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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2016-01-24 「ガーダシルの効果は4年で45%まで落ちるらしい」というデマ

[]「ガーダシルの効果は4年で45%まで落ちるらしい」というデマを検証してみた 「ガーダシルの効果は4年で45%まで落ちるらしい」というデマを検証してみたを含むブックマーク

HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんの原因である。ワクチンでHPVの感染を防ぐことで子宮頸がんの予防が期待できるが、HPVワクチンについて議論が生じていることは周知の通りである。議論するのは構わないし、むしろ議論するべきだと思うが、その中には「いくらなんでもこれはない」という主張が散見される。しかも私の見るところでは、ワクチン反対派にそうした主張が多い*1

一例として、「CIN3の80%は、5年以内に、癌へ進行することはなく、CIN3の60%は30年以内に浸潤癌に進行しないということです。この数字で、CIN3を癌の指標として使うことは適当なのでしょうか?」*2という主張の不適切さについて指摘した。CIN(子宮頸部上皮内腫瘍:Cervical intraepithelial neoplasia)は子宮頸がんの前がん病変である。子宮頸がん検診を行う目的は、子宮頸がんが進行する前にCINの段階で発見して早期介入することで、子宮頸がんによる死亡を抑制することである。

CIN 3がすべて癌に進行するわけではないのは事実である。しかし、CIN 3のうち、20%が5年以内に、40%が30年以内に浸潤癌に進行するのだ*3。HPVワクチンがCIN 3を抑制できるのであれば、浸潤癌も抑制するであろうと考えるのは合理的である。また、CINのなかでも進行度の高いCIN 3は円錐切除術などの治療の対象である。CIN 3を抑制できるなら、円錐切除術を受ける人を減らせることができるわけで、これもワクチンのメリットである。CIN 3は代理指標であるが、一方で有用な指標でもある。

『葉月のブログ』は、こうした私の指摘*4には具体的な反論をせず、今度は「ガーダシルの効果は4年で45%まで落ちるらしい」と言い始めた*5。ガーダシルとはHPVワクチンの商品名である。「効果は4年で45%まで落ちる」というのは、これまでの知見と矛盾しているように私には思われた。ランダム化比較試験ではもっと効果が高かったはずである。『葉月のブログ』の主張の根拠はVaccine誌に掲載されたLetter to the Editor*6で引用された、調整有病率比(adjusted prevalence ratio)が0.55という数字である。ちなみに雑誌にもよるがLetter to the Editorに掲載される主張は必ずしも質は高くない。ホメオパシーに否定的な論文に対して、ホメオパスからの反論がLetter to the Editorに載ったりすることもある。

Letter to the Editorに引用された論文*7を読んでみて合点がいった。「ガーダシルの効果は4年で45%まで落ちるらしい」という主張は誤りである。だが、一般の読者に伝わるように説明するのは難しい。

HPVワクチンが前がん病変を減らすことは、複数の質の高いランダム化比較試験で証明された疑いようのない事実である。ただ、臨床試験で好成績であっても、実際の臨床の現場、つまり「リアルワールド」で有効かどうかは別問題である。そこで、この論文では、観察研究に基づいてリアルワールドでのHPVワクチンの評価を試みた。調整有病率比が4年後に0.55になることを示したTable 2を引用する。aPRが調整有病率比である。


f:id:NATROM:20160124150553j:image

Hariri S et al, Vaccine. 2015 Mar 24;33(13):1608-13. , Reduction in HPV 16/18-associated high grade cervical lesions following HPV vaccine introduction in the United States - 2008-2012. より引用


赤枠で示したように、HPV 16/18に関連したCIS 3/AIS(上皮内腺癌)において、ワクチン接種から診断まで>48 mos(48か月以上、つまり、4年以上)では調整有病率比は0.55である。これを4年でワクチンの効果が落ちると解釈するのは誤りである。もし4年で効果が落ちるのであれば、4年未満ではもっと調整有病率比は小さい(効果がある)はずである。しかし、3年目までは調整有病率比はほとんど1で、3年以降にやや減少傾向が見られる。

子宮頸がんの自然史とHPVワクチンの作用を考えれば、これらの結果は不思議ではない。現行のHPVワクチンはすでに感染したHPVを排除する作用はない。新たな感染を予防するだけである。また、HPV感染がCINを経て浸潤癌に進展するには数年から十数年はかかる。

リアルワールドでは、HPVワクチン接種はすでにHPVに感染している人に対しても施行される。HPVに感染していない人はワクチンによってHPVに感染しにくくなるが、その効果がCINの有無として見えてくるのは数年後である。ワクチン接種者と未接種者の差は、つまりワクチンの効果は、CIN 2の減少が先行し、次にCIN 3の減少が、その後に浸潤子宮頸がんの減少が生じてくる。

この研究はCIN 2以上の病変は2年後以降に有意差をもって減り、その減り方は年を経るに従い著しくなる。ワクチン接種群は非摂取群と比較して4年以上ではCIN 2以上の病変は調整罹患率比0.28となる。同時にCIN 3以上の病変も遅れて減りつつあること、つまり、リアルワールドでも臨床試験と同じくHPVワクチンに効果があることを示したのがこの論文である。5年目以降では(ワクチンの効果が落ちるどころか)CIN 3以上の病変はさらに減ることが示唆される。なぜなら、先行してCIN 2が減っているからである*8

医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が「ガーダシルの効果は4年で45%まで落ちるらしい」というブログをツイートしたのを目にして*9、私がいろいろ調べて個人的に合点するまでは15分間ぐらいだったろうか。このエントリーを書くのには2時間ぐらいかかった。『葉月のブログ』も伊藤隼也氏も、Hariri S(2015)を読んでいないと思う。Letter to the Editorの引用から「ガーダシルの効果は4年で45%まで落ちるらしい」などと書くのは数分、ツイートするのは一瞬である。いちいち突っ込んでいられないが、HPVワクチン関連においては、こうしたデマや不正確な言説があふれている。 「嘘をつくのは低コスト、嘘を検証するのは高コスト」という言葉を思い出した。



関連記事

■「HPVは子宮頸癌の原因ではない」というトンデモ説

*1:「いいや、ワクチン推進派のほうがトンデモな主張をしている」と思われる方は、ご自身でそうしたトンデモな主張を批判していただきたい。その批判が正当なものであれば理解が広まるだろう

*2:『葉月のブログ』http://blog.goo.ne.jp/hazukimutsukinagatsuki/e/b898e690523b117d749d994985ca00e7

*3:引用した数字が正しいと仮定して。現在では原則としてCIN 3を無治療で経過観察することはできないので、CIN 3の正確な自然史はわからない。この数字は過去のデータか、もしくは間接的な推測によるものであろう

*4https://twitter.com/NATROM/status/690463171656695808

*5:『葉月のブログ』http://blog.goo.ne.jp/hazukimutsukinagatsuki/e/4fa53e2fc9215bf2263c2859038b677a

*6:Vaccine. 2016 Jan 4;34(2):200, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26232544

*7:Hariri S et al., Vaccine. 2015 Mar 24;33(13):1608-13 , http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25681664

*8:詳細は論文を参照のこと。これらはHPV 16/18特異的な病変の話であって、前がん病変全体の話ではないことに注意。このエントリーにくだらない難癖がつき、医療ジャーナリストが無批判にツイートすることが予測されるが、この研究にはさまざまな制限があることは承知している

*9https://twitter.com/itoshunya/status/690697963039948800

yuzuyuzu 2016/01/24 19:41 臨床実験ではHPVにかかった人は事前に排除されるのでしょうか。もしそうなら、リアルワールドではそれをしない理由は何があるんでしょうか(コストとかかな?)
それと、私はあまり統計に詳しくありませんが、95%clがこんなに広いとなにも言えないと言うのが誠実なのですかね。3年目には1跨いでない分効果がないと言う方が非誠実なことは間違いないですが。
別にHPVワクチンの効果を疑ってる訳ではないです。

NATROMNATROM 2016/01/24 23:35 yuzu さん、コメントありがとうございました。


>臨床実験ではHPVにかかった人は事前に排除されるのでしょうか。もしそうなら、リアルワールドではそれをしない理由は何があるんでしょうか(コストとかかな?)

臨床試験は介入の有効性と安全性をできるだけ理想的な条件下で調べたいわけですので、より効果の明確な集団を選択するのが一般的です。リアルワールドではそこまで厳密に介入対象者を選びません。ご指摘の通りコストが理由の一つですが、「より効果の明確な集団」に当てはまらない人でも介入による利益を得られるようにするのも理由になります。たとえば、60歳以下の高血圧患者を対象にした臨床試験で優れた効果を示した薬があったとして、61歳の高血圧患者に使わないのは倫理的に問題があります。

ガイドライン等では、HPVワクチン接種前にHPVに感染しているかどうか調べることは推奨されていません。"not needed"だけでなく"not recommended"ですので、単に「必要ない」ではなく、「やっちゃダメよ」という意味です。

http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/002780-pdf.pdf
>Do I need to be tested for HPV before getting the vaccine?
>No. Testing is not needed and it’s not recommended. A positive HPV test result doesn’t
always tell you which types of HPV are present. And even after infection with one type
of HPV, the vaccine could still prevent other types of HPV infection. A negative test
cannot tell you if you’ve had HPV in the past.

・HPV陽性であったとしても、必ずしもワクチンで予防可能な型のHPVとは限らない。
・すでにワクチンで予防可能な型のHPVに感染していたとしても、他の型のHPVへの感染をワクチンは予防できるかもしれない。

あたりが理由とされています。すでにHPV16に感染していたとしても、ワクチン接種によって、今後、HPV18の感染が予防できるかもしれません。HPVワクチンは、できればHPV感染前に接種することが望ましいものの、HPVにすでに感染していても一定の利益はあると考えられているのでしょう。


>95%clがこんなに広いとなにも言えないと言うのが誠実なのですかね。3年目には1跨いでない分効果がないと言う方が非誠実なことは間違いないですが。

CIN2+のほうが主眼なのでしょう。CIN3/AISは有意差がないので、あくまで「効果を示唆」ですね。他の研究の知見を合わせて考えるに、有意差がないとは言え、HPVワクチンにCIN3/AIS予防効果があることはほぼ確実だと考えます。この論文の問題点は95%C.Iの広さよりも、観察研究であるため交絡を否定できないことと、調整有病率比が指標として適切かどうかでしょうね。この研究では「HPVワクチンはHPV 16/18に関連したCISを減らすが、全体としてのCISは減らさない」という可能性を否定できません。

2016-01-05 「なんで僕が腹痛なんか診なきゃいけないの?」

[]「なんで僕が腹痛なんか診なきゃいけないの?」 「なんで僕が腹痛なんか診なきゃいけないの?」を含むブックマーク

日本の医療の問題を考える上で、いろいろ示唆に富むまとめ。



■「日本の病院はどーして全く専門知識のない患者本人に受診科を選ばせるのか。自分で科を選んだ結果「何でもありません」と言われて大病だった事がどれだけあったことか(°_°)」に対する意見・感想のまとめ - Togetterまとめ

病院の受付で腹痛を訴える女性。泌尿器科か内科か選べと言われてるが自分じゃわからないですっ!と訴えてる。日本の病院はどーして全く専門知識のない患者本人に受診科を選ばせるのか。



患者さんは悪くない。受付の事務員が悪い。他の人のコメントにもあるように、患者さんは総合病院に受診する前に診療所を受診して紹介状を書いてもらえばよかったという点はあるにせよ、どの科を受診するかの判断を患者さんに投げていいわけがない。「患者に選ばせないと後で苦情が出る」という指摘ももっともであるが、「泌尿器科か内科か選んでください」「自分じゃわかりません」「それならまずは内科にご案内します」で済む話である。とは言え、事務員だけが悪いのではない。この事務員がことさら無能であったわけでも怠惰であったわけでもない。以下は完全に私の想像であるが、そう大して事実と異なっていないと思う。

この事務員さんね、以前に、腹痛の患者さんを内科に案内して、医師に叱られた経験があるんですわ。腹痛で、内科と泌尿器科の二択だったら、普通は内科に案内するでしょ?でかい病院だと、毎曜日に消化器内科の外来があるし、場合によっては総合診療科とかもある。これなら事務員さんは迷わない。でも、病院によっては、消化器内科の外来が休みの曜日もあるんです。下血とか吐血とか、もうこれ明らかに消化管の病気だろ、という場合は、外来が休みでも院内の消化器内科医を呼びます。でも、ただの腹痛でいちいち消化器内科の先生を呼べません。医局で新聞を読んでいるならいいですよ?でも、病棟で入院患者さんを診ていたり、内視鏡の検査をしていたりするんです。忙しいんです。

となると、たとえば、火曜の内科外来の神経内科、肝臓内科、呼吸器内科の3つのうちから事務員さんは選ぶことになります。神経内科は明らかに違うっぽい。医学的には肝臓内科が近いんだけど、肝臓内科外来はベテランの内科部長先生の担当です。ちょっと頼みにくい。「知ってる?肝臓って痛覚がないから痛まないんだよ」と皮肉を言われたこともあるし。

なので、この事務員さん、呼吸器内科の若いドクターに腹痛の患者さんを回したんです。そんで、これが尿路結石で、改めて泌尿器科外来に受診していただいた。この患者さんが「正しく診断し、泌尿器科に紹介していただいてありがとう」ぐらい言えばよかったけど、「なんで腹痛なのに呼吸器内科が診るんだ。初めから泌尿器科を受診していれば二度手間をかけずに済んだのに」とか呼吸器内科医にクレームをつけたんです。この患者さんはきっと、忙しいのに、あちこちに頭を下げて午前中だけなんとか仕事を休んで受診したのでしょう。診療が午後にずれ込むのは困ります。

呼吸器内科の若いドクターも、まさか患者さまに向かって、「知るか!診てもらっただけありがたいと思え」とは言えないので、その場では申し訳ありませんとかなんとか言います。そんでもって文句は事務員さんに言う。「誰がどう診ても尿路結石だろ。なんで呼吸器内科が診ないといけないんだ!」。そんなこと言っても事務員さんは医療従事者じゃないからわかりません。事務員さんは、次から「腹痛ですが、患者さまご自身が内科の受診を強く希望しておられますので」と、患者さんの言質を取るようになります。

プロの医師として、こんなことでスタッフに文句を言ってはいけません。また、たとえ専門が呼吸器であっても、腹痛の患者さんも診れないといけません。肺炎で入院中の患者さんのお腹が痛くなるたびに消化器内科医に相談するわけにはいきません。じゃあ、この呼吸器内科の若いドクターがヤブかというと違います。むしろ優秀なほうです。いつもの彼だったら、事務員に当たり散らすようなことはしません。

前日が宿直であまり寝ていなかったんです。救急車でやってきた脳梗塞の患者さんを入院させてちょっとウトウトとしたところ、夜中の4時に不眠が主訴の患者さんに起こされました。宿直明けは家に帰って休めればどんなに嬉しいか。でもこの病院には呼吸器内科医は彼しかいないんです。呼吸器内科外来を彼以外の誰が診るんですか。午後だって休めません。抗がん剤治療予定の肺がんの患者さんのご長男にご説明の予定です。なんでも、慶応大学の医師が書いた本を読んで治療方針に不信感を持ったとか。

「ご不満があるなら他の病院に移ってもらっていいんですよ」と言えればどんなに楽か。でもそんなことを言ったら治療が遅れます。患者さんの不利益になります。ご家族の信頼を勝ち取って、予定通り治療を行わなければなりません。ご家族も本気で医療否定本を信用したわけじゃありません。ちょっと不安になっただけ。親が大病したんだからそりゃ不安にもなるでしょう。丁寧に時間をかけて説明すれば、たいていは納得してくれるはず。それにしても患者家族を不安にさせ、余計な仕事を増やしやがったあの医者は死ねばいいのに。

眠くても外来です。予約の患者さんだけでもいっぱいいっぱいなのに、初診の風邪の患者さんも受診します。風邪というだけで呼吸器内科に回しやがって!でも、そこはプロですからグッと我慢します。誰かが診ないといけないのです。「風邪が早く治るので抗生物質をください。○○クリニックの先生はすぐ処方してくれましたよ」とか言い始める患者さんにもにこやかに対応します。「だったら○○クリニックのヤブに診てもらえ」とか言いません。

PHSが鳴ります。病棟の看護師からです。「外来中失礼します。××さんが38.1度の発熱です」。「とりあえず発熱時指示のカロナールを使って。レントゲンのオーダーを出します。SpO2が下がったら教えて。あとで見に行きます」。気になる。血ガス取りたい。早く外来を切り上げたい。

そこに腹痛の患者さんですよ。何で僕が診なくちゃいけないの?案の定、尿路結石だったよ。泌尿器科じゃん!患者さんに文句言われたよ。受付は何考えているんだ?馬鹿野郎!

ま、全部、私の想像なんだけどね。でも、寝不足での外来診療はこんな気持ちになるのはホントだよ。医師の数を増やせば問題は解決するのだけど、お金がかかる。だいたい、貧乏が全部悪いという結論になる。



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■病院の待ち時間を短くしよう

kittyguy02kittyguy02 2016/01/06 10:35 割と深刻な想像ですね。
これが本当なら、事務員が全ての科の病状と患者の訴えを把握してないと、診療先を割り振れませんから。
総合病院にはなるべく行かないほうがいいのかもしれませんね。

suzansuzan 2016/01/06 12:18 総合病院は「救急搬送」以外は「紹介状持ち」の患者しかとるべきではないと思います。
まあ地域によっては開業医がまったくいなくて町立の総合病院しかないとこもありますが、
その場合には呼吸器の医者だって怒らないで腹痛患者を診ると思いますが。

NATROMNATROM 2016/01/06 13:10 現在の勤務先では外来看護師が初診患者を割り振ります。けっこう適当。それでもあまりトラブルにならないのは医療者に余裕があるから。事務員に当たり散らした呼吸器内科の若いドクターが、前日に十分に休息をとって予約患者も多くなければ、こんなことにはならなかったんです。

初診患者の割り振りを医学知識のない事務員さんがやってもいいんです。たとえば10%ぐらい間違った割り振りしてもいい。そのあとに医師がフォローすれば問題なし。プライマリケア研修を受けた看護師やエキスパートシステムなら間違った割り振りを10%から1%に減らせるとしましょう(絶対にゼロにはなりません)。そのほうが望ましいっちゃ望ましいんですが、さほどインパクトはありません。宿直明けに休めるほうが医師としては嬉しいです。

科の割り振りよりも、緊急性のある患者さんの拾い上げのほうが重要ですね。優秀な看護師は、待合室を観察して症状の重そうな人をピックアップして医師に伝えてくれます。

AprikeAprike 2016/01/08 09:59 紹介状なしの初診は全部初期研修医がまず診て、それっぽい科に紹介する。そこのコストは選定療養費で1〜2万円ぐらいガッツリ回収。そしたら的外れで怒られたりするのは研修医で済む。

そしたら各科Drのところには院外からの紹介状を持った患者さんと院内からの紹介状を持った患者さんだけが来る。

当日診てもらえるけど高くて2段階の待ちが出て初期研修医が診る外来と
他院経由で当日じゃないかもしれないけど保険診療のみだからリーズナブルで(多分)経験積んでるから精度がいい紹介状を書いてもらってからくる外来ならより適切な経路を辿ってくるんじゃなかろうか。

それなりの人数の研修医を確保できる病院に限りますが。

通りすがり1通りすがり1 2016/01/12 19:13 紹介状なしの初診はすべて総合内科でみることにしたのですが一部は上手くいきませんでした。特に小児科の患者さん、親御さんは最初から専門医受診を希望されていることが多く、専門医でない科になぜ回されるのか、とか。受付で説明はするのですが、「医師が必要と判断したら小児科にみてもらえます」とかいうとじゃあ必要でないと判断されたらみてもらえないのか、せっかく遠くから来たのに、あとで必要な病気とわかったら責任をとってくれるのか、とか。結局総合内科を受診されても小児科希望の方全員、小児科に回ってくるので、それなら最初から小児科でみたほうが早い!と小児科だけは例外となりました。日本は今までどこの病院もフリーアクセスだったので、患者さん自身の意識も変わらないといけないですね。

ら 2016/01/21 18:38 そうだぞ!NATROM先生は忙しいんだぞ!
以前はもっとサボってめちゃくちゃな時間にコメントしてたけど今はこれ位だぞ!
やっぱ叱られたんですかね。
NATROM 2015/12/22 17:30
NATROM 2015/12/28 10:46
NATROM 2015/12/22 17:30
NATROM 2015/12/05 11:38
NATROM 2015/10/08 17:47
NATROM 2015/10/09 09:26
NATROM 2015/10/10 09:28
NATROM 2015/09/04 15:58
NATROM 2015/08/11 15:13
NATROM 2015/07/03 15:18
NATROM 2015/07/06 17:24
NATROM 2015/07/10 17:06
NATROM 2015/07/10 17:50
NATROM 2015/07/14 15:20
NATROM 2015/06/30 17:07
NATROM 2015/06/30 17:32
NATROM 2015/07/01 15:34

ら 2016/01/21 18:52 さすがNATROM先生のお言葉ですね。
>それにしても患者家族を不安にさせ、余計な仕事を増やしやがったあの医者は死ねばいいのに。

さすがのお言葉ですね。

ら〜〜ら〜〜 2016/01/21 18:57 先生の忙しさが分かる様に皆さんに見せてあげます。
まず2つのコメントをご覧ください。

>NATROM 2015/07/14 15:42
当エントリーのコメント欄だけでも明らかなように、横からコメントさんは、確立された標準医療である乳がんの術後補助化学療法に否定的であるトンデモさんです。2015年7月3日に、おそらくは誤って「韓国における甲状腺がんの過剰診断」のコメント欄に横からコメントさんがコメントしました[ http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20150630#c1435894389 ]。以降、2015年7月14日まで「韓国における甲状腺がんの過剰診断」のコメント欄において議論が続きましたが、甲状腺がんとも過剰診断とも無関係な議論であり、当エントリーに議論の場を戻します。

よくいるトンデモさんと同様に、横からコメントさんは以下の質問に答えられてません。

(1)横からコメントさんは臨床医ですか?医師免許をお持ちですか?
(2)現在の教科書には「乳がんの術後補助化学療法」について書いてありますか?
(3)現在の教科書には「心血管系疾患の二次予防についてのスタチンの有用性」について書いてありますか?
(4)横からコメントさんが行っている診療について教えてください。できれば具体的に。「EBMはあくまで相対指標」などといって、標準医療を否定し、エビデンスの乏しい診療をしているのではないですか?
(5)ご提示の"Low Protein Intake Is Associated with a Major Reduction in IGF-1, Cancer, and Overall Mortality in the 65 and Younger but Not Older Population"という論文については、グルコース摂取ではなくタンパク質摂取についてのものであり、かつ、ヒトについては介入研究ではなく観察研究に基づいたものであり、「グルコースは摂らないほうが良い」かどうかはなんとも言えないという主張を支持するものである、という主張に反論は?
(6)横からコメント さんのご主張が妥当だとすれば、標準治療や診療ガイドラインなどの概念が、ほぼ無意味・無効なものであると看做さざるを得なくなりませんか?

横からコメントさんは、当エントリーにコメントしたい場合、必ず上記コメントに答えてください。


NATROMNATROM 2015/07/14 15:42
「一つの捏造や、専門家間の健全な議論の存在を持って分野全体を否定する」する横からコメントさんの論法は創造論者と同じであるという私の指摘に対し、横からコメントさんは以下のようにコメントしました( http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20150630#c1436853051 )。


以上ですが投稿時間が同じです、用意しておいて(いつ書いたかは知らない)投稿してるんですよ!
ヒマなんですね♪

NATROMNATROM 2016/01/21 21:34 内容に反論できないがゆえに、こうした論点を持ち出すしかないご事情に同情いたします。

ら〜ら〜 2016/01/22 00:01 は?
反論するべき内容でしたか?
ただのグチじゃないですか、NATROM先生の忙しさを書いたけど結局暇があるって見える様にしてしまいました。

NATROMNATROM 2016/01/22 00:34 別に私は「呼吸器内科の若いドクター」ではありませんが。

ら〜ら〜 2016/01/22 01:10 は〜?当方そんな事一言も申してませんが?

かばかば 2016/01/22 03:32 下らないコメントですね。

ら〜ら〜 2016/01/23 04:19 かば様
そうですね、NATROM先生ったら勘違いしたみたいですね。

ら〜ら〜 2016/01/23 05:24 どうも誤解されているみたいなので説明します。
この記事に文句はないです。
事務員や患者が知識も無いのに担当医を決めるのはおかしいです。
膵臓や脾臓ガンだったらどう責任とれるのか?患者は自分だから自業自得と言えるかもしれないですがやはり決めるのは医者だと思います。

OceanblueOceanblue 2016/01/23 08:13 若い内科医の記事に「そうだぞ!NATROM先生は忙しいんだぞ!」とか「先生の忙しさ」とか「ただのグチじゃないですか」と、下らないこと書き立てた理由はなんでしょうか?

ら〜ら〜 2016/01/23 21:10 こんな事があったよというグチでしょ?
NATROM先生もでしょうが若い内科医も忙しいでしょ。
こんな事あっちゃいかんね、という認識ですが?悪いですか?

ら〜ら〜 2016/01/23 21:13 タイトルも考えてくれてたらもう少し解かりやすいと思うのですが・・・。
「なんで僕が腹痛なんか診なきゃいけないの?」
だとNATROM先生の事と誤解しやすくなると思いますね。
「若い内科医可哀想」とかの方が感情移入しやすいですね。

ら〜ら〜 2016/01/23 22:46 言われる前に書いておきます。
NATROM先生が関与してる話だと少し錯覚してました。
しかし若い内科医は「なんで僕が腹痛なんか診なきゃいけないの?」と述べていないので僕=NATROM先生だと思っても不思議ではないでしょう。

かばかば 2016/01/24 19:03 いえ、不思議です。

uchitode2014uchitode2014 2016/02/17 20:53 タブレット端末で選択式で問診表を入力して、診療科を割り振ることは現在の技術ででもできそうです。
コンピュータによる病気診断は無理としても、割り振りはできるかと。
そのまま電子カルテに入力内容を渡せますし。

OceanBlueOceanBlue 2016/02/19 15:32 ら〜さん、返事が遅れ、申し訳ありません。

 ら〜さんは全て人のせいにしてお終いなんですね。普通の読解力があればそのようには読まないと思いますが。

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