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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2016-02-06 澤田石先生、過去の教訓を軽視するべきではありません。

[]澤田石先生、過去の教訓を軽視するべきではありません。 澤田石先生、過去の教訓を軽視するべきではありません。を含むブックマーク

HPVワクチンの是非および医療ジャーナリストの信頼性について澤田石先生という方と議論しています。驚いたことに、ワクチンと自閉症の関連が疑われたウェイクフィールド事件について、澤田石先生は知らなかったのだそうです。知らないだけではなく、「関心なし」とのことです。

ウェイクフィールド事件とは、イギリスの医師(当時)のウェイクフィールド氏がMMRワクチン(はしか・おたふくかぜ・風疹の三種混合ワクチン)と自閉症に因果関係があるのではないかという論文を発表したことに端を発する有名な事件です。最終的に捏造が発覚し論文は取り下げられましたが、メディアの報道などを通じてワクチン接種率が下がり、麻疹(はしか)患者の増加などの感染症の流行を引き起こしました。「疑わしきは控える」との慎重の原則が場合によっては多くの人々の健康を損ないうることを示しました。詳しく知りたい方は、■【文献】ワクチンやそれに含まれるチメロサール,水銀は自閉症と関連しない.メタ解析 : EARLの医学ノート■予防接種で自閉症になるという恐怖の拡大に加担したマスコミ側の問題について - warbler’s diaryを参照してください。

HPVワクチンの問題点について考えようとするときに、過去のワクチンについての議論に関心がないというのは、私には信じがたいことです。新しい公害事件について考えるときに、水俣病を知らない、関心がないというようなものです。もちろん、HPVワクチンとMMRワクチンは異なります。もしかしたら、ウェイクフィールド事件ではなく、薬害エイズ問題*1に教訓を得なければならない事態かもしれせん。どちらにせよ、過去の教訓に学ぶことは、現状の把握と同じくらい大事なことではないですか。

人体も病態も複雑です。臨床医は複雑な問題に立ち向かわなくてはなりません。利用できる情報は最大限に利用しなければなりません。たとえば、原因不明の発熱、血小板減少、全身の皮疹がある患者さんの診療に苦慮していると仮定しましょう。澤田石先生のおっしゃりようは、「過去に発表された、同様の症状の患者さんの症例報告を読みましたか?」という指摘に対して、「読んでいない。関心もない。患者さんの状態だけに集中しよう」と言っているようなものです。

澤田石先生は、「中心課題のみ。今、ここにある危機だけに集中しよう」という言葉を、無知と怠惰の言い訳にしていませんか。



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■澤田石先生からのご質問へのお返事、および、こちらからの質問の再掲

■澤田石先生に対する反論(2016年1月30日)

*1薬害エイズ事件も一部に信じられているような単純な問題ではないのだが、だからこそ教訓になる

isshy7374isshy7374 2016/02/06 12:38 こんにちは。
ウェイクフィールド事件を全く知らない立場で拝見したのですけれど
紹介されている事件関連のリンク先が長文で、ハードルの段差が大きいとの感想を持ちました。
実は、詳しく知りたいと思ってリンクをたどったわけではなく
何がどう健康を損ないうるのかよくわからなかったのでリンク先を読まざるを得なかったというところです。

「MMRワクチンで自閉症になる」という論文が出され、捏造が判明して12年後に撤回されました。世間は論文を見て大騒ぎになり、ワクチンの接種が控えられるようになりました。接種率は大幅に低下し、ワクチン接種していれば防げたであろう感染が数多く発生してしまったのです。詳しく知りたい方は〜

私の現在の理解で事件について勝手に構成すると例えばこのようになります。
ブログリンク紹介前の中間経由地として、
こういった感じの一文を(私の文そのままでなくても)はさんでおいて下さると大変ありがたく思います。
ご検討いただけないものでしょうか。

NATROMNATROM 2016/02/06 18:24 ご指摘の通りです。ありがとうございました。

「最終的に捏造が発覚し論文は取り下げられましたが、メディアの報道などを通じてワクチン接種率が下がり、麻疹(はしか)患者の増加などの感染症の流行を引き起こしました。」

という一文を挿入しました。ついでに、MMRワクチンについて「(はしか・おたふくかぜ・風疹の三種混合ワクチン)」との説明を追加いたしました。

isshy7374isshy7374 2016/02/06 20:42 NATROMさん、ありがとうございました。
あらためて読み返してみると、さらに理解が深まりやすくなったように思います。
ブログ本文の構成に口出しするという不躾なコメントにもかかわらず、
丁寧に対応して下さった事に感謝申し上げます。

mosomoso 2016/02/08 11:26 http://blogs.yahoo.co.jp/koredeiino345
http://koredeiino345.blog77.fc2.com/
自称「大学病院部長」という肩書の医師であるという人物で
狂犬病ワクチン接種不要!と言っている人物がいます。
偽医師と断定していいと思いますが、こういうデマを匿名でも書くべきではないですね。医師会なども注意をしてほしいものです。

七海七海 2016/02/08 13:25 どうも納得がいきません。おたふく風邪や麻疹の場合と違い子宮頸がんの場合、個人の心掛け次第でいくらでも防ぐ事ができますよね。妊娠出産は体外受精を主流にすれば…というのは大袈裟でも、ワクチンばかりが重視されるのはどうかと思います。

NATROMNATROM 2016/02/08 14:15 仮にHPVワクチンばかりが重視されていたとしたら、私もどうかと思いますが、実際には子宮頸がん検診についても情報提供されています。通常はHPVワクチン接種時に、「ワクチンだけでは子宮頸がんを完全に予防できないので、検診を受けるように」といった説明を受けます。
ワクチン接種機会がHPVをはじめとする性感染症の知識の啓蒙に役立っているという指摘もあります。海外では、HPVワクチンを受けた群のほうが受けない群と比較して、「常にコンドームをつける」という行動が多かったという報告があります。もともと意識の高い人たちがワクチン接種を選択しているという可能性もありますが、ワクチン接種を機会に性感染症についての知識を得て、より安全な性行動を取るようになったという可能性もあります(おそらく両方の要因が寄与している)。
「子宮頸がんの場合、個人の心掛け次第でいくらでも防ぐ事ができる」といのは正しくないと思います。それこそ、性的接触を禁止して、妊娠出産は体外受精かHPVの検査を受けた要資格者のみが可能というディストピア的未来でもない限り。

Dr. BambooDr. Bamboo 2016/02/12 10:09 合理的行動が必要とされる局面では、自分自身に対して懐疑的である必要がありますが、澤田石先生は昔から括弧付きの「善意の人」だからなあ。
全国医師連盟発足時の頃に感じたことですが、「善意」が免責になって、他人の意見は聞かない方でしたね。