリカ議会技術評価局)にがん調査の専門プロジェクトチームを発足させ、レポートにまとめました。このOTAレポートは三大治療の欠陥を指摘し、NCIを厳しく批判しています。

ソースの提示および「三大治療の欠陥を指摘」してある部分を引用してください。とくに「抗がん剤が無力であること、それどころか有害ですらある可能性」の部分について。まともな公的なレポートであればメリットについても言及してあるはずです。


>それを受けてNCIも重い腰を上げて調査を開始し、'88年、調査結果を公式レポート「がんの病因学」として発表しました。そこに「抗がん剤はむしろ増がん剤である」と書かれています。

これについてもソースおよび引用をお願いします。好意的に考えて、単に二次発がんについて言及してだけなのだろうと思います。抗がん剤の治療が進歩して、がんの患者さんが長生きできるようになると、抗がん剤の副作用としての二次発がんが問題になってきます。


>NATROMさんが、デヴィタ医師の議会発言なんていう枝葉末節なネットの情報だけを取り上げて批判する一方で、公式文書であるOTAレポートやがんの病因学には一切触れないのは一体なぜでしょうね?

まともな公式文書には、抗がん剤を全否定するようなことが書かれていないからです。デメリットについては書かれています。抗がん剤治療は、他の医療行為と同じく、メリットとデメリットがあり、メリットがデメリットを上回るときに使用されます。


>「OTAレポート」や「がんの病因学」のような公式レポートや統計データ、そしてなにより30年も前の話より最新の医学情報を知ることのほうがはるかに重要です。

だったら、「OTAレポート」や「がんの病因学」も古いです。普通の臨床医が行っているように医学論文や系統的レビューから情報を得ればいいですね。化学療法の有用性の情報はいくらでも入手できます。というか、だからこそ抗がん剤が実地臨床で使用されているのです。

医学論文を読めない一般の人たちを騙すことを目的に、抗がん剤のメリットを隠してデメリットのみを強調するニセ医学に騙されないようにしましょう。「公式レポート」も、たとえば「抗がん剤には○○というメリットがある。一方で××というデメリットがある。今後、抗がん剤のメリットを大きく、デメリットを小さくしていくために研究を続けましょう」などと書いてあるのに、そのごく一部の「××というデメリットがある」という部分だけを取り出して、さも抗がん剤が無力で害しかないように誤解させることができます。騙されないためには、原文にあたる必要があります。

悠さんは原文を読みましたか?