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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2016-09-27 Cunliffeさんに質問です。論敵を「殺す」のは構わないのですか?

[]Cunliffeさんに質問です。論敵を「殺す」のは構わないのですか? Cunliffeさんに質問です。論敵を「殺す」のは構わないのですか?を含むブックマーク

死村さんという方の『もしも「合理的」で「科学的」な優生思想が見いだされたら、菊池誠や佐々木俊尚や糸井重里のような思想の者は、「合理的で科学的だから」と人を殺すのをよしとする訳です』というツイートが注目されています(■はてなブックマーク - 死村さんのツイート)。

すでにブックマークコメントにありますが、合理性や科学性は倫理よりも下位にあたるものですから、死村さんのツイートは的外れです。たとえば菊池誠さんは血液型性格診断を批判していますが、その科学性とは別に倫理的な側面についても言及しています。仮に血液型性格診断が科学的に正しいとしても、企業が労働者を採用するにあたって血液型を利用するのは差別にあたる、というわけです。企業にとって科学的で合理的であってもです。

死村さんの前後のツイートも読んでみました。強いて擁護すれば、ニセ科学に批判的な論者の一部には、倫理よりも科学性や合理性を上位に置いているように見える人も中にはいるでしょうから、そういう人たちに対する批判であると解釈できなくもありません。だとしても、批判対象の主張を引用するなりしない限り、相手の言っていないことを批判する「架空のわら人形論法」にしか見えません。

死村さんにツイートに対するブックマークコメントに、id:Cunliffeさんによる、

f:id:NATROM:20160927085609j:image

「そろそろニセ科学批判の中から例の長谷川豊を婉曲に擁護する意見が出てくる頃合いだと思ってる。」(■Cunliffe のコメント / はてなブックマーク

というコメントがありました。「例の長谷川豊」とは、「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」という意見のことです。ニセ科学批判を行っている人はたくさんいますので、中には長谷川豊氏を擁護する人もいるかもしれません。しかしそれなら、長谷川豊氏を擁護した個人を批判対象とすればいいだけです。

私の知る限りでは、ニセ科学批判を積極的に行っている人たちで、長谷川豊氏を擁護している人はおらず、むしろ批判的な立場に立っています。私も、3年前にすでに、■生活習慣病の自己責任論についてにて、人工透析の「自己責任論」対して批判をしています。なぜ「ニセ科学批判の中から例の長谷川豊を婉曲に擁護する意見が出てくる」とCunliffeさんがお考えなのか、私にはわかりません。これも「架空のわら人形批判」ではないかと、私には思えます。

私と同じく、Cunliffeさんも「自業自得の人工透析患者を殺せ」という意見は根本的に間違っているとお考えだと信じます。殺していい人間なんていません。ただ、Cunliffeさんは、「殺していい人間」がいるとお考えであるようです。

f:id:NATROM:20160927085608j:image

「やはり、こいつとかキクマコとか歴史修正主義者の毎日新聞記者の斗ケ沢とかの知識人ぶってる阿呆を殺し尽くすところから戦後をやり直すしかないね。」(■Cunliffe のコメント / はてなブックマーク

「死に絶えるのを待つ」とかではなく「殺し尽くすところから戦後をやり直すしかない」です。論敵が間違ったことを言っているからといって、「殺し尽くす」というのは穏やかではありません。言論には言論で対抗するというのが、民主主義社会ではなかったのですか。もしかすると「キツメのスラング(崩し言葉)」のつもりだったんでしょうか。文脈を調べたらわかるのですか。

それとも「殺せ」ではなく「殺し尽くすところから戦後をやり直すしかない」だからOKなのでしょうか?もし、長谷川豊氏が「自業自得の人工透析患者を殺せ」ではなく「自業自得の人工透析患者を殺し尽くすところから医療制度を見直すしかない」と述べていたらOKだったんですか?

Cunliffeさんの「真意」を聞きたいです。



関連記事

■「自業自得」の透析患者。どうやって線引きをするつもり?

kiya2015kiya2015 2016/09/30 09:53 おそらくidコールで当該人物にこのポストは伝わっているでしょうから、
現時点で応答がなく、なおかつブックマーク行為自体は続けていることから、
当該人物にとってこのポストにおける指摘事項は「図星」なのでしょう。

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2016-09-20 「ソルトウォーターバッシング(塩水洗浄)」は危険です

[][]「ソルトウォーターバッシング(塩水洗浄)」は危険です 「ソルトウォーターバッシング(塩水洗浄)」は危険ですを含むブックマーク

大量の食塩水を飲用して腸を洗浄すると称する「ソルトウォーターバッシング」あるいは「塩水洗浄」というダイエット法が流行っているようです*1。「自宅で簡単にデトックスできる」などと謳われていますが、医学的な観点からは、ソルトウォータバッシングはダイエットの効果に乏しいだけでなく危険です。安易に実行しないでください。



ソルトウォーターバッシングとはどういうものか

ソルトウォーターバッシングの方法は、どのサイトを読んでも大差はありません。概ね、以下のようなものです。


  • 1リットルの生理食塩水をつくる(飲みやすいようにレモン汁を混ぜてもよい)。
  • 朝起きてすぐに1リットルの塩水を20分で飲み切る。
  • 便が出るのを待つ。

水は天然水を、塩は天然塩を使え、とか、ソルトウォーターバッシング後にサプリメントを勧めているところもありますが、だいたいこれだけです。

確かに大量の塩水を一度に飲めば、一時的に便秘は解消されるかもしれません。しかし、別に体脂肪が消費されるわけではないので、食事をして消化管に食べ物が入れば体重は元通りです。ダイエットの効果は乏しいと言わざるを得ません。



一度に大量の水分を摂取するのは危険

効果に乏しいだけでなく、ソルトウォーターバッシングは危険です。まず、一度に大量の水分を飲むのは食道や胃に負担がかかります。1リットルの水を20分で(サイトによっては「10分以内」で)飲み干すことが推奨されています。

医療の現場では、大腸の検査の前に経口腸管洗浄剤を患者さんに飲んでもらいます。その場合、1リットルを1時間のペースで飲みます。しかも、飲み始めはとくにゆっくりと飲んでいただきます。少しずつ飲めば、水分は胃から十二指腸へ、十二指腸から空腸へと送られます。しかし、一時に大量に飲むと胃の内圧が上がり、嘔吐の原因になります。


f:id:NATROM:20160914160821j:image

経口腸管洗浄剤の適正利用のお願い( http://www.gifu-upharm.jp/information/puse/pu1589161210.pdf )より引用。


「1リットルを1時間のペースで」という用法を守らないことで、単なる嘔吐に留まらず、マロリー・ワイス症候群が起きた事例もあります。「マロリー・ワイス症候群」とは嘔吐によって食道が傷つき出血する疾患のことです。腸管洗浄剤であろうと生理食塩水であろうと、急速に胃の内圧を上げることは危険です。



生理食塩水でも体に吸収される

サイトによっては「体液と同じ濃度に調節されているので体に吸収されない」などと書かれていますが誤りです。普通に吸収されます。だって、水と塩化ナトリウムですよ?

体に吸収されないなら、わざわざ20分間という制限なしで1時間でも2時間でもかけてゆっくり飲めばいいんです。実際、経口腸管洗浄剤は、体に吸収されにくいように工夫がしてありますので、ゆっくりと飲んでも大半は消化管を素通りします。しかし、生理食塩水をゆっくり飲んでいるとどんどん体に吸収されてしまいます。だから、急いで飲め、とされているのでしょう。サイトによっては、「塩水は体内には吸収されず、胃から大腸をそのまま通過」と書きつつ同じページに「味わいながらゆっくり時間をかけて飲んでいると、腸内で最初に飲んだ分の吸収が始まってしまう」と書かれているところもあります*2

(胃に負担をかけつつ)急いで飲めば、体に吸収される量は少なくて済むでしょうが、それでもそれなりの量の塩分が吸収されます。むくみの原因にもなりますし、腎臓や心臓にも負担がかかります。ソルトウォーターバッシングは、健康的なダイエットどころか、食道や胃や腎臓や心臓に負担をかけつつ、別に体脂肪が減るわけでもないという、数あるダイエットの中でも不健康な部類に入ります。



お手軽なダイエット/健康情報を信じること自体が危険

ソルトウォーターバッシングについて調べて気づいたのですが、同じような内容のサイトがたくさんあります。まったくのコピーというわけではないのですが、情報としてはほとんど同一です。もちろん、間違っているところもです。お手軽に記事を量産して、広告で利益を得るのが目的と思われますが、完全に記事をコピーすると著作権に問題が生じるので、少しずつ内容を変えているのでしょう。

そういうサイトには、ソルトウォーターバッシング以外にも、ダイエットや健康についての情報がたくさん書かれています。こうした記事は信頼できるでしょうか?こうした記事を書くライターは、医学について教育を受けていると思いますか?誰かが「生理食塩水は体に吸収されない」という嘘を書いたら、それをそのまま信じ込んで、その嘘をコピーするような人たちです。量産されたダイエット記事や健康情報を信じるのは潜在的に危険です。



関連記事

■肝臓洗浄(レバーフラッシュ/肝臓デトックス)は本当か?

*1:「"Salt Water Bathing"だと塩水のお風呂という意味ではないか」と思った方もいらっしゃるだろう。海外では"Salt Water Flush"が一般的で、あっても"Internal Salt Water Bathing"である。なぜか日本では「ソルトウォータバッシング」となっている。たぶん、大本が「ソルトウォータバッシング」と訳してそれがコピーされたのだろう

*2:http://macaro-ni.jp/32155

空 2016/09/24 16:36 これ正しい発音は、バッシングなんでしょうか
ベイジング?

NATROMNATROM 2016/09/25 07:53 ベイジングのほうが正しいと思うのですが、最初に誰かが「バッシング」と間違って、その間違いがどんどんコピーされていったのではなかろうかと。

通りすがり通りすがり 2017/02/23 13:07 ソルトウォーターバッシング(正しい発音がベイジング?)の場合は最初に「インターナル(体内の)」がつくという訳ですね。
ただ、日本でもソルトウォーターフラッシュという言い方も普通にされていますね。

それと何でもダイエット法に安易に結びつけるのは私も反対ですが、これはレモネードダイエットとかマスタークレンジングとか言って、ソルトウォーターフラッシュをして腸内を洗浄しながら行う断食法だった筈です。
腸内洗浄だけで体脂肪が減る訳が無いのは当たり前の話ですが、そこまで調べずに批判するのもどうなんだろうかと思いました。
一つ言っておきますと、私は特にダイエットに興味もなく、ダイエットを目的とした断食というものにもあまり賛成的ではありません。ただ、古くから断食療法的なものはありますし、ファスティングなどと言って最近は研究されていたりもしますので、何らかの良い効果はあるのかもしれません。

このソルトウォーターフラッシュですが、最近ニュースでも危険ということで取り上げられたようです。確かに(食塩水に限らず)一気に水分を飲むことには危険性がありそうです。
少しお聞きしたいのですが、生理食塩水は体内に吸収されるということですが、これも当然と言えば当然にも聞こえるのですが、では何故このソルトウォーターフラッシュが成功するのでしょうか。単に急激に水分を取ったから胃腸が驚いた、などの理由では説明出来ない気がするのですが、どうでしょうか。
また、確かに成功しても多少は体内に吸収されるでしょうが、ほとんどの食塩水が体から出てきます。その場合は吸収される量はごくわずかだと思われますが、それに関してもどう思われるでしょうか。

通りすがりに時期遅れのコメントですが、少々気になったのでコメントさせて頂きました。

通りすがり通りすがり 2017/02/23 13:07 ソルトウォーターバッシング(正しい発音がベイジング?)の場合は最初に「インターナル(体内の)」がつくという訳ですね。
ただ、日本でもソルトウォーターフラッシュという言い方も普通にされていますね。

それと何でもダイエット法に安易に結びつけるのは私も反対ですが、これはレモネードダイエットとかマスタークレンジングとか言って、ソルトウォーターフラッシュをして腸内を洗浄しながら行う断食法だった筈です。
腸内洗浄だけで体脂肪が減る訳が無いのは当たり前の話ですが、そこまで調べずに批判するのもどうなんだろうかと思いました。
一つ言っておきますと、私は特にダイエットに興味もなく、ダイエットを目的とした断食というものにもあまり賛成的ではありません。ただ、古くから断食療法的なものはありますし、ファスティングなどと言って最近は研究されていたりもしますので、何らかの良い効果はあるのかもしれません。

このソルトウォーターフラッシュですが、最近ニュースでも危険ということで取り上げられたようです。確かに(食塩水に限らず)一気に水分を飲むことには危険性がありそうです。
少しお聞きしたいのですが、生理食塩水は体内に吸収されるということですが、これも当然と言えば当然にも聞こえるのですが、では何故このソルトウォーターフラッシュが成功するのでしょうか。単に急激に水分を取ったから胃腸が驚いた、などの理由では説明出来ない気がするのですが、どうでしょうか。
また、確かに成功しても多少は体内に吸収されるでしょうが、ほとんどの食塩水が体から出てきます。その場合は吸収される量はごくわずかだと思われますが、それに関してもどう思われるでしょうか。

通りすがりに時期遅れのコメントですが、少々気になったのでコメントさせて頂きました。

通りすがり通りすがり 2017/02/23 13:13 意図せずに二重書き込みになってしまったようで、申し訳ありません・・・。

ソルトウォーターフラッシュに限らない話ですが、腸内洗浄は腸内細菌まで流してしまう、という問題もあるようですね。
それによって一時的に腸内環境が乱れることもあるようです。

NATROMNATROM 2017/02/23 18:18 通りすがりさん、コメントありがとうございました。

>生理食塩水は体内に吸収されるということですが、これも当然と言えば当然にも聞こえるのですが、では何故このソルトウォーターフラッシュが成功するのでしょうか。

何をもって「成功」と言うのかにもよりますが、体験談等を読む限りでは「体重が減って、お腹がすっきりした」というのが成功だとされているようです。「ソルトウォーターフラッシュ」は要するに生理食塩水で腸内容物を排泄させるわけですから、施行直後は体重が減るのは当然のことです。ただ、ご承知の通り脂肪を燃焼させるわけではありませんので(一時断食した分の効果は若干はあるでしょうが)、何か食べれば元通りです。「お腹がすっきり」も単に便秘が一時的に改善しただけの話です。

「生理食塩水は体に吸収されるはずではないか」という疑問ということであれば、「一部は吸収されるけど全部が吸収されるわけではない」は回答になるでしょうか。ゆっくり飲んだらその分吸収される量が多くなりますので、10分間とか20分間とか急いで飲むことが推奨されているんでしょう。急いで飲めば、生理食塩水の大部分が吸収されず消化管を素通りして出てくると思います。

通りすがり通りすがり 2017/02/23 22:14 NATROMさん、お返事有難うございます。

私が言った「成功」ということですが、飲んだ食塩水がそのまま出てきて腸内洗浄が成功することを意味していました。
「失敗」した場合は、それが全く出てこないそうで、胃の中に内容物などがある状態で行えばそうなるようです。
実は私はこの腸内洗浄法を何度か行ったことがあるのですが、条件を守っているお蔭か失敗したことがありません。危険があるということが判明しましたので、これからはリスクを覚悟で自己責任で行わねばなりませんが・・・。

NATROMさんも含め、ソルトウォーターフラッシュを批判している方々は断食に触れていないことが多いように思いますが、断食の場合であってもそれだけではいずれリバウンドするであろうことは同じことだとは思います。
しかし、体重が減ることもお腹がすっきりすることもNATROMさんが仰る様に腸内洗浄の効果としては当然のことであると思いますが、流石にこんな単純なことが分からない人が多くいるとは思えませんし、そのような紹介のされ方をされていたということは無い気もするのですが・・・。
私が知らないだけであれば申し訳ないのですが。

それと質問にもお答え頂き、有難うございます。
早く飲めばほとんど吸収されないが一部吸収される。ゆっくり飲めばそれだけ吸収される量が多くなる、ということですか。
私も試していないこと故分からない部分もありますが、これが生理食塩水以外の飲み物であれば短時間で飲んでも同じように効果があるとは思えません。
やはり、浸透圧などの関係で生理食塩水はそのような効果が出やすい、ということなのでしょうか。
気になる所ですね。

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2016-09-07 前の本より読みやすい!『各分野の専門家が伝える 子どもを守るため

[][]前の本より読みやすい!『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』 前の本より読みやすい!『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』を含むブックマーク

cover

■各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと(メタモル出版)

もうすでにご存知の読者もいらっしゃると思いますが、『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』という本が出ました。タイトルの通り、複数の分野の専門家が、主に子育てを行っている世代の大人を対象に書きました。私も「ホメオパシーをすすめられました」「フッ素って危ないの?」という章を担当しました。

ホメオパシーについてはこのブログの読者はお馴染みでしょう。フッ素については、齲歯(虫歯)予防のフッ化物利用について書きました。特別なことは書いていません。コクランレビューや質の高いメタアナリシスに基づいています。

発売されて1ヵ月ちょっと経ちました。■Amazonのカスタマーレビューは、最初は好意的なものばかりでしたが、最近は否定的なレビューもあります。ほとんどが、星5つか星1つに分かれるというのも興味深いところです。『「ニセ医学」に騙されないために』も似たようなパターンをとりました。一定数のアンチが生じるのは仕方がないことかもしれません。

他の著者の方々も、このブログの読者にとって馴染みが深いでしょう。宋美玄さん(自然分娩、母乳育児)、森戸やすみさん経皮毒、薬一般)、成田崇信さん(マクロビ、トランス脂肪酸)、畝山智香子さん残留農薬、食品添加物)、菊池誠さん(「水からの伝言」、放射能、EM菌)。

『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』の内容は、医学やニセ科学の分野に限りません。教育については、知らなかったようなことが書かれていて、たいへん勉強になりました。

「誕生学」については、私も耳にしたことはありますが、あまり詳しくありませんでした。自殺予防教育の一貫として一部の学校で採用されていますが、専門家によると「誕生学」のような「命の大切さ」を伝える自殺予防教育は良くない方法なのだそうです。「誕生学」の章は国立精神・神経医療研究センターの精神科医・松本俊彦さんが書いています。清原和博氏(元プロ野球選手)が覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されたときに、薬物依存症の専門家としてコメントしておられました(■薬物問題、いま必要な議論とは / 松本俊彦×荻上チキ | SYNODOS -シノドス-など)。

「2分の1成人式」は、10歳になる小学4年生のための学校行事です。そう言えば私の子どもも「2分の1成人式」を行いましたが、問題点については気づいていませんでした。子どもの家庭背景は多様です。離婚や虐待のない家庭のみを前提にしたような学校行事は問題です。「2分の1成人式」の章は名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授・内田良さんによります。小中学校で行われる組体操、特に競うように高くなっていったピラミッドの危険性を指摘していたことでご存知の読者もいらっしゃるでしょう(■組体操、この先に必要な議論とは / 内田良×木村草太×荻上チキ | SYNODOS -シノドス-など)。

『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』は、子育て世代を対象に書かれていますが、子どもがいなかったり、すでに大きくなってりしている人が読んでも面白いと思います。私の母に読ませてみたところ、「前の本*1より読みやすい」と好評でした。



関連記事

■「ニセ医学」についての本を書きました

*1:『「ニセ医学」に騙されないために』

Dr. BambooDr. Bamboo 2016/09/10 10:25 昨日届きました。
孫が危険にさらされる前に長男夫妻に読んでもらうつもり。

sagarasagara 2016/09/15 19:17 はじめて書き込みます、代替医療で有名な「あはき」を営む者です。
故りーちゃん先生のブログから流れてきました。

NATROM先生に限らず、多くの皆様にご意見を伺いたいことがございます。
代替医療(特に実技を伴うもの)を医学の領域に昇華していくためには、何が必要でしょうか?

積み重ねられた「1症例研究」の山が、私には塵にさえ見えないのです。

PYOPYO 2016/09/15 21:02 純粋に文章上の確認のためsagaraさんにお伺いします。
>「1症例研究」の山が、私には塵にさえ見えないのです。
というのは「1症例研究」の山 が 塵(ゴミ) にさえ(ごみにすら)見えない
つまりゴミ以下にしか見えない、という意味でしょうか?
どうにも文意がとりかねたので、確認したいだけなのですが。

NATROMNATROM 2016/09/16 08:57 sagaraさん、コメントありがとうございました。

最近では製薬会社がコストをかけて候補物質を見つけて最初から臨床試験を行うことも多いですが、症例報告を積み重ねて徐々に標準治療に取り入れられるような治療法もあります。

"積み重ねられた「1症例研究」の山"がどの程度のものかはわかりませんが、優れた症例報告は世界を変えます。「川崎病」という病気をご存じでしょうか。小児の炎症性疾患でいまではどの医師も知っておかないといけない重要な疾患です。ですが、1960年ごろまではこの病気の存在を誰も知りませんでした。

川崎富作先生が優れた症例報告(正確には複数の症例ですのでケースシリーズでしょうか)を行ったことで、疾患に注目が集まり、議論が起こり、現在では治療法もできて多くの子どもたちが恩恵を受けています。

これは治療法ではなく新規の疾患概念についてですが、本当に価値のある医療であるなら、質の良い症例報告を行うことで、誰か他の人の目に留まり、広がっていくのではないかと思います。

ublftboublftbo 2016/09/17 02:37 今晩は。

>sagara さん

シン と エルンスト『代替医療解剖』は読んでおられるでしょうか。
その本は、代替療法に限らず、療法の効果を確かめるにはどうすれば良いか、標準医療に組み込む療法はどのような条件を備えているべきか、という事について詳しく説明している良書ですので、もし未読でしたら、読まれる事をお勧めします。

▼ 引  用 ▼
積み重ねられた「1症例研究」の山が、私には塵にさえ見えないのです。
▲ 引用終了 ▲
これがもし、「塵として捨て去るのは勿体無い」という意味でしたら、実際、シングルケースの場合が情報として役に立たないとは即言えない、と思います。

ただ、これには、「どのように調べたか」や「どのように報告したか」が重要で、たとえば、「自分が施術をおこなった患者さんは確かに症状が改善した」と言うだけでは足りない訳ですね。
症状の改善は、客観性を持つ尺度によって測ったか、とか、その改善は、確かに当該療法自体の効果であったのか、というのをきちんと検討する必要があります。
医学医療分野には、「意味に反応して身体の症状が改善される」という現象、いわゆる「プラセボ効果」がある事が知られていますので、調べたいそのものの効果であるかを検討するには、二重遮蔽(二重盲検)などの方法を採る事が肝腎です。たとえば鍼治療であれば、ダブルブラインド鍼を用いて効果を調べるという研究があります。

ある療法(手技なり)が、広く有用な医療として認められるには、

 ・方法がマニュアル化されている
 ・集団にて効果が実証されている

これらの条件が鍵だと考えられます。もし、その療法が、「上手い人もいれば下手な人もいる」ようなもので、「ばらつき」が大きいのであれば、一般的に、技術が標準化されていない、あるいはそれが普及していない、という事を意味します。「一部の達人の施術なら効くが」みたいなものだと、療法としての汎用性を欠く、と評価される訳ですね。

そして、シングルケースは捨て去る事は出来ない、と先ほどは言いましたが、とは言っても、結果的には、事例は積み重ねられ、集団を観察した時に効果が見られる、という事が確かめられる必要があります。シングルケースの検討によって、何らかの普遍的な要因を見出し、それを、より一般的な技術・療法体系にフィードバックさせ、その体系的方法に基づいた療法を施す事による効果が確認され、効果に比較して有害な副作用が小さいと言えるならば、それは、標準的な医療に組み込まれていく、事と思います。

kakiflykakifly 2016/10/29 01:43 sagara様へ

「1症例研究」の1症例が、1症例にすぎないというのか、たとえ1症例であってもというのか、どちらの意味なのか判然としないのですが。しかし、「代替医療を医学の領域に昇華していく」とありますから、後者と判別します。物理主義者ですから、この世界の現象はすべてデタラメに起きることはないと考えます。何らかの治療を行って、治癒する場合と治癒しない場合があったとします。たとえ1症例であっても、その治療法による結果であることが疑えないのであれば、それは研究対象となります。1症例に過ぎず、統計的に有意ではないとして否定することはしません。治癒した理由があるがあれば、治癒しなかった理由もあるはずです。その違いを探っていくことが、メカニズムや法則解明の糸口になるかもしれないからです。このような変則事例を否定するようでは研究者としての資質がないといえるでしょう。

医学の領域に昇華していくためには何が必要か。諸科学の基礎であり、最も確実な知識である物理学によって説明されればよいでしょう。

kakiflykakifly 2016/10/29 02:15 「治癒した理由があるがあれば」→「治癒した理由があれば」のミスです。申し訳ありません。

NATROMNATROM 2016/10/29 08:44 >何らかの治療を行って、治癒する場合と治癒しない場合があったとします。たとえ1症例であっても、その治療法による結果であることが疑えないのであれば、それは研究対象となります。

たとえば、「じんま疹」や「膀胱炎」の治癒が自然治癒によるものではなく、その治療法による結果であると示すには、比較試験が必要です。比較試験をせずに、「その治療法による結果であることが疑えない」とは主張できません。